どこに行ってもヤンデレ   作:ぽぽろ

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生徒会室に行ってもヤンデレ 前

僕と僕の幼馴染、上原歩夢と高咲侑は、昔からずっと一緒だった。

小さい時は、一緒に遊び、小学校に入ると宿題を一緒にやったりした。

 

変化があったのは中学生の頃だっただろうか。

確か僕が告白された時に、嬉しさそのままに二人に言った時に、あの二人が急に目の光が穴に落ちるようにストンと消えて、少したりとも光がない完璧な闇の様な目で僕を見つめるのだ。

身体が何度も『逃げろ!』と警笛を鳴らすのだが、ネジの巻かれていないブリキのおもちゃの様に僕は少したりもと動くことが出来なかった。

 

「ねぇ、それって誰?」

 

侑が少したりとも僕から目を離さないまま近づいてくる。

 

「勿論、断ったよね?」

 

歩夢の問いかけに否定も肯定も出来ないまま僕は立ちすくしていた。

すると歩夢も近づいてきて僕の首筋に徐に噛み付いた。

侑も後を追うように噛みつき、首には二つ痕が出来た。しかも人から目立つ位置に。

さながら犬のマーキングのようだった。

次の日からピッタリと殆どの時間張り付くようになった。

そしてそれ以来僕は告白をされる事も無くなった。

 

 

それから幾許か経ち、虹ヶ咲学園に半ば強制的に入らされた今、僕は今侑が復活させたスクールアイドル部として活動している。

最初は中々に制限が酷かったが。

まずは、彼女達しか見ては行けなかった。話してもいけなかった。

だから僕だけただ歩夢と侑を見る部になっていて、それでは何か他の人に申し訳ないと思ったので、何とか侑の手伝いという形でマネージャーという仕事が貰えた。

 

マネージャーとして侑のサポート(何故か頭を撫でる、抱きしめるといった全く関係ない事まで含まれている)が大半で、他はドリンクを作ったりタオルを渡したりだ。

愛からは、「ゆうゆうと歩夢といっつも仲良いね!」と爽やかな笑みで言われるのだが、目が腐っているのではないだろうか。

幾ら幼馴染と言えど、ハグもしないし頭は撫でない。キスも求めない。女の子と話した程度じゃ不機嫌にならない。

もう侑に「私と歩夢がいないと何もできないよね?しょうがないなぁ」と言って僕の自由を奪うのは辞めて欲しい。何もできないというより何もできなくしているというのが正解だ。

 

 

歩夢に関しては、「お前、まごころ系スクールアイドルはどこに置いてきた?」と言いたい程欠如している。クラスの人と話すくらいでじっと仄暗い目で僕を二人して見つめるのも辞めて欲しい。

そして、帰ったら即押し倒すのも辞めて欲しい。

2人がかりなもんだから押し返すのが中々に大変だ。

 

ある日、クラスの人から告白をされて、今一度彼女達の怒りを買ってしまった僕はある決意をした。これではきっと何か甘いものを買っても頭を撫でても効くまい。しかも二回目だ。

いつも通り侑の家に向かった僕達。

その向かう帰路でさえ侑と歩夢が僕の両腕を万力の様な力で締め上げ、僕は歩く、連れてかれているというより引っ張られている引きづられているような感じがした。

さながら散歩を拒む犬の様になっていた。

そして、無言で僕の方を睨むように見つめ、少しでも二人のどちらからかズレようものなら光の速さで戻された。

いつもの目に光がない僕の嫌いな目で「私だけのもの、私だけのもの」とマントラの様に唱えていた。

 

侑の部屋に入った僕は、侑のベットに寝転がり、ただ一言。

 

「僕とシてほしい」

 

と言った。

急に目の色を変えた二人は餌を一週間ぶりに見つけた獣の如く飛びかかった。

僕は生き残るためにはどうにかして身体で繋ぐしか無かった。

 

初めてが三人という中々に貴重な体験をしたのだが、次の日は肌艶の良い二人がいた。

僕は不本意的に二人の味を知ってしまったのと引き換えに莫大な疲れが襲った。

途中からはもう記憶すら無い。

ただ恍惚とした目で僕に強請るように僕の上で体を動かす………うぅ、思い出しただけで頭が痛い。

 

だからせめて、僕は誰にも縛られない自由時間が欲しいと思った。

 

そこで僕はうちのスクールアイドル部でもあり、生徒会長でいらっしゃる三船栞子の元に助けを求めた。

元生徒会長の優木せつ菜、いや中川菜々も頼れる仲間だけれど生徒会長の座を目の前の人に下ろされてしまったので中々に残念。

 

「成程、そういうことだったんですね、いきなり飛び込んできたので驚きましたが」

 

そう言って彼女は優しく微笑んで、僕の目の前にお茶が入った湯呑みを置いた。

僕は「ありがとう」と返した。

 

今までのあらましを話す中でシモの話の時は頬を赤くして耳を塞ぐようにしていたが、これが前の生徒会長様なら二、三発は『は、破廉恥です!』と殴られていたに違いない。

そこを除けば僕の話を真剣に聞いてくれていた。

 

「高校生の内にこんな事……」

 

じっと僕を咎める様に睨む彼女。

しょうがないだろ、そうでもしないときっと僕は今ここにはいない。

この晴天の空を翔ける様に飛んでいただろうさ。

 

僕がそう返すと、「こほん」と咳をした。

 

「それでこれからどうするんですか?」

「いや、どうしようかなって。ネットカフェとかカプセルホテルとか考えたけど、いつかはお金は尽きるし、そんな経済力は僕にはない」

 

ちなみに今は部室の方では休憩の時に無断で抜け出しているので、帰ったあとが怖い。

栞子ちゃんが生徒会の仕事で今日遅くなるというのを知ってなかったら、逃げ場所なく見つかって僕はまた身体を差し出す羽目になっただろう。

 

だから僕のズボンのポケットでずっとブッー、ブッーと振動を続けている連絡機能付きマッサージ機は知らない。

股関節ばかりマッサージをされて大変困る。

 

「だから逃げる場所に困ってるんだよね」

 

はぁと溜息を着く。

栞子ちゃんは、花でも眺めるみたいに僕を見て、何やら思案していた。

 

「だから栞子ちゃんの家に逃げれないかなって思ったんだけど」

 

そう言うと、背筋に冷たい水を浴びたように驚いた表情で僕を見た

 

「私の家……ですか?」

「うん」

「あ、あの確かに両親は暫く帰ってこないのですが、姉さんがいるので……」

「そんなの気にしないよ」

 

と言う事で僕の逃亡先は栞子宅に決まった。

これがあっていたのかは今は分からない

 




私ならヤンデレに自分から突っ込むね!
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