過去と未来、CDに記録した想い。   作:アメざいく

2 / 19
#2 過去からのサプライズ(まぁラーメンはおいしかったでしょう

 

 

『――――生きてればそれでいいの?』

 

なんでわたしはあの時、君に手を伸ばせなかったのだろう。『わたしも一緒に行く』と、たった一言だったはずなのに、・・・どうしてわたしは、その言葉を言えなかったのだろう。

言っていれば、手を伸ばしていれば、・・・世界は、未来は変わったのだろうか。

 

・・・行方不明となってしまった親友の事を思い出しながら、わたし・・・直樹美紀は、自販機で買った缶コーヒーのプルタブを開ける。・・・世界はいつこんなに復興したんだ?

 

「あっ・・・あのっ!!」

 

そんな声がして、はっと振り返る。・・・似てる。似ている。茶髪のショートカットも、ワインレッドの瞳も、全部。

・・・まさか本人?・・・いや、この子はまだ中学生くらいだし、年齢が合わな

「私、圭っ・・・祠堂圭って言いますっ!!」

 

なっ・・・。

 

・・・そんなこと、現実で起こりうるだろうか。・・・確かにわたしは、願いが叶うとか言うキャッチコピーの付いた、ターコイズの宝石がはまっているうさんくさい手鏡を買ったさ。

でもあれは単なるインチキ商品で、・・・願いを叶える力なんて、持ってないんじゃないのか・・・?

 

・・・じゃぁ目の前で起きているこの状況はなんだろう。幻覚?ついに幻覚を見たかわたしは。明日あたり病院に言ったほうがいいかもしれない・・・。

 

「私、ひとめぼれしました!!」

 

・・・え?

目の前の少女・・・圭(仮)の口から出た予想外の言葉に、わたしは驚きを隠せない。

・・・待て。ということは・・・現実・・・?妄想じゃない・・・?

 

「確かに、私はあなたのことを何も知らない・・・知らない、けどっ!!

 

・・・私と、恋人になってくださいっ!!」

「あッ・・・。」

 

・・・やっぱり、圭は圭だな・・・。どこまでもまっすぐで、危険を顧みない。・・・ま、そういうところが、彼女のかっこいいところでもあるんだけど。

 

思わずぎゅっと抱きしめてしまう。「ふぁっ」という間抜けな声が耳に飛び込んできた。・・・可愛い。

 

「・・・ありがと。」

 

もうあの頃のわたしとは違う。絶対に、彼女と一緒に居て見せる。・・・だから。

 

「いいよ。・・・恋人、なってあげる。」

 

「・・・はいっ!!」

 

 

 

「・・・ところで、今日寒いし、ラーメン食べにいく?わたし奢るよ?」

「え?・・・あっ、行きたいです!!行きます!!」

 

わたしの言葉にそう返してくる圭は、まるで年下の後輩のようで。・・・まぁ実際に(ここでは)年下なんだけど。

 

(・・・年下、ねぇ・・・。・・・あっ)

 

いけない・・・変な趣味が芽生えてしまいそうだ・・・。・・・自重しなければ。

 

「・・・ま、ラーメンでも食べながら、色々ゆっくり話しましょうよ。」

 

 

 

 

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。