ニューサトシのアニポケ冒険記   作:おこむね

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#106 『一躍有名になってしまったものである』

 12歳 δ月γ日 『トウカシティ ガチバトル VSセンリ』

 

 昨晩、マグマ団を退治した時のビー玉で、このコトキタウンにあるコトキ遺跡なる場所の秘密の扉が開いたらしい。

 どうも、この遺跡は古代ポケモンの生息地だったようで、遺跡の奥の湖には古代ポケモンであるジーランスがいた。珍しいポケモンを見ることが出来て、ラティもハルカも大喜びしている。

 

 そのまま勢いで、今日は近くのトウカシティまで来たのだが、どうもハルカの顔色がよろしくない。

 おそらく、ジムリーダーの子供なのでいろいろと思う所があるのだろう。まぁ、俺はホウエンリーグに出るつもりはないので別にジムに行く必要はない。のだが、ジム戦とは別に、本気のジムリーダーとバトルはしてみたかったのでやはりジムに向かうことにした。

 

 一緒に行くのを嫌がったハルカと一旦別れることになり、後で合流するという約束をしてラティとトウカジムへ行く。

 

 ラティと共にジムへダイナミックエントリーするも、留守なのか誰も出てこなかった。

 仕方なく、誰かいないかと声をかけると、面倒くさそうな声を出しながら、マサトと思わしきクソガキが出てくる。見るからにクソガキ感丸出しだが、俺の顔を見るなり、「あ、あなたはマサラタウンのサトシさん!?」と、声をかけてきた。

 どうやら、ジョウトリーグの放送を見ていたようで、「凄いや、リーグチャンピオンに会えるなんて!」と感動している。確か、アニメではサトシ君のことを馬鹿にしていた印象があったのだが、ニューサトシはシロガネ大会を優勝したので、トレーナーとしての見方も変わったのかもしれない。

 

 とりあえず、ジムリーダーはいるか聞いてみると、「僕がジムリーダーです!」と言ってきたので、嘘はいいからセンリを呼んでくれと頼む。

 しかし、やはり子供のようで、嘘がバレるとすぐに開き直って「ねぇ、ポケモンを見せてよー」とお願いされた。とりあえず、今の手持ちで邪魔にならないサイズのワニノコ、ゴマゾウ、ミズゴロウを出してやる。ギャラドスはでかすぎるし、ヒンバスは水がないと出してやれないからな。

 

 だが、せっかくポケモンを見せたのに、「えー、リザードンはいないのー!? ミュウツーはー!?」と、クソガキらしい反応をしてくれる。少々むかついたので、「見たかったら、ジムリーダー呼んできな」というと、急いでセンリを呼びに行った。

 

 まぁ、今はリザードンを手持ちにはいれていないが、嘘も方便である。しばらくすると、センリらしき男の手を引っ張ってマサトが戻ってきた。その後ろから母親らしい人と、ついでに何故かハルカも一緒に居る。

 原作知識で知ってはいたが、やはりハルカはセンリの娘だった。とはいえ、別に追求したい訳ではないので、何か言いづらそうにしているハルカのことはなぁなぁに流し、センリにジム戦とは別に本気のポケモンバトルをしてほしいとお願いする。

 

 ジム戦だと、どうしても交換なしやトレーナーのレベルを確認するという仕事のせいで完全な本気バトルにならないので、ジム戦ではないバトルがしたいのだ。

 まぁ、ホウエンのポケモンが増えてきたらジム戦としてのバトルもするかもしれないが、今はまだ手持ちがチャンピオンリーグ仕様のメンバーなのでガチバトルである。

 

 センリも意外な提案に驚いていたが、俺がハルカをここまで連れてきたお礼に、本気バトルをしてくれることになった。

 ルールは三対三の入れ替え式である。フルバトルでもよかったのだが、流石にここからフルバトルをするのはジムの仕事の邪魔になるので自重した。

 

 ラティと共に、ハルカの家で昼食をご馳走になり、ポケモンセンターで手持ちを入れ替えると、いざガチ戦となる。

 

 俺は一体目にゼニガメ、センリはパッチールを出してきた。進化前のポケモンであるゼニガメが出てきたことでセンリも驚いているが、俺もいい加減こいつを進化させたいのである。

 パッチールと言えば、全ての種族値が60という数値でドラえもんの体型のようなポケモンだ。体の模様は個体毎に違うようだが、それ以外に目立った要素はない。ゲームだと、ダブルバトル向きのポケモンだが、シングルでもたまに姿を見た。

 確か、『トリックルーム』で相手の先を取る型だったか。後はもう覚えていないが、変化技以外は特に注意する必要もないポケモンだったはずだ。

 

