ニューサトシのアニポケ冒険記   作:おこむね

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#014 『爆発オチとかさいてー!』

 10歳 ζ月ψ日 『グンジョウシティ コイルは人気ランキング二位』

 

 グンジョウシティなる街に来たのだが、水は汚いし、ジョーイは適当だし、ジュンサーはいつも通り役に立たないしで良い所が何もない街だった。

 ぶっちゃけ、ピカ様が体調不良を訴えなければ無視していただろう。しかし、そのおかげで、ここでサトシ君のベトベトンが出てくるのを思い出した。

 

 原作通り、発電所で問題が起きたので、解決のために大量発生しているであろうベトベターとベトベトンを退治しにいく。

 ピカ様が熱で電磁石状態になっているからか、発電所のコイルが寄ってきたのだが、そのおかげでピカ様も元気になり、ベトベトンをゲットすることが出来た。おまけでコイルもゲットしている。何せコイルは人気ランキング二位のポケモンだ。逃がす手はないだろう。

 

 ベトベトンは発電所に居たからか、電気が効かないというゲームにはない謎の耐性を持っており、ピカ様とコイル十数匹の電気を受けてようやくダメージを受けていた。1対1ならまず電気を無効出来るので、バトルでは活躍しそうである。

 

 とりあえず、ボールを貫通するほど臭いので、ベトベトンはしばらくオーキド研究所に預けておくことにした。ベトベトンの匂いは、人に懐くと消えるらしいので博士の手腕に期待したい所だ。

 

 

 

 10歳 η月β日 『ディグダがいっぱい』

 

 久しぶりにシゲルにあった。聞けば、ディグダの大量発生を退治するために呼ばれたらしいのだが、ポケモン達はディグダと戦いたくないらしくボールから出てこない。

 そういえばあったな、こんな話。

 まぁ、ポケモン達が出てこないのも当然だろう。人間のエゴでポケモンの住処を追うようなことをしているのだ。手を貸そうなんてポケモンがいるはずがなかった。

 

 シゲルもすぐにポケモン達がディグダと争うのを拒絶しているのに気付いたようで、「僕に出来ることはないようだ。このまま旅に戻らせて貰う」と言って、街へ帰っていった。

 

 俺達も特にディグダと敵対するつもりはないので、温泉に入ってから旅を続けることにする。

 

 途中、ロケット団がいつものように仕掛けてきたのだが、お得意のアーボとドガースが進化していた。おまけにサワムラーとギャラドスという、アニメにはいないメンバーがいるから強気になっているようだ。

 

 しかし、ギャラドスはともかくサワムラー、お前このままロケット団と一緒でいいのか?

 

 まぁ、思った以上に懐いてはいるようだし、サワムラーがいいならいいだろう。

 手持ちのバタフリー、フシギダネ、ゼニガメ、クラブを出してバトルをしたが意外と良い勝負になって少し焦った。何とか勝つことが出来たが、勝負がついた瞬間、ディグダ達がやってきてロケット団をどこかに連れて行く。遠くから、やなかんじーという声が聞こえた。

 

 

 

 10歳 η月ε日 『セキチクシティ ジム戦 VSキョウ』

 

 タケシは方向音痴。これまめな。

 とにかく、想像以上に時間がかかったがようやくセキチクジムに着いた。早速、ジム戦と思ったのだが、まともにジム戦をさせるつもりがないのか、罠が多数仕掛けられている。

 忍者屋敷がコンセプトなのはわかったが、やるなら先にやると言え。俺じゃ無きゃ死んでいたものもあったぞ。

 

 途中、ジムの関係者らしい女が出てくると、罠に嵌まったこちらを馬鹿にしてくる。何が「私の挨拶は気に入ってくれた」だ。ジムリーダーでもない癖に。

 ムカついたので、「このジムでは人を罠に嵌めて馬鹿にするのが礼儀なのか?」と聞くと、「ここは修行の場。隙を見せた方が悪いの」と、ドヤ顔で言い放ってくる。

 

 バトルをしなきゃここから出られないと言うことだったので、向こうのコンパンをヒトカゲでボコボコすると、ようやくリーダーのキョウが出てきた。

 しかし、あまりに非常識が過ぎる。キョウもジムリーダーのくせに、このヤバい女の行為を認めているようだし、思わず苦言を口にしてしまった。

 

