ニューサトシのアニポケ冒険記   作:おこむね

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#084 『エキシビションマッチ 第七試合』

 12歳 μ月ρ日 『エキシビションマッチ カントーVSジョウト 第七試合』

 

 ラティの正体がばれるというハプニングはあったが、気を取り直してレッド、ブルーにグリーン対ヤナギのバトルについての見解を聞くことにする。

 しかし、その評価は俺が想像していたものとは少し離れたものだった。レッドは相変わらず何を言っているかわからないが、ブルーによると、「本気のグリーンなら負けないと思うけど、今回バトルするのはトキワシティジムリーダーとしてのグリーンだからね。相手がジムリーダーの中でも経験豊富なヤナギさんと考えると有利とは言えないかな」ということらしいが、その通常とジムリーダーとしての違いとやらが良くわからない。

 

 首を傾げていると、シゲルが補足してくれた。「トキワのジムリーダーとして戦う以上、最低でも使うポケモンはじめんタイプで統一してくるだろう。グリーン兄さんはオールラウンダータイプだし、タイプ統一のパーティだと真の力は発揮されないということさ」と話している。

 

 成程と、納得はしたが一つ気になった。グリーン兄さんとは? お前に兄などいなかったはずだが?

 

「グリーン兄さんは僕の親戚さ。僕たちがまだ小さな頃、マサラにもいたんだぞ? まぁ、ポケモンの修行ですぐにタンバに出てしまったけどね」

 

 そうだったか? 流石にそこまで幼少の頃の記憶はない。聞けば、ブルーやレッドもマサラ出身らしいが、彼らも俺のことは知らないようだったし、同じ街に住んでいたからと言って必ず知り合いという訳ではないということだろう。

 

 とりあえず、俺が想像している以上にグリーンが不利らしいことはわかった。確かに、じめんタイプ縛りをするならタイプ相性的にもこおりタイプは厳しいだろうし、ヤナギの爺さんも何だかんだ一癖あるタイプのトレーナーだからな。

 

 出来ればカントーには勝ってほしいという出身地びいきをしつつ、フィールドに目を向けると、丁度バトルが開始される所だった。

 グリーンの一体目はドンファン、ヤナギの一体目はデリバードと、やはりブルーやシゲルの言った通り、グリーンはじめんタイプのポケモンを出している。それを見たブルーが、「やっぱりね。これで負けたら鼻で笑ってやりましょ」と馬鹿にした目を向けていた。

 

 しかし、ニューサトシの状況分析だと、じめん単タイプのドンファンとこおり・ひこうタイプのデリバードのバトルなら、そこまでドンファン不利だとは思わない。

 確かに、ドンファンはこおりタイプが弱点の一つだが、デリバードはいわタイプが四倍弱点だ。ドンファンはじめんタイプであるからこそ、いわタイプの技も豊富に覚える。不一致技でも四倍の弱点なら、状況的には五分と言っていいだろう。

 

 グリーンは開幕で、『ストーンエッジ』を指示している。弱点を当然のように狙うようだ。

 対するヤナギは『トリプルアクセル』を指示していた。こおりタイプ版の『トリプルキック』というような技だが、エッジの岩を上手く弾いている。熟練の技だな。

 

 受け流した勢いそのままでデリバードがドンファンとの距離を詰めていく。ヤナギは次に『れいとうパンチ』を指示した。

 当然、受ければ大ダメージだが、グリーンは『こうそくスピン』を指示して、回転の勢いでデリバードを吹き飛ばしていく。

 

 デリバードも空中で体勢を立て直しているようだが、グリーンは追撃に『ころがる』を指示した。

 これもまた弱点のいわタイプ技だが、一度使ったらしばらく同じ技を続けなければいけないデメリットも存在する。アカネのように、まるころを極めているなら必殺になり得るのだろうが、そうでなければ回転の隙を突かれかねない。

 

 実際、デリバードはドンファンの『ころがる』が当たる直前に何かを投げた。ラッピングされた四角の箱――『プレゼント』だ。

 

 デリバードの得意技と言ってもいい技だが、相手へ与えるダメージがランダムに決まる上、1/5の確率で回復させるという運の要素が強い使いにくい技とも言っていいだろう。

 実際、俺もバトルで『プレゼント』を使ってくるトレーナーを見たことがない。それだけマイナーな技のはずだが、ヤナギはこの状況で迷わず『プレゼント』を指示していた。

 