 とはいえ、種族値的にはゼニガメの方が遅いこともあり、センリは先手で『フラフラダンス』を指示してくる。見た相手を混乱させる技だ。ゼニガメには姿を見ないように『こうそくスピン』を指示して頭を甲羅の中に入れさせた。

 そのまま踊っているパッチールに突撃していく。

 センリはすぐに『すてみタックル』を指示してきた。パッチールが覚えられるノーマル技の中では最強の威力が120ある物理技だ。真正面からぶつかり合えば威力の差で負けるので、『こうそくスピン』から『ハイドロポンプ』のユナイトコンボへ繋げて迎撃する。

 

 向こうの『すてみタックル』が当たる前に、ドロポンが当たりパッチールが吹き飛んでいく。

 センリは即座にパッチールとゼニガメとのバトル相性があまり良くないと判断したのか、ここでパッチールを一度ボールに戻した。続けて、二体目としてガルーラを出してくる。

 

 ガルーラか。ノーマルタイプの中ではバランス型だが、メガシンカされたら一気に最強ポケモンに変化するやべぇ奴だ。

 どうも見た感じ、センリはキーストーンを持っていないようなのでメガシンカの危険はなさそうだが、それでも油断の出来ない相手である。

 

 こちらはゼニガメを続投した。まだダメージを受けていないし、しばらくはこいつとワニノコをひいき目に使って行こうと思っているので不利になるまでは戦わせる。

 

 センリは『かみなりパンチ』を指示してきた。

 みずタイプを相手にするなら当然の択である。

 

 こちらも素直にくらえば大ダメージなので、『まもる』で攻撃を受け、『こうそくスピン』でその場を離脱しつつ、再び『ハイドロポンプ』のユナイトコンボで反撃していく。

 これがゼニガメでなく、カメールやカメックスならば『まもる』で防がずに、『こうそくスピン』のパワーで無理やり『かみなりパンチ』を凌げたのだが、体の小さなゼニガメではまだ少し厳しい。

 

 しかし、反撃のユナイトコンボも、ガルーラの『まもる』で防がれてしまった。

 そのままユナイトコンボ終わりの隙を狙って、ガルーラが『かみなりパンチ』で真っすぐ突っ込んでくる。こちらも『まもる』で再び攻撃を防ごうとすると、直前で『かみなりパンチ』をキャンセルし、『ダブルアタック』に切り替えてきた。

 この『ダブルアタック』は、一ターンに二度の攻撃が出来るというシンプルなノーマル技だが、それ故にいろいろな場面で使いやすい。今回は二回攻撃で、こちらの『まもる』を突破するのが狙いだったようで、二度目の攻撃がゼニガメに直撃してしまった。

 

 ゼニガメが『ダブルアタック』の一撃で倒れると、センリが追撃の『かみなりパンチ』を指示してくる。これを受けるのはまずいので、こちらも一旦ゼニガメは交代することにした。

 

 二番手としてワニノコを送り出す。

 みずタイプが連続で来たことで、センリもこのまま『ガルーラ』を継続するつもりらしく、再び『かみなりパンチ』で攻撃を仕掛けてきた。

 

 ワニノコに『りゅうのまい』を指示して、攻撃と素早を一段階上げながら攻撃を回避していく。

 ジョウトの旅でも割とひいき目にワニノコを使っていたので、もう踊りとバトルの組み合わせは完璧である。楽しそうに踊りながら、ワニノコがガルーラの『かみなりパンチ』をかわして行く。まさかセンリもそんな戦い方があるとは思わなかったのか、驚いたような顔をしていた。

 

 そのままもう一回、『りゅうのまい』を指示して、さらにステータスを上げていく。ゼニガメと違って、ワニノコはレベルでかくとうタイプの技を覚えるので、『ばかぢから』を指示して、ガルーラに攻撃を仕掛けていった。

 この『ばかぢから』は威力が120もある大技だが、代わりに攻撃命中後に自分の攻撃と防御が一段階下がるデメリットがある。とはいえ、ワニノコの攻撃と素早は『りゅうのまい』二回で上がっているので、攻撃はまだ強いままだし、防御が下がった分は上がった素早による回避でカバーできるだろう。

 

 ワニノコがガルーラの周りをちょこまかと動きながら隙を探っていく。センリも『かみなりパンチ』でワニノコを捕まえようとしてくるが、ガルーラもワニノコの速さについて来られないようで、攻撃を外した隙を突いて『ばかぢから』でダメージを与えた。

 