「ポケモンのジムという場所は、あくまでトレーナーとポケモンの能力を測る場所だろう。勿論、その方法がジムによって違うのは理解出来るが、お前達はただ自分達の趣味を押しつけているだけだ。せめて事前に説明の一つでもあれば別だが、いきなりポケモンバトルに何も関係のない罠にかけておいて「隙を見せた方が悪い」と馬鹿にしてくるのは、ジムとしても人間としても問題があるとしか思えないが?」

 

 タケシとカスミさんも同意見だったのか、ポケモンリーグの公認ジムとは思えない対応に、ポケモンリーグのジム検定員に連絡した方がいいとまで言っている。

 流石にキョウも、カスミさんやタケシの言葉を聞いて、まずいと思ったようで素直に謝ってきた。アヤと呼ばれたキョウの妹らしき女も一緒になって謝っている。

 

 とりあえず、最低限の謝罪も受けたし、こちらとしてはジム戦をしてくれれば文句はない。

 何ぃ、それでは心苦しいだってー!?

 では、俺が勝ったら『どくどく』の技マシンを貰おうか? 毒のジムだ。持っていないとは言わせんぞ。

 

「まだ何も言って……いや、別にそれくらいなら構わんが」

 

 よろしい。ならばジム戦だ。いつも通りの3対3。バッジ5個ということで、レベルは最大40固定になった。うちのポケモン達のレベルの大半が30後半くらいなので結構良い勝負になるだろう。

 アニメではモルフォンとゴルバットを使っていたが、今回は一体目にゴルバットを出してきた。こちらはジム戦がかなり久しぶりのピカ様だ。最後にジム戦で戦ったのがクチバジム以来なので気合いが入っている。

 

 バトルが始まると同時に『10まんボルト』を指示。先手が取れていたのでダメージを与えた。

 対するゴルバットは『とんぼがえり』で手持ちに戻っていく。相性が悪いのを見て戻したようだ。本来、ポケモン交換は挑戦者側のみに許可されているが、技の効果で交代するのは禁止になっていない。だが、『とんぼがえり』のダメージより、『10まんボルト』のダメージの方が上だ。今の所、有利なのはこちらの方だろう。

 

 続けてキョウはアーボックを出してきた。

 つい数日前に見たから驚きはない。『あなをほる』が使えるはずなので、ピカ様を戻してピジョンを出した。ついこの間、『つばさでうつ』を覚え、レベル的にはそろそろ進化の時期になっている。タマムシでも大活躍していたし、この勢いを大事にしていこう。

 

 キョウが『こおりのキバ』を指示してきた。流石にタイプ不一致とはいえ、弱点技は避けたいので、『ぼうふう』を指示して距離を取る。『ぼうふう』は外れたようだが、距離を取ったおかげで『こおりのキバ』も射程外になった。

 仕切り直しだ。『でんこうせっか』で距離を詰める。キョウは『へびにらみ』を指示。距離を詰めたのが仇となったようで麻痺してしまった。

 

 そのまま再び『こおりのキバ』を指示してきたので。『つばさでうつ』で迎撃する。『ぼうふう』は撃つのに力がいる大技だ。麻痺した状態では相手よりも先には動けないだろう。ならば、カウンターでつばさの一撃をおみまいするのが一番いいと判断した。

 いくら効果抜群とは言え、不一致の攻撃なら一撃では沈まない。カウンター気味に『つばさでうつ』も決まったし、まだまだバトルはこれからだ。

 

 そう思っていると、ロケット団がジム戦に乱入してきた。

 いつものことだが、今日はタイミングが悪い。ジム戦を邪魔され、俺の機嫌が悪くなる。おまけに無駄にアニメよりポケモンが多いから対応が面倒くさいんだよな。

 一時休戦ということで、キョウがジム戦に使わないであろうモルフォン、アヤがコンパン、俺がフシギダネを出して仕掛けるが、よくわからない粘着糸で動けなくされる。

 

 電気を通さないせいでピカ様も粘着糸で動きを封じられ、どうしようか困っていると、勝手に出てきたカスミさんのコダックが何だかんだで『ねんりき』を発動させ、ロケット団をやなかんじーにさせていた。ナイスである。

 

