夢のサイレンススズカ産駒 ウマ娘世界でターフを駆ける。 作:うどんそば
皐月賞の疲労も抜けて、少し経った頃、日本ダービーに向けて、作戦を考えるミーティングがあった。
「まあ府中はなあ……お前もスズカも大得意だし、あんなに坂路もやってるわけだし坂も問題なし、直線でしっかり伸び切るだろう。」
東京レース場の2400メートルはスズカさんと私が最も得意にしているコースだ。
直線の長い特徴があるこのコースは、差し追い込みが強いと言われる。
しかし、私やスズカさんは一位とは言わずも、上がり3位以上の足は確実に使える。
つまり、逃げてさせると言うこと。せっかく足を使える後方脚質が強いのに、逃げが差しと変わらない脚を使えるなら、そりゃあ勝てるわけないのだ。
「まあ、スズカと並走を増やす。しっかりとレースを想定しておけ。」
会長に差しを教わるのは夏合宿でとのことで、今は日本ダービーに、集中している。
「あと、今回はエルコンドルパサーもいる。警戒は怠らないように。」
エルちゃんの末脚とパワーはかなりのものだ。
当然ぶっ飛んでくることもあり得る。
「はい!」
と返事をした私は、スズカさんと並走が増えるということにワクワクしていた。
「よし、じゃあトレーニング始めるか!」
よしきた!
私は数秒で体操服に着替えて、即外へダッシュした。
「はぁ……やっぱりか」
と、トレーナーさんの声が聞こえた気がした。
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っ……!あれ?おかしい。膝が……
スズカさんは急にスピードを落とした私を気にかけてか、
「ゴアちゃん大丈夫?」
と、聞いてくれる。
「いや……靴が……」
「ああ、靴底?」
私は誤魔化して、靴底を直すふりをする。
「すいません。行きましょう。」
私はこの時膝に感じた痛みを放置することにした。なぜなら、大したことにならないだろうという慢心と、実際に痛みが消えたからだ。
その日の終わりの触診でも異常は見られなかったし、痛みを感じることもなかった。
あの時感じた痛みは何だったのだろうか。
まあ気にするだけ無駄か。そう思った私はすぐに思考を切り替えた。
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私はウマッターを開設してからというもの、圧倒的なスピードで急速にフォロワーが増えていき、今ではクラシック級最大手と言っても過言ではない。
そんな私が最近ハマっていることがある。それは、スペースと呼ばれるライブのような機能だ。
数人はスピーカーとして、その他はリスナーとして、会話などを楽しむサービスで、時に自分だけ、時にブーケちゃんと開いている。
私のスペースでは基本早い者勝ちでスピーカーを開放している。かなり回線が悪かったり、迷惑行為があったときは追放するけど、それ以外では滅多なことがない限り追放はない。
下ネタセクハラまではOKだ。
そう言うスタイルが受けたのか、毎回私のスペースは100人以上が最低でもみている状況が続く。
まあ、大体スピーカーは同じ古参さんが入ってきたりするんだけどね。
それこそ最初は丁寧にしてたけど、向こうも私も相手の扱い方に慣れてきたら、なんだか適当な応対にしたり、煽りあったり、なんだか自由なスペースとなった。
これから書くのはある日のスペースの話である。
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私は早速スペースを立てて、スピーカーを自由の設定にし、ミュートを解除した。すると、早速いつもきてくれる古参の人が来た。
「あー……お疲れ様です。にわはらです。」
「おーす。お疲れ様でふ。まだ共有してないのに早いっすね。」
「ゴアちゃん大好きだから…….」
「ちょ……//やめろよ〜//」
「は?」
「泣いちゃった」
にわはらさんとは、初めてこのスペースに入ってきてくれた人で、ネットでの話にはなるが、軽口を叩けるほどの仲だ。
泣いちゃったとは、特に意味がない言葉で、なんで返そう……となった時、手軽に返せる最強の言葉だ。少なくとも私のスペースでは。