 だが、攻撃を受けるのは覚悟していたようで、『ばかぢから』が当たった瞬間、ガシッとガルーラがワニノコの頭を捕まえる。

 いくらワニノコのスピードが上がっていても、捕まえてしまえば怖くないとばかりに、最後の技である『とっておき』を指示してきた。

 かつて、ブルーのガルーラも使っていたが、『とっておき』は他の三つの技を全部使うことで使用できる威力140のノーマルタイプの大技だ。これまでのバトルで、センリのガルーラも『かみなりパンチ』、『まもる』、『ダブルアタック』で三つの技を使っていたが故に発動条件は満たしていた。

 

 振り下ろされる『とっておき』に対して、こちらも『あばれる』で脱出を狙っていく。ガルーラは片手でワニノコを掴み、反対の手で攻撃を仕掛けようとしていたが、やはり片手では大暴れするワニノコをホールドしきるのは難しいようで、ギリギリ攻撃が当たる前に手を放してしまった。

 しかし、『とっておき』は一度発動条件を満たせば何度でも使えるので、センリはそのまま『とっておき』を連打してくる。『とっておき』の効果は拳だけでなく、足や頭にも判定があるようで、今度は蹴りでワニノコを狙ってきた。

 

 ワニノコはまだ『あばれる』が継続しているので、攻撃で迎え撃つ。とはいえ、流石にガルーラのタイプ一致『とっておき』には勝てず、蹴りを受けて吹っ飛ばされてしまった。

 おまけに、『あばれる』のデメリットで混乱してしまったようで、起き上がったワニノコがフラフラしている。これではいい的にしかならないので、ワニノコを戻すことにした。

 それに合わせ、センリもガルーラを戻している。

 ゼニガメもワニノコもダメージこそ受けたが、相手にもそこそこのダメージを入れているのでダメージレース的には五分だ。ガルーラは技を全て使いきったし、こちらはカメワニコンビの両方とも技を一つ残している。パッチールがまだ技を二つ残しているのが気になるが、客観的に見ても互角のバトルをしていると言っていいだろう。

 

 実際、バトルを食い入るように見ているマサトも、「パパとここまで互角なんて……」と驚いた様子を見せている。

 ハルカはバトルについて詳しくないようだが、自分の父親が凄いことは知っているらしく、「やっぱりサトシって結構凄いんだ」と呟いていた。それを聞いたラティが「すごい」とドヤ顔をしており、それを見たハルカのお母さんが「可愛い」とラティを撫でている。

 

 ゼニガメに入れ替えるか、最後の一体を出すかを逡巡し、最後の一体としてミュウツーを送り出す。

 それを見て、マサトが「伝説のポケモン、ミュウツーだー!!」と大声を上げた。チャンピオンリーグで出しまくったこともあり、ミュウツーも一躍有名になってしまったものである。

 

 どうやら、センリもマサトから話を聞いていたようで、「それがミュウツーか、確かに強そうだ」と嬉しそうな顔をしていた。

 ここでミュウツーを出すのは大人気ないという奴もいるかもしれないが、ニューサトシは子供である。大事なホウエンでの初戦で負けたくはないし、何より俺の中にあるアニポケの記憶がここでミュウツーを出せと訴えていたのだ。

 

 そんな俺の警戒心を肯定するように、センリも最後の一体であるケッキングを出してくる。

 ケッキングは伝説のポケモンではないが、種族値の合計が670もある強ポケだ。ミュウツーの種族値の合計が680であるといえば、そのヤバさが伝わるだろう。ただ、特性の『なまけ』によって、一度攻撃を仕掛けると一ターンの間、怠けて動かなくなるというデメリットが存在するのでギリギリ普通のポケモンの範囲に入っている。

 

 だが、俺は覚えていた。

 

 このケッキング、怠けないのである。どういうことかはわからないが、特性が仕事をせず、ずっとやる気で戦えるケッキングなのだ。

 怠けないケッキングなど伝説のポケモンと変わらない。アニメではジュプトルだかジュカインだかが追い詰められて特性の『しんりょく』を発動したことで奇跡の逆転をしていた気がするが、そんな奇跡がなければ勝てないくらいにヤバいポケモンである。

 

 ケッキングは特殊耐久がやや低いが、その分体力の種族値が大きいので耐久自体はおそらくミュウツーとそう変わらない。

 ただ、攻撃種族値が160もあり、物理攻撃力はレジギガスと同じである。ドサイドンやバンギラスよりも上と言った方がヤバさがわかりやすいか。実際、ミュウツーでも攻撃を直撃でくらえば倒れてもおかしくないレベルのパワーだ。

 

