夢のサイレンススズカ産駒 ウマ娘世界でターフを駆ける。   作:うどんそば

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6時予定だったのが少し遅れてしまい申し訳ありません。


弥生賞前、警戒対象は?

かなり時間が経って、弥生賞。

年始から一体何が起きたのか総ざらいしていく。 

 

スズカさんのウインタードリームトロフィは、優勝という結果になった。

 

次に、年始デビュー組、スペちゃんエルちゃんスカイちゃんブーケちゃんは普通にメイクデビューを突破した。

全く危なげなかった。

……あれ?もしかして私たちってエリート?

と思ってしまうほどだ。

でも、スペちゃんはそのあとのレースで太って二着。そして、そのあときさらぎ賞を勝って次は弥生賞へ。

 

エルちゃんはその次も勝ち、前走の共同通信杯で勝利、クラシックではなく、ニュージーランドトロフィーを目指すそうだ。

 

次、スカイちゃん。前走でジュニアカップを勝って、そのまま弥生賞らしい。

……なんだか情報が少なくてやりづらいなぁ。当たり前だけど本人も言わないし。

 

次!ブーケちゃん。……うん。メイクデビューの後、次で負け、その次も負け、前走のクイーンカップでも負け。オークス目指して次走はスイートピーステークスらしい。

走り込み行こうね!!

 

それに、ジュニア級からのキングちゃんは、あれから弥生賞直行である。

 

そして、グラスちゃんは……

 

「ありがとうございます〜お見舞いなんて〜」

 

「いやいや!でも残念だな。クラシックは見送るんでしょ?」

 

「はい。そうなると思います。」

 

「寂しいなあ。骨折なんてさ。」

 

骨折で入院していた。

ジュニア級での無理が祟ったのだろうということだ。

 

グラスちゃんの目を見れば炎は消えていないことがわかる。

 

「じゃあ帰るね。弥生賞勝って、期待に応えるから!」

 

そう言って席を立つと、後ろから、

 

「応援しかできないですが、頑張ってくださいね」

 

と、悔しさが滲み出た声で言われた。

 

絶対に勝たねば。そう思った。

 

 

 

━━━━━━━━━━

 

 

 

私は悩んでいた。もちろん弥生賞のことについてだ。警戒に足るのは誰かまとめておきたかったからだ。

 

「うーん。とりあえずキングヘイローだな。」

 

と言ったのはトレーナーさん。

 

「スペちゃんも結構……」

 

と言ったのはスズカさんの

 

私個人的には情報が少ないけど、策できそうなスカイちゃん。

 

というわけで、私はとりあえずはこの三人を意識して練習に励むこととなった。

 

私がキングちゃんやスペちゃんの対策で一番ありがたかったことは、定期的に会長が現れ、私をボコしてくれるところだ。

 

「そろそろ負けそうだ。」

 

なんて良く言われるが、まだ数回しか勝ったことない。

 

そこで、今日も私をボコしにきた会長に誰を警戒すればいいか聞いた。

 

「正直私相手に逃げ切ったんだ。自信は持っていい。でも、全員を警戒してこその強者というものだよ。レースでは何が起こるかわからない。傲慢さが出ればいつか負ける。」

 

なるほど、と思った。でも、あなたから教えられた圧のせいで警戒する対象が多ければ多いほどレース展開が荒れて対策しづらくなるんですが?

そう伝えると、

 

「ふむ……君にはレースが荒れた時、レースしながら落ち着いて策を組み立てる頭がないらしい。まあ大逃げである以上は必要ないだろうが、君は差しもできそうだね。今度レース中の策の組み立て方と一緒に差しの走り方を教えよう。」

 

とりあえず……大逃げである以上は対策しなくてもいいってことかな。

 

にしても、意外な収穫だった。私が大逃げが大好きだとはいえ、最近は脚質もいろいろな選択肢があった方がいいという結論に達していたので、私が個人的にもできるだろうと踏んでいた差しを、会長から教えてもらえるなんて。

そんな機会、他の子なら大金を積んででも手に入れたい機会なんじゃないかと思う。

 

と、今は弥生賞に集中しないと。

 

最近は私たちはずっと坂路を走っている。

これはなぜかというと、中山2000の場の坂、そこを速く走れるようにするためだ。

 

