どこに行ってもヤンデレ   作:ぽぽろ

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セーフ、まだ4ヶ月だからギリセーフ!(?)
何か前回の歩夢ちゃんと侑ちゃんのちょっとしたヤンデレ書いてたら満足しちゃって……そしたら、4ヶ月……


生徒会室に行ってもヤンデレ 後

僕は幼馴染である侑と歩夢の束縛に耐えかねて栞子ちゃんの家に居候をした。

本当はどこか別の土地に、僕の知らない所に行きたかったけれど、そんな金銭的余裕は無くて。

でもそれでも十分な本当の自由を手にした。

いつの間に布団に入ってこないし、一々携帯のやり取りも確認されないし動画も自由に見ることが出来る。

だからといってはぐうたら生活はいくらなんでも良心が咎めるので、食器を洗ったり等の僕にお手伝いが出来るものはしている。

学校にはインフルエンザと言っておいたので一週間は僕はこの自由を満喫することが出来る。

携帯はそこら辺の河川敷にぶん投げてきたので新しい携帯で、登録されているのはまだ栞子ちゃんのみである。

「お茶です」

「ありがとう」

 

なんて考えていると僕の前にお茶が置かれた。

そして僕の対面に座ってゆっくりと微笑んだ。

僕はそれに手を伸ばしかけたが、手を止めた

 

「もちろんこれに変なの入ってないよね」

「あの……ただのお茶ですが……」

「だよね、ごめんね」

 

と僕はゆっくりとお茶を啜った。

 

「良く歩夢と侑が変なの入れてたからさ」

「例えばどんなの……って聞くのはやめておきましょう、嫌な予感がするので」

「うん、それが正解だと思うよ」

 

苦味の中にしっかりとした甘みがあるお茶だった。

 

「美味しいよ、栞子ちゃん」

「なら良かったです」

 

そう言って彼女は微笑んだ。

 

「今日は何してたんですか?」

「今日?別に何もしてないよ。ただ自由を謳歌してただけさ。大した事は何もしてない」

 

「すみません、家は本当に何も無くて」

「そんな事はないよ、縁側で鯉を眺めるだけでも十分楽しいし、スマホだってある。何より僕の部屋もあまり物は多くないよ」

 

僕の部屋には必要最低限のものしか無かった。変なものを買おう物ならすぐさま歩夢と侑に捨てられる。僕の部屋と比べたらむしろ栞子ちゃんの家の方が潤沢に物がある。

 

「それなら良かったです」

そして彼女はゆっくりとお茶を啜った。

 

「まだ来て3日くらいしか経ってないけどさ、何だか自分の家みたいに心地がいいよ。お姉さんも優しいし、何だかとっても落ち着く」

 

開いた窓から入り込んだ夜の冷たい風が僕と栞子ちゃんの頬を撫でる。

僕は席を立って、開いてた窓を閉めた。

 

「ずっとここにいたいくらいだよ」

 

僕はため息と共に息を吐き出した。

栞子ちゃんは嬉しそうに顔を綻ばせた。

 

「そう言えば同好会の様子はどうなってるの?」

 

僕がそう聞くと、栞子ちゃんはほんの一瞬だけ苦虫を噛み潰したような顔をした。

そして、すぐに八重歯を出してにっこりと笑った。

 

「特に変わりはありませんよ、強いて言えばやはり歩夢さんと侑さんの元気がないでしょうか。その……まるでゾンビみたいで」

「成程」

 

前の携帯はもう無いけれど、きっと大量にメールとか電話がかけられているのだろうと推測が出来る。

しかもそれに既読も付かないから。

 

「その内帰らないと行けないよね……あまり気が乗らないけれど」

 

一週間放置した後帰る時には何をされるか知らないけれど録な目には合わないだろう。

 

今、栞子ちゃんの家に逃げているのは問題から目を逸らしているに過ぎないし、ただ先延ばしにしているだけだ。

いづれ僕はあの幼馴染の所に帰らないと行けない。

そう思うと心に重く石がのしかかった様な気分になった。

 