「よ…し!ツイートしたんで多分もうきます。」
数秒経つと、ピロンという音と共に、一気に残りのスピーカーの枠が埋まった上、視聴人数も増えた。
「おお!相変わらず早いなぁ」
「にわはらさんはそういうけど、私はいつもこんな感じだからあんまわかんない。」
「お疲れ様でーす」
スピーカーの面々も、各々挨拶をしていく。
「おおー!久しぶりにこのメンツじゃん。」
私のスペース最初期、まだマイクを全員許可の仕方がわからなかった時に、勇敢にもリクエストを送ってくれた10人である。
「実は僕仕事中で……」
「何やってんの!?」
「あっ上司きた」
「ミュートになったwww」
とか、
「明日学校やけど……ええよな(白目)」
で、私の休日深夜スペースに入ってくる猛者とか、
ブーケちゃんとやった時に、
「もう!ブーケちゃん!?」
「ぅぅゔぅん!!!!!死ぬ!!!!!」
すぐ尊死する人とか、とにかく特徴的な面々だ。
「さ!久しぶりにこのメンツなんだし、前みたいな話しよっか!」
「あのさあ、ゴアちゃんの絵描いたから貼っていい?」
「いいよ!」
「じゃあ共有しとくわ。」
「は?やばい!神絵師じゃん!」
「これはやばい!」
「あ゛あ゛ぁぁあ゛!!しぬ!!!!」
「そんなにやばいの?」
みんなが興奮しているので、私が聞くと、
「やばいから見てみな?」
と言われたので、見てみると、
「は???うっま!!!!なんでこんなとこいんの?????」
まさかの神絵師が降臨していた。
「私崇めるわ。」
と言うと、
「草」
と返された。
「俺も描く。」
と、つぎににわはらさんが描くとのことで待っていると、
「でけた」
共有されたものを見ると、
「あんたもなんでこんなとこいんの????」
多分イラストレーターみたいな絵が送られてきた。
ええ……?時間かかってるなぁとは思ったけどさ、
「神お二人!今度オフしましょう!絵が上手くなりたいんや……」
「僕は遠いから無理かな……」
最初の神絵師は無理。
「俺はいけます。いつでもいいっすよ」
にわはらさんはOKとのことだ。
「あっ!他のファンのみんなは来たらダメだぞ!迷惑になっちまう!」
そのかわり、と一拍置いて、
「今度イベントやって、ファンのみんなと交流しまーす!」
と言った。
その間ににわはらさんに今度の日曜日、ファミレスで。と場所を指定して送った。
了解ですと送られてきたので、よし!と、私はとりあえず液タブを使って絵を描いた。
やばかった。さすがに晒せん。
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と言うことがあったので、今日はにわはらさんとのオフ会だ。
指定された場所ではメガネをかけた160センチくらいの優男が立っていた。
「どうも。にわはらです。」
聞き慣れた声で確信した私は、受けていただいてありがとうございます。
と挨拶した。
「服、それ似合ってますよ。」
と言われたので、
「もしかして口説いてます?」
と言うと、
「まさか。」
と肩をすくめる。
それにしても気になるのは手に持っている液タブだ。
「えっと、にわはらさんって何されてるんですか?」
「仕事ですか?イラストレーターです。」
イラストレーター?
「本当になんであんなスペースに?」
「あなたのファンだからに決まってるでしょ。」
あ、ありがたい。と、言った後、私は本題に入った。
「あの……私に絵を教えていただけないですか?」
「ああ、いいですよ。」
ええ!?もっとダメとか思ってた!
「まあ1日なので、広く浅くしていくことになりますが……」
「全然いいです!」
その日、みっちり鍛えてもらい、最後に絵を描くと、
「結構上達しましたね。多分すぐ上手くなると思いますよ!」
と、言われた。本職の方に言われると嬉しい!
「ありがとうございました。」
と言った時、次機会があれば一緒に合作しましょうと言われたので、緊張したけど、期待を裏切らないよう、一日一絵を目標に頑張ることに決めた。
後日、イラストをアップすると、ファンの方々に結構褒めていただいた。
嬉しかった。
にわはらさんはオリキャラです。今後も出てくるかも?