ニューサトシのアニポケ冒険記   作:おこむね

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 今日の昼に番外編を一話上げています。読まなくても本編には問題ありませんが、興味のある方はどうぞ。


#109 『一日ニューサトシ先生』

 12歳 δ月υ日 『食いしん坊キャラ』

 

 カナズミシティ近くの森で野生のケムッソを見つけた。こいつは、前回ポケモンコンテストで優勝したメグミの連れていたアゲハントの進化前である。

 どうやらハルカは前回のコンテストで見たアゲハントの美しさが忘れられないようで、絶対にゲットすると意気込んでいた。そのままハルカがケムッソの後を追い、ラティが笑いながらその後を追って行く。

 

 一応、ハルカにはポケモンゲットの基本はレクチャーしてあるので大丈夫だと思うのだが、やはり心配なので後を追うことにした。

 

 しかし、その瞬間、タクマとかいうガキがダブルバトルを仕掛けてきた。カントーやジョウトではあまり見ないが、やはりホウエンではダブルバトルも主流らしい。

 ハルカやラティも心配だが、ポケモントレーナーとして、ここで逃げる訳にはいかなかった。念のためにピカ様に後を追うように頼み、申し込まれたダブルバトルに応じる。

 

 タクマはヤンヤンマとアリアドスというむしタイプの組み合わせを出してきた。

こちらはゴマゾウとスバメだ。ゴマゾウは念のための保険、基本はスバメを中心に相性を突いていくつもりである。

 スバメもレベルがそこまで高くないので結構苦戦しているが、危ない所をゴマゾウが援護して上手く立ち回っていた。ゴマゾウは兄貴肌だけあって、意外とサポート上手なのである。

 

 基本的に『でんこうせっか』からの『つばさでうつ』という、昔のポッポみたいなヒット&アウェイ戦法で、一気に相手を追い詰めていった。

 ゴマゾウは相手よりも自分の方が強いとわかっているようで、完全にサポートに徹してくれている。結局はスバメが二体とも戦闘不能に追い込み、バトルは俺の勝利となった。

 

 バトルが終わると同時に、どうもハルカもケムッソをゲットしたようで戻ってくる。何事もなかったように見えたが、ハルカ達は道中知り合ったという少年を連れていた。

 

 その少年が、何と今俺と戦ったタクマとそっくりなのである。聞けば、双子のようで、俺と戦ったのが兄のイチロウ、ハルカ達が出会ったのは弟のジロウらしい。

 兄弟で別々に俺達と出会うって珍しいこともあるもんだと思いつつ話を聞くと、どうやらケムッソゲットの途中でロケット団と遭遇し、ジロウに助けてもらったようだ。ゲットのサポートもして貰ったということで、お礼がてらみんなで一緒に食べることにする。

 

 そのままみんなで昼食を取ろうとすると、ボールから出てきたケムッソが料理を全て食べつくしてしまった。どうやら、このケムッソかなり食欲旺盛らしい。トレーナーそっくりだ。

 ハルカのルリリは昼食をとても楽しみにしていたようで、涙目になりながら尻尾でケムッソの頭をはたいている。まぁ、やってしまったことは仕方ない。次は注意しようということで、再びタケシが料理を作り直し、今度こそ昼食の時間となった。

 

 

 

 12歳 δ月φ日 『ニューサトシ先生』

 

 カナズミシティに着いた。ここには一応、カナズミジムがあるということなので、ジムリーダーにジム戦ではない本気バトルをお願いするつもりでいる。とはいえ、そんなに急ぎでもないので、しばらくはカナズミシティを見て回ることにした。

 

 展望台でカナズミシティの景色を見ていると、ベンチの下で涙目になっているニョロモを発見する。どうも、迷子のようで尻尾に見慣れない鉢巻をつけていた。

 どうしようか困っていると、ポケモンスクールで先生をしているお嬢様言葉の女が声をかけてくる。どうやらニョロモはスクールのポケモンのようで、彼女はずっとニョロモを探していたらしい。

 

 素直にニョロモを返すと、先生の連れていた生徒と思わしきガキ共に「サトシ選手だー!」と声をかけられる。どうやら、俺もかなり有名になってしまったようで、あっという間に囲まれてしまった。

 

 ツツジと名乗る先生が「子供達がすみません」と謝ってきたが、素直なガキは嫌いではない――っていうか、ツツジってお前ジムリーダーやん。トレーナースクールの先生兼任してるんか。

