初めての遊戯王二次小説です。
プレイミスとかおっかなびっくりです。(

では、注意事項と説明。
この短編小説は遊戯王GXの世界に一人の転生者が舞い降りたことが前提となっています。
そして時系列は影丸理事長戦です。
転生者はすでにリタイアしています。
ですが、希望は託されたました。

では、どうぞ!

1 / 1
彼女が死んだのは全くの偶然で、神に出会ったのも全くの偶然だった。
しかし、まるで必然であるかのように導かれて、彼女はそこにたどり着いた。

だが、世界は優しくなどはなく、当たり前のように彼女は負けた。
全ての希望を、彼に託して。


遊戯王GX・希望の光

あいつは、あの戦いの直前に俺に教えたんだ。

 

『私ね、この世界の人間じゃないんだ』

 

それがどういう意味なのかよく分からなかったけど、なんとなく、そうなんとなく不安になったんだ。

そんなことを言うなんて、まるで遺言みたいだったから。

そしてあいつは、あの決闘で負けて、意識不明のままだ。

あの時、負ける瞬間に俺に投げてよこした、黒い枠のカードを残して。

 

『私の希望を、受け取って!』

 

あいつは笑顔で、負けたんだ。

今、理事長の前に立つのが、正直怖い。

でも、『希望』を託されたから、そして怖い以上にワクワクするから。

 

 

十代:LP4000「「決闘!!」」影丸:LP4000

 

 

俺は、決闘をするんだ。

 

 

 

 

「ワシのターン!貴様のような小僧が!ワシの野望を!三幻魔を止められると思うなよ!!まずはフィールド魔法、【失楽園】を発動!!」

 

「な、なんだ!?」

 

 

影丸理事長がカードを発動すると、世界が塗り替えられ、枯れた大地と大樹、それと一つの瑞々しいリンゴしかない世界が広がる。

寂しい。

『希望』なんてない、寂しい世界が。

 

 

「このカードがフィールド上に三幻魔が存在するとき、1ターンに1度、デッキからカードを2枚選択して手札に加える事ができる!」

 

「なんだって!?そんなカード、インチキじゃないか!!」

 

 

【失楽園】

フィールド魔法

フィールド上に「神炎皇ウリア」「降雷皇ハモン」「幻魔皇ラビエル」のいずれかが存在する場合、そのカードのコントローラーは1ターンに1度、デッキからカードを2枚選択して手札に加える事ができる。

 

 

翔が抗議しても、理事長は意に介さないで決闘を続ける。

ああ、そうだ。

続けてくれ、理事長。

 

 

「そしてワシは【強者の苦痛】、【平和の使者】、【強欲なカケラ】を発動し、そのまま墓地へ!!」

 

 

三幻魔なんてものすごいカードが出てきたら……。

 

 

「絶望しろ!いでよ、【降雷皇ハモン】!!」

 

 

【降雷皇ハモン】

効果モンスター

光属性・星10・雷族

攻撃力:4000・守備力:4000

このカードは通常召喚できない。自分フィールド上に表側表示で存在する永続魔法カード3枚を墓地に送った場合のみ特殊召喚する事ができる。このカードが戦闘によって相手モンスターを破壊し墓地へ送った時、相手ライフに1000ポイントダメージを与える。このカードが自分フィールド上に表側守備表示で存在する場合、相手は他のモンスターを攻撃対象に選択できない。

 

 

「「「「「「「「う、うわああぁぁぁぁぁっっっ!!?」」」」」」」」

 

 

フィールドに雷を落とし、圧倒的な力と巨体を見せつける黄色いモンスター。

三幻魔の一角、ハモンが現れ、フィールドを砕く。

その余波が俺たちに襲い掛かってきて飛ばされそうになるけれども、必死に踏ん張って飛ばされないようにする。

 

 

「そして【失楽園】の効果で二枚ドロー!カードを二枚伏せ、ターンエンドだ!」

 

 

それを倒すところを想像したら……。

 

 

