「わたし・・・・!?」
前回までのあらすじ。過去のわたしとわたし(未来産)が、過去のわたしの自宅の前でばったり遭遇。・・・うん、だいぶややこしいなこれ。・・・以上!!
「に、似てる・・・っていうかそっくり・・・」
目の前の状況が理解できないのか、過去のわたしは目をぱちくりさせて呆然としている。
「だっ・・・誰なんですかあなた!!まさかドッペルゲンガー?いやまさかそんな・・・」
「え?・・・あっ違う違う違う!!とっ・・・とにかく、わたしの話を聞いて!!」
「―――あなたが、未来のわたし・・・?」
「うん。・・・ま、未来って言っても、数年後のだけどね・・・。」
【未来】という言葉を過大評価し過ぎないでほしいな、なんて冗談を苦笑いしながら返す。
「・・・確かにそう考えれば、そっくりなのも納得がいくし・・・いやでも!!そもそもどうしてこの時代に!?」
「・・・まぁそこら辺は、わたしもあんまよくわからないんだけどね・・・」
何をどうやったら過去に戻ってしまったのか、そのメカニズムはいまだ謎だ。まぁ頑張れば解明できそうだが、それに科学的根拠はない。非常にオカルトチックだ。・・・まぁ要するに話せば長くなります。
「・・・まぁとりあえず・・・中に入れてくれるとありがたいんだけど。」
ここへ向かう前に自販機で買ったホットコーヒーは、もう完全に冷め切っていた。・・・今の気候と時間的に、そりゃそうだろうけど。
「・・・コーヒー、飲めるんですね・・・」
「・・・まぁね?」
冷め切った缶コーヒーを飲むと、わたしはほっとため息をつく。・・・テーブルに大量に置かれた高校受験の問題集も志望校のパンフレットも、今やどこか懐かしい。
「・・・それで、未来のわたしは、ちゃんと高校生やってますか?」
「う~ん・・・まぁちゃんとやってるよ?・・・つらかったことも苦しかったことも、たくさんあったけど・・・」
「そうですか・・・まぁでも、それが学園生活の代名詞みたいなものですからね」
わたしの言葉を前向きにとらえたのか、過去のわたしがポジティブにそう反応してくる。・・・学園生活、か・・・。
「・・・・・・。」
ふと、テーブルの上に置かれたパンフレットに目がとまる。・・・【巡ヶ丘学園】。
「・・・そうだね。・・・あっ、そうそう、ひとつだけアドバイス。」
「?・・・アドバイス、ですか・・・?」
「まぁアドバイスって言うか・・・伝言かな?
――――動けるときに動いとかないと、きっと後悔すると思う。・・・いや、する。絶対。」
『圭じゃない・・・圭じゃないっ・・・』
「―――あんな思いをするのは、もう二度とごめんだからね。」
知らず知らずのうちに、手を強く握りしめていたようだ。・・・くっきりと爪の跡が残っていた。
(・・・圭―――。)