 ドンファンの目の前に置かれた箱が爆発を起こす。デリバードも爆風を受けたが、自慢の羽を使って空中で上手く体勢を整えていた。

 爆発の直撃を受けてドンファンも吹き飛んでいるが、咄嗟にグリーンが『こうそくスピン』を指示することで、何とかバランスを取り直してダメージを少なくしている。

 

 しかし、ドンファンの体勢が立て直されるのと同時に、ドンファンの周囲に再び四角い箱が乱雑に置かれていた。

 それらが順々に爆発を起こし、ドンファンにダメージを与えていく。だが、グリーンもやられるがままではなかった。また『こうそくスピン』で爆風を弾き飛ばし、ダメージを最低限のものに抑えている。

 

 とはいえ、まさか『プレゼント』を爆弾に見立てて使ってくるとはな。回復されたらどうするつもりだったのだろうか?

 

 そう思っていると、グリーンも同じ疑問を感じていたようで、「『プレゼント』はランダム性の高い技のはず……」と口にしている。

 だが、ヤナギはフッと笑みを浮かべながら、「回復の箱は実は微妙に通常のものと形状が違う。そこを判別すれば相手を回復するようなことにはならない」と話した。

 

 確かに、攻撃と回復が判別できれば『プレゼント』を攻撃技として使用できるかもしれないが、そんなことが本当に有り得るのだろうか? 

 実際、ヤナギは回復の箱を使っていないが、それはただの運だとも言える。グリーンもまた疑問を解消できてはいないような表情を浮かべていた。

 

 それを見たヤナギが「では、証明して見せよう」と、デリバードに自分自身へ向けて『プレゼント』を指示した。いくつかのプレゼントはハズレのようで、自分に当たらないようにポイポイ後ろへ投げている。

 後ろで『プレゼント』が爆発する中、そのまましばらく続けると、ようやくアタリを引いたようでプレゼントをその場で開いた。一見して違いがあるようには見えないが、確かにデリバードの体力が回復している。これで少なくとも、ヤナギのデリバードが攻撃用、回復用の『プレゼント』を選別しているのは間違いなかった。

 

 先程までのバトルで与えたダメージも回復され、グリーンが不利な状況になっていく。

 とはいえ、まだドンファンの体力も半分以上あるということで、バトルは続行するようだ。再び、『ころがる』を指示して、デリバードへ突撃させた。

 

 ヤナギもまた再び『プレゼント』爆撃で動きを封じるつもりのようで、デリバードがドンファンに向けてプレゼントを投げていく。

 しかし、グリーンはその瞬間、『こうそくスピン』を指示して、縦に回転を強くした。『ころがる』中は他の技は使えないはずだが、『ころがる』自体を阻害しなければ技が使えるようで、回転を強めたドンファンが加速してデリバードに突撃する。

 

 また、加速したことで、『プレゼント』の起爆タイミングがずれた。ドンファンの後ろで『プレゼント』が爆発し、爆風がさらなる追い風となる。想定外の突進に、デリバードも回避が間に合わなかった。

 

 ドンファンの必殺の一撃がデリバードを弾き飛ばす。勢いのついた四倍弱点攻撃だ。タイプ不一致とはいえ、かなりのダメージが入ったはずである。

 流石に空中で体勢は立て直せなかったようで、デリバードが地面に叩きつけられた。ドンファンはさらなる追撃のために『ころがる』で距離を詰めていく。

 

 ヤナギはそこで一度デリバードをボールに戻した。攻撃対象を失い、ドンファンも『ころがる』を解除する。そのタイミングでグリーンもドンファンをボールに戻した。

 

 お互いに技を一つ残していたし、ヤナギには『プレゼント』による回復もあったはずだ。それでも戻したのは、安全策を取ると同時に、万が一の時の保険として残しておきたいという判断だろう。

 

 ヤナギは最後の一体としてイノムーを、グリーンは最後の一体としてドサイドンを出してきた。

 確か、タンバでシジマとバトルをしていた時はサイドンだったはずだが、どうやらこの短期間で進化させたらしい。

 