「…最高にワクワクするじゃないか!俺のターン、ドロー!!」

 

 

これで俺の手札は6枚。

手札の数は、可能性の数。

つまり、これが今の俺の『希望』。

 

 

「俺は【融合】を発動するぜ!手札の【E・HEROフェザーマン】と、【E・HEROバーストレディ】を融合!!来い!マイフェイバリット!【E・HEROフレイム・ウィングマン】!!」

 

 

俺のフィールドで二体のヒーローが渦の中に消え、そして新たな姿となって渦から出てきた。

右腕が赤い龍で、緑色の体をした、俺の一番のヒーローが。

 

 

【E・HEROフレイム・ウィングマン】

融合・効果モンスター

風属性・星6・戦士族

攻撃力:2100・守備力:1200

「E・HERO フェザーマン」+「E・HERO バーストレディ」

このカードは融合召喚でしか特殊召喚できない。このカードが戦闘によってモンスターを破壊し墓地へ送った時、破壊したモンスターの攻撃力分のダメージを相手ライフに与える。

 

 

「ハハハ!何かと思ったら、そいつか!そんなモンスターでハモンに勝てるわけがなかろう!」

 

「それはどうかな!ヒーローには、ヒーローの舞台があるんだぜ!フィールド魔法、【摩天楼 -スカイスクレイパー-】を発動!」

 

「なんだと!?」

 

「おお!私を倒した時のカードですノーネ!」

 

 

最近起きたルール改正によって共存できるようになったお互いのフィールド魔法が干渉しあって、何もない荒野に近未来的な街が、ヒーローの活躍するための舞台が立ち上る。

 

 

【摩天楼 -スカイスクレイパー-】

フィールド魔法

「E・HERO」と名のつくモンスターが攻撃する時、攻撃モンスターの攻撃力が攻撃対象モンスターの攻撃力よりも低い場合、攻撃モンスターの攻撃力はダメージ計算時のみ1000ポイントアップする。

 

 

「ハッ!しかしそれでも、ハモンには敵わんぞ!!」

 

「俺の手札は、まだ残ってるんだぜ?明日香!お前のカード、使わせてもらうぜ!」

 

「ええ!存分に使って!」

 

「俺は手札から【フュージョン・ウェポン】を、フレイム・ウィングマンに装備!」

 

「し、しまった!?」

 

 

フレイム・ウィングマンの右腕、赤い龍の口から覗くフュージョン・ウェポン。

明日香から借りた、このカード。

今、俺のデッキには一枚ずつ皆の思いが込められている。

負けるなんて、ありえない!

 

 

【フュージョン・ウェポン】

装備魔法

レベル6以下の融合モンスターのみ装備可能。装備モンスターの攻撃力と守備力は1500ポイントアップする。

 

【E・HEROフレイム・ウィングマン】攻撃力:2100→3600

 

 

「これで攻撃すれば、俺のフレイム・ウィングマンの攻撃力はお前のハモンを超える!いくぜ!フレイム・ウィングマンで攻撃!スカイスクレイパー・シュート!」

 

【E・HEROフレイム・ウィングマン】攻撃力:3600→4600

 

 

摩天楼の、その一際高いビルから飛び立ち、龍の口に赤い赤い炎の弾が充填される。

 

 

「これが決まれば、十代の勝ちだ!」

 

「甘いわ!リバースカード・オープン!【グラヴィティ・バインド-超重力の網-】を発動!これで貴様のモンスターは、攻撃できない!!」

 

「「「「「「「「な、なんだってー!?」」」」」」」」

 

 

上空からフィールドを覆う、巨大な網が降ってきてフレイム・ウィングマンとハモンの身動きを封じた。

これで勝てると思ったけど、すげえよ!

よし、それなら!

