ニューサトシのアニポケ冒険記   作:おこむね

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#090 『ワンチャン、もしかするかもしれない』

 12歳 μ月υ日 『決勝リーグ 二回戦 VSトシヤ 後編』

 

 インターバルを終え、フィールドに戻るとトシヤがギャロップを出してきた。

 ニョロトノは技を全て使っているせいでみず技を使えないので、再びピカ様を送り出す――つもりだったのだが、先程の『ざぶざぶサーフ』を見て尚、ギャロップを出してきたのが少し引っかかったので、ここは直感を信じてバリヤードにお任せすることにした。

 

 すると、トシヤが『ドリルライナー』を指示してくる。やはり、じめん技を使おうとしていたか。

 とはいえ、バリヤードは物理防御がそこまで強くないので防がせてもらう。カスミさんが先に披露してしまった『リフレクター』の多重展開で、ギャロップの動きを止めていく。

 完全に動きが止まるのを確信したので、そのまま『きあいパンチ』を決めた。完全防御によって、相手の攻撃が当たらないと確信しているからこそ、タメのいる技も余裕をもって使える。物理のかくとう技だが威力150はあるので、ギャロップもかなりのダメージを受けていた。

 

 トシヤも近距離がダメなら遠距離だと、『かえんほうしゃ』を指示してくるが、実は遠距離攻撃の方がカモだったりする。『ひかりのかべ』バリヤードエディションで攻撃を遮断した。

 完全に動きが止まった所に、今度は『サイコキネシス』を決める。タイプ一致の高火力技だけあって、ダメージは『きあいパンチ』よりも大きそうだった。

 

 近距離は『リフレクター』、遠距離は『ひかりのかべ』で封殺され、どうすればいいかわからなくなったようでヤドキングの時のようにトシヤの動きが止まる。

 悪い癖だな。攻略法を探すにしても、トレーナーが動きを止めればポケモンも動きを止めてしまう。どんな時も、思考はそのまま動きも止めないのが一流の基本だ。

 

 追撃の『サイコキネシス』でギャロップを戦闘不能に持って行く。どうやら、完全に初見殺ししてしまったようで、トシヤが完全にフリーズしてしまっていた。

 残念だな。諦めなければまだ戦えたぞ。

最初にこれを使った時にも書いたが、攻略法は数を使わせることなのだ。一度の防御に同じ技を何回も使っているのでPPがすぐに切れる。おまけに、即席の壁故に通常の壁のように何ターンも効果が持続しない。

 

 まぁ、初見で見抜けと言うのは無理があるかもしれないが、諦めてしまったのはギャロップが可哀想だった。

 審判からの声かけでようやく正気に戻ったようで、トシヤがギャロップをボールに戻す。俺も一度バリヤードを戻した。シゲルには効かないにしても、バリヤードの壁シリーズはまだ使えそうだ。ここで攻略法をばらすのは勿体ない。

 

 トシヤは五体目にヨルノズクを出してきた。相手がひこうタイプならこっちもひこうタイプを出そうということで、ピジョットを送り出す。

 

 ポケモンの数的にも追い詰められてきたトシヤは、どうやらダメージを少なく勝ちたいようで、ヨルノズクに『さいみんじゅつ』を指示している。

 流石に眠らされるのは勘弁なので、『こうそくいどう』で速度を上げて逃げさせてもらった。元々、種族値的にもピジョットの方が足が速いということもあって、ヨルノズクが追いつけずにいる。

 

 キキョウジムでのハヤトとのジム戦でもそうだったが、ひこうタイプ同士のバトルで速度負けするのは殺してくれと言っているのと同義だ。後ろを取って『つばめがえし』で攻めていく。

 しかし、物理技は対策しているようで、『リフレクター』を使ってきた。勿論、俺のバリヤードのとは違う普通のリフレクターだが、攻撃を半減させられるのは地味に辛い。ヨルノズクは特殊技に強いので結構面倒くさくなった。

 

 とはいえ、半減された物理技よりは特殊技の方がダメージが期待できるので、『ぼうふう』を指示する。

 トシヤもかわしてから『エアスラッシュ』というアニポケらしい指示を出した。そして、ヨルノズクはその指示通りに『ぼうふう』をかわして『エアスラッシュ』で攻撃してくる。

 

 思えば、俺も昔はゲーム戦術の癖が抜けなくてなかなか「かわせ」が使えなかったものだ。おまけに、今はもう戦い方の息も合っているので、こちらが指示しなくても避けてくれるようになったし、何だかんだ「かわせ」は数えるほどしか使っていないな。

