変化の連鎖は、10年前のあの日から   作:七人の母

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こういうサブタイ、考えるの結構大変。思いつくと結構気持ちいいんですけどね。

フィルフサ遭遇の報告&原作での課題消化。既にクラウディアが加入しているので、単なる人助けになりました。
今回はレント視点→ライザ視点です。


浮上する脅威、沈みゆく危惧

「…そうか、「奴ら」を見たか」

 

あの化け物を発見し、すぐに島に戻ってアンペルさんにそのことを話したらリラさんがそんなことを言い出した。奴ら…もしかして、あんなのがたくさんいるってのか?考えたくねえ…

 

「知っているんですか?」

「ああ。…聞き込みで成果が無かったから無関係だと思っていたが、まさか現れるとはな」

 

聞き込み…?あいつらは、2人の目的に関係あるのか?

 

「奴…いや。奴らは一体、何なんですか?まるで、この世界のものとは思えなかった」

「詳しい事はまだ話せん、迂闊に明かせる情報では無くてな。…そうだな、今からアトリエまで案内してもらえるだろうか」

「今から?…日が落ちるまでに戻れるかな」

「ああ、それまでには戻れと言われているんだったな。…どうする」

「アトリエを建てて、奴らの気配に充てられて体に疲労もたまっている筈だ。調査は急ぎたいが、こいつらにあまり無理をさせるのもな」

「ふむ、なら明日の朝だな」

 

俺は野垂れ死にしてなきゃいいって感じだから門限みたいなのは無えも同然なんだが…どうせならライザも自分で成果を見せたいだろうからな。ここは黙っとくか。

 

「お前達、特にクラウディア。体をゆっくり休めろよ。それと…」

「それと…?」

「よくやった。奴らの存在を見つけ、その上で無理をせず無事に帰って来た…その事実はそれだけ大きい」

 

よくやった、か。へへっ、やっぱ認められるのは嬉しいもんだな。

 

「アトリエの案内ついでに、万が一逃げられない状況で奴らと遭遇した時の対処法も聞いておきたいのですが」

「当然だ。今回は慎重に立ち回れていたようだが、それがいつも通用するとは限らんからな」

 

またいつ出会うか分からねえからな。自力でどうにかできるようになるならそれに越したことはねえ。

 

「よし、なら今日は解散だな。…念のためだ、明日も冒険は休みにしよう」

「アトリエも、安全が確認できるまで使えないもんね。せっかく建てたのになー…」

「あいつ等に関する情報が載った本とか無いか、調べてみるよ」

「お父さんに心配とかされないかな…」

「ヘタに隠さない方が良いと思うぜ。隠される方がかえって心配になる…らしいからな」

 

俺には経験ねえから分からねえけどな。さて、もう帰って休むとするか。

 

 

「これが、あたしたちが作った【ライザのアトリエ】だよ!」

「ほう、良いものを作ったな。…さて」

 

自信満々にアトリエを紹介するライザと感心するアンペルさん。ちゃんと褒めるあたりやっぱ良い人だよなあ。

 

「どうだ?」

「この辺りに痕跡は無いな。…森の中の、詳しい再調査が必要だろう」

「そうか…ライザ」

「何?」

「私達をここに住まわせてくれないか?…無粋なのは解っているが、奴らの見張りがしたい」

「うん、むしろこっちからお願いしたいくらいだよ!」

「2人がいてくれるなら、ここも安心して使えるね」

 

いざって時は錬金術のアドバイスもくれそうだしな。つまり、どっちにも得しかねえわけだ。

 

「さて、それでは奴らの対処法についても聞きたいんですが」

「ああ。…といっても、中型の種は今のお前達でも対処はし得る。だから大型の種の対策を重点的に教えるぞ」

「よし、きっちり頭に叩き込んでやるぜ」

 