 

 

「俺はメインフェイズ2で【補給部隊】を発動して、ターンエンドだ!」

 

【補給部隊】

永続魔法

(1):1ターンに1度、自分フィールドのモンスターが戦闘・効果で破壊された場合にこの効果を発動する。自分はデッキから1枚ドローする。

 

 

「ドロー補助か!だかヌルいわ!ワシのターン、ドロー!さらに失楽園の効果で二枚引く!」

 

 

これで理事長の手札は3枚…。

次はどう来るんだ。

 

 

「…ふむ、まずは【幻銃士】を召喚。効果でワシのフィールドに存在するモンスターの数、つまり二体の【銃士トークン】を特殊召喚する!」

 

【幻銃士】

闇属性・星4・悪魔族

攻撃力:1100・守備力:800

このカードが召喚・反転召喚に成功した時、自分フィールド上に存在するモンスターの数まで「銃士トークン」(悪魔族・闇・星4・攻/守500)を特殊召喚する事ができる。自分のスタンバイフェイズ毎に自分フィールド上に表側表示で存在する「銃士」と名のついたモンスター1体につき300ポイントダメージを相手ライフに与える事ができる。この効果を発動する場合、このターン自分フィールド上に存在する「銃士」と名のついたモンスターは攻撃宣言する事ができない。

 

 

「そして!フィールドの三体の悪魔族モンスターを生贄に捧げる!」

 

「な、三体のモンスターを生贄に!?」

 

「まるで決闘王の神のカードみたいだ!」

 

「いでよ!【幻魔皇ラビエル】!!」

 

 

理事長がカードを決闘盤に置いた瞬間、世界が軋んだ。

空間がヒビ割れて、砕ける。

その先の暗い、暗い闇の中から現れたのは、青い全身の巨躯。

 

 

《◼︎◼︎◼︎◼︎◼︎◼︎◼︎ァ◼︎◼︎◼︎◼︎ァアァ◼︎アァッッッ!!!!》

 

 

三幻魔の皇、ラビエル。

 

 

【幻魔皇ラビエル】

闇属性・星10・悪魔族

攻撃力:4000・守備力:4000

このカードは通常召喚できない。自分フィールド上に存在する悪魔族モンスター3体を生け贄に捧げた場合のみ特殊召喚する事ができる。相手がモンスターを召喚する度に自分フィールド上に「幻魔トークン」(悪魔族・闇・星1・攻/守1000)を1体特殊召喚する。このトークンは攻撃宣言を行う事ができない。1ターンに1度だけ、自分フィールド上のモンスター1体を生け贄に捧げる事で、このターンのエンドフェイズ時までこのカードの攻撃力は生け贄に捧げたモンスターの元々の攻撃力分アップする。

 

 

「そ、そんな!?攻撃力4000が二体も!」

 

「兄貴のモンスターは攻撃力3600のフレイム・ウィングマンだけだし、魔法カードも補給部隊だけじゃないか!」

 

「…だが、グラヴィティ・バインドの効果で攻撃はできない。カードを一枚伏せて、ターンエンドじゃ」

 

「俺のターン!ドロー!」

 

 

………このカードは…。

 

 

「…俺はフレイム・ウィングマンを守備表示にし、カードを一枚伏せてターンエンドだ」

 

「それで終わりか!ワシのターン、ドロー!そして失楽園の効果で二枚ドロー!」

 

 

これでまた、理事長の手札が一気に三枚になった。

クッ!やっぱりあのフィールド魔法が厄介だぜ。

 

 

「リバースカードを二枚オープン!永続罠カード、【宮廷のしきたり】と【エンペラー・オーダー】を発動する。そして!ワシのフィールドにある三枚の、永続罠カードを生贄に捧げる!いでよ!【神炎皇ウリア】!」

 

 

赤く長い身体をくねらせ、膨大な熱と炎を纏ってフィールドに現れたそれ。

炎を操り、秘せられた可能性を燃やし尽くす幻魔、ウリア。

僅か5ターン。

三幻魔がそろってしまった。

 

【神炎皇ウリア】

効果モンスター

炎属性・星10・炎族

攻撃力:0・守備力:0

このカードは通常召喚できない。自分フィールド上に表側表示で存在する罠カード3枚を墓地に送った場合のみ特殊召喚する事ができる。このカードの攻撃力は、自分の墓地の永続罠カード1枚につき1000ポイントアップする。