 

 そのまま、何だかんだでスクールに招待されたので、ツツジにジム戦ではない本気のバトルをお願いしてみる。

 トレーナースクールの仕事やジムリーダーとしての仕事が大変らしく、三日後なら何とか都合を付けられると言われたので、三日後に三対三のガチバトルをお願いすることにした。

 

 その代わりということではないが、ジョウトリーグシロガネ大会優勝、チャンピオンリーグベスト10のニューサトシに、まだポケモンを扱えない入門クラスの講師をして欲しいと頼まれる。

 まぁ、教えるのは嫌いではないので引き受けた。手続きなどもあるということで、今日はこのまま帰って明日から一日ニューサトシ先生の始まりである。

 

 

 

 12歳 δ月χ日 『将来が楽しみだぜ』

 

 一日ニューサトシ先生の始まりである。何故か、校長先生のご厚意でマサトまで一日体験入学することになったが、気にせず子供達に教鞭を振るっていく。

 とはいえ、マサトみたいなガリ勉君ならともかく、普通の子供に理論立ててポケモンの勉強をさせてもすぐに飽きてしまうのは目に見えていたので、ニューサトシのアニポケ冒険記を話しながら、楽しくポケモンとの付き合い方をレクチャーしていくことにした。

 

 マサトも、前回のポチエナの件で付き合い方の大変さを理解していたようで、実感の伴った頷きを返している。

 

 実技の時間になると、タクトというどこかの伝説厨のような名前のガキがマサトに突っかかっていた。どうやら、特別に体験入学させてもらえることになったマサトにライバル心を燃やしているらしい。

 他に目についたのは、ポケモンに触ることに恐怖心を持っているコウタという少年だった。恐怖心は悪い感情ではない。それだけ、慎重ということである。ただ、怖がっているだけでは始まらないので、少しずつポケモンと触れ合う所から始めさせることにした。

 

 触るのが無理であれば、近くにいるだけでもいい。まずは慣れることだ。ポケモンも、相手が悪感情を持っていなければわざわざ襲ってはこないし、スクールのポケモンは人懐っこいポケモンが多いのでそのうち仲良くなれるだろう。

 

 そんなこんなでコウタの世話を焼いていると、いつの間にかタクトとマサトが模擬戦をすることになっていた。どうも、無駄にマサトが優秀なのが鼻についたらしい。

 

 遠くから様子を見てみると、タクトがブビィ、マサトがニョロモで、相性的にはマサト有利だった。

 ただ、どうもマサトはポケモンのことをまるで見ずに自分本位なバトルをしている。知識が仇になっているのだ。相手は『かえんほうしゃ』の連打なので、避けてみず技を使えばいいものを、状況も見ずに『ドわすれ』や『はらだいこ』を使い、ステータスを上げるだけで不利になっている。

 

 いくら相性有利で耐久を上げたとはいっても、『はらだいこ』で体力が半分になっているニョロモは戦闘不能寸前だ。にもかかわらず、マサトは次にどんな技を使おうか悩んでいた。

 トレーナーになったばかりの初心者によくあるミスだな。ポケモンの状態を見ずに自分だけでバトルをする。ポチエナの時は進化させたい気持ちがいい方向に向かっていたのだが、なまじニョロモが言うことを聞くせいで問題が表に出てしまったようだ。

 

 このままいけばタクトの勝ち――と、いうところで、いつものようにロケット団が現れた。どうやら、隙を突いてスクールのポケモンを奪ってきたらしい。

 咄嗟に、マサトがニョロモに指示を飛ばして戦おうとし、それを見てタクトや他の子供達も戦う姿勢を見せた。とはいえ、相手は腐っても、地方リーグベスト8である。子供が束になった所で勝てる相手ではない。

 

 流石にフォローするかと思ったが、その瞬間、ポケモンに触るのを怖がっていたコウタが、勇気を出して「それじゃだめだ」と声を上げた。

 そのまま、マサトやタクトのポケモンを一目見ると、クラスメイト達に指示を飛ばしてポケモン達が有利に戦える布陣を敷いていく。こいつ、戦略をしっかり理解してやがる。

 

 面白くなってきたので、危なくなるまではコウタの好きにさせることにした。

 

 本来であれば、子供が束になってもロケット団には勝てないだろう。しかし、コウタは、ポケモンの相性や、数の有利、補助技によるステータスダウンなど、大人顔負けの指示でロケット団のポケモンが力を出せないように立ち回り、互角の戦いをして見せている。

