今回はレント視点→ライザ視点です。
「お前達には、この鉱石を採ってきてもらう」
俺達は今日、リラさんに呼び出されて集まってる。なんでも船着き場の近くに手ごろな場所を見つけたから、俺達の腕試しやクラウディアの実戦投入、2人の調査の手伝いができるかどうかのテストをそこでしたいらしい。名前は…水没坑道か。
そしてそのクリア条件として見せられたのが青い鉱石だ。…アマタイト鉱石とは違えな。
「今のお前たちの力、見せてもらうぞ」
そこまで言われてちゃやる気も出るってもんだ。絶対にクリアしてやるぜ!
「まず確認するべきは…クラウディア」
「うん。戦いになったら私は敵から距離をとってみんなの支援をすればいいんだよね?」
「ああ、それでいい。…ライザ」
「えっと…結構奥に行ったり…後、強い魔物と戦わないと採れないとかあるかも」
「そうだな、可能性はある。コアクリスタルは温存する方向で行こう。…タオ」
「そこって確か、魔石の鉱山跡なんだっけ?石の魔物とかいたりしないよね…」
「だとすると俺とレントの攻撃は通りにくいかもな…さっきはコアクリスタルは温存すると言ったが、俺とレントはむしろ積極的に使っていった方がいいかもな」
「…おう」
「…どうした、なんだその眼は」
いや、なんつうか…
「お前昨日、自分はリーダーとかそういうガラじゃないっつってなかったか」
「ああ」
「このメンツで1番リーダー向いてんの、間違いなくお前だよ…」
「そうか?」
他に向いてんのが精々ライザくらいってのもあるけど、今みたいな確認作業を率先してやれる奴がリーダー向いてねえわけねえだろ。ライザはとりあえず進む奴だし。
「ふふ、じゃあ宜しくね。リーダー」
「揶揄わないでくれ、クラウディア」
「とりあえず僕は魔物に近づかなくていいよねリーダー?」
「近づけと言われても拒否するだろうが、お前は」
「リーダー!うまく行ったら何かご褒美とかありますか!」
「試験官はリラさんだからそっちに言ってくれ。俺も審査される側だ」
「無い」
「だそうだ」
「えー」
「…レント、お前の一言のせいで、みんなが俺を一斉にいじり出したんだが」
ホント、どいつもこいつもノリがいいな。この流れ、俺も乗らなきゃ嘘だぜ。
「悪かったな、リーダー」
「蹴るぞ」
おい俺だけストレートに暴力が飛んでくるんだが!?女子2人は兎も角タオとの差は何だよ!?
「ふむ、チームワークは問題なさそうだな?」
「気が抜けすぎ…いや、こいつらはこれくらいが丁度いいのかもしれんな」
と、とりあえず蹴られる前にさっさと出発だ!
「キレイ…」
「船着き場の近くに、こんな場所があったんだ…」
水没坑道に着いたら、女子2人が中の光景に見とれていた。確かに綺麗だとは思うが…感動まではいかねえな。
「魔石の光か。とりあえず、明りの心配はしなくて良さそうだな」
「でも、どこかに暗いところもあるかも。そういうところに入り込まないよう、慎重に行こう」
こっち2人は状況確認。そうだな、光が無いところじゃ戦いも探し物も出来やしねえ。
「よし、新しい錬金術の素材集めと試験達成のために、行こうか」
「おー!」「うん!」「早く終わらせよう」「おうよ!」
やっぱお前、リーダーだって。
さて、そんな感じでクラウディアを連れた初めての冒険が始まったわけだが…
「あ、きのこ。採っていいかな?」
「ああ。気を付けろよ」
「うん。…きのこって、丸っこくてかわいいよね」
…なんか、いつも通りな感じだな。
「…緊張とかしてねえんだな?」
「え?うん。だって、みんな頼りになるって解ってるから」
「ふふふー、ありがとね」
信頼されてんなあ、俺達。いや、だとしてもここまで落ち着いてんのはすげえけどよ。結構冒険向けの性格してんだな…
「凄いなあ、クラウディアは。僕は今でも緊張してるよ…」
「お前はむしろそうしてくれ。誰か一人が危機感を持ってくれているだけで大分違うからな」
そういう意味じゃタオも大事な役割持ってんだよな。一番早い引き際の提案役っつーのか。
「さて、じゃああのゴーレム達相手に初戦闘と行くか?」
「おう。腕が鳴るぜ!」
「石のゴーレム…剣とか通りにくいかもしれないから、気を付けてよ?」
「じゃああたしとクラウディアは魔法で攻撃ね!」
「うん。みんなのサポートもするよ!」
じゃあ、戦闘開始だ!
「大分倒したな。目的の鉱石も手に入れた」
「大活躍だったわよ、クラウディア!」
「ライザも凄かったよ。魔法とフラムでいっぱい倒してたもの」
「俺はクラウディアの支援が無いとキツかったな…剣がダメになってねえといいけどな」
「無理やり倒してたもんね、レント…」
とりあえず見かけたゴーレムは粗方倒した。…とりあえず、クラウディアすげえってなったな。初めての戦闘だってのに、メチャクチャ落ち着いてた。俺達全員を魔力を乗せた音で強化しつつ、ついでみたいに魔物を攻撃してたし、常に魔物と一定の距離を保つことも出来てた。
いくら小さいころから商隊に付いて行ってるからって、こんな度胸付くもんか?それとも単に、元々そういう気質ってだけなのか?