動きは重いがその分パワーがあるから正面からぶつかるのは拙くて、炎が有効…フラムがある内はいいが、切れたらアルムの負荷がデカくなりそうだな。見た目相応にタフらしいから、一瞬で片を付けることより守りを固めることを意識した方が良い…そこは俺の出番か?受け流す技術をもっと高めた方が良さそうか。

…アイツの動きを見たわけじゃねえから、まだまだ倒せるイメージは湧かねえな。今はとにかく単純な実力をつける方が良さそうだ。

 

 

 

「しかし、昨日はホント大変だったよね」

「うん。あんな魔物が出てくるなんて…」

 

案内が終わった後、あたしはクラウディアの家に遊びに行った。レントはいつも通りで特訓で、タオは血眼になってあいつ等に関する資料を探そうとしてて、アルムはそれの手伝いをしてる。何でも、普段の解読は任せきりだからこういうことくらいは手を貸したいって。タオは気にしてないと思うけどなー。

 

「アルムなんか大変だったらしいわよ?すごく心配されたらしくて」

「エルちゃんに心配されたら…すっごく心が痛くなりそうだね」

「泣きそうな顔をされたから、こっちまで泣きそうになったって。アルムってこういうの結構隠すの得意そうに見えたけど、駄目だったみたい」

 

エルちゃんが絡むとその辺りかなり脆くなるんだよね、アルム。因みにあたしは…多分誤魔化せてないだろうなあ。気づいて無い振りされてると思う。タオとクラウディアもすぐ寝て休むよう言われたみたいだし、やっぱり家族って解っちゃうのかな、そういうの。…レントからはそういう話全くないけど。ザムエルさんはこういう時何か言ったりしないのかなぁ。

 

「…よし!暗い話はやめてそろそろ楽しい話題にしよう!」

「言い出したのはライザだけどね…あ、じゃあ1つ聞きたいんだけど」

「え、何々?」

「アルム君を好きになったのって、何時から?」

「へっ!?」

 

こ、ここで恋バナ!?っていうかクラウディアの前でそんなあからさまな態度取ったっけあたし!?

 

「2人きりで素材集めの為に対岸に渡ってるって聞いたよ?一応デートって名目で」

「だ、誰から?」

「みんな。…あの時私を帰したのって、そういう理由もあったんだね?」

「し、心配したのも本当だからね!?」

「ふふ、大丈夫だよ。心配してくれてたのは分かるし、そういう理由なら仕方ないかなって思ってるから。…それで、何時から?」

 

これちゃんと言うまで引いてくれないやつだ…!恥ずかしいけど、言うしかないなぁ…

 

 

「――じゃあ、ライザの初恋は10年以上も続いてるんだね」

「そう言われると死ぬほど恥ずかしいなぁ…」

 

切っ掛けから最近のあれこれに至るまで、全部話すことになった。周りから指摘されるよりもっと恥ずかしいよ、コレ…

 

「でも、隣に立ちたいっていうのはちょっと意外だったかな。ライザって結構前に出るタイプだと思ってたから、アルム君の事も引っ張っていきたいって感じなのかなって」

「あー…なんていうか。アルムには基本助けられっぱなしだなって意識持ってたから、そういう考えが浮かばなくて」

「そうなの?」

「10年前に助けて貰った分も返せてないって思ってるからね。だから、錬金術でようやくその分返せそうかなって。実際結構頼ってくれることも増えたしね」

「そうなんだ…」

「まあ、それはそれとして今でも助けて貰ったりするのは嬉しいし、頼れる人でもあってほしいんだけどね」

 

だからまあ、お互い助け合って頼りあって。そういう「対等」が今1番欲しいアルムとの関係なんだ。

 

「…うん、私も、そう思えるような人を見つけられると良いな」

「ああ。どんな間柄であろうとも、持ちつ持たれつが最も長続きするからな」

「ルベルトさん?」

 

態々部屋に入ってきて、どうしたんだろう。

 

「話が一段落ついたと思ったから入ったが…違ったかな?」

「あ、大丈夫です」

「なら良かった。…それでライザ君、今アトリエは大丈夫かな?」

「大丈夫だと思いますけど…」

 

何か頼み事でもあるのかな?