1ターンに1度だけ、相手フィールド上にセットされている魔法・罠カード1枚を破壊する事ができる。この効果の発動に対して魔法・罠カードを発動する事はできない。

 

【神炎皇ウリア】

攻撃力:0→3000

 

 

「ウリアの効果は、貴様の伏せカードを破壊する『トラップ・ディストラクション』!!貴様が何をしようとも「なら、そいつの召喚にチェーンして発動だ!」なに!?」

 

 

俺が伏せていたのは…。

 

 

「速攻魔法、【クリボーを呼ぶ笛】!俺はデッキから【ハネクリボー】を守備表示で特殊召喚するぜ!」

 

《クリクリ~!》

 

【クリボーを呼ぶ笛】

速攻魔法

自分のデッキから「クリボー」または「ハネクリボー」1体を選択し、手札に加えるか自分フィールド上に特殊召喚する事ができる。

 

 

いくら伏せカードを破壊できるって言っても、召喚にチェーンされたらできないだろ!

頼んだぜ、相棒!

 

 

「ぬう…ッ!ならばハモンでフレイム・ウィングマンを攻撃!『失楽の霹靂』!!」

 

「う、うわああぁぁぁぁぁっっっ!!?」

 

 

無数の雷に打たれて、フレイム・ウィングマンが破壊される。

だが、これで…!

 

 

「フレイム・ウィングマンが破壊されたこの時、補給部隊の効果が「モンスターを戦闘破壊したこの時、ハモンの効果が発動!相手のライフに1000ポイントのダメージ!」なんだって!?」

 

 

チェーンが組まれ、まず俺の手札が一枚追加される。

そして…、

 

 

「くらえぇぇ!!『地獄の贖罪』!!」

 

「うわああああッッッ!!」

 

 

一筋の雷が、俺の真上から落とされた。

 

十代:LP4000→3000

 

 

「続いてラビエルで攻撃ィッ!その邪魔な毛玉を破壊しろ!『天界蹂躙拳』!!」

 

《クリクリ〜!》

 

 

ラビエルの拳に打ち砕かれ、ハネクリボーがフィールドから消える。

でも、その衝撃がこちらに来ることはない。

相棒が、ハネクリボーがその翼を広げて、守ってくれるから。

 

【ハネクリボー】

効果モンスター

光属性・星1・天使族

攻撃力:300・守備力:200

フィールド上に存在するこのカードが破壊され墓地へ送られた時に発動する。発動後、このターンこのカードのコントローラーが受ける戦闘ダメージは全て0になる。

 

 

「…ふむ、あの毛玉のせいで、こちらからできることはもうないな。だが念には念を、じゃカードを二枚伏せてターンエンド」

 

 

…辛い、正直言って辛い。

三幻魔たちの持つ、圧倒的にプレッシャーに足が竦んで、デッキにかけた指が動かなくなる。

だけど、ここで引き下がれるわけがない。

俺に仲間を託してくれたみんなを、希望を託してくれたあいつを裏切ることはできないから。

 

 

「オオオォォォォッッ!!!俺の!ターン!ドロォォォォッッ!」

 

 

引いたカードは…。

 

 

「俺は今引いた【強欲な壺】を発動!」

 

「ここでそれを引いたのか!?」

 

「出たぁっ!アニキのミラクルドローだぁッ!!」

 

【強欲な壺】

通常魔法(禁止カード)

自分のデッキからカードを2枚ドローする。

 

今のドローで手札は三枚。

これで逆転できるぜ!