 せっかくだから俺も「かわせ」を使ってみるかと思ったが、『ぼうふう』の反動でピジョットの動き出しが少し遅くなっているのでこれは回避できなかった。上手くいかないものである。

 

 ピジョットにエアスラが直撃するが、この程度の攻撃なら三、四発続けてくらっても戦闘不能になりはしない。

 ただ、それは相手にも同じことが言えた。ヨルノズクの特殊への耐久力なら『ぼうふう』以外の特殊技など大したダメージにはならないだろう。

 

 結局、『リフレクター』がある限りじり貧になりそうだったので、ここは素直に『とんぼがえり』を指示してピジョットをボールに戻すことにした。

 

 相手のエアスラを回避しながら、微ダメージを与えてピジョットがボールに戻る。その瞬間、待っていましたとばかりにピカ様が飛び出して行った。

 通常の交換はポケモンがボールに戻り切った後にポケモンを選択して出すのがルールだが、『とんぼがえり』などの交換技でボールに戻った場合、技が決まった段階で次のポケモンを投げることが出来るので、ボールに戻った瞬間タイムラグなしでポケモンを送り出せるのだ。

 

 おまけにピカ様はボールに入っていないので、ピジョットがボールの光を受けた直後にはもう飛び出していた。ギリギリのタイミングだが、フライングにはなっていない。そのまま不意打ちの『10まんボルト』でヨルノズクにダメージを与えていく。

 

 タイプ一致の効果抜群技を受けては流石にダメージが大きいようで、ヨルノズクも苦しそうな顔をしている。

 それを見て、トシヤは『はねやすめ』を指示した。ここでヨルノズクを失う訳にはいかないと考えているのだろう。

 

 そのまま回復したヨルノズクをボールに戻すと、最後のポケモンとしてマタドガスを出してきた。

 マタドガスか。エスパー技が効果抜群だが、フェアリータイプを持っているバリヤードはどくタイプに弱い。下手に出して攻略されると、先程与えた精神的ダメージが回復される心配があった。

 

 ピカ様で殴り合うのも悪くないが、ここは素直に金角のカイロスに交換しよう。あいつはじめんタイプの技が得意だし、仮にマタドガスの特性が『ふゆう』だったとしても、『かたやぶり』で当てられるからな。

 

 こちらが金角のカイロスを出すと、トシヤは『どくどく』を指示してきた。もうなりふり構っていられないという危機感を感じる。

 とはいえ、くらっても面倒なので『みきり』で回避する。しかし、変化技が鬱陶しいようで『ちょうはつ』を指示してきた。これでしばらく変化技を使用できない。

 

 まぁ、もう『みきり』を使うかはわからないけどな。と、思いながら、『じしん』を指示する。

 トシヤが余裕そうな表情を浮かべているので、おそらく特性は『ふゆう』で間違いなさそうだ。当然、『かたやぶり』の効果で、特性は無効となり、マタドガスに『じしん』が直撃する。

 

 まさかじめん技が当たるとは夢にも思わなかったようで、トシヤが「なんで!?」と、悲鳴のような声を出していた。

 しかし、『じしん』の衝撃が浮いているマタドガスに当たるのはかなり格好が良いな。まるで、ワンピースの白ひげみたいだ。

 

 そのまま『じしん』を連打すると、トシヤも『まもる』を使ってきた。ここでマタドガスを倒される訳にはいかないのだろう。

 だが、三つ目の技にまた変化技を使ったことで、もう攻撃技の枠は一つしかなくなった。下手な技を使えば俺の残りを突破出来なくなるし、これでトシヤは攻め方をかなり限定された訳だ。

 

 だが、手を抜くつもりはない。

 

 トシヤは後ろ全員に通るであろう『ヘドロばくだん』を指示してきたので、それに合わせて『あなをほる』を指示する。

 相手の攻撃を避けるように金角のカイロスが地面に潜ったのを見て、トシヤはすぐにマタドガスを戻してヨルノズクを出してきた。『かたやぶり』の特性で攻撃が当たるのを嫌がったのだろう。

 交換されたヨルノズクは元々がひこうタイプなので、じめんタイプの技は当たらない。おまけに、金角のカイロスはむしタイプなので弱点が取れる。いい判断だ。

 

 しかし、甘い。

 