「冒険って楽しいね。どんなところで、何があるのか、みんなと一緒に見つけられるんだもの」
「うんうん、やっぱりそこが一番大事なのよ」
「発見が更なる発見を呼ぶ。これ以上楽しいことは無いな」
「これで安全なら言うことないんだけどね…」
「そうも言ってられねえから、冒険者って奴はみんな強くなるんだよ」
それに、困難があった方が達成したときの喜びも大きいしな。ただ歩いて塔を目指すだけの旅をやったところで、誰も認めてくれやしねえし、何より俺がつまらねえ。
「さて、指定された素材は入手した。もう帰っても大丈夫だろうが…」
「当然、もうちょっと調査するわよ!」
「ああ。…いつものように、コアクリスタルのエネルギーが無くなるまでにしようか」
そうして、少し奥まで進むと…
「…大きいね」
「ああ、デカいな」
「青ぷにと言い、上位種はとりあえずそのまま大きくなるのが常なのか…?」
そこらにいるゴーレムより一際デカい奴がいた。…アルムがなんか触れちゃいけないところに触れてる気がするが、気にしないでおくか。
「…どうしよっか?」
「今はやめておいた方がいいだろう、無茶をして不合格、なんて情けないからな」
「うん。それに、ここでとれたもので新しいものが作れそうだし…挑むのは次にしよう」
そして、俺達は安全を取り、コアクリスタルのエネルギーがなくなるまで青いゴーレムを倒しまくって、リラさん達のところに戻った。当然、合格判定だったぜ。
リラさんが出した試験が終わって、早速あたしは錬金を始めた。まずあの大きいゴーレム。アイツを倒すためにはフラムだけじゃ足りないかもしれない。ってことで思いついたレシピ変化!爆紛うにから氷びしに変化、そして坑道で採れたアクア絋を入れて…
「できたっ!氷の爆弾、【レヘルン】よ!」
フラムとレヘルン、どっちもぶつけてみて有効そうな方で集中攻撃!どっちも駄目そうなら撤退!我ながらいいアイデアじゃないかな!
「錬金術って、本当に凄いね。素材を入れただけで全く違うものが出来ちゃうんだもの」
「ただの草から中和剤が出来たりするからな。何でもありだ」
ふふふー、その何でもありな錬金術を習得しているのが私なのです!まあまだまだその領域までは行ってないけどね。
因みに、いま私の錬金を見ているのはクラウディアとアルムだけ。レントは早速特訓してるし、タオは本の解読をしてる。
「さーて、それじゃあもう一つレシピ変化、試しちゃおっかな!」
インゴットからこれまた坑道で採れたコベリナイトを入れてブロンズアイゼンに変化!これでなんと、みんなの新しい武器を作ることができるのよ!
で、数的には全員分できるんだけど、ブロンズアイゼンをたくさんつぎ込んだ方がいい武器になる予感がしたから、まずここにいる3人の分から!レントとタオのはもう一度コベリナイトを集めてからしっかり作ってあげよう!
「できた!はい、クラウディア!名前は【クレプスクルン】よ!」
「わあ…凄い。有難うライザ」
「ふふーん、音は後で聞かせてね!次はー、あたしの杖!」
同じようにブロンズアイゼンを入れて…できた!名前は【ヘリオプロクス】にしよう!…光が収まってから、明らかに釜に納まってない杖が出てくるの、なんかシュールだなあ。
「さて、それじゃあ最後にアルムの武器だよ!」
「ああ、頼む」
さーて、張り切っていくぞー…どうだっ!
「できたよ、アルム!早速履いてみて!」
「…軽いな。かなり動きやすい」
普段からいろんなところを歩いてるから、それを邪魔しないようにできるだけ軽くしてみた一品。どんなところでも軽々歩ける便利なブーツ。名付けて…
「【フリーウォーカー】。それがそのブーツの名前よ!」
「ああ、しっかり使わせてもらう。有難うな」
2人とも、あたしにありがとうって言ってくれた。そんなこと言われたら、もっと錬金術を頑張りたくなっちゃうな!さあ、待ってろ新しい素材とレシピ!この錬金術師、ライザリン・シュタウトが作り尽くしてやるぞー!…なんてね。
因みに、レントとタオの武器更新を遅らせた理由はメタ的にも一応あったり。
アルムの武器更新 防刃ブーツ→フリーウォーカー(自由な歩行者)スロットは変わらず3つ。
武器スキル 防刃ブーツ 頑丈な造り(受けるダメージ減少)
フリーウォーカー 自由な動き(スキルのWT減少)
Q,タオとレントの対応の違いは?
A,「この流れの発端になった発言をしておいてあんなことを言い出したからだ。後、レントは兎も角タオを蹴ったらアイツがへし折れる」
Q,クラウディア強くね?
A,レベルとか攻撃力が低いだけでやってることそのものは「行動一回で味方全体バフと敵全体攻撃」なので超ヤバいです。しかも将来的にはデバフも撒ける。多分ゲームでの性能との比較って意味だと一番強化されてます。
ここまで読んでいただき、有難うございます。