夢のサイレンススズカ産駒 ウマ娘世界でターフを駆ける。   作:うどんそば

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またまた少々遅れてしまいました。すいません。


弥生賞!ライバル対決はじめての着差表示

弥生賞当日。

 

いつものように、私は部屋で着替えた後、カチューシャとピンをつけて、鏡を見つめた後、深呼吸した。

 

「大丈夫よ。ゴアちゃんなら。」

 

「……楽しみです。でも、流石にクラシックは緊張しますね。」

 

弥生賞。クラシック路線、皐月賞のトライアル。いつも楽しいとしか思えなかった私は今日は緊張している。

 

「私よりはいい結果になると思うわ。」

 

「スズカさん、どうなったんですか?」

 

「トレーナーさんが見えなくって、さびしくってゲートの下をくぐったの。」

 

「ぶっ!?それなんですか〜!」

 

一気に緊張が飛んだ。

なんならやばい!笑いすぎて腹筋壊れる!!!

 

「嘘でしょ……そんなに笑われるなんて……」

 

でも、それは笑っちゃうよスズカさん。そのせいでクラシック出られなかったのも。

 

「……ありがとうございます。緊張飛んだみたいです。楽しんできます。」

 

「なんだか釈然としないわ……」

 

「いいじゃないですか。」

 

私が息を整え、深呼吸をもう一度すると、

 

「そろそろだぞ!」

 

外からトレーナーさんの声が聞こえる。

 

外に出ると、トレーナーさんが待っており、

 

「今日勝って勢いつけるぞ。あれだけ研究してたんだ。俺からなんもいうことはない。」

 

それは彼なりの私への信頼の証であったのだろう。

不器用ながらも、私に自信をつけさせようとしたその言葉で、実際に私は乗せられてしまった。

 

「勝ってくるから見ててよ。」

 

そう言い、地下バ道へ向かった。

 

地下バ道には、もうみんな来ていた。パドックで見た通りらみんな調子は良さそうだ。

 

「今日はよろしくね〜ゴアちゃん?」

 

軽い感じで言ってくるスカイちゃんだったけれど、目の奥の闘志は隠し切れていない。

 

「負けませんよー!」

 

体の前で力強く握っている拳から本気度が伝わってくるスペちゃん。

 

そして、一際大きな凄みを感じるのはキングちゃん。

 

「今回は負けないわ。」

 

そういうキングちゃんの仕上がりはすごいものだ。

 

この三人の思いもやらぬ闘志に、私はまた楽しくなってしまい、

 

「簡単に負けてあげないよ?」

 

と、微笑みを浮かべた。

 

「さあ!皐月賞トライアル!クラシックレースへの出走権を求めて、数多くの優駿たちがここに集っています。」

 

返しウマをした感じやはりみんな調子は良さそうだ。

だが、あの三人に勝るほどの仕上がりの子は見当たらなかった。

 

体を落ち着け、じっくり芝を舐めるように確認していく。

よし、いけそうだ。

 

ゲート入りが始まった。私は大外枠。特に問題なくゲート入りは完了し、同世代の中でも完成度の高い子たちが集まっていることを意識させられる。

 

わたしが思いっきり圧をかけると、ゲート内、いや、レース場の雰囲気が変わった。

 

ガタン。ゲートが開いた瞬間、私は最小のロスで飛び出して、ハナを取った。

いくらか焦っている子たちがついてこようとしているのがわかる。

 

しかし、私と違い、総合的に練習をしてきたものは、坂路ばかりしてきた私に、中山の急坂で勝てるわけはなかった。

私はどんどん加速していくが、坂だからと言って、特にきついわけでもなかった。充分息は残せる。

 

「さあ!先頭はやはりクワイエットゴア!先行集団がやはり垂れてきて!最初スタートを焦ってしまっていたセイウンスカイが先行集団を率いていると言ったところ!クワイエットゴアは中山の急坂をどんどんと加速している!他の子なら掛かっているとしか言えない走りでも、この子なら平常運転です!前走の同じ舞台での記録を更新しようというのか!」

 

スカイちゃんが先行の先頭に?……やっぱり私はいないものとして進めていくかなのかな。

 

じゃあ好都合。まだまだ坂が続くコーナー。

 

「大きく大きく差をつけて、先頭はクワイエットゴア!」

 

うまくカーブを回っていく。今日はあまり圧をかけていない。ということは、三人ともしっかりと最終直線で来るはずだ。

それまでにしっかりと差をあけておかなければ。坂も終わり、向正面を独走する。

さらに差を広げろ。どんどん加速する。向正面に入ってもまだ後続は来ない。

 

第三コーナーへ差し掛かる。少し息を入れる。

 

「クワイエットゴア!息を入れる!スパートの準備!後方は間に合うか!」

 

第四コーナーを回る。最後の直線と急坂。

 

さあ!足を踏み出す。次の足を。地面を蹴れ!

