恋姫†無双 黒の剣士(偽)と聖杯戦争   作:月神サチ

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色々端折り過ぎたので出発までのシーンを挿入しました。

次話は加筆修正したら投稿します。

それではどうぞ。


第1章 黄巾党征伐
第2話 黒の剣士(偽)と老人 そして旅立ちへ――


「――アンタ、何者だ?」

 

3人に連れられ、書庫から出たオレは、そのまま執務室らしきところに案内された。

 

そこには、豊かな白い髭を蓄えた、一見好好爺にしか見えない老人がお茶をのみながらくつろいでいた。

 

しかし――オレには人ならざるなにかを感じ、直ぐに抜刀できるようにかまえながら先の言葉を投げかけた。

 

「お、お兄さん!この人は厳岳さんっていって――」

 

「劉備。かばわなくてよい。――下手に隠していたくもない腹を探られるより、誠実に語る方が良いからな」

 

老人はふぉっふぉっふぉ、と笑ってから、真面目な顔で告げた。

 

「ワシは厳岳。――まあそれは仮の名じゃな。ワシを知るものは『南華老仙』と呼ぶ。まあ、端的に言えば『舞台装置』としての役目を終え、朽ちるのを待つばかりの老い耄れじゃ」

 

「……桃香がアンタをかばう理由、桃香に英霊召喚の方法を教えた理由、『■■■』という女神に心当たりは?」

 

立て続けに投げつけると、どうどう、というジェスチャーをしてから口を開く。

 

「一辺に聞かれても困る。一つずつこたえるかの。――まず、劉備がワシをかばうのは、ワシがこの娘の後見人をしたり、ワシがこの世界において仙人に相当する存在であることを理解しており、その上でワシを一人の人間として認めてくれてるからじゃ」

 

桃香を見ると素直に頷く。

 

「……桃香様が厳岳殿を祖父のように慕うのは存じてましたが、そのような理由があったんですね」

 

「鈴々たち、聞きにくかったから初めて知ったのだ」

 

ほえー、と2人が驚いている。

 

「次に英霊召喚を教えたのは……聖杯戦争という存在を知らずに巻き込まれるよりは、当事者として介入していた方が、ワシの知る情報から判断した限り『良いはず』と判断したのがある」

 

「……判断材料が不十分な気がするが、まあ良いだろう。最後の質問の答えは?」

 

オレは、反射的に少し警戒心を剥き出しにしながら問いかける。

 

「この外史を摘み取り、手を加えた者の1人とだけじゃ。ワシは『管理者』ではないが『外史が産み出した舞台装置』ではある。ゆえに断片的にではあるが、情報を手に入れておる。――■■■という女神、2人の魔女を名乗る存在、そして聖杯を以て外史の抹消を望む管理者がこの聖杯戦争に関わっておることをな。逆に言えば、それだけじゃが」

 

「……とりあえずは信じる。あと、黄巾党を討伐する義勇軍を結成したいと3人が言っていたが、なにか吹き込んだ覚えは?」

 

最後の(つもりである)問いかけに、老人はきょとんとしてから首を横に振る。

 

「噂が、流れてきてまもなく彼女からそう言い出した。ワシがしたのは、何度か彼女が無くした家宝を買い戻したり、失せ物探しをして探すのを手伝ったり、彼女の家族の葬儀や独り身になった後の後見人してたくらいじゃ」

 

眼を変化させて騙っていないか見ていたが、終始変化がないのを確認して元に戻した。

 

「……そうか。疑ってすまない」

 

「構わぬ。それはそれとしてお主ら、近いうちに此処を旅立つのであろう?役目を終えた老い耄れとはいえ、仙人として在るから家の面倒は見ておくぞ」

 

その言葉に桃香があっ、と零す。

 

「あ、家のことすっかり忘れてた……」

 

「あと馬を3、4頭、明日までに用立てておこう。荷を預けるも乗るもすきにするといい」

 

好好爺に戻った翁はふぉっふぉっふぉ、と笑いながらそう告げた。

 

「それじゃ、明日までに荷物を纏めてくれ。オレはいくつか確認したいことややっておきたいことを済ませておきたい」

 

そう桃香たちに告げると、

 

「別行動……まあ、お兄さんに無理に付いてくつもりないけど……」

 

「先のやり取りといい、除け者のされてるようにも感じますね」

 

「隠し事は誰にでもあるけど……なんかもやもやするのだ」

 

3人の反応が芳しくない。

 

