夢のサイレンススズカ産駒 ウマ娘世界でターフを駆ける。 作:うどんそば
私が勝った翌日、ニュースでは私が一面にデカデカと飾られていた。
GI初20馬身差大差勝利!
大体の新聞社はこんな感じでまとめていた。
それほど、はじめての大差勝ちというのは大きな衝撃だったのだ。
またその翌日から、私は忙しくなった。
会見である。
「次走は何を目指すのでしょうか!」
「大差勝ちの感想をお願いします!」
「わ、わかりましたから!落ち着いてください!」
トレーナーさんが対応する。
「それでは!一つ一つお答えします。」
はい、ゴア!と、マイクを手渡される。
「まず、次走は、弥生賞です!それまでゆっくり体づくりしていきます!」
「なるほど!ありがとうございます!」
「次、感想ですが、本当に嬉しいです!はじめての大差勝ち、これからも誇りとして、努力を怠らず、これからも皆さんに感動をお届けできればと思います!」
「ありがとうございます!」
「次!ライバルと思っているのは、うーん…みんなライバルですけど、特に意識しているのは、学校でも仲がいい、デビューしているのだったらキングちゃんとグラスちゃん。それに、まだデビューしたことない子でもいいなら、ブーケアンブーアちゃんと、スペシャルウィークちゃんに、エルコンドルパサーちゃん、セイウンスカイちゃんです!」
「なるほど、ありがとうございます!」
「次は…」
「すいません!もう時間です!さあ!行くよゴア!」
トレーナーに手を引かれる私。一応、メディアの皆さんに頭を下げておきました。
「ハァ。疲れたなぁ。」
トレーナーさんとトレーナー室に帰ってこれたのはもう夕方でした。
「今日はトレーニングなしだ。あまりに疲労が抜けてないだろ?だから、お祝いだ。」
私が想像していなかった言葉にん?と、怪訝な目をすると、お〜い!スズカ!
と、トレーナーさんが呼び、ケーキや、美味しそうなハンバーグを持ったスズカさんが。
「よし!改めて、GI初勝利、おめでとう。」
「おめでとう。ゴアちゃん。」
「まあ正直、お前なら行けると思ってた。」
「私もよ?」
そんなに風に思われていたとは思わず、とっても嬉しい気持ちになって、
「ありがとう!」
と言うと、二人は、顔を見合わせて笑顔になった。
「どうだ?美味しいか?」
目の前にある食べ物を食べると、そんなことを聞かれる。
もちろん、
「とっても美味しい!」
いくらでも食べられちゃいそう!
「ふふ!これ、私とトレーナーさんで作ったんですよ?」
「えっ!そうなんですか?」
目の前の美味しそうなケーキや、ハンバーグに、唐揚げの数々はスズカさんとトレーナーさんが作ったと言うこと!?
「すごいです!ありがとうございます。」
そうだろ?そうやって鼻を掻く。
私は、この人たちのためにも勝たなければいけないと思った。
翌日、会長が訪ねてきた。
「うまく使いこなせたようだね。」
「はい。もう使ってる感覚も無くなってきて…」
「ふふっ!将来有望だし、すごくいいことだが、使い所は気をつけた方がいい。」
「まあとにかく、君には期待している。頑張ってくれ。」
ルドルフ会長にこんなに応援してもらえているとは思っていなかった。
私はこの人のためにも勝たなければいけないと思った。
部屋に帰って、荷物を置いた時、
「今日!もう一回見直したんだよー!本当にすごい!惚れ惚れしちゃう!私も頑張るよ!」
スマイルちゃんは、わざわざ何度も見てくれていた。
スマイルちゃんのためにも強くあり続けないといけないと思った。
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それからしばらく経って、学校が始まって、教室に入った時、
「あれ!見たよ!大差勝ち!本当にすごい!」
「羨ましいデース!」
「にゃはは〜流石のセイちゃんも驚いちゃったな〜」
「クラシックが楽しみになりました〜」
「私もクラシックで戦うのを楽しみにしてるわ!」
「よーし!私も!頑張ろうね!ゴアちゃん!」
いつもの六人からお祝いを受けた。
