変化の連鎖は、10年前のあの日から   作:七人の母

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古城を進む。今回キャラ多いなあ…因みに原作パーティメンバーはこの時点で全員レベル25を超えてるイメージです。原作だとちょっと上げ過ぎ感がある数値な気がしますが。
今回はレント視点→タオ視点です。

2/20 後書きの独自解釈部分ちょっと追記。


目の当たりにする、少年少女の成長と錬金術の産物、そして古城の飛竜

「オラァッ!」

「はっ!」

 

古城の中に踏み入れた俺達は、早速魔物の歓迎を受けた。白いオオイタチみたいな奴と、黒いぷにだ。だがこの程度、武器も強くなった俺の敵じゃねえ。何の苦も無く蹴散らせるぜ。

アガーテ姉さんもこれくらいは訳無いみたいだな、アッサリ倒してた。流石だぜ。

 

「ふっ!」

「ととっ…!」

 

ボオスも今のところは問題ねえな。対人戦の剣しか振るったことないとか言いながら、良い感じに対応出来てやがる。

…ランバーはちょっと心配だな、なんかちょっと危なっかしい。大丈夫か?

 

「えいっ!」

「…クラウディア、その技気に入ってるの?」

「投げてからまた演奏に入るまでかなりスムーズだな。どれだけ練習したんだか…」

「自分も魔物を直接倒すことに貢献できることが嬉しいんだってさ。縦投げのパターンとか練習してたよ」

 

あっちではまたクラウディアがフルートを投げて、それにツッコミを入れながら3人が戦っている。タオも大分こなれてきたよなぁ。

 

「あいつらは、随分と、余裕だなっ!」

「それなりに冒険はしてきたからな。似たような奴と何度も戦ってるし、動きも大体解ってる。苦戦する要素すらねえよ」

「あれでまだかなり抑えているみたいだしな。…お前とアルムは兎も角、いつの間にここまで強くなっていたんだか」

 

そう言う姉さんは嬉しそうで、少し寂しそうだった。

 

「次の奴が来たな。…動く鎧か。森の奥にいた奴と似ているな」

「沢山いるし、大きいのもいるわね。…でも知ってるわよ、こいつらは!」

「魔法に弱いんだよね!やろう、ライザ!」

「アレをやるのか。タオ、俺達は時間を稼ぐぞ」

「解ったよ!」

 

ライザとクラウディアが魔力を溜める時間を、アルムとタオが稼ぐ。鎧の動きに付き合わず、尚且つ少し大きめに動いて注意を引いている。

 

「準備出来たわよ!」

「私も!」

「よし、頼んだ!」

「貫け、エクリプスジャベリン!」

「凍麗の舞…!」

 

ライザが作り出した魔力の槍で相手を押し込み、そこにクラウディアが氷の竜巻を起こす。そして今度は相手を包囲するように魔力の槍が展開され、それが敵に直撃すると同時に冷気の爆発が起こる。

これで雑魚は一掃できたが、大物は残ってる。だが…

 

「結索の楔!」

「穿ち…貫けぇッ!」

 

タオが大鎧を怯ませ、そこにアルムが旋風と炎を纏った飛び蹴りを食らわせる。大鎧は吹き飛ばされ、そのまま動かなくなった。

 

「…やっぱ魔法ってヤベーな、あんだけの数を一度に相手できるんだからよ」

「全くだ。…本当に、私の知らないところでとんでもなく成長してるな」

 

そう言って、姉さんは嬉しそうに微笑んだ。ある意味家族以上に俺達を近くで見てきたからな、姉さんは。

 

「ふーっ…あ、姉さん!こっちは終わったよ!」

「ああ、見てたぞ。…もう、アタシが守ってやる必要なんてないのかもしれんな、お前たちは」

「ふふふ、じゃあ今度はあたし達が姉さんを助ける番!…かもね?」

「ああ、その時が来たら頼りにさせてもらうよ」

「え…う、うん!」

「ふふっ。良かったね、ライザ」

 

冗談のつもりで言ったのに本気でとられたからか、戸惑いつつも嬉しそうだな。姉さんの事だから、解っててやっただろうな。

 

「そっちはどうだ?ボオス、ランバー」

「ああ、これくらいならまだ大丈夫だ」

「お、俺も、まだまだ!」

「無理はすんなよ?休める時には休むことも大事な戦士の務めなんだからな」

「リラさんの受け売りだよね、それ」

 

いいだろうが、実際大事なことなんだからよ。

 

