12歳 β月λ日 『一回戦から全力で行くぜ』
基本的にチャンピオンリーグは一日、三試合から四試合行って進めていくらしい。俺は第二試合なので今日すぐ試合だが、もしこの試合に勝てば次の試合は最低でも五日後だ。
後半になるにつれて、試合間隔も短くなっていくのは地方リーグと一緒である。つまり、何も考えずにポケモンを消耗させすぎると、セキエイ大会やシロガネ大会の時のように終盤でエースや切り札が使えない可能性もあるので、バトルでの選出はしっかり考えなければいけなかった。
特に俺はセキエイ大会もシロガネ大会も、ポケモンにドクターストップをかけられているので、その辺りはしっかり気をつけないといけないだろう。
俺の一回戦の相手は、チャンピオンリーグ二年目のエリートトレーナーだった。と、いうより、後からシロナに聞いた所によると、どうも初年度のトレーナーは必ず二年目以降のトレーナーと当たるように調整されているらしい。運で勝ち上がってきた奴をふるいにかけるということだろう。
当然、こちらも負けるつもりはない。
いろいろ悩んだが、今回選出したメンバーは、ピカ様、リザードン、ゼニガメ、プテラ、イーブイ、ミュウツーという半数を切り札にする編成にした。
やはり、最初が一番大切だ。毎回毎回出していたら、後半で疲労がたまるかもしれないが、一回戦の最初なら二回戦までに十分に休息も取れるだろう。組み合わせの運が良かったな。
バトルがスタートすると、開幕はイーブイを出して、『アドバンスシフト』の特性で、相性有利なポケモンに進化することで有利対面を作った。相手もすぐにポケモンを交換してきたが、まだイーブイは技を使っていなかったので、それに合わせてこちらもまた進化先を変えていく。
それを見て、特殊個体だと気付いたようで、こちらの有利を覆すのは難しいと判断したらしく、そのままバトルを続行してきた。上手くハマったが、それでも相手を三体戦闘不能にする間に、プテラとイーブイが戦闘不能になり、三体目に出したゼニガメもかなりの大ダメージを受けていた。
数の上では有利とはいえ、油断すればすぐに逆転される状況である。しかし、三体戦闘不能になったことで、これから五分間のインターバルに入った。
ベンチには誰もいない。チャンピオンリーグではベンチコーチは参加不可なので、ラティもボールの中で大人しくしているのだ。もし、カスミさんやタケシが一緒に居たとしても、今回は観客席に移動して貰っていただろう。
後半は、ミュウツーで奇襲をかけることにした。
どうも、相手は詳しく俺のデータを集めてはいなかったようで、まさか伝説のポケモンが出てくるとは思わなかったらしい。ノーデータのミュウツーに動揺した隙を突いて、そのまま残りの三体も一気に戦闘不能に持って行った。
結局、後半はこちら側に戦闘不能が出なかったということで、一回戦はかなり上手い立ち回りが出来たと思う。
シロナからも、密かにおめでとうメッセージが届いたが、同時に油断は禁物という忠告も頂いた。次の二回戦もこの調子で勝ち抜いていくぜ。
追記。シゲルも一回戦を突破したようだ。どうやら、隠し玉にカイリューを用意していたらしい。後で聞いた話によると、シロガネ大会時はまだハクリューだったが、ミュウツーがいなければムウマージの代わりにハクリューを投入する予定だったとのことだった。
12歳 β月π日 『すまん、ピカ様』
一回戦が全て終了した段階で、初年度参加組のトレーナーは俺を含めて五人しか残っていないとシロナから教えてもらった。随分減ってしまったものだ。
ただそれも仕方のないことかもしれない。俺も全ての試合を観戦できていた訳ではないが、どいつもこいつも一筋縄ではいかない強者揃いである。一回戦では上手くバトルを進められたからといって、調子に乗ると一瞬で倒されそうだった。
今日は二回戦ということで、メンバーを変更している。今回登録したメンバーは、ピカ様、フシギダネ、トゲ様、ミュウツー、ヨルノズク、バンギラスだ。
そして、二回戦の相手は、俺と同じ初年度参加組のトレーナーだった。
しかし、一回戦を勝ち抜いてきたということは、それだけ実力があるということである。ふるいにかけられて生き残ったメンバーの一人だ。全く油断は出来ない。
今回はとりあえず、様子見に色違いのヨルノズクに先鋒を任せた。こいつは基本的に思慮深い性格をしているし、いろいろ器用なのでこういう時は安心してお任せできる。
と、思っていたのだが、想定していたより気合が入り過ぎてしまっていたようで、普段よりも攻めっ気が強く出てしまい、相手に翻弄されて普通に戦闘不能にされている。ヨルノズクもやる気十分だったが、そのやる気が空回りしてしまったらしい。