 

「最近地震があっただろう?それ以降、地下で水漏れが起きていてね。知恵を借りれないかと」

「あー、それなら実際に見た方が解ると思います」

「頼めるかね?」

「勿論!クラウディアのお父さんの頼みですから!」

「私に手伝えることがあるなら言ってね?」

「うん。今回は力仕事も無いと思うしね」

 

というわけで、地下室を見に行ったけど…これ水漏れどころの騒ぎじゃないような。最早浸水っていうか。えーっと、漏れてるのはここからで、だとすると…うん、イメージできた。素材も足りてる。

 

「これならいけます!」

「そうか。頼む」

 

このあたしにお任せあれ、ってね!早速作りに行こう!

 

「よーし、じゃあアトリエに…って、誰に船漕いでもらおう」

「えっと」

「よし、どうにかしてアルムにお願いするわよ!」

 

今絶対「私が漕ぐ」って言おうとしたでしょ!あんな力仕事、クラウディアに頼むわけにはいかないわ!そんなことさせるくらいならあたしが漕ぐ!

…まあ今回はアルムを頼るんだけど。OKしてくれるかな…?

 

「えーと、今は多分アルムの家にいると思うから…」

「いや、ここにいるぞ」

「えっ!?」

 

あれ、何で!?しかもタオもいるし。資料探ししてたんじゃ…

 

「気晴らしも兼ねて散歩してたんだが、最近の地震で瓦礫とかが崩れてきていたらしくてな」

「折角立ち寄ったし処分するのを手伝おうかって話になって、さっき終わったんだよ。…でも、1か所に固めてフラムでドン、は流石に雑じゃないかな」

「だからって蹴りやハンマーで1つ1つ砕くのも手間だろう。あれが最適解だったと思うぞ」

 

なんかアルム達もアルム達で人助けしてたみたい。こんな偶然あるんだね…

 

「それで、アトリエに行くんだったか?手を貸すぞ。タオはどうする?」

「僕は解読を進めるよ。錬金術に関しては何も手伝えないし」

「分かった。じゃあ行くか、2人とも」

「う、うん。…相変わらずこう、話が早いなあ」

 

いやまあ、こういうところも頼りになるんだけどさ。

 

 

「…しかし、浸水か」

 

アトリエに行って、浸水を止める為の【軟式ゴム石】を調合してると、アルムがそんなことを呟いた。

 

「どうかしたの?」

「いや、ちょっとな…」

 

…むう、何か知ってそうな口ぶり。凄く気になる。でもあんまりしつこく追及すると嫌われたりしそうだなぁ…今は止めとこ。

 

「…よし、これならいけそうだよ!」

「これは…ゴムか?」

「うん。これを浸水したところに詰めると、ぴったり塞いだまま固まるの」

「そんなものまで作れちゃうんだ…」

「本当、想像力次第では何でも作れそうだな」

「そこまでできるかはあたし次第だけどね!さあ、早速壁を埋めに行こう!」

 

そうして、ルベルトさんの屋敷の浸水は止めることができた。「何かあったらまた頼らせてもらうかもしれない」って…うん、やっぱり頼ってもらえるって気分が良いな。次も期待に応えられるように、錬金術の腕をもっと磨かなくちゃ!

 

 

 

 

(長年かけて水没した住宅街に、今回の地下室の浸水。…今までなら「そういうこともある」で済ませていたかもしれないが…チッ、嫌な予感がしてきたな…!)




Q,ルベルトさんは入ってくるタイミングを見計らってたの?
A,1分程。ライザの話の最後の方は聞いてたかもですね。

Q,何でアルムは2人がアトリエに行くって解ったの?
A,「よーし、じゃあアトリエに…」の部分が結構大声でした。つまり聞こえてた。

Q,嫌な予感って?
A,原作でも提示された、とある最悪の可能性です。まあサブタイを見ればわかりますが。

ここまで読んでいただき、有難うございました。
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