 

「こりゃ、将来が楽しみですね。ツツジせんせー」

「そ、そうですね。まさか、あのコウタ君がここまで……」

「ああゆう大人しいタイプほどキレた時は怖いもんですよ。まぁ、とはいえ、そろそろ限界か」

 

 良く戦ってはいるが、レベル差が大きすぎた。

 これがアニメのロケット団なら倒し切れたかもしれないが、俺のせいで強くなっているので流石に子供には負けないだろう。しかし、地方リーグベスト8のトレーナーに、数の利があったとはいえレベルの低いポケモンでこれだけ戦えれば十分だ。

 

 よくやったなと、コウタを労って、後はピカ様にお任せする。いつも通り速攻でやなかんじーにしてやると、自分達が苦戦していたロケット団を一ひねりした俺に尊敬の目が向けられた。

 張り合っていたマサトやタクトもお互いを認め合ったようで一件落着になっている。他の子供達も、今回の一件でポケモンについて学ぶことが楽しくなったようで、ツツジにお願いされた一日先生ミッションはこれで無事クリアしたと言っていいだろう。

 

 

 

 12歳 δ月ψ日 『弱点のごり押しで行くぜ』

 

 カナズミジムはいわタイプのジムである。相性を考えれば、今回は本気バトルではなく、ミズゴロウさんやキモリのデビュー戦にしてもよかったのだが、キモリはまだくさ技を覚えていないし、レベルを考えるとスバメを三体目に編成する必要があるので相性的にも厳しいと思ったのだ。

 

 ならば、カメワニコンビ優遇と、赤いギャラドスのデビュー戦にしてやった方がいいだろう。

 いわタイプに有利なみずタイプ三連星だ。

 大人気ないかもしれないが、相手の弱点を突くのはバトルの基本である。ホウエンでゲットした三体を一旦、オーキド研究所に送り、みずタイプ三体を手持ちに加える。

 

 弱点が偏るので、本来なら一体くらいはかくとうタイプかじめんタイプを入れておいた方がいいのだが、まぁ何とかなるだろう。

 

 まだ時間があるので、少し調整だ。特にギャラドスは初の公式戦ということで、やる気を漲らせている。あまり気合が入りすぎても空回りしてしまうので、今のうちにガス抜きさせておこう。

 

 

 

 

 

◇◆

 

 

 

 

 

 オーキド研究所に送られたミズゴロウ、スバメ、キモリの三体は、ニューサトシがこれまでゲットしたカントー、ジョウトのポケモンに囲まれていた。

 基本的に、居残り組は自主練が指示されているが、新しく仲間になったポケモンの指導も頼まれている。よって、新しいポケモンが送られてくると、そいつらがどういう性格で、どういう戦い方をして、どういう技を使えるのかをチェックされるのだ。

 

 新人歓迎会――と、ポケモン達の中では呼ばれている儀式だが、ある程度の性格は少し話すだけで掴める。

 ミズゴロウは好戦的で少し自信家だが真面目な性格だ。ニューサトシのために強くなりたいという気持ちが前面に出ている。スバメは負けん気が強くやんちゃな性格で気合と根性はかなりのものだ。最後のキモリは、少しひねていていじっぱりである。こういう輩は素直に相手のいうことを聞かない場合が多いのだが、相手の強さを認める器量はあるようだ。

 

 性格を大体掴むと、次は早速訓練である。

 

 基本的には同じタイプのポケモンが相手となって、限界まで新人を追い詰めていく。レベル差や技術差があるので、バンギラスのように元から強い奴でないと大体がボコボコにされるのだが、案の定ホウエン三人組もボコボコにされていた。

 ミズゴロウはニョロトノ、スバメはヨルノズク、キモリはメガニウムが相手となって、どういう戦い方をしてどういう技を使うのかを確認している。ギリギリまで追いつめられることで、格好つけた動きではないガチの動きが引き出され、技を温存するような余裕を奪っていく。

 

 一旦新人をボコボコにし終えると、今度はどういう育成をすべきかの議論が始まった。

 

 ニューサトシの育成の好みは大体皆把握しているので、その上でああでもないこうでもないと議論を重ねていく。

 最終的には、ミズゴロウについてはカウンターを軸に戦わせた方が良いということでエビワラーが先生となって動きの指導をすることになった。スバメはピジョットが先生となり、バトルに必要な飛行技術を指導していく。キモリはフシギダネからくさ技の指導だ。流石にくさタイプがくさ技を使えないのは話にならない。