ホープフルの時は、自分は気づかなかったけれど、スタート後の急坂で若干ラップタイムが遅くなったそうだ。もちろん、ゴール前の時はこっちも加速しているので気にならないが、序盤遅いと、今回の場合スカイちゃんにハナを取られてしまう可能性がある。

 

スカイちゃんがハナに立ってしまうと、私はそのほかは差しくらいしかしたことないので差しをすることになる。

 

差しでも勝てるだろうが、大逃げできたら、それに越したことはない。それに、レース序盤最初から他の子達を突き放す私たちのやり方だと、序盤は飛ばしてナンボと言ったところなので、この練習が無駄になることがないというとも良いところだろう。

 

一応、競り合う練習と、破滅的なペースになっても持つスタミナの育成のため、スズカさんと毎回競り合っている。しかし、私はいまだにハナをとれたことはない。強すぎるスズカさん。

 

……うん。正直、もう弥生賞に関しては対策が終わっている。何もすることがないのだ。

 

私が今のところ、一番弥生賞に向けて警戒すべきはスカイちゃんだという話はしたと思う。そのスカイちゃんにハナを取られたらもう負け近づくと思っているほどである。そこで、私はスカイちゃんのレースの映像を見て、スカイちゃんのスタートから序盤の動きについて研究をすることにした。

 

「うーん。序盤、かなり技巧が散りばめられてるなぁ。」

 

そういう感想を抱くと同時に安心した。ハナを取られる心配はないだろう。いや、きっと、私をいないことにしてレースを進めるのだろう。

 

大体、私は大逃げだ。大逃げとは気性とも相談の上だが、相手が混乱してしまうこと前提で進んだりなど、想定と違う展開になることが望ましい作戦である。

 

しかし、私やスズカさんなどの走りたくて走ってるという感じの子たちは、基本的に後方がどうなろうと知ったこっちゃないのだ。

 

だが、逃げはどうだろう。特にスカイちゃんのような作戦逃げをする子たちは、後方を掛からせたり、先頭集団のペースを乱したり、スローペースに持ち込んだりすることが、勝利への絶対条件となる。

つまり、作戦逃げをするためには、先行集団からあまり離れていないところを走る必要があるわけだ。

無理に私とハナを奪い合えば、必然的に超ハイペース、自分のスタミナも浪費、幻惑逃げも封じられるという、スカイちゃんにとって最悪な状況となる。

 

つまるところ、私たち大逃げに、逃げのスカイちゃんたちはついてくる必要はないのだ。

 

しかも、私は特に中盤には20馬身くらい付けるつもりでいるので、意識しないようにするにはうってつけだろう。それを追うとなるとかなりスタミナを残しておきたいはずなので、ハイペースに見せかけたミドルペースでも組んでくるかもしれない。

彼女はそういうことができる器だ。

 

でも、逃げの子のスパートなんかに負ける私ではないと、自身でもそう思う。

だから、スカイちゃんの目的は皐月賞で、優先出走権がもらえるギリギリを狙ってくる可能性もある。

 

ここまで考えて、私は考えるのをやめた。

 

まあ、私はそんなの考えなくっても、圧めっちゃかけまくって、先行集団を超掛からせて、嫌がってるスカイちゃんを尻目に30バ身つけるつもりだけどね。

 

んで、最終直線でおそらく抜けてくるだろう、地力があるスペちゃんやキングちゃん、おそらくハナを譲るつもりはないだろうスカイちゃんが後ろからくる。

 

そこで、次に私は目標を立てた。

最終直線で、上がり1位で勝つ。

 

大逃げで、上がり1位の末脚を使えれば負けることはない。単純だが、誰も使わないのは、使えないから。

 

なら、使えることを証明すればいい。スズカさんは安定して上がり3位以上の足を使えるし、1位で上がったこともある。つまり、同じ練習をしている私にできない道理はないはずなのだ。

 

大体、私はこの頃、中山2000メートルのコースを模したトラックで、レコードを大きく更新する走りを安定してできている。

坂路もうまく作用するに違いない。

 

そう思うと、上がり1位でゴールするのも意外と不可能じゃない。と、確信するのだった。

 

 




ちなみに新年デビュー組のメイクデビューは、実馬の新馬戦とは何も関係ありません。が、太って負けたのは白梅賞など、一応、それからの戦績は実馬を参考に組み立てています。何が間違いなど有れば気軽にご指摘ください。
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