変化の連鎖は、10年前のあの日から   作:七人の母

5 / 52
評価バーに色が付きました。しかも赤。
お気に入り登録数も増えてきて、初の感想まで。嬉しい限りです。

キャラ改変と原作キャラ強化のタグを追加します。どんどん増えていくなあ…
そして小説のタイトルも変えます。ようやく思いついた。

今回ついに原作突入。対岸への上陸は次回ですが…
今回も終始アルム視点です。


原作開始
いつもの日常から、一歩踏み出す


「…そろそろ、か」

 

今日の分の手伝いを終わらせ、そう呟く。

 

(あいつ等に、島の外に出ることを提案する)

 

退屈な島から飛び出して冒険がしたいライザ。塔を制覇し名を上げたいレント。家の地下にあった謎の本を解読する手掛かりを見つけたいタオ。

三者三様、しかし共通して島の外に目的がある。話をすれば乗ってくれるだろう。そして、俺自身の目的。

 

(クーケン島が人工の浮島なのはほぼ確定とみて良いだろう。この前、島の下側を少し見てみたが…何かは解らなかったが、どう考えても自然にできるわけがない物質で出来ていた。

問題は、誰がどうやって作ったのか。気になって仕方がない)

 

元々、変化に出会うのは好きだった。正確には、変化したことにより生まれる未知との出会いが、だ。疑問と言い換えてもいいかもしれない。

「何で?」が「なるほど」に変わることほど、嬉しくて楽しいことも無い。そして…

 

(あの時俺達が抱いた危惧。それがもし当たっているとしたら…急がなければならない)

 

勿論、あんな最悪な想像は外れてくれた方がいい。だからこそ動く。杞憂なら、少しでも早く安心するため。危急なら、少しでも早く対処するために。

 

 

「父さん。母さん。エル」

 

まず話すべきは…やはり家族だろう。仲間を誘っておいて自分はダメでしたなんて冗談にもならない。

 

「俺は、島の外に出てみたいと思う」

「えっ?」

「…そうか」

「あら…」

 

驚いたエルと、どこか納得したような表情の父さんと母さん。

 

「出ると言っても、ずっとじゃない。少なくとも、暫くは余程の事が無い限りは一日で行って帰ってくるくらいのつもりだ。それがどれくらい続くかは解らないが」

「…もしかして、あの時の本のお話?外に読める人を探しに行くかも、って」

「ああ。あんな疑惑を持ってしまった以上、早く解消してしまった方がいいからな」

「…うん。エルも、もしもってちょっと不安だった」

「だから、決心がついた今行くんだ。お前の不安も、払ってやりたいからな」

「…わかった。大怪我だけはしちゃイヤだよ?」

「勿論」

 

エルも納得してくれたみたいだ。父さんと母さんは…

 

「…その内、外に出ていくだろうとは思っていた。予想より早かったが」

「どうにかなったら、またここに戻ってくると思う」

「まさか、1人で行くの?」

「ライザとレントとタオを誘うつもりでいる。あいつらも外に目的があるからな。…ライザだけ、親の許可が出るか心配だが」

 

最近はお使いとかも行ってるらしいとはいえ、ミオおばさんが厳しい人な為に許可をもらうのは困難だろう。ライザの事だから無理やりついてきそうだが…

 

「じゃあ、約束。無理はせず、みんな無事でいること。日が落ちるまでには帰ってくること。それが無理そうならできるだけ先に言うこと。良い?」

「ああ、解った」

「うん。じゃあ行ってきて宜しい!私達が許します!」

 

そうして、俺は外に出る許可をもらった。

 

 

次に、広場にいたレントとタオに話すことにしたが…

 

「いいぜ」

「いいよ」

 

話が早い。いや、助かるが。

 

「いきなり塔まで行けるわけねえからな。早めに外に出て冒険がてら修行して、少しずつ近づくのも悪かねえ」

「島の外は怖いけど…それよりも、本の手掛かりを掴めるかもしれないっていうワクワクの方が、今は大きいんだ」

「…レントは兎も角、タオは誰の影響何だか」

「アルムとライザだよ」

「むしろそれ以外誰がいるんだってレベルだな」

「それもそうか」

 

さて、後はライザか。本人は兎も角、ミオおばさんとカールさんだ首を縦に振るか…と、その前に。

 

「誘っておいてなんだが、タオと…一応レントも。このことは家族に話しておいた方がいいんじゃないか?」

「そうだね。うちは大丈夫だと思うけど…」

「…そうだな、あんなんでも親父だ」

「なら、終わってからまたここに集合だ」

 

 

少しして、タオとレントが戻ってきた。見た感じ大丈夫そうだが…

 

「どうだった?」

「アルムとレントが一緒だって言ったらいいってさ。あまり遅くはなるなとは言われたけど」

「レントは?」

「…どことも知れねえ場所でくたばったら、探してでも殴りに行く、だとよ」

「…らしいと言えばらしいな」

 

まあ、二人とも無事で許可を貰えたところで、いよいよ最後。ライザ…というかミオおばさんの説得をしなきゃならないわけだ。

どうすればいいか…と考えていたその時。

 

「アルム!と、レントとタオ?3人で何話してたの?」

「ライザか。まあ、丁度お前の話というか」

「あたしの?」

「ああ」

 

というわけで、ライザを外に誘いたいがミオおばさんをどう説得しようか考えていたことと、俺達3人は既に許可を貰っていることを話した。

 

