夢のサイレンススズカ産駒 ウマ娘世界でターフを駆ける。 作:うどんそば
トレセン学園へは、意外とすんなり行くことができた。
新幹線で東京へ行って、府中まで電車で行けば、もう校舎が見えたからだ。
それを頼りに校門に着くと、
「でっか!!」
空よりも視界の占有率の高いとてつもなく大きい学園の校舎だった。
なるほど。道理で駅からも余裕で見えるわけだ。
━━━━━━━━━━
「はぁ…疲れたなぁ。」
学園に入るだけでさまざまな手続きをすることになった。
でも、必要な書類などは、全て荷物の中に入っていたので、特に困ったことなどはなかった。
手続きが終わった後、校門前の広場で、大人のウマ娘さんに声をかけられた。
「君がクワイエットゴアちゃん?」
クワイエットゴアとは私の名前である。
「はい。そうですが…?」
と、答えると、
「じゃあこっちに!案内するよう頼まれてるから!」
とのこと。
お話を聞くと、なんでも、このウマ娘さんはマイフラッグという名前らしい。
母の後輩さんで、今は事務員をしているとのことだ。
「なんでも聞いてね!」
なんて眩しい顔で言われるので、もしわからないこととか、困った事があったら甘えさせてもらおうと思う。
理事長室について、マイフラッグさんは、
「まあ大丈夫だと思うけど、書類とかあるよね?」
私が、はいと返事をすると、
「よし!じゃあいってきな!ゴアちゃんの学園生活が恵まれたものになりますように!」
と、送り出してくれた。
━━━━━━━━━━
コンコンと手でノックする。緊張するなぁ。と、ドキドキしながら待っていると、
「あけたまえ!」
と、元気な声が響いた。
扉を開けると、そこには広い部屋に高そうな調度品の数々、そして立派な机に、
子供が座っていた。
「私は秋川やよい!この学園の理事長だッ!」
り、理事長!?まだ子供じゃない!?
余りの驚きに私がポカンとしていると、
後ろから.、
「私は駿川たづなです。」
「ふぇ!!?」
変な声出ちゃったじゃん!!!!!!
びっくりした!!!
いつから後ろにいたの!?
おそるおそる後ろを見ると、緑のお姉さんが、
「さあ、入寮証明書などありますから、これにおかけください。」
と、高そうなソファに座ると、ふかふかだけど意外と硬くて、いつも家にあるソファの方がいいかな。なんて思ってしまう。
「はい。これが入寮証明書です。もう入学されることになっていますから、制服です。こっちは寮の鍵です。同室の方とは仲良くされてくださいね。」
そういえば制服を失念していた。
ありがとうございます。と、制服と鍵、証明書をもらうと、
「最後に、生徒手帳です。書いてあることは守るようにしてくださいね。」
と、なぜか別に渡された生徒手帳。パラパラと見てみると、普通の学校とは違う校則がちらほら。ああ。道理で別に渡される訳だ。と納得して、
もう一度ありがとうございますと言って、扉を開けようとすると、
「君が活躍することを願っている!!」
「頑張ってくださいね〜。あと、とりあえず寮に行って、同室の方に案内してもらうのがいいと思いますよ?」
と激励の言葉や、気遣う言葉をいただき、胸が熱くなった。
━━━━━━━━━━
寮に着くと、寮長であるという、ヒシアマゾンさんと出会った。
寮というからには、規則がたくさんあると思っていたけれども、門限を守ることと、別室に迷惑をかけないこと、トレーナーを無断で立ち入らせること(理由によっては特例で入れてくれることもあるらしい。)くらいで、あとは同室の子と決める感じらしい。
なーんだ案外緩いんじゃん!なんて思ってたら、
「破ったらきっつーーいお仕置きだからな!」
だそう。こわい。
お話も終わったので、早速ということで、鍵についた番号を頼りに部屋を探し出し、荷物を置くことにした。
「ここかあ。」
ドアに名前がかかっている。クワイエットゴア。そして、ブーケアンブーアという名前。ブーケアンブーアさん。どんな人なんだろう?
期待と不安を感じながらドアを開けると、垂れ目気味の緑系の目、暗めの鹿毛にゆるふわボブのお嬢様みたいな子がいた。
「君がクワイエットゴアちゃん?私はブーケアンブーアっていうの。ブーケって呼んでくれていいよ〜!」
「は、はい。ブーケちゃん。」
やばい。可愛すぎる。しかも結構でかい。私は…小学生よりもちっちゃいから羨ましいな…
「さあさあ!早く片付けちゃって!!お話ししよう!!」
勢いに押されてパッパと片づけ終わった私は、その日一日中お話しした。
でも、ブーケちゃんとは仲良くなれた気がする!
━━━━━━━━━━
まだ私たちは小学生。実は入学式まで1ヶ月くらいあって、暇な日が続いた。
その中で、ブーケちゃんと走り込みに行った日のこと。
「ゴアちゃん〜きついよ〜!」
「え!?これからだよ!?」
まだ10キロも走ってないよ?