 

 

「いくぜ!【賢者の石-サバティエル】を発動する!デッキから【ミラクル・フュージョン】を手札に加えるぜ!!」

 

 

【賢者の石-サバティエル】

通常魔法

(1):自分の墓地に「ハネクリボー」モンスターが存在する場合、

LPを半分払って発動できる。

デッキから「融合」魔法カードまたは「フュージョン」魔法カード1枚を手札に加える。

(2):このカードが墓地に存在する場合、

自分の墓地の「賢者の石-サバティエル」3枚を除外し、

フィールドのモンスター1体を対象として発動できる。

そのモンスターの攻撃力はターン終了時まで、

フィールドの攻撃力が一番高いモンスターの攻撃力分アップする。

 

十代:LP3000→1500

 

 

「さらに【E・HEROスパークマン】を召喚!」

 

「貴様がモンスターを召喚した時、リバースカードを一枚オープン!永続罠、【エンペラー・オーダー】!これによりラビエルの効果が無効化され、カードを一枚ドローする!」

 

【エンペラー・オーダー】

永続罠

召喚成功時に発動される効果モンスターの効果の発動を無効にする事ができる。その時、そのモンスターのコントローラーはデッキからカードを1枚ドローする。

 

 

「そんなの関係ないね!【ミラクル・フュージョン】を発動!フィールドのスパークマンと墓地のフレイム・ウィングマンを融合するぜ!」

 

【ミラクル・フュージョン】

(1):自分のフィールド・墓地から、「E・HERO」融合モンスターカードによって決められた融合素材モンスターを除外し、その融合モンスター1体をエクストラデッキから融合召喚する。

 

 

「こ、この組み合わせは!!」

 

「アニキのフェイバリットの進化形だ!」

 

 

スパークマンとフレイム・ウィングマンが渦の中に巻き込まれると、その渦の中から目が開けられないほどの強烈な光が放たれる。

その光が収まると、そこにいたのは…。

 

「炎の風を飛び超え、光を翼に変えろ!融合召喚!【E・HEROシャイニング・フレア・ウィングマン】!!」

 

白く輝く鎧を身にまとったヒーロー。

シャイニング・フレア・ウィングマンだ!

 

【E・HEROシャイニング・フレア・ウィングマン】

融合モンスター

光属性・星8・戦士族

攻撃力:2500・守備力:2100

「E・HERO フレイム・ウィングマン」+「E・HERO スパークマン」

このカードは融合召喚でしか特殊召喚できない。このカードの攻撃力は、自分の墓地に存在する「E・HERO」と名のついたカード1枚につき300ポイントアップする。このカードが戦闘によってモンスターを破壊し墓地へ送った時、破壊したモンスターの攻撃力分のダメージを相手ライフに与える。

 

 

【E・HEROシャイニング・フレア・ウィングマン】

攻撃力:2500→3100

 

 

「な!?ウリアを超えただと!?」

 

「おっと!ここがどこだか忘れたのかよ、理事長?」

 

「ここ…?………ハッ!」

 

「そうさ!ここはヒーローの舞台でもあるんだぜ!攻撃力4000のハモンもラビエルも、超えるんだ!」

 

 

そう!フィールド魔法は理事長の失楽園だけじゃない!

俺のスカイスクレイパーも発動しているんだ!

 

 

「いけ!シャイニング・フレア・ウィングマン!ハモンに攻撃!」

 

《オオオォォォォッッ!!!》

 

 

右腕の装備が輝き、光が溢れ出る。

 

 

「や、やめろおぉぉぉぉっっ!!!!」

 

「究極の輝きを放て!『シャイニング・スクレイパー・シュート』!!」

 

《オオオォォォォッッ!!!》

 

【E・HEROシャイニング・フレア・ウィングマン】

攻撃力:3100→4100

 

 

スクレイパーの最も高いビルから飛び立ち、空をハモンへ向かって駆け抜ける。

そしてその光を纏った拳でハモンの胴体を全力で殴り切る。

その威力は瞬く間にハモンの体に罅を入れ―――――

 

 

《グギャアァァァァァァッッ!!!》

 

 

――――その体を、爆散させた。

 

 

「やったぁっ!アニキの勝ちだ!」

 

「よくやったな、十代!」

 

「コングラッチュレーションナノーネ!」

 

「強くなったな!」

 

「十代!」

 

仲間たちが喜んでくれている。

これで!これで俺の勝ちだ!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

《オオオオオオオオオォォォォッッ!!!》

 

 

…え?

