「・・・・・う~ん・・・。」
夜。不意に目が覚めてしまった。・・・隣からは圭の規則正しい寝息が聞こえる。
えっと・・・今何時?・・・深夜2時?
「うっわめっちゃ深夜じゃん・・・」
わたしはそんなことをつぶやきつつ、ちらっと横で寝ている圭の姿を見る。
最初に『一緒のベッドで寝る?』と提案した際には彼女は赤面しながら拒否っていたのだが、結局折れて同じベッドで寝ることになった。
・・・折れた、というよりかはどちらかというと負けたんだろう。自分の欲望かなんかに。
(・・・まぁいいや・・・考え事しよ考え事。静かだし好都合・・・)
しれっと圭の無防備な寝顔を堪能しつつ、わたしは意識を【考えなければいけないこと】へと飛ばす。
・・・数年前にタイムスリップした。タイムスリップしてきた原理は謎だが、とにかく今のわたしの現状をひとことでまとめるとそんな感じだ。
圭がまだ中学生(まぁあと3・4か月後には高校生になってるんだけど)ということは、まだあのパンデミックは起きていないということ。
・・・つまり、ここは【平和】な時代なのだろう。あと数年後に何が起こるかも知らないで、この【平穏】がずっと続くと信じ切っている・・・そんな時代だ。
(・・・結果論から行くと、ぬるいよなぁこの時代・・・)
今の世の中に悪態をつくが、今そんなことやってたってしょうがない。
ここは過去である。そして、過去にやって来たんなら、どうしてもやりたいことがひとつ。
(・・・会いに行ってみるか、【この時代のわたし】に・・・!!)
なんだかSFみたいなことを思った。
(・・・よく考えろ。わたしはいつパンデミックが起きて何がどうなるのかだいたいわかってる!!だったらそれをこの時代の誰かに伝えておいたほうがいい・・・
そして、一番わたしの発言を信じてくれそうなひとは・・・圭以外でわたししかいないじゃないか!!)
それっぽい理由を後付けで考えたが、結局はただの好奇心である。
(・・・明日行ってみよ・・・。)
いこうか、わが家へ。
翌朝・・・というか翌昼なのだが、圭を自宅に送り届けた後、わたしは【この時代のわたし】が住んでいるであろう家へと向かった。
「なんだか懐かしい感じがする・・・当たり前か。」
まぁ過去に戻ってきた特権を味わったという事で。
(・・・どうしよう。インターホン押したいけど押せない・・・)
・・・なんて言えばいんだろう。【こんにちは、未来から来た直樹美紀です】とか?
(怪しさ全開・・・!!)
それで本人が出てきたならまだしも、親とかそこらへんからすればただの頭のおかしい不審者じゃないか、わたし。
「・・・どうしよ・・・。」
【見かけたのでふらっと寄っちゃいました】とかか?いや頭おかしいな・・・
(頭おかしくないインターホンの台詞・・・う~ん・・・)
「あの・・・どちら様ですか?」
「え?」
ふと、聞きなれた声がして振り返る。
「・・・あっ」
振り返った先にいた人物は、まぎれもなく、・・・数年前の、
「わたし・・・・?」