変化の連鎖は、10年前のあの日から   作:七人の母

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この話の投稿前に、錬金術「師」になっていたところを「士」に修正。あとちょいちょい加筆修正しました。

書いてると勝手にアルムがリーダーやってるこのパーティ。過去に向いてないとか言ったせいでみんなして受け入れつつイジります。

火山突入。奴はまだ出てきません。
今回はタオ視点→クラウディア視点です。


炎が吹き上がる山、不穏に包まれる平原

「――というわけで、俺はこの道が【流星の古城】に通じていることを知ったんだ」

 

アルムが戻ってきてすぐ、僕たちは驚くべきことを聞いた。まさか、小妖精の森から古城に通じる道があるなんて。確かに、言われてみれば立地的にはおかしな話じゃないけど…実際にこうして見せられるまでは信じられなかった。

 

「ここからならアトリエにも近い。調査がしやすいな」

「アレもクリント王国の遺跡の1つだ、何かしらの痕跡が残っているかもしれん。お手柄だぞ、アルム」

「有難うございます。…まあ、偶然なんですが」

 

アルムも予想外だよね、そりゃ。新技の試し撃ちしたらこんな道を見つけちゃったなんて。

 

「…ここから古城まで通じてる道があったってのも驚きだ。だけどな…」

「何だ?」

「お前、そんな必殺技を考えてたのかよ!しかも結構形になってるみたいじゃねーか!」

「え、そっちの方が重要なの?」

「当たり前だろ!必殺技だぞ!?」

 

イヤごめん、よくわかんない。いざというときの為の一発逆転の一手、って意味でなら確かに有用かもしれないけど…そこまで興奮するものかなあ。

 

「浪漫とかそういうものじゃないぞ。必要だと思ったから考えたんだ」

「だとしてもだ!あんな大穴開けるとんでもねえ技を作り出しちまうなんて…くっそ、どこまで俺より先を往くんだお前はよ!」

「まあ確かに、フラムがどれだけ強くなっても開けれそうにない穴だったけど…」

「あんまり広がらずに真っ直ぐ空いた感じだったよね。…どんな技か、解ったかも」

「まあ、小難しい事はしてないからな。…さて、それよりも冒険についてだな」

 

冒険について?…もしかして、明日から古城を探索しよう、とか?

 

「俺としては、古城よりも先に火山の探索がしたい」

「え、何で?」

「理由は2つ。1つ目は装備だな。火山なら何かしらの鉱石があるだろうから、装備の更新が出来そうだと思った。少し中を覗いてみたが、古城の魔物は恐らく街道や坑道の魔物とは段違いに強い。装備は整えてから行くべきだろう」

「武器とか道具の更新…うん、それは任せて!」

「2つ目は、そろそろルベルトさんからの頼みを果たしておこうと思ってな」

「お父さんからの?…あ、冬用ぷにまくら?」

「ああ。火山なら熱いぷにがいるだろうと思ってな」

「随分と人気だな、アレは。まあ、気持ちは分かるがな」

「無論私の分も作ってくれるんだろうな?質のいい睡眠は戦士には必須のものだ」

「もっちろん!期待して待っててよ!」

 

みんなすっかり気に入ってるよね、アレ。まあ僕らも愛用してるけど。

 

「というわけで、明日は街道を進んで火山まで行こうと思う」

「確か、ライム平原からは強さは兎も角数が多くなるんだったよね…不意を打たれないといいなあ」

「そんときゃ俺が守ってやるよ」

「うん、頼りにしてるねレント君」

「いざとなったらあたしがまとめて吹き飛ばすわよ!」

 

そういえばライザも最近新技作ってたっけ。ちゃんと周り見て撃ってよ?

 

「よし、じゃあ明日に備える為に、今日はここで解散だな」

「解ったよリーダー」

「明日も宜しくね、リーダー」

「頼りにしてるわよリーダー!」

「お前もしっかり休めよリーダー」

「…おい、タオ」

 

ゴメン、あまりにもリーダーみたいな発言だったから。偶には僕も揶揄う側に回ってみたくなるんだよ?

 

 

「あーもう、本当に数が多いなあ!」

 

次の日冒険に出た僕たちは、平原の魔物の多さに辟易していた。数だけならまだしも、翼竜が多いから本当に厄介だ。

 

「吹っ飛べ!ブラストノヴァ!」

「薙ぎ払う!」

 

でも、ライザとアルムのお陰でまとめて倒せてはいる。このまま何事もなく終わってほしいけど…

 

「っ!クラウディア!」

「きゃっ…!」

 

レントが次の敵の接近に気づいたみたいで、なんとかクラウディアを庇えた。アイツ…他の翼竜より大きい!

