ニューサトシのアニポケ冒険記   作:おこむね

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お待たせしました。更新再開します。


ホウエン編
#105 『ピカ様、家出する』


 12歳 δ月α日 『ピカ様、家出する』

 

 ホウエン地方に着いた。さて、これからどうするかな――と、思いつつ、とりあえず適当に道なりに進んでいくことにする。

 確か、ゲームだと最初に出てくる街は、ミシロタウンとかいう所で、オダマキとかいう博士が御三家をくれるイベントがあったはずだ。まぁ、ニューサトシは新人ではないのでポケモンは貰えないだろうが、アニメでも出発する場所はゲームと同じだったはずだし、他に行く場所も思いつかないのでサクッとミシロタウンへ向かうことにした。

 

 そのまま道なりに進んでいると、ラティが微妙に音程を外した鼻歌を歌いながらご機嫌に歩いている。

 ピカ様は新たな技として『エレキネット』を習得するつもりのようで、歩きながら『エレキボール』の球をネット状にしようと四苦八苦していた。『ばちばちアクセル』も地味に練習しているが、あれは歩きながらでは練習できないしな。

 

 暇だったニューサトシも試しに『エレキネット』作りをやってみたのだが、これが意外と簡単に出来てしまった。流石のピカ様も人間に技習得の速度で負けるとは思わなかったのか、ショックを受けている。

 

 まぁ、そう気にすんなって、俺が使えても意味ないんだし――と、ピカ様を慰めたのだが、それが逆にプライドを傷つけてしまったようで、ピカ様がプイとそっぽを向いて森の中に入って行ってしまった。

 

 ピカ様が拗ねるなんてそうあることではないのでかなり驚いたが、このまま放置する訳にもいかないのでラティと一緒に森の中へ入って行く。しかし、思った以上に奥に行ってしまったようで姿が見えなかった。

 とりあえず、残っている足跡を追っていく。後から思えば、ミュウツーに頼めば手っ取り早く見つけられたのだが、この時は予想外の出来事に驚いて頭から抜けてしまっていた形である。

 

 途中、足跡が消えていたので、ラティと二手に別れてピカ様を探すことにした。念のためにゴマゾウをラティのボディーガードとして配備し、何かあれば敵を倒すように指示しておく。

 何だかんだゴマゾウもシロナとのトレーニングでレベル50近くになっているし、ゴマゾウなら匂いで俺の場所がわかるので、仮に向こうがピカ様を見つけた場合も合流できるという計算もある。

 

 そのまま、森の中でピカ様を探してみるが、なかなか姿が見つからない。ひこうタイプを手持ちに入れておくべきだったか――と、考えていると、奥の方で何やら人の声が聞こえてきた。

 

 目をこらして見てみると、誰かいるようだったのでピカ様を見ていないか聞きに行こうと思ったのだが、よく見ると木にぶら下がったおっさんがポチエナの群れに囲まれている。

 近くにいる女の子がミズゴロウを出してどうにかしようとしているようなのだが、素人なのか上手く指示が飛ばせていないみたいだった。このままでは危険だが、ここからでは俺のポケモンを出しても距離的に間に合わない。

 

「ミズゴロウ! 一番手前のポチエナに『みずでっぽう』!!」

 

 とりあえず、一番近くにいるミズゴロウにターゲットを取ってもらうために大声で指示を飛ばした。

 人のポケモンだし、言うことを聞いてくれるかどうか怪しかったが、予想外にミズゴロウは指示に応えてくれたようで、すぐに近くのポチエナに『みずでっぽう』を撃ってダメージを与えている。

 

「ミズゴロウ、立ち位置に気をつけろ。囲まれないように距離を取れ」

 

 追加の指示だが、拒否することなく相手の位置を確認して動いてくれた。優秀なポケモンである。

 確か、ミズゴロウの頭のヒレで周りの様子を感じ取るという能力があったはずだ。どうやら、それを上手く使っているようで、指示通りに距離を取って様子を見ている。

 その間に、女の子の前に移動し、ゼニガメとワニノコを送り出す。カントー、ジョウト、ホウエンのみずタイプ御三家が揃った訳だが、出来れば進化しているともっと良かったな!