 セキエイ大会で俺がドサイドンを出した時もそうだったが、やはりジョウトでもドサイドンは珍しいようで観客が賑わっている。チッ、予選が先ならこの歓声は俺のものだったのに。

 

 ドサイドンの特性が『ハードロック』なら、弱点の攻撃で受けるダメージが軽減される。それにパワーが強いからタイプ不一致の技でも十分に相手にダメージを与えられるはずだ。

 対するイノムーはステータス的にもドサイドンに劣っているし、タイプ一致のこおり技でそこまでダメージを与えられないとなると、若干ヤナギの方が不利な感じがしなくもない。

 

 どうなるかと思いながら見ていると、先に動いたのはヤナギだった。『あられ』を指示して、フィールドの天候を変えている。わざわざ技を一つ使ってまで天候を変えた所を見るに、イノムーの特性は『ゆきがくれ』で間違いない。霰状態の時に、相手の命中率を下げる特性だ。

 

 続けて、『ふぶき』を指示していく。フィールドが霰状態の時、『ふぶき』は必中になる。いくらドサイドンとはいえ、特殊のタイプ一致技、それも大技を受ければただではすまないだろう。

 

 対するグリーンは『まもる』で防御を固めた。大体のトレーナーは『あなをほる』で地中に逃げるという策を取るが、イノムーはじめんタイプも持っているし、タイプ一致で『じしん』が使える。

 この世界の奴は大概が、『あなをほる』で地中にいる時は無敵だと思っているが、その状態で『じしん』や『マグニチュード』を受けると二倍のダメージを受けるのだ。当然、知っている奴は、『じしん』の危険がある相手に『あなをほる』は使わない。

 

 完全防御技で『ふぶき』を凌ぐと、グリーンは反撃とばかりに『ロックカット』を指示してスピードを上げていく。回避力上昇ではなく、距離を詰めるために速度を上げたのだろう。

 対するヤナギは再び『ふぶき』を指示した。

 だが、今度はダメージを受けても進むことを選択したようで、『ふぶき』のダメージを受けて尚、進撃は止まらず、イノムーとの距離を詰めていく。ダメージの受け方的に、やはり特性は『ハードロック』のようだ。

 

 手が届く距離になると、グリーンは『アームハンマー』を指示した。威力の高い弱点技で攻めようというつもりだろう。

 対するヤナギも三度、『ふぶき』で迎撃する。いくら特性でダメージが軽減されているとはいえ、連続で攻撃を受ければドサイドンとて無事では済まない。

 

 しかし、素直に『ふぶき』をくらうつもりはないようで、ドサイドンは『アームハンマー』で顔面を横殴りにし、『ふぶき』の発動自体を妨害して攻撃を回避していく。

 続けて、ドサイドンが『アームハンマー』の二発目を打った。アムハンは攻撃後に素早が一段階下がるデメリットがあるため、『ロックカット』で強化した速度はこれで帳消しになっている。

 

 だが、イノムーが受けたダメージは大きい。

 

 ドサイドンの強力なパワーから繰り出されるかくとう技は、タイプ不一致でもかなりのダメージを与えているようで、イノムーがされるがままになっている。

 しかし、三度目のアムハン時に『ゆきがくれ』の効果が出たようで、ドサイドンが攻撃を外した。その隙に、ヤナギが『ふぶき』を指示し、攻撃の勢いを利用してイノムーが再び距離を取る。

 

 とはいえ、イノムーは特殊攻撃があまり強くない上、ドサイドンの特性によってダメージは軽減されていた。このまま同じことを繰り返せば、グリーンの勝ちは揺るがない。そう俺が考えた瞬間、イノムーの体が光りだした。

 

 進化の光――イノムーの進化条件は『げんしのちから』を覚えた状態でレベルを上げることだ。ヤナギのイノムーは長い間、氷漬けになっていて、他の本気ポケモンに比べてレベルが低かった。それ故に、このバトルで経験を積み、レベルが上がったのだろう。

 

 イノムーがマンムーに進化し、観客席が大盛り上がりを見せる。

 

 グリーンは『ロックカット』で再びスピードを上げて、ドサイドンを突っ込ませた。

 ヤナギも進化したこの勢いのまま『ふぶき』を続けるかと思ったが、接近戦に切り替えるつもりのようで、『ダブルアタック』と『こおりのキバ』を組み合わせた近接コンボで迎撃をしてきた。

