ニューサトシのアニポケ冒険記   作:おこむね

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カントー編
#001 『俺の名前はニューサトシ よろしくな!』


 9歳 δ月ι日 『俺の名前はマサラタウンのニューサトシ』

 

 マサラタウンのポケモンキャンプで頭を打ち、前世の記憶を取り戻したので、今日から日記を付けて行きたいと思う。

 

 俺の名前はサトシ。そう、あのマサラタウンのサトシである。

 

 アニメでもずっと主人公を張っていて、シリーズが変わる毎に何故か弱くなることもあり、20年以上かけてようやくポケモンリーグに優勝したあのサトシだ。

 

 サトシにしては妙に大人びている、と思った人もいるかもしれないが、どうやら前世の記憶を思い出した影響か、人格に大きな影響が出ているらしい。

 

 ここ数日、ママさんが落ち着いてしまった俺を見ながら、病気を心配するくらいには性格ががらっと変わっているようだ。

 だが、それも仕方ないだろう。元々のサトシの人格に前世の俺の記憶が足されたのだ。

 

 最初は何が何だかわからず、数日間熱を出して寝込んでいたし、ようやく記憶の折り合いがついた時にはサトシの精神性は前世の俺に引っ張られて大人になってしまっていた。これで、今まで通りに過ごせと言う方が酷な話だ。

 

 幸い、前世の俺も聡という名前だったようだし、これからはニューサトシとして頑張って行きたいと思う。まずは、ママさんの精神安定のためにも今の俺に慣れて貰うか。

 

 

 

 9歳 δ月ο日 『アニメでもゲームでもない。それがポケモンだ』

 

 サトシとしての記憶と、前世の聡としての記憶から、俺は後一年でポケモンを貰って旅に出ることが決まっている。

 

 一年、このアドバンテージを利用しない手はない。

 

 まず手始めに、オーキド博士の研究所に入り浸ったり、書物を読み漁ったりしながら、前世の知識とこの世界のポケモンについての差異を埋めていく所から始めよう。

 

 ママさんも、俺の性格が変わったことにしばらく混乱していたが、最近はようやく慣れて来てくれたようだ。俺がポケモンについての書物を欲しがっても、「サトシが本?」と少し首を傾げるくらいで前ほど驚くことはなくなった。

 

 しかし、改めてポケモン世界について調べていると、アニメやゲームの知識とは違う部分が多い。特に技については別物と言って良いだろう。

 

 基本、ポケモンのアニメやゲームでは、技を4つまでしか覚えられず、新しい技を覚える時は覚えている4つの技の一つを忘れないと覚えられなかったが、この世界ではそのポケモンが覚える技ならば無制限に覚えることが出来て、バトル時に使用する技を4つに制限するらしい。

 

 だから、試合によって使う技が違うこともあるし、相手によって対策をするのはトレーナーとしての基本だと本にも書いてあった。

 

 ちなみに、5つ目の技を使った場合は反則となり、その場で失格となる。

 オーキド博士によると、数年前のポケモンリーグでも強力なポケモンを手に入れたものの言うことを聞かず、技を無制限に使用して失格になったトレーナーもいたと言う。

 

 俺がもし、アニメの通りにリザードンを手に入れることがあったら注意しようと思った。

 

 

 

 9歳 δ月ρ日 『お前、ポケモン廃人に勝てると本気で思ったのか?』

 

 シゲルに会った。アニメ初期のようなキャラでめちゃくちゃウザかった。

 ただ、勤勉なキャラではあるようで、事ある毎にポケモンの知識を披露してくる。

 

 特にバトルについては自信があるのか、ポッポの覚える技は○○、コラッタが覚える技は○○と、まぁ開いた口が塞がらないこと塞がらないこと。

 

 段々相手をするのが面倒になってきたので、前世の廃人としての記憶を利用した知識の暴力で返り討ちにしてやると、物の見事に何も言えなくなっていた。

 

 偉そうにしやがって。ポケモンが覚える技なんて、レベル技、タマゴ技、おしえ技、技マシン、技レコード、各シリーズに至るまで全部網羅済みじゃコラ! もっと勉強してから出直してきな!

 

 

 

 9歳 δ月σ日 『興味ないね』

 

 10歳で旅に出るということで、子供達が安全に旅へ出かけられるように、ポケモンキャンプは定期的に開催されるようだ。

 

 聞けば、半年に一回は開催されるらしいのだが、今の所サトシ君は皆勤賞らしい。

 記憶を辿ると、セレナらしき少女にあった記憶もあった。

 

 正直、キャンプと言ってもポケモンをゲットできる訳ではないし、キャンプでのフラグはもう立っているようなので参加しなくても良いのだが、あまりサトシらしくない行動ばかりしてもママさんが心配すると思い、半年後のキャンプに今回も参加することにした。

 

 

 

 9歳 δ月τ日 『イーブイの進化形なんて常識でしょ?』

 