 

「さて、これで数は並んだわけだ? まだやるか?」

 

 敵のポチエナの数も三体、こちらと並んだ。

 しかし、こちらのレベルの高さが何となくわかったようで、ポチエナ達は逃げるように立ち去って行く。追う必要はない。おそらくだが、ポチエナ達の縄張りに迂闊に入ってしまったが故の敵対行動だろう。こちらがここから出ていけばいずれ落ち着くはずだ。

 

 ゼニガメとワニノコをボールに戻し、ミズゴロウに「ありがとな」とお礼を言う。ミズゴロウも満更ではないようで、照れたような笑みを浮かべていた。

 

 とりあえず、木にぶら下がっているおっさんを助け、あまり無遠慮にポケモンの縄張りに入らないように注意する。

 どうやらフィールドワークに夢中になっていたせいで境界線を見誤ったとのことで、素直にこちらにお礼を言ってきた。

 

 聞けば、このおっさんがオダマキ博士らしい。ってことは、もしかしてこの女の子はハルカか?

 確かに、よく見れば赤い服にバンダナを付けている。成程、今日ポケモンを貰う予定だったのなら、あの素人感も納得が行った。

 

 お礼を言ってくるオダマキ博士に、ピカ様を見ていないか聞いてみる。だが、やはりこの近くでピカ様らしきポケモンの姿は見ていないらしい。

 視線を移してみると、ハルカも見ていないと首を横に振っている。うーむ、こちらではないとすると、やはりラティ達がいる方が正解だったか?

 

 どうするか――と思っていると、少し離れた位置から物凄い轟音と、電撃が空に向かって放たれるのが見える。

 あの電撃の威力は、おそらくピカ様だ。

 無意味な空への攻撃は、おそらく救援信号。何か危険が発生して、俺へ助けを求めている。そう判断し、電撃が放たれた位置へ向かって全力で向かっていく。

 

 オダマキ博士やハルカもただ事ではないとわかったようで、急いで後をついて来ようとしている。普段なら速度を合わせる所だが、今は緊急事態っぽいので悪いが先に行かせてもらうことにした。

 そのまま電撃が放たれたであろう地点へ行くと、いつも通りにロケット団がいて、妙な機械でゴマゾウを捕まえようとしている。

 

 ゴマゾウも、ラティを庇うようにポジショニングを取っているせいで、攻めに転じられていない。カバーのために俺の電撃地獄玉を放つも、どうやらお得意の対電気コーティングをしているようで、地獄玉が反射されて、俺を追ってきたハルカに直撃していた。

 

 ちょっと力を入れすぎたせいか、乗っている自転車まで黒焦げになってしまったが、俺しーらない。

 

 それに、そんなことを言っている場合ではなかった。対電気コーティングとは、ロケット団も面倒くさいことをしてくれるものだ。

 おそらく、電気が効かないから万が一に備えてピカ様も俺を呼んだのだろう。自分のプライドよりも仲間を迷わず取る辺り、ピカ様の優しさが感じられた。

 

「「「ゲッ、ジャリボーイ!?」」」

 

 どうやら電撃が放たれたことで、俺が追いついてきたことに気付いたようだ。さて、お前ら、いつも通りのお仕置きタイムだぞ。

 ゼニガメ、ワニノコ、ギャラドスとみずタイプを全員出して『ハイドロポンプ』三連撃でサクッとやなかんじーにしてやる。電気が効かないのなら、電気以外で倒せばいいじゃない!

 

 そんなこんなでロケット団を追い返し、ピカ様と合流した。プライドを傷つけてしまったのを謝ると、ピカ様ももう気にしていないとこちらに電撃を飛ばしてくる。

 傍から見ると反抗されているように見えるかもしれないが、電撃の効かない俺からすると挨拶みたいなものだ。俺も電撃をピカ様に返し、これでピカ様の家出も一件落着である。

 

 

 追記。その後、ハルカは初心者用ポケモンとして原作通りにアチャモを貰っていた。今にして思えば、ミズゴロウが俺の言うことを聞いたのは、まだトレーナーが決まっていなかったということも大きかったのかもしれないな。

 

 

 

 12歳 δ月β日 『ルリリ! ゲットかも?』

 