 金角のカイロスが地面から飛び出すと同時に、その勢いでヨルノズクへ突進していく。初めてこいつと会った時にバタフリーがやられた奇襲方法だ。

 技を直接当てるのではなく、技の勢いを利用して相手との距離を詰める技術なのでひこうタイプだろうと何だろうと関係がない。そのまま『ハサミギロチン』を指示して、油断しきっているトシヤの隙をついて一撃必殺でヨルノズクを戦闘不能に持って行った。

 

 一撃必殺技は三割でレベル差だけ命中率が上がるというのがゲームの基本だが、この世界では技術の差で割とクリティカルヒットが狙える。

 今は向こうが一撃必殺に無警戒だったのと、完全なる不意打ちだったこともあって、『ハサミギロチン』を外す可能性の方が低いくらいだった。

 

 トシヤがしてやられたという顔でヨルノズクを戻す。カイロスが相手なら一撃必殺は当然警戒していたのだろうが、まさかじめん技から繋げてくるとは思わなかったようだ。

 こちらは金角のカイロスを続投する。

向こうの残りはマタドガスなので、弱点で攻撃できる金角のカイロスで一気に勝負を決めるつもりだ。ピカ様が俺のズボンを引っ張りながら自分が行くと訴えているが、ここは素直に金角のカイロスである。

 

 トシヤに残された手段は『ヘドロばくだん』と『どくどく』による毒で全抜きするしかないだろう。

 当然、そんなことさせるつもりはなく、開幕『あなをほる』で攻撃を回避していく。トシヤも『まもる』で一度攻撃を防いだが、『まもる』は連打出来る技ではないので、こちらは遠慮なく『じしん』を連打していく。

 

 何とか『どくどく』を当てようとしていたが、金角のカイロスの『じしん』連打によってマタドガスが倒れる。トシヤのポケモンが全員戦闘不能になったことで俺の準決勝進出が決まった。

 

 

 

 12歳 μ月υ日 『決勝リーグ 二回戦 ムサシVSシゲル 前編』

 

 俺の試合が終わった後、そのまま控室で第二試合を見ていたが、俺の準決勝での相手は、やはりあの顔を隠したSとかいう覆面トレーナーになった。

 足場の悪い氷のフィールドでポケモン達が自然に動いているのも凄いが、まるで相手の動きを先読みするかのような手腕は称賛に値する。これは油断すると敗北も普通に有り得るレベルなので、暴君との約束は次の準決勝で果たすことが出来そうだ。

 

 そのまま会場に向かい、第三試合を見学する。この試合はムサシとシゲルのバトルだ。

 しかし、ロケット団もくじ運がないな。もし、二回戦がシゲルとじゃなかったら準決勝進出も有り得たのだろうが、どう見てもムサシがシゲルに勝つ可能性はゼロである。

 

 ただ、ムサシはそれでも勝つつもりでいるようなので、ならばたまには応援してやろうと思った。

 いつものようにムサシの変装に気付いていないタケシとカスミさんだが、ラティだけはムサシだとわかったようで、「あー!」と言いながら手を振って応援している。ベンチに変装したニャースがいるのが決め手だったのかもしれない。

 

 ルーレットにより、先行がシゲルに決まる。

 同時にフィールドが岩のフィールドになった。

 

 足場を気にしなくていいということで、シゲルが迷いなくニドキングを出してくる。前回、俺と戦った時と同じ個体なら物理型のニドキングだ。

 対するムサシはギャラドスを出してきた。素直に相性を突いてきたようだ。『いかく』によって、ニドキングの攻撃力が一段階下がる。また、みずタイプのポケモンが出てきたことで、フィールドの中央が変形し、簡易的な水のフィールドが出てきた。

 

 ムサシがギャラドスに『ハイドロポンプ』を指示するが、シゲルのニドキングが動く方が早いようで、それより先に『10まんボルト』を発動させ弱点のでんき技で攻撃してくる。

 ニドキングは技のデパートと呼ばれるほどの技を覚えるが、やはりその技が生きるのは特殊が多い。前回のリーグでは俺の不意を突くために物理型にしてきたようだが、今回のニドキングは完全な特殊型だった。

 

 ギャラドスが弱点のでんき技をくらうも、いつもピカ様の電撃を受け慣れているせいもあってか、タイプ不一致のでんき技程度で動きは止まらない。

 そのまま『ハイドロポンプ』が放たれてニドキングがダメージを受ける。シゲルが「やるね」と言葉をこぼした。すまんな、シゲル。そいつらは俺とほぼ毎日やりあってるから耐久力はかなりのもんだぞ。