 開幕、センリは『おんがえし』を指示してきた。なつき度によって威力が変わる技だが、当然最大のようで威力102のノーマル技となっている。

 ケッキングはノーマルタイプなのでタイプ一致となり、火力だけならこちらのサイキネよりも上だった。試しに『サイコキネシス』で動きを止めてみようとしたが、ミュウツーのサイキネでも完全に動きを止めきれず、ケッキングはこちらに攻撃を仕掛けてくる。

 

 スピードはこちらが上ということもあり攻撃は何とか回避できたが、やはり攻撃が終わっても怠ける様子は見せない。アニメ同様に怠けないケッキングで間違いなさそうだった。

 

「怠けないケッキングは反則じゃないですか?」

「伝説のポケモンを使う君よりはマシだろう? それにケッキングは怠けていない訳ではない。私のケッキングは、バトル以外の時間に怠けて、バトル中は怠けないだけさ」

 

 結局、バトル中に怠けないことに変わりはないと思いつつ、今度はミュウツーが攻撃を仕掛けていく。

 相手の弱点を突くために、『はどうだん』を『サイコキネシス』でコントロールし、ケッキングの防御を抜いて攻撃を当てる。しかし、直前に『まもる』が間に合ったようで、ダメージは与えられなかった。おまけに、『なまける』でサイキネのダメージを回復してくる。

 

 変化技を封じるために『ちょうはつ』を指示した。悪いが、回復合戦なんかに持ち込んだ日には夜になってもバトルが終わらなくなる。

 ならばと、センリも再びケッキングに距離を詰めさせてきた。ミュウツーが再び『はどうだん』で迎撃しようとするが、その瞬間に『ふいうち』を指示して高速で攻撃を仕掛けてくる。

 

 まずい。『ふいうち』はあくタイプの技故に、ミュウツーには効果抜群だ。咄嗟にスプーンを作って直撃は避けたが、それでも衝撃がスプーンを貫通してミュウツーにダメージを与えてくる。

 そのまま『おんがえし』に繋げて接近戦を仕掛けてきたので、こちらも『かわらわり』で応じる。確かにケッキングのパワーは凄いがスピードはこちらが上だ。小さく細かい連打でダメージを与えてやる――

 

 しかし、結局、どちらもそれ以降有効打を入れられず、日も暮れてしまい、バトルは中断となった。

 あのカルネのメガサーナイトすら倒した(相打ちにされた)俺のミュウツーと互角とは、やはり怠けないケッキングはバグっている。

 もしかしたら、俺が今まで戦ってきたジムリーダーの中にも、こういうバグっているポケモンを持っているが、ジム戦だからといって出さなかった奴もいたのかもしれないな。

 

 

 

 




 原作との変化点。

・第3話『トウカジム! VSヤルキモノ!』より、ガチ戦を申し込んだ。
 原作ではポケモンが足りていないが、今回は普通に入れ替えありのガチ戦を頼んだ。パッチール、ガルーラはゲームで使っていたのでチョイスしている。

・マサトが舐めた口を利かなかった。
 流石に地方リーグチャンピオンに舐めた口は利かなかった。でも、クソガキではある。

・勝負が着かなかった。
 制限なしの怠けないケッキングとガチのセンリコンビは、これまでのジム戦の中でも最強格。怠けないケッキングってもう伝説じゃんね。



 現在ゲットしたポケモン

 ピカチュウ Lv.60

 ピジョット Lv.55

 バタフリー Lv.55

 ドサイドン Lv.59

 フシギダネ Lv.56

 リザードン Lv.61

 ゼニガメ  Lv.56

 キングラー Lv.55

 カモネギ  Lv.55

 エビワラー Lv.56

 ゲンガー  Lv.57

 オコリザル Lv.56

 イーブイ  Lv.55

 ベトベトン Lv.55

 ジバコイル Lv.55

 ケンタロス Lv.55

 ヤドラン  Lv.54

 ハッサム  Lv.56

 トゲキッス Lv.53

 プテラ   Lv.56

 ラプラス  Lv.54

 ミュウツー Lv.72

 バリヤード Lv.55

 イワーク(オレンジ諸島の姿) Lv.53

 カビゴン  Lv.51

 ニョロトノ Lv.51

 ヘラクロス Lv.50

 メガニウム Lv.50

 マグマラシ Lv.50

 ラティアス Lv.46

 ヘルガー  Lv.50

 ワニノコ  Lv.50

 ヨルノズク(色違い) Lv.50

 カイロス(部分色違い) Lv.50

 ウソッキー Lv.50

 バンギラス Lv.58

 ゴマゾウ  Lv.46

 ギャラドス(色違い) Lv.48

 ヒンバス  Lv.1 

 ミズゴロウ Lv.8 


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