 

 互いに殴り合いになるも、マンムーに進化したことで攻撃力はドサイドンに並ぶものとなっている。

 また、『ダブルアタック』を絡めたコンボで、『アームハンマー』一発に対して二度攻撃が当たっているのでダメージも増えている。このまま行けば、ギリギリでドサイドンの方が早くダウンするだろう。

 

 だが、グリーンもすぐにそれを理解したようで、二度目の攻撃を受けると同時に、そのまま『がんせきほう』を指示している。

 必殺の一撃でとどめをさそうということのようだ。対するヤナギもまた『ふぶき』を指示した。どうやら、この時のためにパワーを取っておいたらしい。

 

 進化したことで素早が上がったマンムーが先に、『ふぶき』をドサイドンに放つ。僅差で負けたドサイドンが続けて『がんせきほう』を撃ちだした。

 

 先に『ふぶき』がドサイドンに命中する。直撃は合計三回、おまけに近接でもダメージを受けているし、このまま倒れてもおかしくないが、特性の軽減のおかげもあってギリギリでドサイドンは持ちこたえた。

 対するマンムーにも『がんせきほう』が直撃する。こちらは『アームハンマー』が三回に加えて、いわタイプ最強の物理技ということもあって耐えきれなかった。進化してもダメージがなくなる訳ではない。とどめを刺し切れなかったのは爺の不覚である。

 

 グリーンとヤナギがドサイドンとマンムーをボールに戻すと、互いに握手をした。

 またグリーンの勝利により、カントーが追いついて来ている。次の試合でカントーが勝てば4勝4敗だ。相手のメンツを考えればジョウト側は負けてもいい状況だが、最終戦へ向かうミカンちゃんの表情はとても負けてやるという人間の表情ではなかった。

 

 あくまでバトルには本気ということだろう。

 

 カントー側からはナツメがテレポートでフィールドに現れる。こちらもやる気は十分なようで、絶対に負けないという強い意志を感じられた。エスパー対はがね、普通に考えればナツメが不利に見えるが、どうなるかが楽しみだ。

 

 

 追記。グリーンが勝ったことで、レッドとブルーがつまらなそうな顔をしている。そんなに馬鹿にしてやりたかったのか、こいつら。

 

 

 

 




 原作との変化点。

・エキシビションマッチ第七試合が開始された。
 ヤナギVSグリーン。ポケスペヤナギではないので、デリバードもホウオウを倒すようなとんでもスペックはしていない。グリーンはじめんタイプ縛りだが、ポケモン自体はガチ育成しているのでポケモンのレベルは高い。マンムーが負けたのは、レベル負けしていたというのも大きい。氷漬けが解除されてからの育成が間に合っていなかった。が、おかげで進化出来た。



 現在ゲットしたポケモン

 ピカチュウ Lv.55

 ピジョット Lv.52

 バタフリー Lv.52

 ドサイドン Lv.54

 フシギダネ Lv.52

 リザードン Lv.57

 ゼニガメ  Lv.52

 キングラー Lv.52

 カモネギ  Lv.52

 エビワラー Lv.52

 ゲンガー  Lv.53

 オコリザル Lv.52

 イーブイ  Lv.51

 ベトベトン Lv.51

 ジバコイル Lv.51

 ケンタロス Lv.51

 ヤドラン  Lv.51

 ハッサム  Lv.51

 トゲキッス Lv.46

 プテラ   Lv.52

 ラプラス  Lv.51

 ミュウツー Lv.71

 バリヤード Lv.51

 イワーク(オレンジ諸島の姿) Lv.47

 カビゴン  Lv.46

 ニョロゾ  Lv.45

 ヘラクロス Lv.43

 メガニウム Lv.43

 マグマラシ Lv.43

 ラティアス Lv.30

 デルビル  Lv.43

 ワニノコ  Lv.43

 ヨルノズク(色違い) Lv.43

 カイロス(部分色違い) Lv.43

 ウソッキー Lv.43

 バンギラス Lv.55

 ゴマゾウ  Lv.30

 ギャラドス(色違い) Lv.34


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