あの二人が正確に今どうなっているのか知る術は今は栞子ちゃんからの情報しかない、きっと僕を探しているだろうし、帰った時にはより一層酷くなっている感じがした。

また1ヶ月ほど学校を休まないと行けないのかもしれない。僕が生きていればだけれど。

これからの事を考えると僕が呼吸をする度に鉄みたいな重たい空気の固まりみたいなものが肺に積もっていく様に憂鬱で息苦しいものだった。

 

「それならいいじゃないですか、帰らなくたって。私の家でずっと過ごせばいいんですよ」

「そんな申し訳ないよ」

「私は冗談ではなく、本気で言っています。なので迷惑とか考えなくても大丈夫ですよ。後でどうせ一緒に過ごすんです。それが早いか遅いかだけですよ」

「どういうこと………?」

 

僕が首を傾げながらそう聞くと栞子ちゃんは不気味に微笑んだ

 

「栞子ちゃん?」

 

と僕はそのままグイッと引っ張られて、そのまま栞子ちゃんは僕の唇に吸い付いた。

僕は驚きで、時間が止まってしまったかの様に身体や頭を動かせなかった。

 

そして、そのまま僕は床に押し倒された。

 

「栞子ちゃん……?」

 

何処かいつもとおかしい、と僕は感じた。

栞子ちゃんはこんな事をする子では無い。

真面目で、でも不器用で、自分をまっすぐ持っている、そして八重歯がキュートというのが、僕の栞子ちゃん像だった。

この感じはまるで、僕の幼馴染、侑と歩夢の様な……

 

「私、我慢できなくなりました」

「我慢……?」

「私はずっとあなたの事が好きなんです」

 

僕の首筋に強く噛み付いて、彼女はそう言った。

針が刺さった様な痛みが走った。

栞子ちゃんが僕を……?

 

「生徒会室で貴方と会話する時間が私はとっても幸せでした。この時間だけは貴方を独占出来ていたから」

確かに僕は時々2人から逃げるために生徒会室を使っていた。

現実逃避に近いことではあるが、第三者がいる所では流石にあの二人もやらかしはしないと考えていたから。

そして仕事も中川菜々、優木せつ菜の時から手伝ってはいた。

だから手伝いくらいなら僕にだって出来る。

 

「私はずっと思っていたんです。貴方を我が物のように扱うお二人は邪魔だと。私は憤っていたんです」

 

ぎゅっと拳を強く握った。

爪が拳にくい込んで、少し血が出ていた。

その血の雫が畳に落ちて、シミを作った。

 

「だから今、私は貴方が私の家に来る事はとても嬉しかったのです。これでまたあなたを誰の目にも触れずに私だけのモノに出来ると」

 

栞子ちゃんの目は、独占欲やら執着心やら憎悪がごちゃ混ぜになって、井戸の底のように深い闇を作り出していた。

 

僕は怖くなって、後ろに下がろうとすると即座に栞子ちゃんは紙の上に重しを乗せるように馬乗りになった。

 

「なぜ逃げようとするのですか?」

 

栞子ちゃんの目がグッと近づく。

瞬きもせずにじっと僕だけを見つめている。まるで世界には僕と栞子ちゃんしか無いかのように。

 

「ここから逃げてもどうせあのお二人に捕まって酷い事をされるのがオチですよ、私はそんな事はしません。貴方が変な事をしようとしなければですが」

 

そして、ハッと何か思い付いたように僕の手首を力強く握った。

 

「このままシてしまいましょうか、あのお二人に先を越されたのは大変癪ですが、上書きを出来ると思えば良いでしょう」

 

僕は栞子ちゃんと身体を重ねた。

肉食獣に貪られているような草食獣の気持ちだった。

 

そして捕食が終わると、一糸纏わぬ姿のままガチャガチャと僕の身体やら携帯をいじり始めた。

 

「一応念の為、GPS等をつけておきましょう。貴方がもし逃げ出したりしてしまわないように」

 

その言葉はまるで僕がプログラムによって支配されている機械になってしまう様で。

 

「これで貴方をずっと独占出来ますね」

 

栞子ちゃんは、嬉しそうに八重歯を僕に見せて笑った。

 




主人公はどこに行ってもヤンデレからは逃げられないよってお話でした。
侑ちゃん、歩夢ちゃん編は今のところ考えてないです
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