 

 こうして、新人育成の方向性が決まると、残りのポケモン達は自主練やオーキド研究所のパトロールに戻っていく。

 

 基本的にバトルに出られるのは最大で六体だけである。その中でも、ここ一番で選ばれるのは、主にピカチュウとリザードンだ。最近ではミュウツーもいる。

 確かに、その三体は圧倒的に強い。ニューサトシが頼りにするのもわかる。しかし、その結果、残りのポケモンは三つしかない椅子を争うことになるのだ。何十体もいる中で、バトルに出られるのはたった三体なのである。

 

 勿論、いつまでもこのままでいるつもりはなく、上位三体を超えるべく今も皆努力を重ねていた。

 だが、それでも椅子は六つしかない。三対三の場合や二対二だと、枠はもっと少なくなる。そんな中から選ばれるには強くならなくてはいけないのだ。

 新人は割と戦う機会を多く与えられるからまだそこまで実感がわかないかもしれないが、いずれわかる日が来るだろう。強くなることがどれだけ大切かを。

 

 何せ、確定で選出されがちなリザードンですら、その立場に慢心することなく、さらに貪欲に力を求めている。

 こういう奴を超えなければ、出番は与えられない。

 とはいえ、別にポケモン同士の仲が悪い訳ではなかった。むしろ、いいライバル関係にあると言っていいだろう。しかし、皆、ニューサトシが大好きだからこそ、少しでも一緒にいられるように日々努力を重ねていた。

 

 

 




 原作との変化点。

・第14話『ダブルバトルとダブルでケムッソ!?』より、ダブルバトルで余裕勝ちした。
 原作ではアイアンテールの練習しているし、流石に負けるような相手ではない。

・第15話『勉強します! ポケモントレーナーズスクール!!』より、ニューサトシに生徒達が気付いた。
 地方リーグ優勝、チャンピオンリーグベスト10なので、そこそこ有名になっている。

・先生をすることになった。
 割と教え慣れしているので、先生に向いていたりする。

・コウタが強化されている。
 実はニューサトシのファンで、しっかり戦い方を勉強していた。原作よりも頭が良くなっている。

・ツツジの出番を奪った。
 原作ではツヅジのイシツブテがロケット団を撃退するのだが、ニューサトシが美味しい所を持って行った。

・ガチ戦はみずタイプ三体に決めた。
 あまり偏らせるのも危険なので、本来はくさ・かくとう・じめんのポケモンを入れて弱点を散らすべきなのだが、今回は挑戦も兼ねて統一パにしている。

・新人三体がオーキド研究所に送られた。
 預けられた時間で先輩達に揉まれている。



 現在ゲットしたポケモン

 ピカチュウ Lv.60

 ピジョット Lv.55

 バタフリー Lv.55

 ドサイドン Lv.59

 フシギダネ Lv.56

 リザードン Lv.61

 ゼニガメ  Lv.56

 キングラー Lv.55

 カモネギ  Lv.55

 エビワラー Lv.56

 ゲンガー  Lv.57

 オコリザル Lv.56

 イーブイ  Lv.55

 ベトベトン Lv.55

 ジバコイル Lv.55

 ケンタロス Lv.55

 ヤドラン  Lv.54

 ハッサム  Lv.56

 トゲキッス Lv.53

 プテラ   Lv.56

 ラプラス  Lv.54

 ミュウツー Lv.72

 バリヤード Lv.55

 イワーク(オレンジ諸島の姿) Lv.53

 カビゴン  Lv.51

 ニョロトノ Lv.51

 ヘラクロス Lv.50

 メガニウム Lv.50

 マグマラシ Lv.50

 ラティアス Lv.46

 ヘルガー  Lv.50

 ワニノコ  Lv.50

 ヨルノズク(色違い) Lv.50

 カイロス(部分色違い) Lv.50

 ウソッキー Lv.50

 バンギラス Lv.58

 ゴマゾウ  Lv.47

 ギャラドス(色違い) Lv.48

 ヒンバス  Lv.1 

 ミズゴロウ Lv.13→16

 スバメ   Lv.10→14

 キモリ   Lv.11→14 



 追記。番外編でのミスの指摘ありがとうございます。修正しました。
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