 

 シゲルも、力押しするのはリスキーだと悟ったようで、ニドキングに『かげぶんしん』を指示した。

 ムサシを惑わせるつもりなのだろう。

 だが、後ろのコジロウが「ムサシ、こういう時は全体攻撃だ!」と、即座にアドバイスを飛ばしていた。

 

 なかなかいいコーチをしている。そういえば、コジロウの知識は今やオーキド博士と遜色ないレベルだったっけか。前に川柳対決をしていた時は気付かなかったが、もしかしたらセキエイ大会の敗北がコジロウのサポート能力を上げたのかもしれないな。

 

 アドバイスを聞いたムサシが『なみのり』を指示する。ならばと、シゲルも『れいとうビーム』を指示して向かってくる波を凍らせた。

 

 ムサシも真っ向から戦って勝てる相手じゃないというのはわかったようで、『うずしお』を指示して動きを止めに行く。

 イブキのように『あまごい』や『たつまき』を絡めた高度な使い方ではないが、足を止めるという意味ならば『うずしお』だけでも有効な選択肢だ。

 

 とはいえ、シゲルもただで攻撃を受けるほど甘くはない。『10まんボルト』で無理矢理に『うずしお』の拘束を解除していく。

 一進一退と言っていいだろう。

 正直、シゲル相手にロケット団がここまで互角の立ち回りを見せるとは思わなかった。これはワンチャン、もしかするかもしれない。

 

 そう思った瞬間、シゲルが『どくどく』を指示する。搦手で来たな。ギャラドスが猛毒状態になったことで、持久戦は不利になった。

 だが、ムサシは交代ではなく攻撃を選んだ。『ハイドロポンプ』でニドキングにダメージを与える。流石のニドキングもドロポンの二発目はかなりのダメージのようで苦しそうな顔をしていた。

 

 そのまま最後の技として、『こおりのキバ』を指示する。これまで近接技を避けてきたのは、おそらくニドキングの特性である『どくのトゲ』を警戒してのことだろうが、猛毒状態になった今、もはや毒など関係ないということだろう。

 

 突っ込んでくるギャラドス相手に、シゲルは冷静に『10まんボルト』を指示する。四倍弱点の二度目で流石にダメージは大きいようだが、それでも『こおりのキバ』でニドキングを戦闘不能にまで持って行った。

 しかし、猛毒のダメージでギャラドスもまた限界が来たようでその場に倒れる。ほぼ同時の戦闘不能。俺とシゲルがセキエイ大会で戦った時と同じ状況だった。

 

 本当にやるな。一回戦の相手はシゲルの手持ちを一体も戦闘不能に出来なかったことを考えると快挙と言ってもいい。

 実際、シゲルももっと簡単に勝てると思っていただろうし、これでロケット団の認識を改めたはずだ。これからが本当の勝負だな。

 

 

 

 




 原作との変化点。

・ニューサトシが二回戦を勝利した。
 普段通りのバトルが出来て手応えを感じている。

・ロケット団とシゲルのバトルが始まった。
 開幕は互角の戦いを見せている。ニューサトシも少し驚いた。



 現在ゲットしたポケモン

 ピカチュウ Lv.55→56

 ピジョット Lv.52

 バタフリー Lv.52

 ドサイドン Lv.54

 フシギダネ Lv.52

 リザードン Lv.57

 ゼニガメ  Lv.52

 キングラー Lv.52

 カモネギ  Lv.52

 エビワラー Lv.52

 ゲンガー  Lv.53

 オコリザル Lv.52

 イーブイ  Lv.51

 ベトベトン Lv.51

 ジバコイル Lv.51

 ケンタロス Lv.51

 ヤドラン  Lv.51

 ハッサム  Lv.51

 トゲキッス Lv.47

 プテラ   Lv.52

 ラプラス  Lv.51

 ミュウツー Lv.71

 バリヤード Lv.51→52

 イワーク(オレンジ諸島の姿) Lv.48

 カビゴン  Lv.46

 ニョロトノ Lv.46

 ヘラクロス Lv.44

 メガニウム Lv.44

 マグマラシ Lv.43

 ラティアス Lv.30

 ヘルガー  Lv.44

 ワニノコ  Lv.43

 ヨルノズク(色違い) Lv.43

 カイロス(部分色違い) Lv.43→44

 ウソッキー Lv.43

 バンギラス Lv.55

 ゴマゾウ  Lv.30

 ギャラドス(色違い) Lv.34


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