変化の連鎖は、10年前のあの日から   作:七人の母

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サブクエは基本ナレ解決していきます。そして無自覚に外堀埋めつつ即刻開門されたライザ。それとアトリエの素材集め完了まで。
今回は終始ライザ視点。


築き始める、信頼とアトリエ

「ふーっ、疲れたー」

 

あたしは今日、島中を駆け回っていた。理由はまあ…気分転換と、ついでに人助けって言うか。クラウディアからアトリエ移設のアイデアを貰い、そのために必要なレシピをアンペルさんに相談してみたら、「家そのものを調合の結果として考えてみろ」って言われた。それでまあなんとなくは思いついたけど、もう少しアイデアを固めたかったから頭のリフレッシュも兼ねてちょっと散歩してた。

そしたら、便利屋のロルフさんが何か悩んでるみたいだったから話を聞いてみたんだけど、なんでも最近仕事が無くて困ってるらしくて、ちょっと評判とか依頼とか聞いてきてほしいって頼まれた。あたしも自分が頼られなかった時のことを想像してみたけど…もう本当に凄く嫌というか寂しかった。で、ロルフさんは今実際そういう思いをしてる。だからこう、ちょっとくらい力になれないかなと思って、頼みを聞いた。…結果は「良い人だけど頼みたいことは特に…」って感じだった。まあ、誰かに頼りたくなるような用事なんていきなり言われても無いよね…

まあ、とりあえず頼みを聞いてくれたからってことでお礼をくれた。その内容は…

 

「魚油リキッドは兎も角…固形燃料(ミックスオイル)のレシピなんて貰えちゃうんだもんなあ」

 

思わぬところで錬金の幅が広がってビックリした。お父さんが「誰かを助けた分、自分に返ってくる」ってこの前言ってた気がするけど、こういうことなのかな。

そして、あたしは思いついた。島中の困ってる人を助けたら、またレシピがもらえるかも!?って。…これ思い返すとロルフさんの仕事取っちゃってる気がする。

まあその時のあたしはそんなこと考えもしてなかったから、色々人助けの為に動き回った。お医者さんをしてるエドワードさん、行商人のロミィさん、他にもいろんな人たちの頼みを聞いて回って解決した。…旅好きのダニエルさんとはお話をしただけだし、ヨンナさんからはアルムとのことを羨ましがられたけど。…やっぱりそういう風に見えるのかな、あたし達。ちょっと嬉しい。

…ま、まあそれは置いといて、人助けの成果だけど。

 

普通の紙(ゼッテル)のレシピに…なんかアクセサリーまで貰っちゃった」

 

レシピも嬉しいけど、なんかこのアクセサリー、ちょっと不思議な力を感じるって言うか。冒険に何かしら役立ちそうな感じがする。錬金で同じの作れないかな?ちょっと試してみよう。

後は…あ、そうだ。あの軟膏、バーバラさんの足腰にも効いたみたいだし、ウェインさんにも作って渡してあげよう。後、錬金繊維とかクロースを活用すれば腰巻も作れそうかな?最近「そろそろ庇いきれなくなってきたかもしれん」って言ってたもんなぁ。…よし、レシピも思い浮かんだし早速錬金だ!

で、作って渡しに行ったんだけど…

 

「アルムに言っておくわね。ライザちゃんみたいないい子そうそういないから絶対に逃がすなって」

「うえっ!?いや、えっと、その」

「心配しなくてもこの子は逃げんだろう。ああ、これは大事に使わせてもらう。有難うな」

「え、あ、はい、ど、どういたしまして」

「ふっふっふ、本当にお姉ちゃんになる日が楽しみですなぁ」

「どこで教えてもらったのそんな喋り方…っていうか、あたしだけお姉ちゃんってつけてるの、そういう理由だったの!?」

 

え、これ外堀を埋めちゃったの?埋められたの?両方?多分明日ウェインさん経由でお父さんにも伝わりそうだし…うわあ凄く恥ずかしい思いしそう。久しぶりにサボろうかな、畑。

…まあ朝一で必ずアルムに会える時間だからサボれるわけなかったんだけど。案の定お父さんに伝わって、案の定褒めちぎられて、お母さんは感動までしてた。え、そこまで…?

 

「これから自分の親にももっと孝行してやれ」

「…うん」

 

多少は変わった気でいたんだけど、やっぱりお母さんの中ではまだまだ不良娘だったんだなぁあたし。否定できないけど…まあ、それならこれからどんどん良い事して、安心して見ていられるって言われるようにしなきゃね!

…まあ今日と明日はアトリエを作るんだけど。このままだと孝行どころかとんでもない迷惑をかけかねないし。

 

 

「というわけで、まずこれらを作ろうと思います!」

 

そういってみんなに渡したのは簡易建材、簡易石材、海草土のレシピ。これだけあればあの小屋を建て直して、あたしたちのアトリエにできる!…かもしれない!