「さて…向こうから来てくれたおかげで、この辺りの敵は粗方片付いたな。次に進もう」

「何だ、お前が仕切るのかアルム」

「…あ。いつもの癖で、つい」

「いや、構わないぞ。…そうか、癖になるくらいいつも仕切っているのか」

「だからみんな偶にリーダーって呼んでるけど、嫌がるんだよね」

「大方、俺には向いてないなどと言っているんだろう?むしろ、お前以外に誰がやるんだと言いたくなる位なんだがな」

「…アガーテさん、勘弁してください。本当に」

 

お、かなり照れてんな。レアなもん見たぜ。俺らが言うと割と言い返してくるんだけどな。やっぱ姉さんには強く出れないか。

 

「…早く行きましょう。さっさと済ませるに越したことはないですから」

「ふふ…ああ、そうだな。そうしようか、リーダー」

「…本当に、勘弁してください。本ッ当に」

 

姉さんも結構人を揶揄うの好きなのか?いや、普段あまり隙を見せないアルムだからやってみたくなっただけなのかもな。まあ気持ちは分かる。

 

「…照れてるアルム、可愛い」

 

…その気持ちは微妙に分かんねえわ、ライザ。

 

 

 

 

「ここが本来の入り口…正門か」

「当たり前だけど、クリント王国の建築様式で建てられてるね」

「争ったような跡がある…どこかの国と戦ってたのかな」

 

下層から上がってきて、僕達は一旦正門の前に進んだ。ところどころに焦げたような跡が見えるから、多分あの竜が炎とか吐いたんだと思うけど…

 

「そういう勇ましい伝承、ウチには全然ないのよね」

「この辺りは辺境だから、滅亡時の戦乱にも巻き込まれて無い筈だし…」

「成程、謎だな」

「…いつになく上機嫌だな」

「当たり前だろう。謎だぞ?」

「そういうの、アンペルさん達が調べたりするんじゃねえのか?」

「それはそれとして、自分でも調べてみたいだろう」

 

…目がキラーンってしてる。さっきの照れてるところといい、今日はアルムのレアな顔が見られるなあ。それで一番得してるのは間違いなくライザだけど。

まあでも、僕も確かに気になる。これだけ戦いの痕跡があって、竜が火を吐いたであろう痕跡もある。なら、竜も何かと戦っていたんじゃないか、なんて仮説が立てられるけど…

 

「…アルムの事は十何年も見てきたが、今のアイツが一番子供らしいな」

「ふふっ、やっぱりアルム君も男の子なんだね」

「誰かといるときは真面目な感じだけど、本質はああなんだよね、アルムって」

 

ライザの言う通り、僕達といるときは抑えてるけど、割と好奇心の塊っていうか。今僕達と冒険に出て無かったとしても、その内唐突に冒険を始めてたと思う。外っていう完全なる未知の世界を知るために。

 

「…まあそれはいい。それより、途中に上り階段があったぞ。あそこを進めば恐らく竜の住処に行けるんじゃないか?」

「よし、なら行くぞ」

 

せめて、いきなり出てくるのはやめてよ?…なんて、竜に祈っても通じないだろうけど。

 

 

「狭い…というか、区切られている感じだな」

「戦いにくいな。あまり力を出し過ぎると、色々崩れて面倒なことになりかねない」

 

階段を登った先は、細かくスペースが区切られてる感じの区画だった。どういう意図何だろう?

 

「っていうか、そもそもこの城が何なのかが解らないわよね」

「戦いの為のものと思ってたけど…違うのかな」

「多分それは合ってると思うのよね。…人じゃなくて、魔物相手とか?それこそ竜みたいな」

「それなら、守護獣なんて言われないと思うがな」

 

そうだよね。詳しい伝承は残ってないみたいだけど、村の古老はあの竜を守護獣なんて言ってた。クリント王国の城に攻めてきた魔物ならそんな扱いはされないんじゃないかな?

 

「…なんだこれは、石板か?」

「何か変な模様ですね、ボオスさん。なんなんでしょうね、これ?」

 

ボオスたちが何かを見つけたみたいだ。石板みたいだけど…え?