 俺が自転車を壊してしまったこともあり、何だかんだハルカと一緒にコトキタウンに向かうことになった。

 ラティが新たな旅の仲間に大喜びしており、「ハルカ!」と名前を連呼している。ハルカも、見た目の割に精神年齢が低いラティに最初は戸惑っていたが、すぐに慣れたようで仲良くしてくれた。もうちょっと仲良くなったら正体を教えて世話役を頼むのもいいかもな。

 

 歩いている途中、ハルカが野生のルリリを見つけて、「可愛いかも! 欲しいかも!」と言っている。だが、いきなりボールを投げつけようとするので、流石にバトルでダメージを与えた方がいいとアドバイスをした。

 

 ハルカも素直にアドバイスを聞いたようで、アチャモを出してルリリにバトルを挑んでいる。

 しかし、ハルカもアチャモもまだ初心者ということもあって、上手くバトルが出来ずにルリリに逃げ回られていた。見ていられないので、仕方なくバトルの基本を教えてやることにする。

 

 簡単なレクチャーをしながら、攻撃のタイミングや動きを指示してやると、アチャモがルリリを追い詰めていく。

 まぁ、俺からすればお粗末な動きとしか言えないが、よく考えなくてもこれが普通なんだよな。俺の初ゲットの時はピカ様が反抗期だった上、ポッポを捕まえてピカ様を逃がそうとするくらいには余裕があったが、普通の初心者トレーナーはバトルするのもゲットをするのも四苦八苦するものだ。

 

 と、少し昔を懐かしんでいると、ルリリの援軍としてルリリの進化系であるマリルとマリルリがやってきた。

 流石にまだレベル5のアチャモじゃ、相性の悪いマリルやマリルリを相手にするのは辛いだろうということで、ピカ様にお願いして一対一で戦える状況を作ってもらう。

 

 ピカ様がルリリと他二体の間に『10まんボルト』を飛ばして相手を分断する。そのまま、マリルリとマリルの意識を自分に向けるためにピカ様が前に出ようとしたのだが、その瞬間草むらの中から新たなポケモンが飛び出してきた。

 

 援軍か――と、思ったが、よく見るとオダマキ博士を助ける時に一緒に戦ったミズゴロウである。どうしてここにいるんだ?

 ピカ様もどうすれば良いか分からず、こちらを見てくる。が、俺もどうすればいいかわからなかった。対するミズゴロウは、早く指示を飛ばせと言わんばかりに、俺に向かって声をかけてくる。

 

 良く分からんが、とりあえずミズゴロウに指示を飛ばして当初の予定通りにマリルリとマリルを、ルリリから分断していく。ピカ様も困惑しつつも、ミズゴロウのサポートに回っていた。

 ハルカの方を見ると、俺のアドバイスに従ってアチャモでルリリを追い詰めている。アチャモも頑張ったこともあり、ルリリは大分ダメージを受けていた。そろそろ、ボールの投げ時だろうということで、緊張した様子のハルカに「今だぞ」と声をかける。

 

 ハルカがボールを投げると同時に、ピカ様とミズゴロウもマリルとマリルリをダウンさせたようでこちらに合流してきた。

 ボールが数回左右に揺れ、赤いランプが点滅する。ゴクリと喉を鳴らしてボールを見ていたハルカだが、カチっという音と同時にボールが止まると大喜びで飛び上がった。

 

「ルリリ、ゲットかも!」

 

 いろいろ問題は起きたが、何とかゲットには成功したな。そのまま、初ゲットの感動を味わっているハルカと、一緒になって喜んでいるラティを見ながら、足元に居るミズゴロウをどうするか――と、考えて、ふと思った。

 

 あれ、ハルカってルリリなんてゲットしたっけ? もしかして、ここはゲットを失敗させなくてはいけないイベントだったりしたか?

 

 うーむ。

 

 まぁ、いいか!