爆発で起きた噴煙の向こうから、突然轟いた咆哮。

待てよ…、まさか…。

 

 

「…それで勝ったと思ったのか!小僧ォォォォッッ!!!」

 

「…なんでまだライフが残っているんだよォォォッッ!!!?」

 

影丸:LP2900

 

噴煙が晴れた先にいたのは、ボロボロの体で、片膝をつきながらも闘志が絶えていない理事長。

だけど、なんでライフが残っているんだ!?

シャイニング・フレア・ウィングマンの効果で、ハモンの攻撃力分のダメージを受けたはずなのに!!

 

 

「…ワシを!ワシをなめるなよ小僧!貴様の攻撃時に永続罠カード、【女神の加護】を発動していた!!」

 

【女神の加護】

永続罠

自分は3000ライフポイント回復する。自分フィールド上に表側表示で存在するこのカードがフィールド上から離れた時、自分は3000ポイントダメージを受ける。

 

そ、そうか!

だからか!

つまり、あの時理事長のライフは7000になっていたのか!

…こ、これはマズ過ぎるぜ!

俺がこのターンでできることは…、もうないのか!

だけど…。

 

 

「俺は希望を捨てない!ターンエンドだ!」

 

「ワシのターン、ドロー!失楽園の効果でさらに二枚!そしてぇッ!【サイクロン】を発動!貴様の補給部隊を破壊する!」

 

「そんな!?」

 

【サイクロン】

速攻魔法

(1):フィールドの魔法・罠カード1枚を対象として発動できる。そのカードを破壊する。

 

突然吹いた突風によって破壊される、俺の補給部隊。

これじゃあ、ドローができない!

 

 

「ゆくぞ!ラビエルで攻撃!!『天界蹂躙拳』!!!」

 

「う、うわああぁぁぁぁぁっっっ!!?」

 

 

ラビエルの巨大な拳が、シャイニング・フレア・ウィングマンを打ち砕く。

その衝撃で俺の体は、相当距離吹き飛ばされた。

 

十代:LP1500→600

 

 

「今度こそとどめだ!ウリアでダイレクトアタック!『ハイパーブレイズ』!!」

 

 

ウリアの口内で貯められたエネルギーが、強力な炎となって俺を襲う。

これを食らったら、俺の…負け…。

 

 

「アニキィッ!!」

 

「「「「十代ィィッッ!!!」」」」

 

「ドロップアウトボーイ!!」

 

 

皆の声が、遠く聞こえる…。

遠く…。

 

 

 

 

 

 

《十代、まだいけるでしょ?》

 

 

その声は、近かった。

 

 

「俺は手札からモンスター効果を発動する!」

 

「何ィッ!?」

 

 

遠のきかけた意識を無理矢理戻して、カードを発動する。

理事長の驚いた声。

そうだ!俺はまだ戦える!

 

 

「手札から!?」

 

「モンスター効果!?」

 

 

翔とサンダーも、いや、皆も驚いている。

だろうな。

このカードは、まだ眠っているアイツから借りたものだから。

 

 

「【速攻のかかし】を発動!手札からこのカードを墓地に送ることで、バトルフェイズを終了する!」

 

「…首の皮一枚をつなげてきたかぁッ!!」

 

【速攻のかかし】

効果モンスター

地属性・星1・機械族

相手モンスターの直接攻撃宣言時、このカードを手札から捨てて発動できる。その攻撃を無効にし、バトルフェイズを終了する。

 

 

繋がった!

アイツの託してくれた希望が、繋がった!

 

 

「…ワシはカードを一枚伏せ、ターンエンド!」

 

「いくぜ!これがラストドローだ!…ドロォォォォッッ!!!」

 

 

…よく来てくれたぜ!