普段通りに戦えれば全然戦えただろうが、これは俺がヨルノズクの様子をしっかり見てやれなかったせいだな。すまん、ヨルノズク。
とりあえず、このまま流れを持って行かれるのはまずいので、二体目にトゲ様を出して必殺のまひるみコンボで攻め立てていく。どうやら相手はトゲキッスのことを知らないようで、面白いように害悪戦法がハマっていた。
一体を即座に戦闘不能にしたこともあって、このままわからん殺しが出来るかもと思ったが、相手は二体目に特性『せいしんりょく』で怯まないポケモン出してくる。
それを見て、こちらも念のためにトゲ様を戻した。流石にチャンピオンリーグというべきか、トゲキッスを知らなかった癖に対策してくるのが早い。
油断は禁物ということで、ここでミュウツーを出した。相手はミュウツーに合わせて相性有利なあくタイプに交代してきたが、こちらはかくとうタイプの技でごり押ししていく。悪いな、うちの最強は相性程度でどうにかなるほど優しくないんだわ。
とはいえ、無傷とはいかなかった。相手を戦闘不能にしたものの、ミュウツーもまぁまぁいいダメージを受けている。
相手もあくタイプがダメならゴーストタイプと、再び相性で攻めてきたのでこちらも素直にミュウツーを戻した。シンゴの時の反省を生かして、ミュウツーを使っていても、普段と変わらぬバトルを心掛けていく。
だが、こちらがゴーストタイプに有利なバンギラスを出すと、相手もまたポケモンを交代してきた。やはり、このレベルになってくるとトレーナーの判断が速い。それに合わせて、こちらもフシギダネに交代していく。
相性的に五分ということで、バトルが再開される。こちらもフシギダネの『どくどく』を起点に耐久戦の構えを取った。そのまま上手いこと立ち回り、何とか相手の三体目を戦闘不能にしていく。
しかし、ギリギリでフシギダネも戦闘不能にされてしまった。進化前で種族値は低いとはいえ、耐久戦が得意な俺のフシギダネを倒し切るとは、やはり相手も一筋縄ではいかないようだ。
相手のポケモンが三体戦闘不能になったことで、五分間のインターバルに入った。
向こうの残りポケモンは無傷の三体。対するこちらは、ヨルノズクとフシギダネが戦闘不能になっており、ミュウツーが体力を1/3程削られているが、残りの三体は全員無傷である。
アドバンテージ的にはやや有利だが、調子に乗って変なダメージを受けても笑えないので慎重にバトルを進めていこう。もう、がむしゃらに戦うだけではこの先は生き残れない。ポケモンへのケアも、バトルをする上で重要なファクターになってくる。
インターバルが終わると、バンギラスを起点にして種族値の暴力で相手を追い詰めた。
とはいえ、相手も上手く立ち回ってくる。相手の残りポケモンの三体のうち、二体を戦闘不能、一体を猛毒状態で体力半分まで追いつめたが、こちらもバンギラスとトゲ様が戦闘不能にされてしまった。
だが、相手もダメージと猛毒を受けているし、このままミュウツーで一気に勝負をつけてやる。ピカ様が何やら俺のズボンを引っ張っているような気がするが、ここはサクッとミュウツーで残り一体をボコって試合を終了した。
ピカ様が自分の出番がないと怒っていたが、切り札は残しておくもんなんだ――と、何とかご機嫌を取っていく。
まぁ、確かにミュウツーではなくピカ様でもよかった場面ではあった。一回戦でも出番がなかったし、戦いたい気持ちはわかる。が、この先のことを考えればピカ様の情報は少しでも隠しておいた方が有利に進められると思ったのだ。
結局、後半の相手次第ではピカ様、リザードン、ミュウツーはバトルから外せなくなるし、ミュウツーは今大会では一回戦から注目を集めているので、ここはピカ様とリザードンの情報はなるべく隠していくスタイルで行くことにした。
部屋に戻ると、ラティも試合に出たそうな顔をしていたが、流石にチャンピオンリーグにレベル技しか覚えていないラティアスを出すのは辛い。『りゅうせいぐん』の練習だって、シロナの気まぐれでカンナギにいる最中に少しやっただけでまだ全然ものに出来ていないしな。習得度はDP編のフカマル以下で、弾を作るのにも四苦八苦しているレベルである。
もし、ラティをバトルで使うのであれば、最低でも『めいそう』を覚えさせたい所だ。
そうすれば、あくタイプ以外なら『アシストパワー』でごり押しが出来る。勿論、欲を言えば、『シャドーボール』や『10まんボルト』みたいな汎用技を覚えてくれた方が使いやすいので、その辺の技も頑張って覚えて欲しいものだ。期待しているぞ、ラティ君。
12歳 β月σ日 『俺が勝ってわからせてやるぜ』
シゲルが負けた。正直、相手を見てそういう可能性もあると思ったので驚きはない。だが、シゲルは俺の姿を見ると、申し訳なさそうに「すまない」と一言告げて去って行った。