 

 

 

 12歳 δ月β日 『ミズゴロウが仲間になった。テッテレー』

 

 コトキタウンのポケモンセンターで、ミシロタウンにいるオダマキ博士に連絡を取った。

 すると、やはりミズゴロウがいなくなったようでドタバタしている。とりあえず、ミズゴロウが俺の所にいると話すと、一安心したようでオダマキ博士がすぐに迎えに行くと言ってくれた。

 しかし、それを聞いてミズゴロウは嫌だと言わんばかりに俺に抱きついてくる。うーむ、どうもオダマキ博士を助けた時に指示を飛ばしたせいか、俺をトレーナーだと思ってしまったのかもしれん。

 

 オダマキ博士も、ミズゴロウがここまで俺に懐いているのならと、ミズゴロウを俺に連れて行って欲しいと言ってくれたので、有り難くミズゴロウを預かることにした。

 そのままオダマキ博士の研究所からミズゴロウのボールを送って貰う。手持ちが七体になってしまったので、とりあえずゼニガメをオーキド研究所に戻すことにした。ただ、ゼニガメには「お前、進化させたいから、そのうち呼び戻すからな」と言っておく。

 

 別に進化したくなくて進化しない訳じゃないのはわかっているので責めるつもりはないが、そろそろ進化してもいいだろう。マジで。

 

 とりあえず、状況が一段落すると、ハルカにポケモンセンターを紹介がてら食事にする。

 ハルカは意外と大食漢だった。聞けば、ハルカはポケモンをゲットしたり戦わせたりというよりも、旅をすることが好きな感じである。そういう意味ではラティとはとても馬が合うみたいだな。

 

 

 追記。夜中、マグマ団を名乗る不審者がポケモンセンターを襲ってきたので、とりあえずボコボコにした。何か良く分からないビー玉を四つ持っていたが、近くの遺跡を調べているというおっさんが何やら大興奮している。聞けば、近くの遺跡の秘密を解く鍵らしい。ふーん、よかったね。

 

 

 

 




 原作との変化点。

・第1話『新たなる大地! 新たなる冒険!!』より、ピカ様が家出した。
 流石に人間に技の習得速度で負けてショックを受けた。原作ではロケット団のせいで帯電状態になったピカ様が脱走するが、今回は自分から家出した。

・ハルカを助けた。
 原作ではピカ様を追ってそれ所ではないが、今回はピカ様を探している最中に運よく出くわした。アトラクタフィールドの収束により、オダマキ博士はポチエナに襲われていたので、困っているハルカの代わりにニューサトシがミズゴロウを使って助けている。

・自転車を壊した。
 アトラクタフィールドの収束により、自転車は必ず壊れる。

・ピカ様と仲直りした。
 お互いに謝った。電撃をぶつけ合うという挨拶が出来た。

・第2話『古代ポケモンと謎の軍団』より、ハルカがルリリをゲットした。
 本来なら返り討ちに合うが、ニューサトシのアドバイスでゲットしてしまった。

・ミズゴロウがついてきた。
 ハルカと博士を助けた時の的確な指示で、ニューサトシが自分の理想のトレーナーだと認識して後をついてきた。そのまま無理矢理手持ち入りしている。

・マグマ団をボコボコにした。
 ロケット団本部を何箇所も壊滅させたニューサトシの相手になるはずがなく、一網打尽にしてやった。ホウエン地方のジュンサーにも、ポケモン泥棒退治のプロだと思われている。



 現在ゲットしたポケモン

 ピカチュウ Lv.60

 ピジョット Lv.55

 バタフリー Lv.55

 ドサイドン Lv.59

 フシギダネ Lv.56

 リザードン Lv.61

 ゼニガメ  Lv.56

 キングラー Lv.55

 カモネギ  Lv.55

 エビワラー Lv.56

 ゲンガー  Lv.57

 オコリザル Lv.56

 イーブイ  Lv.55

 ベトベトン Lv.55

 ジバコイル Lv.55

 ケンタロス Lv.55

 ヤドラン  Lv.54

 ハッサム  Lv.56

 トゲキッス Lv.53

 プテラ   Lv.56

 ラプラス  Lv.54

 ミュウツー Lv.72

 バリヤード Lv.55

 イワーク(オレンジ諸島の姿) Lv.53

 カビゴン  Lv.51

 ニョロトノ Lv.51

 ヘラクロス Lv.50

 メガニウム Lv.50

 マグマラシ Lv.50

 ラティアス Lv.46

 ヘルガー  Lv.50

 ワニノコ  Lv.50

 ヨルノズク(色違い) Lv.50

 カイロス(部分色違い) Lv.50

 ウソッキー Lv.50

 バンギラス Lv.58

 ゴマゾウ  Lv.46

 ギャラドス(色違い) Lv.48

 ヒンバス  Lv.1 

 ミズゴロウ Lv.5→8 NEW!


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