 思わぬ邪魔は入ったがバトル再開だ。

 キョウがアーボック、俺がピジョンを出すが、仕切り直しになったことで、間合いが取れたこともあり少し俺が有利になった。キョウのアーボックが『こおりのキバ』で仕掛けてくる前に、『ぼうふう』で攻撃する。今度は命中した上、混乱したのか、アーボックが慌てていた。麻痺しているが先制技ならスピードは関係ない。『でんこうせっか』でアーボックに接近し、そのまま『つばさをうつ』で戦闘不能まで持って行く。

 

 キョウがアーボックを戻すと、ピジョンの体が光に包まれ、ピジョットに進化した。やはり、俺はひこうタイプと相性がいいのかもしれない。クラブも是非見習ってくれ。

 

 キョウが三体目としてマタドガスを出してくる。マタドガスはアポロやコジロウとも戦っているので戦闘経験豊富だ。念のために『10まんボルト』を警戒して、ピジョットを戻してヒトカゲを出した。『かえんほうしゃ』もこれで封じられるだろう。

 

 ヒトカゲに『かえんほうしゃ』を指示すると、向こうは『ヘドロばくだん』を指示してきた。マタドガスの『ヘドロばくだん』が『かえんほうしゃ』に当たると同時に爆発が起きる。

 続けてキョウが『どくどく』を指示。ヒトカゲも前回のタマムシ戦でその怖さは身を持って味わっているが、どくタイプが使う『どくどく』は必中故に避けられない。見事に猛毒状態になったようでヒトカゲが苦しそうにしていた。

 

 このままでは不利になる。『ほのおのうず』を指示し、マタドガスの動きを封じようとすると、『まもる』で『ほのおのうず』を防がれる。時間を稼がれると、それだけこっちは苦しい。連続の『まもる』は失敗しやすいということもあり、起死回生の『ブラストバーン』を指示した。日頃の練習のおかげか、未完成ながらも威力は上がってきている。

 

 ヒトカゲが『ブラストバーン』の構えを取ると、マタドカスも『ヘドロばくだん』で追撃して来た。未完成な技の弱点として、技まで少し貯めがいる。タマムシのクサイハナ戦では、向こうの技がタイプ不一致のムンフォだったため攻撃が間に合ったが、タイプ一致技は技の発動が早い。ヒトカゲも頑張ったが迎撃が間に合わず、爆発で吹き飛んだ。

 

 だが、それで諦めないのが俺のヒトカゲである。ぶっ飛びながら『ブラストバーン』をマタドガスへ向かって撃つ。しかし、ヒトカゲは毒のダメージもあってそのまま戦闘不能になってしまった。

 

 ヒトカゲを戻し、ピカ様を出す。ロケット団の粘着糸は無事に取れたようで万全である。

 しかし、こちらが『10まんボルト』を指示した瞬間、キョウがマタドガスに『だいばくはつ』を指示。まさか自爆技を使ってくるとは思わず、『10まんボルト』を撃っていたピカ様は『だいばくはつ』の直撃を受け、互いに戦闘不能になった。爆発オチとかさいてー!

 

「ファファファ。お主の実力はしっかり見せて貰った。良くポケモンを育てておるようだ。ならば、こちらも全力を出さねば失礼というものだろう」

 

 残るはゴルバットとピジョット。だが、ゴルバットはダメージを受けてからかなり時間が経っている。もうダメージもほぼ抜けているだろう。おまけに技を一つしか使っていないからバトルを自由に組み立てられる。

 対するピジョットは進化したものの、麻痺は継続しており、技も既に三つ使っていた。どう見ても不利なのはこちらである。ジム戦でここまでピンチになったのはカスミさん以来か。だが、生憎とそれで諦めるような殊勝な性格はしていない。そうだろう?