 

 

「俺は今引いた【E・HEROバブルマン】を特殊召喚する!そしてその効果で、二枚ドロー!」

 

「ここにきてそのカードだと!?」

 

【E・HEROバブルマン】

効果モンスター(制限カード)

水属性・星4・戦士族

(1):手札がこのカード1枚のみの場合、このカードは手札から特殊召喚できる。

(2):このカードが召喚・反転召喚・特殊召喚に成功した時に発動できる。自分はデッキから2枚ドローする。この効果は自分の手札・フィールドに他のカードが無い場合に発動と処理ができる。

 

 

「…だが、何を引こうとも貴様に勝つ手立てはない!これまでの貴様の決闘のデータには、この状況を打ち勝つカードなどない!リバースカードオープン!もう一枚のグラヴィティ・バインドじゃ!!そしてワシの手札には、サイクロンがある!」

 

「そ、そんなぁっ!?」

 

 

理事長が伏せていたのは、もう一枚のグラヴィティ・バインド。

そして手札にはサイクロン。

その事実に、皆が絶望の空気をだす。

 

…けどな!

 

 

「希望はまだ!残っているぜ!俺はスパークマンを召喚する!」

 

「この時、ラビエルの効果で再びトークンを召喚!…をエンペラー・オーダーで無効にして一枚ドロー!だが!どっちにしても貴様は負けるのだ!その様子だと、得意の融合もできないようだしなぁ!」

 

「ああ!融合はしない!だけど、希望は繋がっているぜ!俺はバブルマンとスパークマンでオーバーレイ・ネットワークを構築!!」

 

「な、なんだこの召喚方法は!?」

 

 

俺のフィールドに渦巻く宇宙が広がり、二体のモンスターが輝く球体になってその中に飛び込んでいく。

その渦の中心から、まるで剣の鞘のようなモンスターが現れ、人型へと展開していく。

 

 

「現れろNo.39!託された希望を剣に変え、立ちはだかる絶望を断ち切れ!光の使者、希望皇ホープ!!」

 

《ホープ!!》

 

【No.39希望皇ホープ】

エクシーズモンスター

光属性・星4・戦士族

攻撃力:2500・守備力:2000

レベル4モンスター×2

自分または相手のモンスターの攻撃宣言時、このカードのエクシーズ素材を1つ取り除いて発動できる。そのモンスターの攻撃を無効にする。このカードがエクシーズ素材の無い状態で攻撃対象に選択された時、このカードを破壊する。

 

 

「…は、はは……。見ない召喚方法だからどうしたというのだ!私の場にはグラヴィティ・バインドがあるのだぞ!」

 

「グラヴィティ・バインドはレベルによって攻撃制限をかけるカード!だけど、エクシーズモンスターはレベルじゃなくてランクで表示される!そのカードの効果は当てはまらないんだ!!」

 

「な、なにぃっ!?」

 

 

そう、それがエクシーズモンスターの特徴。

このモンスターは、グラヴィティ・バインドの制限を受けない!

 

 

「だ、だが!そのモンスターの攻撃力は2500程度!幻魔は倒せないし、トークンを破壊しても返しのターンで貴様の終わりだ!!」

 

「終わりになんてならない!!」

 

 

そうだ!

アイツの残してくれた希望の光を、こんなところで絶やせない!

応えてくれ!

アイツの想いに!俺の想いに!皆の想いに!

 

………融合デッキが、輝いている?

 

 

「…なんだ、この輝きは?」

 

 

理事長が、茫然とした声を出す。

ああ、あんたに見せてやるよ。

 

 

「これが!俺たちの!アイツの!カードたちの!」

 

 

融合デッキからカードを勢いよく抜き取り、ホープに重ねる!

 

 

「絆が繋げた希望だ!!カオスエクシーズ・チェンジ!!!」

 

「カオスエクシーズ・チェンジ…!?」

 

 

ホープが元の鞘のような形状に戻り、再び現れた渦の中へと消えていく。

だが、それで終わらない!

再び現れた時、白かったその姿は黒く、けれども光を放つ黒に変わり、二本だった剣は三本に増えている。

そう、これが!