 最近の日課であるオーキド研究所のお手伝いに行くと、見知らぬ美人のお姉さんがいた。

 

 どうやら、シゲルのお姉さんで、ゲームでもタウンマップをくれるナナミさんがこの世界にはいるらしい。当然だが、アニポケでは存在していなかった。

 

 思えば、技の仕様なんかも違うし、もしかしたらこの世界は完全なアニポケ世界ではないのかもしれない。だとすると、俺の予定も変わって来る。どうしよう。

 

 いろいろ悩んでいるとシゲルもやってきたようで一応手を上げて挨拶しておいた。

 ただ、向こうは前回の件でこちらに苦手意識がついたのか、少し距離を取っている。どうやら虐めすぎたようだ。

 俺とシゲルの微妙な関係に大人達が首を傾げていたが、まぁ気にすることはない。

 

 話を聞くと、ナナミさんはポケモンコーディネーターとして旅をしているらしく、今回はたまたまマサラタウンに帰って来たようだ。

 

 手持ちを見せて欲しいと頼むと、ラッキー、ピッピ、イーブイを出してくれた。

 他にもラプラスやウインディ、ニドクインがいるらしいのだが大型なので室内では出せないそうだ。残念である。

 

 どうやらコンテスト用にポケモンを育てているらしく、かっこよさはウインディ、うつくしさはラッキー、かわいさはピッピとイーブイ、かしこさはラプラス、たくましさはニドクインが担当していると教えてくれた。

 

 ピッピとイーブイの担当が被っているが、ポケモンコンテストではダブルバトルもあるので、基本的に同じ部門でも何体かポケモンを育てているらしい。

 

 いろいろ教えてくれたお礼に、イーブイの進化について教えてあげた。

 ナナミさんやシゲルが驚いた顔でこちらの話を聞いているが、何故か一緒に居たオーキド博士も驚いている。どうやら、この世界ではまだイーブイの進化は研究段階のようで、進化の石以外にもなつきが関係あることはわかっていたが、時間帯や技の条件はまだ解明されていなかったようだ。

 

 まぁ、ニンフィアはゲームによってなかよし度かなつき度の違いがあるが、ナナミさんとイーブイを見ていれば、どちらにしろ時間の問題だろう。

 

 そんなこんなで一通りの説明をすると、オーキド博士が、「サトシ……お前さん、どこでこんな知識を?」と、こちらを不思議そうに見ていたが、「キャンプで会った知らないおじさんが話してた」と言って誤魔化した。ぶっちゃけ、正直に話した所で信じて貰えないだろうし、変に興味を持たれても面倒くさいだけである。

 

 それでも腑に落ちないのか、まだ難しい顔をしていた博士だが、ナナミさんから「ニンフィアっていうのはどういうポケモンなの?」という問いをかけられると、意識がそっちにそれたのか、ニンフィアについてナナミさんに説明していた。ナイス、ナナミさん。

 

 どうやら博士曰く、ニンフィアは個体こそ確認されているものの、その情報については全く不明だったらしい。イーブイに似ていることから、関連性は疑われていたようだが、進化についてもまだ何もわかっていなかったようだ。

 

 写真だけはあるようで見せてもらったが、それを見たナナミさんが大興奮。

 絶対にニンフィアに進化させると意気込んでいたが、イーブイが覚えるフェアリー技の『つぶらなひとみ』と『あまえる』を、ナナミさんのイーブイはどちらも覚えていなかった。

 

 ゲームではレベルで覚えたが、もしかしたらこの世界では意図的に覚えようとしないと覚えられないのかもしれない。でないと、同じなつき進化のエーフィとブラッキーに進化できなくなるし、極端にニンフィアの情報が少なかったことからもそう考えるのが自然だろう。

 

 ナナミさんはいい機会だと思ったのか、フェアリータイプであるピッピの力も借り、イーブイにフェアリー技を覚えさせることにしたらしい。

 

 結局、ナナミさんがマサラタウンに居る間にイーブイがニンフィアに進化することはなかったので、その後どうなったのかわからないが、オーキド博士が学会にイーブイの進化についての新しい論文を提出したということは聞いた。特に他意はないがジト目で博士を見ていると、後日カントー四天王のワタルに会わせて貰えることになった。やったぜ。

 

 

 

 




 原作との変化点。

・前世の記憶が蘇った。
 サトシ君の性格が変わり、原作よりも大人びている。

・勤勉になったことで、家族や周囲の人間からの印象が変わった。
 ママさんはあの性格なので、そういう多感な時期だと思っているようだが、シゲルは今まで下に見ていたサトシ君が急に賢くなったので戸惑っている。オーキド博士もニューサトシの謎知識に驚いているが、まだ妙だと首を傾げるレベル。

・技マシン、技レコードがある。
 剣盾準拠

・ナナミさんがいる。
 特に意味は無く出してみたかっただけ。

 
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