 

太陽のもと広がる原っぱ。続く道。

 

やはり先で待つのは三人ウマ娘。私はその間を走り抜け、新たなる景色を探し出す。

 

どんどん加速してゆく。気持ちいい。後ろから近づいてくる音が聞こえる。

そんなの関係ない。私だけの先頭の景色。

 

「今、クワイエットゴア!一着でゴールイン!」

 

もう終わった……もっと走りたかったな……

 

後ろを見ると、ちょうどスペちゃんがゴールして、その後ろからスカイちゃん、そのまた後ろからキングちゃんがゴールして、そこからまた差ができている。

 

私は観客席に手をふり、三人のところへ向かった。

 

「あなた…ほんとに規格外ね…」

 

「にゃはは〜ちょっと焦っちゃったかな〜」

 

「はぁはぁ……早すぎるよ〜!」

 

「ははは…でもさ、みんな今日大差じゃあみたい。」

 

掲示板を見れば、8バ身と表示されていた。

そこから、2バ身、1/2バ身とある。

 

「ははっ!私もついに追いつかれちゃうかもな〜でも、次は絶対大差つけるから、覚悟しててね!」

 

「何をいうのよ!次はこのキングが差し切って勝つわ!」

 

「にゃはは〜私はまあまあで〜」

 

「はぁはぁ!私も…!次は…!がんばりますよ…!」

 

そんな言葉を聞いて、闘志が燃える感覚に陥る。

 

ああ、次も必ず勝つんだと、強く思った。

 

 

 

━━━━━━━━━━

 

 

 

「お出かけだー!!」

 

「どこいく?」

 

最近恒例となっている、レース後のお出かけ。さあ今日はどこにいくのだろうか。

 

「うーん。今日はせっかくだから商店街に行こう!!!」

 

「うんそうだね。」

 

よくある商店街だけど、他の商店街とは違って、ウマ娘の利用が多いため、寂れた感じではなく、かえって盛り上がっている。

 

「さあ、れっつごー!」

 

ウマ娘の利用が多いことで、ラフな格好でいいのも良いことだ。

 

パッと上着を着て、すぐに外へ出ると、ポカポカ陽気に季節の移り変わりをはっきりと実感した。

 

「あったかいね」

 

「そうだね。」

 

「ちょっと暑いくらいかも。」

 

「なんか春って感じするね!」

 

春のように朗らかな彼女を見ると、こっちまでやさしい気持ちになる。

 

「さあ、早く行こう!」

 

と、手を差し伸べてくれるブーケちゃんの笑顔は太陽より眩しくて、左耳のひまわりをそのまま表したような性格を呈していて、私は好きだ。

 

そうこうしていると、商店街に着いた。

 

「さあ着いた。色々見て回ろうね!」

 

「じゃあまず寄りたいとこがあるんだけどいい?」

 

うん。と言われたので、ここの商店街でおそらく私が一番懇意にしているであろう肉屋を目指した。

 

その肉屋はただ肉を扱うだけではなく揚げ物などの販売もしている。

私は、そのうち、メンチカツをここにきた時は毎回食べる。という習慣ができた。

 

私たちはそこのメンチカツを買って、手頃な場所にある椅子に座った。

 

私は普通のメンチカツを、ブーケちゃんはチーズメンチカツを購入していたので、一口ずつ分けあったりもしました。すっごく美味しかった。

 

「じゃあ次は蹄鉄やさん!」

 

そう聞いて、おおっと私は思った。私はこの町の蹄鉄屋を訪ねるのは初めてなのだ。

 

「いらっしゃいませー!」

 

蹄鉄屋の中には、多種多様な蹄鉄が置かれていた、だが、私に合うような、500キロ走っても壊れない蹄鉄とかはなくてガッカリした。

 

そこに髪の薄い職人が現れ、お前らに最適なのを作ってやる。と言われたので、私たちは人生初のオーダーメイドというやつをした。

目の前でカンカンと打たれて、私たちの足の形に変えられていくのを見るのは楽しかった。

 

「ありがとうございます。走りやすそうです。ちなみにこちら軽いんですけど、どれくらいで壊れますか」

 

と、軽いゆえの心配を投げかけると、

 

200キロは余裕だ。との返答が。さらに、

 

「少々へたったらもってこい。焼き直してやる。」

 

とのこと。金を取ると言わなかったところにこだわりを感じた。

 

その後、ブーケちゃんと走ったら、あまりの軽さと走りやすさにびっくりし、技量もすごいなぁと、二人でもう一度感謝した。

 

 

 

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