「……」

 

フー……っと息をはいてから、影分身を使う。

 

「分身に要件とかはやってもらって、オレは付いてく。それ以上の妥協はしないぞ」

 

「「「よかったー」」」

 

「それだから女に甘いだの、ユイからジト目とど正論で精神攻撃されるんだよ、オリジナル」

 

何故か分身に後ろから攻撃される悲しみに包まれながら、喜ぶ3人の買い出しや、荷物整理などを敢行した(途中で金銀財宝持ってることバレて、おねだりに屈しまくったり、荷物を預ければ良いじゃないと気がつかれて、下着含めた色々な荷物を預けられたが、割愛する)。

 

 

 


 

 

次の日の朝、町の外れにて。

 

オレが出した荷馬車に翁が連れてきた四頭の馬を繋げて確認をし、あとは出るばかりとなっていた。

 

「それじゃ、達者でな」

 

「おじいちゃんも元気に、なのだ」

 

「お世話になりました」

 

「またね、おじいちゃん」

 

翁の言葉に3人が荷台の幌から顔を出して笑顔で答えたり、手を振る。

 

「キリト殿。3人を頼むぞ」

 

「ああ。表向き脱落したとはいえ、一応契約は続いてるしな」

 

最初以外は小声で答える。

 

そして、これ以上会話も不要と判断したオレは、鞭を使い、荷馬車を発車させた。

 

緩やかだか、人の歩みより早く進む荷馬車により、老人の姿は背にした町の風景に瞬く間もなく飲まれ、その町の風景も、ほどなくして小さくなっていった。

 

 


 

 

 

「それにしてもすごいね、この荷馬車」

 

幌に包まれた荷台から御者台に出てきた桃香がオレのいる御者台の隣に座る。

 

「逆にソレに慣れたら、野宿とかできなくなるだろうな」

 

一見只の幌で覆われた荷馬車だが、中はかなり大型の広いゲル*1のようになっている。

 

トイレやシャワーこそないが、キリト(オレ)のいた時代のキッチンや、羽毛布団セットをはじめとした寝具、ソファーなどの寛げるスペースまで完備されており、食料も時代考証をドブに捨てたようなの(チンするやつ)とかはじめとしたものがしこたま入ったボックスなどがある。

 

そのため、『動く引きこもりの部屋』と自分の中で呼んでたりする。

 

「不浄と湯浴み以外完備されてるとは……キリト殿のいた世界とやらはとても優れた世界なのですね……」

 

愛紗も驚きと困惑半々くらいの様子でそう零す。

 

「寝台がすごいのだ、乗ったら跳ねるの、初めてなのだ」

 

鈴々も喜んでいる。

 

「……さて、黄巾党とやらが跋扈してる東に向かう――その前に、寄り道していいか?」

 

オレの言葉に3人が首を傾げる。

 

「なにか在るのですか?」

 

「普通にいく方が早いと鈴々思うけど……」

 

「理由が聞きたいかなー」

 

3人に敵う訳もなく、素直に白状する。

 

「一応受肉してるけど、サーヴァントとしての能力持ってるんだけど、そのなかに『啓示』ってスキル……能力を持ってるんだ。ソレが『新野にある学院で臥龍と鳳雛を手にせよ』って言って来てな。コレを無視して良いことないから、可能なら寄りたいんだけど……」

 

それに対して彼女たちは互いの顔を見合ってから口を開く。

 

「お兄さんがそういうなら?」

 

「たぶん鈴々たちにも良いことになると思うのだ」

 

「逆走になったり、よほど時間がかかったりしなければ否とは言いません」

 

「よし、次の目的地は新野だ。出発!」

 

「「「おー!」」」

 

3人の了承もとれたので進路を南西に切り替える。

 

――さて、予想通りなら、あの2人だが……。

 

ちらりと3人を見る。

 

――あの2人も3人みたいになってそうだな。

 

などとオレは思いながら、次の目的地へ思いを馳せるのであった……。

*1
遊牧民族たちが使う移動式の家




セイバーのざっくりステータス

真名:キリト(桐ヶ谷和人)

ステータス(マスター:劉備)
筋力:C 耐久:B 敏捷:A+ 魔力:C- 幸運:A++ 宝具:?

スキル
騎乗:C
対魔力:B+
黒の剣士:A(勇猛、矢避けの加護、剣術、直感の複合スキル)
女難の相:EX
啓示:B
魔眼:EX
忍術:A++

宝具:不明
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