朝起きるとそこに彼女の姿はなかった。
ジュウジュウと何かを焼く音が聞こえる。僕はゆっくりと立ち上がり、リビングへ向かうと朝食の用意をした彼女が待ってた。
トーストされたパン スクランブルエッグ レタス 彼女のコップにはコーヒーが注がれ、僕にはホットミルクが置かれてた。
「おはよう。よく眠れた?」
優しい少女は僕に問いかけた。
「うん。朝食まで用意してくれてありがとう」
「食べよ」
「うん」
僕達は会話をした。普通の会話だ。
今日の授業は〜 宿題は〜普通の中学生の会話。
「あ、皿は僕が洗うよ」
「ありがと。ねえ、放課後遊びに行かない?」
「え?うん。」
むりやり連れて行く彼女はそこにはいなかった。自分もそろそろ現実に目を向けないといけない。そう思った。
二人で学校へ向った。
学校で二人は話さなかった。話さなくてもいい。それでいいんだ。
学校が終わり待ち合わせ場所へ向った。
たくさん人のいる場所。僕は一人待った。彼女はこなかった。
なぜ?その理由を僕は知らないフリをしている。彼女はもういないのさ。そう。そろそろ受け入れよう。目を逸らさずにぼくはゆっくりと深呼吸をして目を閉じた。しばらくして目を開けた。
「知ってたさ。久しぶり。ごめん」
そこには彼女がいた。いなかった。いや、いるさ。心の中に。そして
彼女の墓の中に
彼女は母を亡くしてから数ヶ月後に自殺した。
母を亡くしたショックもあるがそれ以降彼女の友達は関わろうとしなかった。傷つけたくない気持ちが結果的に彼女を傷つけた。そして、僕もその一人だった。
僕は幻覚を見ていた。存在しない彼女を存在するように見ていた。彼女はして欲しいこととぬくもりを与えてくれた。それに逃げていた。
僕はその場で発狂した。現実を受け入れられずにいた。わかってることから目をそらしてきて覚悟をしても無理な物は無理だった。
その後錯乱状態だった僕は警察に通報され病院に送られた。その後入院して治療を受けた。退院後は親がいないというだけの普通の学生として生活をした。生活は祖父母が面倒を見てくれた。それ以降彼女は愚か幻覚も見なくなった。
俺は彼女の墓を掃除する。贖罪と感謝を込めて。俺が見ていた彼女は医者が言うには幻覚で精神障害だってさ。でもさ、彼女がして欲しかったことを俺にしてくれたと思ってる。それが今の俺を創ってると思うんだ。ありがとう。そしてごめんなさい。
俺は花とお酒をお供えした。
今なら呑めるでしょ?
俺は心のなかでそう言った。
これにて完結です。ありがとうございました。
正直自信のある作品ではありません。
歪んだ考え方してるよね私