 

「…タオ。これは…」

「…うん。…古文献にあった、クリント王国の文字だ」

「な…!?」

 

何でこんなところに?なんか文字も光ってるし…ただの石板じゃないのは間違いなさそう。

 

「タオ、これ読めるの?」

「えっと…うん、大丈夫。まず【炎の翼】…あの竜かな。で、【召喚】…魔物を呼び出す魔術だっけ?で…なんだろうコレ?」

「読めない字なのか?」

「読めるけど意味が解らないんだ。そのまま発音すると【フィルフサ】ってなるんだけど」

「フィルフサ…聞いたことねえな」

 

多分、種族名とか何かなのかな?えーっと、後は…

 

「それで、最後に…【殺す】

「え…」

【炎の翼】【召喚】【フィルフサ】【殺す】この4つの単語が繰り返し書かれてるよ」

「つまりあの竜は、フィルフサとやらを倒すためにこの城に呼ばれた…ということになるのか」

「多分ね」

「あんな竜を呼んでもこんなことになっちゃうなんて、どんな恐ろしい敵だったんだろう…」

「ちょっと考えたくないわね…」

 

…僕の脳裏には、その恐ろしい敵の候補が1つ挙がっている。あの時森で見た白い魔物。アレがたくさん攻めてきてたら…竜がいても、こうなってしまう可能性は高いと思う。…本当に、考えたくないけど。

 

「しかし、この石板…あの竜がこれに呼び寄せられたということは、これは竜を操る程の力を持っていることになる。とんでもない代物だな」

「…どんな技術で作られた物なんだ、一体」

 

クリント王国は高度な錬金術で繁栄してたらしいから、多分これも錬金術で作ったものなんだろうな。

 

「フィルフサの方については、後でアンペルさんに聞いてみよう。今は竜が先だ」

「ああ、なんとなく解るぜ。もうすぐ近くだ」

「ま、マジか…!」

「…いよいよ、か」

「気を引き締めなくては、な」

 

そうだ、もう竜がすぐ近くにいるんだ。…怖いけど、今更逃げたってどうしようもない。どうにか、戦わなきゃ。

 

「竜退治、とびっきりの冒険譚ね…!」

「うん。街道を通る人たちの安全の為にも…何とかできるように頑張ろう」

「…よし」

 

勇気を出して。…行こう!

 

 

そして、一番奥まで進んだら…そこに、あの日見た竜がいた。僕たちは、構えつつ竜に向かって進んでいく。そして…

 

「…ついに、ここまで来ちまったな」

「うん。…今から、竜と戦うんだ」

「怖い…けど、みんなと一緒なら…!」

 

――グルルルル…

 

「無理はするなよ、2人とも」

「解ってるさ。だが、役立たずになるつもりもない…!」

「や、やってやるぞ…!」

 

――グオオオ…!

 

「よーし…行くわよ、みんな!」

「恨みがあるわけじゃないが…蹴り落とさせてもらうぞ!」

 

――ガァァァァァァァァァァァァッ!!

 

竜との戦いが、始まった。

 




今回召喚装置が出てきたので、何故ボオス達がいなかったのに竜が平原にいたのかの説明をここで。独自解釈満載。

まず今回出てきた石板=魔物を召喚する(近くにいる対象を呼び寄せる)装置、まあ誤解を恐れず言えば洗脳しているようなものですよね。
で、恐らく古城にあるこの装置はまだ生きていると思われます。後々生きてる同じ装置が出てくるので。
仮に今までスリープしてたとしても、おそらくフィルフサがこっちの世界に来たことに呼応して再起動。再び竜を操った、と考えています。それでも四六時中動き続けているわけではないですが。
…原作でのアンペルの推測とほぼ同じですが、それが正解であるとした上で+αした感じで。

で、ならフィルフサを探すために平原にいたのか…というとちょっと違います。
なら何なんだという話ですが…この二次創作では竜はある程度高い知能を持っているものとします。その為、自分が「クリント王国のニンゲンに何かしらの方法で操られた」ということを理解しているということにしています。そしてその事に憤慨しているとします。
そしてあの時竜が飛んでいたのは平原の遺跡の真上。ここで出る遺跡と言ったらクリント王国のもの。つまりあの遺跡を見て「あのニンゲン共の住処に似ている!近くに奴らがいるかもしれない!見つけたら殺す!」となった訳ですね。そして誰かが近くにいたらサーチ&デストロイ。もしボオス達がそこにいたら原作通り襲われてました。
因みに古城に関しては人間がいないともう解ってるので折角だし住処にするか、位の感じで居座っています。

今回出たアルムの技
「旋紅の一矢」(戦士の大鎧に止めを刺した技)旋風と炎を纏い、敵に全力の跳び蹴りを放つ
レベル25で習得 AP消費5 無属性物理ダメージと炎属性と風属性の魔法ダメージを与える 低確率で裂傷と火傷付与 ノックバックが大きい TLv3以上でさらにノックバック増大 TLv4で裂傷と火傷の付与確率上昇

Q,縦投げのパターン?
A,高さを稼ぎやすい、対翼竜用の投げ方です。因みにそれを聞いたライザは「まず投げる事前提なの…?」と困惑しました。

ここまで読んでいただき、有難うございました。次回、竜との戦い
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