 

「行けるな、ピジョット?」

「ピー、ジョット!」

 

 当然とばかりに声を上げるピジョットに『ぼうふう』を指示。対するキョウは『あやしいひかり』を指示していた。

 どちらも混乱を狙っており、どちらの技も直撃。しかし、こちらの技は確定混乱じゃないので、ゴルバットは普通に動いていた。ダメージを取れただけ良しとするしかない。

 

 キョウは『はがねのつばさ』を指示したので、こちらも迎撃に『ぼうふう』を指示するが、痺れと混乱のせいもあって技が上手く出ない。

 ゴルバットがピジョットに『はかねのつばさ』をぶつけると、おまけとばかりにキョウが『かげぶんしん』を指示してこちらを惑わせてきた。しかし、こっちの特性は『するどいめ』だ。本体を見分けるのは難しくない。問題は混乱と麻痺だ。

 

「ピジョット。進化したお前の力を見せてくれ!」

 

 とはいえ、何とかする手段がない以上、精神論に頼るしか無かった。ピジョットが何とか気合いで混乱を破って、『ぼうふう』を出すが、ゴルバットは悠々と回避して『はがねのつばさ』を繰り出してくる。ダメージ的にも耐えられるか怪しい。

 だが、ゴルバットの翼が当たる直前。ピジョットの羽が銀色に輝き、ゴルバットの翼を受けながら自分の翼を直撃させていた。まさか、『はがねのつばさ』? 覚えたのか?

 

「『オウムがえし』か!?」

 

 キョウは流石にジムリーダーだけあって、即座に今起きた出来事を把握していた。そういえばあったなそんな技。成程、それで『はがねのつばさ』の相打ちになったのか。

 しかし、状況は理解できたものの、ダメージ的にはこちらが不利だった。もしかしたら麻痺がなければ、攻撃をかわした上でカウンターを決められたかも知れないが、直撃した以上は立ってくれることを祈るしかない。

 

 ピジョット、ゴルバット、共に地面に倒れているが、どちらも動けずにいる。

 

 駄目か――と思ったその瞬間、俺のピジョットが起き上がった。どうやら進化して体力が増えたおかげで耐えきれたらしい。

 逆にキョウのゴルバットはそのまま戦闘不能になった。あくまで推測だが、こちらの『はがねのつばさ』が急所にあたったのかもしれない。どちらにしろ、ギリギリの勝負だった。

 

 途中、まさかの『だいばくはつ』で不利になったが、勝てたのはピジョンがピジョットに進化したおかげだろう。文句なく、今回の試合のMVPだった。

 キョウからピンクバッジと『どくどく』の技マシンを受け取り、セキチクジムを後にする。

 やはり、ジムリーダーの技マシンが解禁されるとかなり厳しかった。残るジムはグレンとトキワだが、今回これだけ苦戦した以上、もしかしたら次は負けるかもしれないな。

 

 

 




 原作との変化点。

・第30話『コイルは電気ネズミの夢をみるか!?』より、コイルをゲットした。
 サトシ君は基本ピカ様がいるからでんきタイプのポケモンを捕まえないが、ニューサトシは普通に捕まえた。何せ人気ランキング二位だからな!

・第31話『ディグダがいっぱい!』より、ロケット団を倒した。
 アニメではディグダ達に倒されていたが、ニューサトシの気迫に押されてバトル終了まで待ってくれていた。

・第32話『セキチク忍者対決』より、どくどくの技マシンを要求した。
 あいつらのジムはジムとしておかしい。事前説明なしで罠にかけた上に罠にかかる方が悪いとか人間性を疑う。本来なら無料で貰って当然レベルの要求だが、ニューサトシは謙虚なので勝ったらという条件をつけた。剣盾にどくどくはないが、アニポケなので許してくれ。

・タイプ一致技は発動が早い。
 普通に人だって得意なゲーム、普通なゲームで連度が違うのと一緒。スマブラしてて、カービィは慣れてて反応も早いけど、プリン使ったら反応間に合わないみたいな感じ。

・ピジョンがピジョットに進化した。
 個体が違うので進化タイミングも勿論違う。ピジョットは絶対逃がさないぞ。


 現在ゲットしたポケモン。

 ピカチュウ Lv.38→41

 ピジョン→ピジョット Lv.34→39

 バタフリー Lv.32→36

 サイホーン Lv.35→37

 フシギダネ Lv.34→38

 ヒトカゲ  Lv.37→39

 ゼニガメ  Lv.33→37

 クラブ   Lv.33→37

 カモネギ  Lv.34→36

 エビワラー Lv.38→40

 ゲンガー  Lv.34→36

 オコリザル Lv.37→39

 イーブイ  Lv.25

 ベトベトン Lv.38 NEW!

 コイル   Lv.30→32 NEW!



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