「…うぐぐ、冒険は行きたい、凄く行きたい。でもお母さんが許してくれるか解らない。でもそれを無視してついていったらあたしだけやるべきことやってないみたいになる…」

「実際やってないしな」

「むしろ僕らがあっさり許可貰い過ぎな気もするけど」

 

まあ、タオの言う通り本来ならミオおばさんの方が普通だ。いきなり島の外に出ようなんてそうそう許可は出してもらえない。

 

「そういやタオは、俺とアルムの名前出したらOK貰えたんだよな?」

「うん」

「ライザもそうすればいいんじゃねえか?」

「それだ!」

「いや、それでも厳しいんじゃないか?」

「だとしてもやるだけやってみる!お父さーん!お母さーん!話があるのー!」

 

…本当に行けるのか?

 

 

「アルム、ライザをお願いね。無茶しようとしたら絶対止めておくれよ!」

「あ、はい」

「農業の手伝いも続けてくれるなら文句はないよ。でも、できるだけ早く帰ってくるんだよ?心配になるから」

「うん、わかった!」

 

…何か上手くいったようだ。何でも、最初は「いきなり何言ってんだい!」だったが、俺に誘われたと言ったあたりで流れが変わって、最終的にカールさんの「こうなったら意地でも聞かないだろうし、少しくらい自由にやらせてみよう。アルムもいるし大丈夫だよ」という言葉でミオおばさんが折れたらしい。

というか俺、この夫婦からの信頼度高すぎないか?低いよりはずっといいが…

 

「それで、冒険は何時から始まるの?」

「3日後。色々準備がしたいからな。傷薬とか、対岸の周辺の詳しい情報とか…」

「武器はどうするよ?俺とアルムは持ってるけどよ」

「えーっと、ちょっと考えてみる」

「ふっふっふ、こんなこともあろうかとコツコツ作ってたものがあるんだよね~」

「…武器の自作までしてたのか」

「元々あたしも言い出そうとしてたからね、冒険に出ようって。まあ、先を越されちゃったけど」

 

…本当、お前のどこが平凡だ?まあ準備してあるのなら問題は無い。後は…

 

「と、そうだ。アガーテさんにも話しておいた方がいいな。何かあったら真っ先に苦労を掛けるであろう人だし」

「うげ、そうだった。ある意味一番の強敵が残ってた」

「俺とレントは結構信頼されてるみたいだが、許してもらえるかどうか…」

 

で、話してみたら…

 

「上から押さえ続けるより、緩めた方がかえって安全だろう、お前たちの場合は。アルムとレントがいるなら、近場は問題ないだろうしな」

「…良いんですか?」

「どうせ何を言われても止めるつもりはないんだろう?ちゃんとした目的もあるみたいだしな。で、お前達、船はあるのか?」

「一応、七色葡萄の林の先の船着き場にあるけど…」

「アレか。相当古かったと思うが…」

「もし駄目そうなら、相談しても?」

「いいだろう。早めに言えよ」

「有難うございます」

 

さて、アガーテさんも大丈夫なら、最後に言うべき相手は…

 

「行くのか」

「ああ」

 

向こうから来た。無論ボオスだ。

 

「どれくらい掛かる?」

「解らんな。少なくとも、あの塔を制覇するまでは続くが」

「それまでに手掛かりが見つからなかったら?」

「探すに決まっている。俺達だけじゃない、エルも不安がっているしな」

「なら、早く終わらせてやれ」

「ああ」

 

それだけ話して、ボオスは去っていった。

 

「…えっと、エルちゃんが不安がってるって?」

「タオの本に関することで色々あった。とだけ」

「…いつかちゃんと話してよ?」

「勿論だ」

 

さて、言うべきは全部言った。3日後、いよいよか。

 

 

そして、その日が来た。各々武器等を準備し、流石に危険そうだったのでアガーテさんに相談して、用意してもらった船に乗り込む。漕ぐのは俺とレントだ。

 

「さあ、しゅっぱーつ!」

 

ライザの号令で俺達は船を漕ぎ始める。各々、目的を胸に抱き。

 

(待ってろ、大冒険!)

(あの塔のてっぺん、絶対にたどり着く!)

(本を解読する手がかりを見つけて、全て読み解いてみせる!)

(俺は、真実が知りたい。この冒険の中で…掴んで見せる)

 

いざ、冒険の始まりだ。




Q,みんな協力的というか、アルムの信頼度高すぎじゃない?
A,10年前のライザを助けた一件と、家族の手伝いを欠かさない家族大好き人間だということからアガーテさんとシュタウト夫妻からの信頼度が超高いです。その影響で周りの評価も大分高くなってます。
特にシュタウト夫妻は娘を助けてくれたことと、その娘が好意を抱いている相手だということから特に信頼しています。
因みにボオスに関しては信頼は信頼ですがちょっと毛色が違います。コイツは「やる」奴だ、みたいな。

Q,タオの両親って出てたっけ?
A,原作でも碌に情報がありません。ここでは、気弱な息子の何か決意したような顔に思うところがあったので許可を出した、くらいの認識でお願いします。

Q,ライザの武器って自作なの?
A,初期武器が名前からして「お手製の杖・改」です。アイテム図鑑の説明でも明言されています。本当にお前のどこが平凡だ?

ここまで読んでいただき、ありがとうございました。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。