夢のサイレンススズカ産駒 ウマ娘世界でターフを駆ける。 作:うどんそば
東スポ杯が終わって少し経った後、朝日杯が行われた。
朝日杯にはグラスちゃんが出ていたのだが、グラスちゃんは好位抜け出しからの他を圧倒する末脚で圧勝した。
それによって、『怪物2世』という称号が付けられた。
「グラスちゃん!あの末脚のキレ、すごかったよ!」
私は観戦に来ていたので、せっかくならとレース後に話した。
「はい〜。今日は調子も良かったので〜。」
なんでもないようにいうグラスちゃん。
「GI、緊張しなかった?」
「はい〜自分ができるせいいっぱいをしただけですから。」
すごいなぁ。中央芝GI同世代一番乗りはグラスちゃんってことか〜。
こんな子たちと戦えるんだ。
この前後続に2馬身半差つけていたキングちゃんに、GIでもしっかり実力を示したグラスちゃん。それに、まだデビューでしてない四人もかなり良い調子だと聞く。
楽しみだなぁ。
私が楽しそうにしている様子がわかったのか、
「クラシックで、やりましょうね。」
と、一言でまとめて、グラスちゃんはライブへと向かっていった。
しかしその背中にはいつもの闘志溢れるオーラが出ていた。
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私がグラスちゃんにも影響されて、よりトレーニングを追い込んでする日々が続いたある日。
「君は、クワイエットゴア君かい?」
「はあ、そうですが。どうかされたんですか?会長。」
シンボリルドルフ会長が練習場所にやってきた。
「実はお願いがあってね。私と並走してくれないかい?」
嬉しいお誘いだ。私としてもありがたい限りだし、得られるものは多いだろう。
しかし、なぜ私なんだ?何か目的があるのだろうか。
「とにかく、トレーナーさんに許可がないとダメなので、呼んで来ますよ。」
「そうか、すまない。それでは待っているとするよ。」
私はとりあえずトレーナーさんには判断を仰ぐことにした。
「どんな目的があろうと、お前が得られるものの方が大きいだろう。受けろ。」
というのがトレーナーさんの見解で、
「ルドルフ。すまないがよろしくお願いするよ。」
「ふふっ!もちろん。しかし、せっかくトレーナー君もいることだし、模擬レースということにしようか。」
模擬レース!?無敗の三冠バと?
さあ。やろう。と、機嫌良さそうにテキパキと準備を進めていく会長。
それを見て、トレーナーは焦ったように手伝いに行く。
えぇ…会長こんなにノリいい人だったの?
ゲートの準備も終わり、さぁあとは走るだけという時、トレーナーさんの注意された。
「正直、勝てないと思う。だから出来るだけルドルフに注意して、盗めるところを探せ。」
「まあ、それがいいよね。」
勝てないから見て学ぶ。そのスタイルでいこう。とは思った。
でも、楽しみなのには変わらなくって、私の様子を見たトレーナーさんが、
「おいおい。楽しむのはいいが、掛かるなよ?」
と、注意を受けた。
分かってますー!
と、会長のところへ戻ると、私を見て、ほぅ…?と、息を漏らした。
多分オーラ的なのが出てた感じかな?
そう思うと、ルドルフさんから発せられる圧で潰されそうになった。
「あ゛ぅぅあっ!」
思いっきり鳩尾にフルスイングされたような衝撃が走り、思わずえずきそうになった。
私はその圧の中で立ち上がると、
圧に見合わないほどの笑顔でどうした?と聞いてくる。もちろん圧はかかりっぱなし。
これが…七冠バの圧…
なんとかしてゲートに入る。ゲートは、ズンとした思い空気に包まれており、体が鉛のように重く感じられた。
ゲートが開く。少し開いた瞬間、飛び出すが、すぐに思わず後ろを見てしまう。圧は少し軽くなり、体も動かしやすくなる。
これならいける。私はいつものように少しづつ、少しづつスピードを上げていく。さあ、いつ来る…!
何かおかしい。どんどんスピードを上げているが、どんどん体が重くなっている。あの圧だ。スピードを上げるごとに少しづつ圧をかけられているんだ。
「くっ…そぉ…!」
足を出す。とにかく行かなきゃ!
私の得意な、最終コーナーから最終直線へ。さあ、あの景色を。
足を出す。見えない。もっと早く!見えない!このままじゃ…!
