夢のサイレンススズカ産駒 ウマ娘世界でターフを駆ける。 作:うどんそば
新年。私は、スズカさんとトレーナーさんと一緒に初詣に来ていた。
「ゴアちゃん!こっちよ!」
「はーい!」
スズカさんに呼ばれたので、そっちへ向かうと、ボフッと、コートの中に入れられる。
「あったかいわ…」
「どうしたんですか?」
「いや、寒かったから、ゴアちゃんはあったかいだろうと思って。」
意味がわからない。けど、スズカさんかわいいなぁ。
ぎゅ
私はスズカさんに手を回して、しっかり抱きしめた。
「えへへ、あったかいですね!」
そういうと、聖母のような表情で、
「そう?それならよかったわ」
と、微笑みかけられた。惚れそう。
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「おーい!お参りするぞー!」
しばらく経って、人のピークも去って、ぎりぎり並べば参拝できるくらいの人数になった時、トレーナーさんが呼びにきた。
「はーい!」
聞こえるように返事をして、そっちへ行こうとすると、
「ねえ二人とも暇?今からさ、お茶行かない?」
初めてナンパというものをされた。
スズカさんはわかるけど、私みたいな小学生のAAAカップの女の子まで誘うとかね…
「ちょ、ちょっと…」
と、断って、トレーナーのところへさっさと向かおうとすると、
「ちょっと待ってよ!」
と、手をつかまれた。ひっと小さい悲鳴が漏れた。
私とてまだ12歳。怖いものは怖い。
すると、手がバッと振り払われた。
「俺の連れ達だけど問題ある?」
と、すっごくカッコつけたトレーナーさんが。
「チィっ!」
と、舌打ちをして去っていくナンパ男。落ち着いてきたらイラついたので、その後ろ目がけて思いっきり圧をかけると、その瞬間崩れ落ち、あまりの衝撃に悶えていた。面白い。でもこれ以上は他の人に迷惑になる。
ある程度楽しんだら圧を外した。その瞬間、周囲を見る男。滑稽だ。
私がそれを見て笑っていると、トレーナーさんとスズカさんが悪魔を見るような目で、
「いや、やりすぎでしょ!」
と言ったので、ちょっと反省した。
とりあえず私たちは今度は三人で最後尾から並び直した。
たまにお腹が減った私が抜けて、屋台でちょっとした物を買ったりもしたけれど。
私たちの順番が来た。
とりあえず私は5円を入れて、
来年もこの三人でずっと一緒にいられますように
と、願った。
とりあえず左の方に避け、二人にどんな願いをしたのかを聞いた。
「私は、この日々が続きますようにって。」
「おっ、奇遇だな。俺もだ。」
「え!私もだよ!なんか、似たものチームだね、私たちって。」
三人が同じ願い事をするとは思っていなかった。
「そうだ!せっかくだから絵マ書こうよ!」
私は絵マを買い、三人でずっと一緒にいられますようにと書き、それぞれがそれぞれの似顔絵を描いた。
「スズカさんうまいですね。トレーナーさんも上手!」
「嘘でしょ…?それ、誰?」
「これはスズカさんですよ?」
「アハハハハハハハハ!!!!!!」
私が描いた絵が誰か聞かれたのでスズカさんと答えたらトレーナーさんに大笑いされたでござる。解せぬ。
絵マを結ぶと、さあ!おみくじタイム!
さあ!カモン!
おみくじを引き、開くと…
凶。
は?しかも、怪我に注意せよ…?????
ウマ娘として最悪な運勢なのでは?
トレーナーさんとスズカさんにも見せると、すごく微妙そうな顔で、
「まあ、所詮おみくじだから。」
「そうよ。しかもそうならないようにすればいいわ。」
と、励ましてくれた。
ちなみにトレーナーさんは大吉、スズカさんは中吉だった。私は凶。解せぬ。
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その後、私たちは早めにパッパと学園に戻って、ミーティングにした。
でも、私たちは大逃げの上、単純な目標が特徴のチームである。
「スズカ!ウィンタードリームリーグに向けて調整!」
「はい!」
「ゴア!この前言った通り弥生賞始動のクラシックコースだ。練習はスズカに合わせる!」
「はい!」
はい。終わり!と、トレーナーさんは終わりを宣言しました。1分ちょい。
早くていいね!!!