 

「あ、有難うレント君」

「気にすんな!」

「僕が動きを止める!」

 

縛術・影縫いでワイバーンの動きを止める…いや止めきれない。だけど…!

 

「ナイスだ、タオ!」

 

そういってアルムが飛び出した。相変わらず凄い速さだ。

 

「シッ!」

 

大型のワイバーンの側頭部を右足で蹴り、その勢いのまま後ろ向きに左足で顔面を突くように蹴り、踏み込んで宙返りしながらワイバーンを蹴り上げた。そして。

 

「アストラルスフィア!」

 

ライザからの追撃が入り、更にワイバーンの体が浮き上がる。

 

「レヘルン!」「凍れ!」

 

更に、2人同時にワイバーンにレヘルンを投げつける。翼が凍って飛べなくなったワイバーンは無防備に落ちてくるだけになった。そしてアルムは炎と風を同時に右脚に纏わせ…

 

「――砕け散れえッ!」

 

全力の一撃をワイバーンに叩き込んだ。凍って抵抗も出来なくなったワイバーンは、そのまま吹き飛ばされて息絶えた。…もう少しで、ワイバーンの胴体が千切れるところだったよねアレ。

 

「ふう…」

「よーし、上手くやれたわねアルム!」

「なんだ今の連携…えげつねえな」

「下手に追い詰めて反撃を許したら敵わないからな。…これで、このあたりの魔物は粗方倒したな」

 

僕には絶対真似できないな、アレ。まあ役割が違うから真似する必要は無いんだけど。

 

「次からは上にも気を向ける必要があるな。…火山に着くまではある程度強引に突っ切るか?」

「あんまりまともに相手し続けてると時間ばっかりかかるもんね…」

「よーし、火山まで一気に突っ走るわよ!」

「走るのは良いけどよ、タオとクラウディアに合わせろよ?」

「は、走るのはちょっと自信あるから私は大丈夫だよ!」

 

う、それなら置いて行かれないように僕が頑張らないと…!

 

「よし、なら…強行軍だ。行くぞ!」

 

アルムのその号令と同時に、僕たちは駆け出した。

 

 

 

 

「ここが【火山ヴァイスベルク】か…解ってはいたが、流石に暑いな」

 

分岐路を全力で走り抜けて、私たちは火山にたどり着いた。あれだけ走ってから火山に入るって、もう汗で凄いことになりそう…

 

「さーて、さっさと熱いぷにを探して、さっさといい鉱石を見つけて、さっさと錬金するわよ!」

「ホントライザは元気だなぁ…」

「やっぱり、凄いよライザ…」

「まあ、クタクタになられるよりはよっぽどマシだな」

「早く帰ろうとはしているようだが。ライザでもこの環境は堪えるみたいだな」

 

それなら、帰ったらライザと一緒にお風呂に入って汗を流したいな。お父さんも許してくれると思う。…アトリエに作ったりしないのかな?作れるなら、だけど…

 

「あまり長居したくない環境なのも事実だ。手早く行くぞ」

 

手伝えることは、全力で手伝うよ!

 

 

「いたぞ、赤いぷにだ」

「1体や2体じゃ足りないよね。目安は?」

「まず10体くらいかな」

「結構必要だね…あんまり時間は掛けていられないかな」

「じゃ、サクッとやっちまうか」

 

 

「ここの隙間、奥に何かありそうだな」

「横になれば通れそうだな。行くか」

「ハンマーがつっかえないかな…」

「アルムとレントが通れるなら行けるでしょ」

(ライザもつっかえるんじゃないかなって言いそうになっちゃった…その、アレが)

 

 

「あ、こっちに吊り橋があるよ」

「えっと、渡って大丈夫かな?」

「ん~…結構しっかりしてそうだから、行けると思う」

「念の為に俺は跳び越えていくが…レントは?」

「…お前みたいに出来ねえからな。ライザを信じるぜ」

 

 

「至る所にお湯が溜まっている所があるな。温泉、だったか?」

「確か、マグマで温まった水が温泉として湧き出てきたりすることがあるって聞いたことあるよ」

「大体は掘ると湧き出てくるんだったよね」

「…ふーん」

「おい、俺を見るな。アルムに頼め」

 