後ろからドドドドという一際大きい地ならしのような音が聞こえ、私の隣を超速の雷光が通り過ぎた。
「なるほど。勝てないや。」
私は大人しくスパートの姿勢をしっかり見て学んだ。
ゴールした時、なんと5バ身差くらいついていたらしい。
「ふふっ。どうだった?ゴア君。」
はあはあと息が上がり、倒れそうな私と対照的に息も切らしていない会長は、ニヤニヤしながら私を見る。
「今日は君にこの圧の掛け方を教えよう。」
ニコニコしながらいう。
圧にかけ方なんてあるの?と、私が怪訝そうな顔をしていると、
ドン!と、強い圧がかけられた。
はい。いう通りにします。
「君、オーラみたいなのがわかるかい?」
「はあ。出てるとは聞いたことあります。」
「これを私は闘志とよんでいてね。自分の意思で動かせるものなんだ。まあ動かせるというより、形を変える。」
「相手に強い圧をかけるように意識すれば…ということですか?」
「そうだ。しかし、これは私は簡単にできたのだが、かなり人を選ぶ。」
だが…と一言置いて、
「これができた者は遅かれ早かれ、頂点に立つ器を持つ者だと言われる。例えば、我々日本のウマ娘なら、トキノミノル、コダマ、セントライト、トウショウボーイ、そしてシンザン…海外ならダンシングブレーヴ、トリプティク、セクレタリアト、古くはエクリプスも使えたと言われる。現代では、私、ブライアン、モンジューができる。」
一度は聞いたことのあるビッグネーム達に私は目を見開いた。
「私がそのウマ娘達に並べると?」
「ああ。私は、君に期待しているんだ。新たな時代を見せてくれる者として。」
「…どうすればいいんです?」
「簡単さ。闘志を全て相手にぶつける。押しつぶす。これだけさ。」
私は思いっきり眼前の会長に闘志とやらをぶつけて押しつぶす想像をした。
「グッ!?…想像以上に重いな。私を上回るやもしれない。」
会長はそれを見届けたと判断したのかそそくさと帰る準備をした。
さあ帰ろうと、ドアに立った後、
「ああ、そうだ。あの圧は、別に実際に重くしているわけではなく、空気が重くなることで、自分が重くなっているように錯覚するだけで、相手が空気をまったく意に返さない者には効かない。例えば君の先輩とかね。」
よし!とついに扉に手をかけた会長は、頑張ってくれ。と、一言言って帰っていった。
なんか、濃い一日だったなぁ。
トレーナーの下に帰ると、どんなことを学んだんだ?って聞かれたので、とりあえず圧をぶつけたら、ヴウゥって唸ってしゃがみ込んでた。ごめん。
その後のスズカさんとの並走トレーニングで使ってみたけど、会長の言う通り、全く効いてなかった。笑っちゃう。
…これ、結構便利だなぁ。
後で会長にお礼言いに行こっと。
その日のトレーニング終わり、会長のところへお礼をしにいったら、駄洒落を言われた。…この人印象違いすぎない?
と、言うわけで、寮に帰った私は、
「ブーケちゃん〜大好き〜!」
「えっ…ええ!?なになに!?」
ベットで寝転がっているブーケちゃんにダル絡みすることでストレスを発散した。
反応可愛いもん。
「よしよし。頑張ったねえ。」
しかもブーケちゃんは私の話を聞いてよしよししてくれる。天使か?本当に一緒にいるだけで癒される。
あー!本当に癒される。かなり疲れていた私の中にブーケちゃん成分が満たされていく。
くんくん。首筋の匂いを嗅ぐと、華やかなお花の匂いがほのかに。かわいいなぁ。
「〜ッ!なになに!?」
ブーケちゃんは顔を真っ赤にして、
「はい!もう終わり!」
「えー!おうぼうだー!」
「もう!!」
ぷんぷんしているブーケちゃん。
「ごめんね?でもブーケちゃんが悪いんだよ?」
と、少しヤンデレっぽく迫ってみると、
「訳わかんないよー!」
と、言う反応が。あー。本当にブーケちゃんと話してると楽しいなぁ。と、つくづく思った。
固有1:その景色の先へ…! 効果 最終直線で三人のウマ娘の導きでどんどん加速する。
固有2:魔王の器 効果 レースの時、圧をかけて、ほかのウマ娘が動揺する。(マイペースなウマ娘には効果なし。)