 

「今ある素材じゃ足りないのか?」

「どうせだしちょっと厳選しようかなって。できるだけいいもの作りたいじゃない?」

「なるほど、それは確かに」

 

もしかしたら、長い間お世話になるかもしれないんだからね。

 

「どこで調合するんだ?ここじゃ床が危ないだろ」

「だからって屋外でやるのも集中しにくいのよね。…危ないところを避けて、バケツリレーみたいに運ぶ感じでお願いするわ」

「…落とさねえように気を付けねえとな」

 

ちょっと重いかもだけど…うん、アルムとレントなら大丈夫でしょ。

 

「建築関係の知識とか技術とか大丈夫なの?」

「…その辺りもレシピと一緒になんか浮かんできたのよね。こうすればいい感じになる、とか」

「どうなってるの錬金術って…いや、それが出来るから錬金術士になれるのかな」

 

物だけじゃなくて、知識もいきなり出てくる感じが偶にするのよね…錬金術、すごいわ。

 

「力仕事、私に手伝えるかな…」

「クラウディアはそこまで無理しなくていいわよ。代わりって言ったらなんだけど、明日のお昼の準備とかお願いして良い?」

「うん、わかった」

 

力仕事だけが仕事じゃないしね。なんならあたしもそのときは指示出しに専念するつもりだし。

 

「弁当の準備くらいなら俺とレントも出来るが…」

「アルム君とレント君ってお料理できるの?」

「俺は朝母さんを手伝うことがあるからな」

「俺のとこは母ちゃんが逃げたし、親父はやらねえっつーかできねえからな…」

「ご、ごめんねレント君…」

「そもそも2人は力仕事で頑張ってもらうんだから、そこはクラウディアに甘えときなさい」

 

最近気づいたけど、こういう時結構色々したがるのよね、アルムって。

 

「さーて、じゃあ素材を採りに行くわよみんな!」

「ああ」「おう!」「「うん!」」

 

さーて、今日一日でどれだけいい素材が集まるかな!

 

 

「えっと、この草で良いの?」

「そうよー。…あ、右の奴の方が良いからそっちもお願いね」

「僕に斧で木を斬り倒せるわけないだろ!?ライザ代わってよ!」

「何言ってんのよタオ!二人を見なさい!」

「変に力を入れ過ぎない方がいいぞ。こうやって…ふっ!」

「よっ!お、やってみると結構楽なもんだな」

「ね?コツがあるのよコツが」

「…解ったよぉ」

「後で私もやってみて良い?」

「いいけど、キツかったらすぐ言うのよ?」

 

 

「よいしょっ!」

「ふっ!」

「そらよっ!」

「おりゃっ!」

「…」

「待て待て待てフルートで何する気だ!?」

「そういう道具じゃないでしょそれ!いくらあたしが錬金したものだからって限度があるからね!?」

「だってみんな、自分の武器で採集できてるから…」

「魔力をぶつければいいんじゃないか?」

「…あっ」

「変なところで抜けてるよね、クラウディア」

「…みんなと同じように、やってみたかったの…」

「っていうかこっちは普通にやるのねタオ」

「こっちは叩けばいいだけだからね。伐採は力加減とか結構キツいし…」

 

 

「こういう砂とか水も、錬金術の素材になるんだな」

「何が使えないのかを探す方が早いかもしれないくらいだな。少なくとも虫や魚は使えるから、生物も大抵は対象内かもしれないな」

「二人とも、よくそんなに、余裕で、運べるね」

「す、砂とか水って、集まると、こんなに重い、んだね…」

「クラウディア、無理しない無理しない!手伝うわよ!」

「ライザも、大概、だね…」

「戦闘と採集を続けてると自然と力も体力もつくぞ」

「…女の子としてはちょっとどうかと思ってるけどね、最近」

「でも、そういうの、ちょっと、羨ましい、な。私も、ライザ、みたいに、頼もしい、女の子に、なってみたい」

「…それは構わないが、腹筋が割れたり力こぶが出来たりするところまではいかないでくれよ?」

「ルベルトさんがどんな顔するか分かんねーな、そうなったら…」

 

 

そんな感じで、みんなで1日中採集して回った。

 

「お疲れ様、大分集まったわ!」

「つ、疲れた…」

「帰ったら、すぐお風呂に入ろう…」

「俺達じゃ素材の厳選はできねえし、どうする?」

「ああ、俺は少し雑貨屋に寄る。お菓子作りの基礎、みたいな本を見かけてな。エルが挑戦したがっていたし、買っておこうかと」

「あ、それ後で借りていい?錬金術に活かせるかも」

 

アンペルさんも言ってたっけ、「錬金術は菓子も作れる」って。何か試してみよう。…そういえばあの時、アンペルさんがなんか色々話し始めて、リラさんが途中で止めてたけど、止めなかったらどうなってたんだろう。

 

「よし、それじゃあ明日、アトリエを建てに行くわよ!おーっ!」

「応!」「おうっ!」「おー…」「おー!」

 

いよいよ明日!ふふっ、どんなアトリエができるかな!すごく楽しみ!




次回、いよいよタイトルコール。

Q,前半部分、アルムは何してたの?
A,レントと共に広場に直接船で向かうルートの確認と、広場の下見を改めてやってました。

Q,ライザ超歓迎されてるね?
A,元々アルムと両片思いなのは知ってて、それで十分好意的ではありました。そこから錬金術なんてものを習得して、やることが人助けなんだからそりゃ歓迎もされますよね。

Q,知識がいきなり出てくる感じってそんなのあったっけ?
A,なかったと思いますが、そういうのが無いとまずレシピが思いつかないだろうと思ったので。

Q,レントって家事出来るの?
A,どこかで「あの親父が家事やるとも思えないし、もしかしてレントがやってるのか?」みたいな考察を見かけたので。因みに上手い順にレント(いつも全部やってる)→アルム(日頃から手伝ってる)→クラウディア(自分でちょいちょいやってそう)→ライザ(修行中)→タオ(やる気なし)って感じです。

Q,クラウディアは何をやろうとしてるの…
A,原作でもフルートブーメランで攻撃してるので…

ここまで読んでいただき、有難うございます。
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