別に謝ることなどない――と、言いたいが、あいつにとって俺との再戦はそれほどまでに大きなものだったのだろう。まぁ、これが逆の立場だったら、俺も合わせる顔がないと思うし気持ちは良くわかるので黙って背中を見送った。
ただ、個人的な感情を抜きにしても、負けても仕方のない相手ではあったのだ。シゲルの対戦相手――それは、アニメやゲームでカロスリーグのチャンピオンとなっているカルネだったのである。
思えば、カルネがいつチャンピオンになったかはアニメやゲームでも明言されていなかった。アニメでサトシ君がカロスに行くのも、まだ数年先の話だし、このタイミングでチャンピオンリーグに居ても別におかしくはない。
どうも、カルネも俺達と同じ初年度組ということらしく、こちらの警戒が少し甘かったせいもあって直前まで気付くことが出来なかった。
後からわかった話だが、どうやらカルネは今年のチャンピオンリーグ優勝候補だったらしい。
一応、俺やシゲルも優秀なトレーナーとして名前は上がっていたそうだが、現カロスの大女優であるカルネの知名度に比べたら霞むレベルのものだ。人気女優ということもあって、カルネは常にマスコミに追われており、その結果バトルの腕前も凄いというのは周知の事実のようだしな。
まぁ、ニューサトシはあまりそういうのに興味がなかったので、全然知らなかったのだが、前世の知識のおかげで恥をかかずに済んでいる。
しかし、確かにカルネは強いが、シゲルとカルネのバトル内容は別に一方的なものではなかった。
ただ、シゲルはカロス地方のポケモンについて初見だったこともあって、バトルはカルネ優勢に進んでいたのは間違いない。あいつもポケモンのことを勉強している方だが、やはりまだ遠くの地方のポケモンのデータは持っていないだろうしな。
探りながらのバトル故に、シゲルもいつも通りに戦えていなかったのはある。だが、途中、カイリューやカメックスで持ち直したこともあって終盤までバトルは互角だった。
正直、最後はシゲルが勝つかとも思ったが、メガサーナイトの一撃の前にシゲルのカメックスは力尽きてバトルは終了している。
もし、シゲルにメガシンカなんかの強化要素があれば、勝っていたのは逆だったかもしれない。それくらいに接戦だったし、シゲルには伸びしろが残っているということでもある。仮に最初からカルネのデータがあれば、もっとバトルの流れも変わっていただろう。
だが、今それを言っても慰めにはならない。特に、ライバルの俺に言われたって何の解決にもならないはずだ。
もし、仮に俺がカルネに負けて、シゲルに「レベルさえ上げれば次は勝てるさ」と言われても嬉しくも何ともないのと一緒である。だからこそ、あいつにはバトルで見せてやらないといけない。俺がカルネに勝って、シゲルよりも俺が強かったんだと間接的にわからせてやるぜ。
原作との変化点。
・チャンピオンリーグ一回戦に勝利した。
相手がミュウツー対策していなかったので思いの外楽に勝てている。
・チャンピオンリーグ二回戦に勝利した。
対戦相手が初年度参加組だったこともあって、互角の立ち合いだった。
・シゲルが負けた。
相手が相手だったので仕方ない。
・カルネが参加していた。
この小説ではこの時点でチャンピオンリーグに参加している設定。もっとベテランという意見もあるかもしれないが、作者的にはシロナが女性初チャンピオンだし、シロナの年齢が今の段階でギリギリ10台と考えると、このぐらいの時期じゃないかと思っている。
現在ゲットしたポケモン
ピカチュウ Lv.60
ピジョット Lv.55
バタフリー Lv.55
ドサイドン Lv.58
フシギダネ Lv.55→56
リザードン Lv.60
ゼニガメ Lv.55→56
キングラー Lv.55
カモネギ Lv.55
エビワラー Lv.56
ゲンガー Lv.56
オコリザル Lv.56
イーブイ Lv.54→55
ベトベトン Lv.55
ジバコイル Lv.55
ケンタロス Lv.55
ヤドラン Lv.54
ハッサム Lv.55
トゲキッス Lv.52→53
プテラ Lv.55→56
ラプラス Lv.54
ミュウツー Lv.72
バリヤード Lv.55
イワーク(オレンジ諸島の姿) Lv.53
カビゴン Lv.51
ニョロトノ Lv.51
ヘラクロス Lv.50
メガニウム Lv.50
マグマラシ Lv.50
ラティアス Lv.46
ヘルガー Lv.50
ワニノコ Lv.50
ヨルノズク(色違い) Lv.49→50
カイロス(部分色違い) Lv.50
ウソッキー Lv.49
バンギラス Lv.58
ゴマゾウ Lv.46
ギャラドス(色違い) Lv.48
タマゴ 何が生まれてくるのかな? 生まれるまでまだまだ時間がかかりそう