 

「ここ、家がいくつかある。人が住んでたのかも」

「そうだと思う。魔物がこんな家を建てるとは考えられないからね」

「どんな人達が住んでたんだろう?」

「わざわざ火山に住んでたってことは、鉱石に関係あんのか?」

「だとすると、鉱石を加工する職人達が住んでいたのかもな」

 

 

「良さげな鉱床発見!2人ともお願い!」

「おらよっ!お、見たことねえ鉱石だな」

「はっ!…こっちもだ。どんどん掘っていくぞ」

「…斧と蹴りで鉱床掘ってる」

「普通、ピッケルとかハンマーだよね…」

 

 

「…何だ、これは。金属か?」

「明らかに自然にできたものじゃ無えな」

「…ここ、なんか不思議な感じがする」

「うん。なんて言えばいいのかは分からないけど…」

「もしかしたら、ここで何かを祀っていたのかな」

 

 

そんな感じで火山を一通り探索して、日が暮れ始めたから島に戻ることになった。平原での戦闘が無かったら、古城への道も探索できたのにな。

 

「あの水路らしき道を突破できるようになれば、火山への近道にもなるが…」

「まずは装備だろ?焦ったって何も良い事ないからな」

「多分だけど、さっき採れた石で採取用のハンマーと新しい武器が作れると思う」

「なら、今日はもう遅くなりそうだし明日早速作ってみようよ」

「ふふ、楽しみだね」

 

そう言いながら分岐路までたどり着いた。ここからまた強行軍かなって思ったんだけど…

 

「…あれ?」

「…気づいたか、クラウディア」

「うん。音が、しない」

「魔物の気配がねえな。…何があった?」

 

さっき殆ど倒さずに来たのに…どこに行ったのかな?

 

「確かに変だけど、そんなの今考えても解らないでしょ。1つだけ言えるのは…」

「楽に帰れるってことだよ!さあ、何か起こる前に急いで帰ろう!」

 

…帰る時だけなら、タオ君が一番元気かも。

 

それからは何事もなく、私達は無事に帰ることができた。だけど、それは本当に運が良かっただけだったって知ったのは、ちょっとだけ先のお話。この平原に起きていた異変の原因に気づくことなく、私たちは次の冒険に想いを馳せていた。

 

 

因みに、ライザを家のお風呂に誘ってみて、OKが出たから一緒に入ったんだけど…

 

「ふう~、生き返るぅ…」

「…」

「どうしたの?」

「…浮くんだね、本当に」

「え?」

 

ライザ、これをあんまり自覚してないって本当なの…?




まだ出てきません。文章には。
因みにアルムの蹴り採取はライザの杖+最低限性能のハンマーと同等の採取効果があります。

今回出たアルムの技

旋風の扇(ブラストノヴァと一緒に出した技) 風を纏い、敵を薙ぎ払うように蹴る
Lv30で習得 アクションオーダー達成時に発動 敵全体に無属性物理と風属性魔法ダメージを与える 中確率で裂傷を与える

蹴撃→背脚→転撃(メガワイバーンに最初に食らわせた3連撃) ミドルキック→バックキック(TLv2以上)→サマーソルトキック(TLv3以上)の連撃(サマーソルトは2ヒット)
通常攻撃 敵単体に無属性物理ダメージを与える 当てるとAP回復

爆風の剛斧(メガワイバーンに止めを刺した技) 爆炎と烈風を脚に纏い、全力で蹴り抜く
エクストラオーダー達成時に発動 敵単体に無属性物理ダメージと火属性&風属性の魔法ダメージを与える 良性変化を多く受けているほど威力上昇

Q,最初にあけた大穴から温泉湧いてこないの?
A,偶々湧いてこないところだったということにしておいてください。おかしくてもスルーお願いします。

Q,ライザの「アレ」のネタについて
A,隙間に関してはプレイヤーの大半は一度は考えたと思います。風呂に関しては原作でその手の話が無かった(アトリエに湧いただけ)ので、まあ軽く。私はライザしかやったこと無いですが、今までのアトリエシリーズでは定番だったそうですね、お風呂というか温泉イベント。

Q,通常攻撃出てくるの遅くない?
A,タイミングが計れなくて。因みにこのモーションで以前書いた通りライザの通常攻撃とほぼ同等の速さです。忙しい動きしてるな。

Q,なんで平原から魔物が消えたの?
A,待て次回。

ここまで読んでいただき、有難うございました。
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