彼女が家に帰ってきた。
「なに?机で寝るならベッドで寝てくれる?」
「はい」
「あんた意外と元気あるのね。私の風呂が終わったら次入りなさい。下着は買ってきたからパジャマは好きなの使って」
彼女は風呂へ向かった。そのシャワーでホテルの汚れを落としてるんだろう。気持ち悪い。
30分後彼女は戻ってきた。心の汚れを落とすには30分かかるらしい。
僕は身体を洗った。汚れてないが冷たい心をシャワーが温め、身体の汚れを石鹸が落とす。保護者から逃げてここにいる僕も汚れているのかもしれない。その汚れはここにいる限り落ちることはない。
風呂から戻り時計を見る40分経ってた。
「ベッドで早く寝たら?どうせ対して寝てないんでしょ?」
「寝れないんだよ」
「そう。とりあえず横になったら?」
「君はどうするの?」
「ベッドで寝るわよ」
「わかった。ありがとう。」
僕はゆっくりとベッドに入った。甘い女の子の匂いだった。好きな人の匂いはもはや媚薬。とろけそうな感覚に陥った。何かに酔っているような感覚だった。
僕は彼女のことが好きだったのかもしれない。いや、好きだった。嫌われたくないから彼女が辛いときにそばに入れなかった。彼女は今そばにいる。この違いはなんなんだ。
突然彼女は僕のベッドに入ってきた。
そうだ。彼女は優しいけど数時間前に他の男とベッドにいたんだ。彼女は後ろから僕に抱きついてきた。
「起きてるんじょ?」
彼女は僕としたいのだろうか。身体は彼女としたかった。でも心は彼女をこれ以上汚したくない気持ちでいっぱいだった。
「起きてる」
言葉の後の設問には答えなかった。
「気持ちよくならない?」
「したくない」
僕はそう言った。
「なんでよ!そんなたってるのに!私の事嫌いなの!ねぇ…」
彼女は叫んだあと弱々しく聞いた。
「なんでしたいのさ」
「子供じゃないから」
「大人になりたいって言ってたよね。大人はそんなことしないよ。」
「…うん」
僕の着てたパジャマが濡れた。
「お酒呑んだり、むせるのにタバコ吸ったりしても大人になれないよ多分。それは大人になりたい不良少女だよ。20まで大人になれないんだからそれまで本当にやりたいことをやらない?」
自分は何を言ってるのかわからなかった。
「…そうね。わかった。もう酒もタバコもしない。行為もしない。」
彼女は、僕をそっと離してベッドから離れた。
「本当に?」
「うん。大人になりたい不良少女なんてかっこ悪いじゃん」
「でも、ちゃんと家事できるのはすごいと思うよ」
「本当!嬉しい」
彼女は僕の前で久しぶりにはしゃいだ。
「ねえ、しないからそばで寝させて。私寂しいの。寂しいから悪いことに手を染めたの。だからお願い」
「わかった」
僕達は抱きしめ合って寝た。
そのぬくもりは無き母のようだった。
そう二人は思った。