と思う。
「もう戻らなきゃ、帰る分の距離もあるんだよ?」
「うん。もちろん。」
「流石に体力がもたないよー!」
「でも走るのは楽しいから…」
「そろそろ帰ろう?」
「まあ、そろいろいいか。」
ということがあった。
その日、ブーケちゃんの足がパンパンになって、次の日起きることもできなくなっていたので反省したのだけれど、
翌々日、それがきっかけで、二人で距離適性を調べることになった。
「あれだけ走れたんだから、ゴアちゃんは長距離向きに決まってるよー!」
そんな会話から始まった適正調べだったけれど、
結果としては、私は短距離と長距離は苦手で、マイルや中距離が得意。しかも中距離に至っては、クラシック級のレコードに迫るようなタイムを記録したことから、大得意であることがわかった。
そしてブーケちゃんは、私と一緒で短距離はダメだったけど、マイルから長距離までがコンスタントに得意であることがわかった。
ブーケちゃんは、
「なんでゴアちゃんよりも私の方が長距離適正あるのー!!?」
なんて叫んでいたので、とりあえず私は長距離の体力作りのためと、また走り込みに連れて行った。
━━━━━━━━━━
しばらく経って、さあ入学という1週間前、入学前の身体検査があった。
流石に勝負服の関係もあって、スリーサイズ測定なんかもあるから、個人個人の測定だったのだけれど、
私は自分の結果を見て、絶望の表情で部屋に帰った。
「ゴアちゃん!どうだった?」
「…身長は156センチ、スリーサイズは上から、67,54,84」
そう。私はめっっっっちゃちっちゃいのだ。
AAAカップじゃボケェ!ブラもなかなかないねん!なくてもいいけど!
…うん。正直ブラはなくてもいいのだ。ちっちゃすぎて。スポブラは付けてることあるけどね。走り終わったら窮屈だから脱ぐ。
寂しい人間なのだ。私は。
「私は〜…身長159センチで、スリーサイズは79,56,75!」
は?でっっか!Cくらいあるんちゃうか?本当に中学入学前???
そしてスタイル良!!!
モデルか???
ゆるふわボブの緑系垂れ気味目に暗めの鹿毛なんて勝てんやろがい!
「でも、ゴアちゃんの栗毛弱めの癖にアホ毛のセミロング可愛いし、その青と黄色のグラデーションの目、私好きだな。」
「あっ…ありがとう。」
嬉しい!!でも、正面から言われると恥ずかしい。
━━━━━━━━━━
翌日、早速身体測定の結果を受けて、いろいろなものを買いに行った。
「ねぇねぇみて!」
もちろんブーケちゃんと一緒に。
意外だったのは、ブーケちゃんがめちゃくちゃ世間知らずだったことだ。かわいい。
可愛いけど!先に必要なもの買おうよ!!
ということで、まずは、ブラやタイツなどを売っている場所へ。
私はいつも走る時にはタイツをつけているからそれを。
ブーケちゃんはブラを。ブーケちゃんはタイツはつけないらしい。
私がブラを買わないのは、どうせスポブラしか使わないからというのと、ちっちゃすぎて売ってない。
お陰でオーダーかネットじゃボケェ!
いろいろ物色すると、思ったよりいいのが見つかったりする。
いろいろ買っておいて、寒くても暑くても対応できるようにしとこう。といろいろ買っている私の隣で、
「ねえねえ!見てみて!これあのキャラクターの靴下じゃない?」
うん。
靴下は普通の買おうね!!!
━━━━━━━━━━
各々がいろいろ買ったら、もういい時間になっていた。
靴を買う時に、私もブーケちゃんも左右で大きさが違うから、さがすのが大変だった。でも意外にも、どっちも足がちっちゃかったという事実に、謎の親近感を覚えた。
ところで、今の私たちの状況はというと、
私はやばい買い物をしてしまい、顔面蒼白に。
ブーケちゃんはいろいろ見ることができてご満悦の様子。
いやね、私の趣味に時計があるんですがね?
買っちゃいました。
小学生の時の賞金で。
買っちゃいました。
しかも、ずぅっっぅっと!!!!!欲しかったやつ!!!!!!
タ○・ホイヤーのカレラ。しかもトゥールビヨンのやつ。
お値段、283万円。持たされてた小学生の時の賞金。ほぼ使っちゃった☆
しかも店頭で買えなかったから、寮に届くらしい。寮長に詮索されなければいいけど。
今更後悔してきた…もうちょっと稼いでから買えばよかった…
対極みたいなテンションの二人が手を繋いで寮に帰る光景は、さぞかし滑稽だっただろうな…
ゴアちゃんの身体的特徴
身長は156センチ。スリーサイズは67,54,84。
いつもはブラをしてない。走る時だけ。
タイツを履いてる。
足のサイズは、左22.0右22.5
ブーケちゃんの身体的特徴
身長は159センチ。スリーサイズは79,56,75。
ブラをしている。
タイツは履いてない。
足のサイズは、左23.5右24.0
ゴアちゃんは成長期終わってます。ブーケちゃんもほとんど終わってます。