 

 

「【CNo.39希望皇ホープレイ】!!!」

 

《ホープ!!》

 

「…な、なんなんじゃこの輝きは!?この光は!?」

 

「ホープレイの効果を発動!このカードのオーバーレイ・ユニットを1つ取り除く事で、カードの攻撃力を500ポイントアップして相手フィールド上のモンスター1体の攻撃力を1000ポイントダウンする!俺はオーバーレイ・ユニットをすべて取り除き、ホープレイの攻撃力を1500アップ!そしてラビエルの攻撃力を3000ダウンさせる!」

 

【CNo.39希望皇ホープレイ】

光属性・星4・戦士族

攻撃力:2500・守備力:2000

光属性レベル4モンスター×3

このカードは自分フィールド上の「No.39 希望皇ホープ」の上にこのカードを重ねてエクシーズ召喚する事もできる。自分のライフポイントが1000以下の場合、このカードのエクシーズ素材を1つ取り除く事で、エンドフェイズ時までこのカードの攻撃力を500ポイントアップして相手フィールド上のモンスター1体の攻撃力を1000ポイントダウンする。

 

【CNo.39希望皇ホープレイ】

攻撃力:2500→4000

【幻魔皇ラビエル】

攻撃力:4000→1000

 

 

「これが絆が導く、アイツの託してくれた希望の先の光だ!最後だ、理事長!ホープレイでラビエルを攻撃!!」

 

 

三本の剣を構え、ラビエルへと駆けて行くホープレイ。

 

 

「…あ、ああ……。そんな、バカな…」

 

 

そして剣がラビエルに触れる距離まで辿り着き、

 

 

「『ホープ・剣・カオススラッシュ』!!」

 

 

絶望の闇は、希望の光によって切り裂かれた。

 

 

 

 

影丸:LP2900→0

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

…なあ、もう行くのかよ?

 

…ええ、身体はもう治ったしね。

 

…もうちょっとくらい、ゆっくりしてっても……。

 

いや、もう決めたんだ。…じゃないと、いつまでもここにいちゃうから。

 

…いつまでもいていいじゃないか!!

 

………ねえ、十代。あなたは将来、沢山の決闘者と戦うんだろうね。そして、今回みたいに世界を救うこともあるんだろうね。

 

…何を……?

 

私はカードから嫌われている人間。今回みたいに、ここぞという時に勝てない…。

 

そんなことない!

 

…ううん、そうなのよ。………だから、旅に行くの。カードから嫌われている私が、この世界で何ができるかを知るために…。

 

…それは、ここじゃダメなのか?

 

…うん、たぶんダメなんだと思う。私が何も知らない場所じゃないと、分からないんだと思うんだ。

 

…そっか……。

 

…ねえ、十代。

 

…なんだ?

 

…いつかまた、会えるよね?

 

当たり前だろ!俺たちは仲間なんだからな!!

 

…うん、そうだよね。あのさ、十代…。

 

…なんだよ?

 

…………希望を、忘れないでね。

 

ああ、もちろん忘れないさ!

 

…ねえ、十代。

 

なんだよ?

 

 

 

 

 

 

 

 

…………大好きだよ……。

 

 

 

 

 

 

 

俺はたぶん、この日のことを、この唇の感触を忘れられないだろう。

 

 

 

 

 

 

                   ―遊戯王GX・希望の光-

                        完




最初の発端は、十代がホープを使ったら格好良いんじゃないかというものでした。
はい、単純ですね。(

遊戯王GXの世界では、光は「破滅の光」。
闇は「やさしき闇」とされ、闇が肯定的に取られています、
けれども、今作では「希望の光」に「絶望の闇」と、光を肯定的にしました。
宇宙の本質が闇。しかし同時に人が安らぎを感じるのは光の中でもある。
そういう大極図的な意味を込めました。

さて、それでは最後になりましたが、本作を読んでくださった皆様に感謝を述べるとともに、全ての決闘者にあのセリフを。

「ルールを守って、楽しい決闘を!」

それでは、ありがとうございました!

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