私たちがグラスちゃんが勝った時もしたのと同じだったけれど、される側がどれだけ嬉しいのかがよくわかった。
みんなのニコニコとした顔を見て、
この子たちのためにも、私は強くあり続けなければならないと思った。
放課後になり、久しぶりに逃げシスで集まることになった。
「あー!久しぶり!ゴアちゃん!」
「お久しぶりです。ゴアさん。」
「ゴアちゃん!こっちにきていいわ!」
「あはは〜」
素敵なチームだな。このチームって。
「あっ!そうだ!ゴアちゃん!GI初勝利おめでとう!あんな勝ち方するなんて、本当すごいよー!流石逃げシス期待の新星だね☆」
「おめでとうございます。普通ではあれほどの着差をつけることはできないと判断し、研究にも使わせていただいています。」
「私からも改めておめでとう。」
「突発ライブも良かったよ〜!お客さんも大満足みたいだね!」
そう言って笑顔をむけてくれる先輩方。
期待をしてくれているこの人たちのためにも、負けられないと思った。
家に帰り、インターネットをつけた。
いわゆるインターネット掲示板と呼ばれるサイトは飛ぶと、常に立っているスレが。
競バ板。ウマ娘のレースのファンの方々が、そのレースの実況を行ったり、交流を行ったり、期待のウマ娘について話したりするところだ。
私はそれをクリックすると、
ホープフルステークスやば杉内www
クワイエットゴアちゃんさあ…強すぎんよ。
次まじで1倍あるんじゃないか?
あの走りほんとすこ!次は絶対みるぜ…
ゴアちゃんのために仕事捨てました。(絶望)
上のおっさんやばい…
と言ったレスが続く。
掲示板と言ってもさまざまなスレがある。けれども、もう三日経った今でさえ、ホープフルステークスに関する書き込みが絶えないと言う。
私がこれを見た時、少しだけびっくりした。
思ったより私に肯定的、なんならファンだろう人までいたのだから。
温かい言葉や、好きだと言ってくれていたり、とても嬉しい。
心の中が暖かくなる感覚に襲われた。
ああ、あったかいな。
私はこの応援してくれるファンのみんなのためにも、負けられないと思った。
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私は背負うものが増えたと思う。もちろん、体重でも荷物でもない。
それは、私にとっては重荷にはならない。あくまで私の背中を押すもので、これのおかげで、私はどこまででも走っていける気がするし、負けられないと思える。
ただ走るのだけが好きだった、きた時の私はもういない。
背負うものができた。期待だ。
私は期待を背負ってる。
みんな、私に夢を見てるんだ。負けない、大逃げ差しの継承者、又はそれを凌ぐ者。そんなところだろう。
私を、私として応援してくれる人がどれくらいいるだろうか。
きっと私は、無敗のウマ娘とか、クラシック有力候補とか、大逃げ差しとか、大差勝ちとか、そう言う視点でしか見てない気がする。
『クワイエットゴア』だから応援すると言う人は少ないのではと思った。
ある日、グラスちゃんが漏らしていた。
「怪物2世としてではなく、私を見てほしい」
と。
だが、私は今こう思っている。
大逃げ差し、クラシック有力候補、大差勝ち。全部私じゃないか。
『異次元の逃亡者2世』これだって私だ。だから2世って言っているじゃないか。
異次元の逃亡者と、異次元の逃亡者2世は違う。
同じだと思っている人に一泡吹かせる。
なぜなら私は、みんなの期待を一身に背負った、
『クワイエットゴア』だから。
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「ふぁー!おはよう!」
「おはよう!」
「んー?」
「どうしたの?」
「ゴアちゃん、変わったね。」
「えっ?」
「なんか凛々しくなった!」
「そのゴアちゃんも好きだけど、私はいつものゴアちゃんも好きだなぁ。」
「そう?ありがとう!」
「どういたしまして!」
いつものふにゃっとした笑顔でそう言うスマイルちゃん。
覚悟を持って、思いを背負って走るにも、たまには休憩も必要かもしれない。
そう思って、私は微笑み返した。