と、皮肉じみた思考になっていた時、
「さあ、書き初めするぞ!」
と、テンション高めのトレーナーさんが筆を持ってきた。
「今年は長いやつ持ってきたからな!」
「スズカさん?今年ってことは毎年やってるんですか?」
「そうよ。意外と集中できて私は好き。」
ほう。楽しそうだなぁ。いっちょ書いてみますか!と、トレーナーさんのお手並みを拝見しようと覗き込むと、とんでもなく達筆な字で、半紙で、躍進と書いた。
「いやうますぎ!ハードル上がるわ!」
そう突っ込むと、
「いやー!ノート筆で取ってたらこうなっちゃった。」
なんでも、お爺さまからの勧めで、小筆で自宅では学習をしていたとのこと。
「筆でノートを取ると、力の入れ方とか、はらいの感覚がわかってきて、自然に思った通りの字が書けるようになった。」
つぎ!スズカさん。
スズカさんは、トレーナーさんが別に持ってきていた長い方を使って、大逃げ差しと書いた。やっぱ達筆。
「一応5年目なので…」
とのこと。うーん、書き初めしかしてない人にしてはうますぎない?
はー。緊張する。私は半紙を取ると、ちょっと練習をして、本番の用紙に書き始めた。
しっかりととめはねなどを意識した。
できた。
「どうなったんだ?」
「いいですねこの言葉。」
私は、豪脚と書いた。逃げからの差し足を鍛えるための目標である。
トレーナーさんはしっかり頷くと、模造紙に三人分貼り付け、部屋に貼った。
「よーし!来年もこの目標達成に向けて、頑張るぞ!」
と、トレーナーが声を上げたので、とりあえず、
「おー!」
と返しておいた。
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「明けましておめでとう!」
「おめでとう!」
「あめましておめでとう」
「おめでとうございます〜」
「おめでとうございマース!」
「にゃはは〜今年もよろしく〜」
「おめでとー!」
三が日ということで、休みが被ったみんなで集まることができた。
「なんだか久しぶりだね。」
にしてもさ…
「なんじゃこの腹は〜!」
「ええ〜!?」
スペちゃんの服からはみ出る腹をこねくり回す。
「じゃあさ、走り込み行かない?」
「こんな朝から?」
私は無理矢理押し切り、走り込みすることにさせた。
「集まったね!」
「嘘でしょ…?」
とりあえずスズカさんを巻き込み、みんなを見ると、大半が項垂れていて、ブーケちゃんに至ってはぶつぶつ何かを呟いている。
…まあいいや!しゅっぱーつ!
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「ぁぁあ゛あ゛!もう無理ーーーー!」
おおよそ女の子が出してはいけない声を聞いて、スマホを見る。55キロ。
「スズカさん!そろそろ折り返しましょう!」
「うん。わかったわ!」
「みんなー!帰り道覚えてる?先に折り返しとくね〜!」
全員虚な目でこちらを見て、頷いた。
「大丈夫そうですね!さあスズカさん!いきますよ!」
「ふふ!そうね!」
私とスズカさんは走り出した。
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「ふう…気持ち良かった!」
「気持ち良かったですね!」
走り切った時の距離、110キロ!久しぶりに満足できた。
「また今度行きましょうね!」
「ふふ!そうね。また行きましょう!」
私たちはシャワーを浴びて着替えて、みんなが到着するのを待った。
「ハァ…ハァ…やったわ!」
二番手にはキングちゃんが入ってきた。
そのあと、
ゴゴゴゴゴ…と、オーラを出しながらきたのはグラスちゃん。
「ふふっ!走り切って見せました〜」
その次、
「にゃはは〜まあまあ。」
少しばてながらも、いつもの余裕を崩さないようなスカイちゃん。
その次、ていうか一塊で、
「はあはあ!もうむりー!」
と慟哭するブーケちゃん。
「おなかが!」
疲れた様子だがお腹が凹んで満足げなスペちゃん。
ぶつぶつぶつ
きつすぎてぶつぶつうわ言を呟くエルちゃん。
全員揃ったところで、私は一言。
「また行こうね!スズカさんも行きたいって!」
その瞬間、みんながこっちを見て、
「それはちょっと…」
と言われてしまった。
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