12歳 ζ月χ日 『コンテストの新しい一面』
もう明日が本番ということで、プールを借りてミロカロスと水中演技の練習をしているのだが、ヒンバスの時から愛情をたっぷり注がれて育ったミロカロスは自分に自信を持っていた。その自信がミロカロスの魅力を『ただそこにいるだけ』で目立たせている。
特性が夢特性の『メロメロボディ』ということもあるかもしれないが、美しさが最大なこともあって、一つ一つの動作が気品に溢れていた。まだまだ技の魅せ方こそ未熟だが、ポケモンの魅力は技だけで表すものではないということがミロカロスを見ていると良くわかる。
俺は今まで技だけでポケモンの魅力を表現しようとしていた。それは、技に絶対の自信があったからだし、実際それでバタフリーは結果を出している。
しかし、今回はミロカロスの美しさを際立たせるプランを考えていくことにした。ミロカロスの美しさがあれば、技だけではなく、水の中での動きなどでもアピールポイントを稼げると思ったのだ。
そうだ、使えるものは何でも使ってアピールをする。コンテストの一次審査で技だけしか使わないというのは、ポケモンバトルでいう交代なしと同義だ。
ちょっと前回一次審査でいい結果を出したからと言って、コンテストをわかっていた気になっていた。そうだ、俺もまだまだ初心者なのだ。こうして、ポケモンと練習することで改めて見えてくるものもある。
しっかし、ついこの間までコンテストを止めようと思っていたのになぁ。まさか、流されて参加することになったコンテストの練習で、また新しい一面を理解することになるとは思わなかった。けど、だからポケモンは面白いんだよなぁ。
12歳 ζ月φ日 『みずポケモン限定水中コンテストという名の水着回』
遂に本番がやってきた。出来うる限りの事前練習はしたが、ハルカがガッチガチに緊張しているので、釣られてルリリまで尻尾が四角くなってしまっている。
仕方ないので、二度目の幸平式緊張ほぐし術でパチーンと叩いてやると、「前回より痛いんですけど!」と怒り出した。ハルカがいつもの調子を取り戻したことで、ルリリもホッとしたように尻尾を丸くしている。
みずポケモン限定コンテストの参加者は、俺達を含めてもたった7名だった。
なので、基本的には一次審査のみで優劣をつけるらしい。バトルがないと聞いて、ハルカがちょっとホッとしていた。まぁ、ハルカも頑張ってはいるが、まだバトルの腕前は初心者から初級者の間くらいだからな。
今回の審査員は、この街の村長とジョーイさん、スペシャルゲストのカスミさんだけだった。
どうやら、今回は公式のコンテストではないからか、大会運営やスキゾーも来ていないらしい。おまけに、司会も地元の人がやっている。ビビアン以外が司会をしているのは、何というか違和感があるな。
と、まぁ、そんなことを考えていると、ゲストとしてカスミさんの名前が呼ばれ、会場の電気が消える。
なんぞこれはと思っていると、水中にライトが集中し、ギャラドスが水面から飛び出してきた。頭の上にはカスミさんが乗っているので、どうもカスミさんのギャラドスのようだ。
そういや、みずポケモンマスターを目指しておきながら、カスミさんはギャラドスが苦手だったような記憶があったのだが、いつの間にか克服していたらしい。
そのまま見ていると、空中に投げられた輪にギャラドスが『かえんほうしゃ』で炎をつけ、『フラッシュ』で光るスターミーがその輪をくぐっていく。
また、パルシェンの『つららばり』を、サニーゴが『とげキャノン』で破壊することで、空中から氷の粉が奇麗に舞っていた。他にも、水中から飛び出したキングドラが『りゅうのいぶき』で空中に光る文字を書いている。ってか、いつの間にかシードラがキングドラに進化してるじゃねーか。
最終的には、ライトが消えて室内が一瞬暗くなった後、電気が着くとプール側で演技をしていたポケモン達と水着姿のカスミさんがポーズを決めていた。何にもしていないはずのコダックまでちゃっかりポーズを決めてやがる。
しっかし、即興演技とは思えない出来だな。
ゲストとしては粋な計らいということで、素晴らしい演技を見せてくれたカスミさんに会場中から盛大な拍手が送られる。
確かに凄いが、おかげで後ろにいる俺達にはかなりのプレッシャーだ。おまけに、「今日はこんな演技、目じゃないくらいの凄いものが見られるわよー!」と、カスミさんがハードルを上げに上げていた。
流石に実家がショーをやっていただけあって、場の盛り上げ方をわかっていらっしゃる。
会場の盛り上がりに比例して、俺達には相応のプレッシャーがかかってくるが、喉元過ぎれば何とやらで、緊張もある一定を超えるともう感覚が麻痺してきたのか、ハルカも特に緊張した様子は見せていなかった。
いい具合に場が盛り上がると同時に、コンテストのスタートが宣言される。
先程も少し書いたが参加者は全7名で、ハルカが5人目、カスミさんの罠によって何故か俺はトリだ。
どうもカスミさんは俺になら何をしても大丈夫という謎の信頼を持っているようだが、ニューサトシも万能ではないので出来ないことだってあるとわかっているのだろうか?
可愛い子には旅をさせよとは良く言うが、一歩間違えば事故だって普通に有り得るんですけど!
と、まぁ、そんなことを思いながら先に演技する奴らをモニターで見ていたのだが、今回のコンテスト出場者はかなりレベルが高いようで、誰も彼も素晴らしい演技を見せている。
参加者が少ない分はレベルの高さでカバーしようということだろうか。まぁハルカのように勢いで参加を決めでもしない限り、自分に自信がある奴しかこんなコンテストに参加しようとは思わないよな。
ふと、ハルカの様子を見ると、今までの緊張した素振りは何だったんだと思わせるくらいの勢いでモニターをジッと見つめていた。レベルの高い演技を一つでも自分の物にするため、貪欲に他の人の技術を吸収しようとしている。
そういえば俺にもあったなぁ。こんな風に、少しでも早く一人前のトレーナーになりたくて、ひたすらにバトルのことを調べまくっていた時期が(9歳の頃である)。
と、少し昔を懐かしんでいると、無事に前4人の演技が終わり、遂にハルカの番がやってきた。
ルリリをボールに戻すと、この日のために購入したというおニューの水着に着替えて突撃していく。
ハルカがステージに立つとライトが照らされ、会場中が期待の視線を送ってきた。とはいえ、ポケモンコンテストなので、主役はポケモンだ。ハルカがポーズを決めながら、モンスターボールを構える。
司会の合図と同時に、ハルカがボールを投げた。出てきたのは当然、ルリリである。
ルリリも自分の魅力を精一杯アピールしようと、着地しながら可愛くポーズを決めていた。
そのまま、二人仲良く水中にダイブしていく。練習はたった数日だったが、本当にコンテスト二回目の初心者かと疑うくらい、ハルカは堂々とした演技をしていた。
正直、カスミさんが会場を盛り上げ過ぎていたので、場の空気に飲まれないか少し心配していたのだが、そんな心配は無用だったらしい。
やはり、ハルカも何だかんだポケモンコーディネーターとしての素質があるのかもしれないな。
ルリリの魅力を少しでも伝えようと、自分に出来る演技を一生懸命している。客観的に見れば、ハルカの演技は他の参加者に比べると少し見劣りするだろう。しかし、その真剣さは、他の参加者にはない初心を思い返させてくれた。
何というか、見ていて気持ちのいい演技なのだ。見ている側を、もっと頑張ろうという気持ちにさせてくれる。
これも一種の才能かもしれない。
ハルカがルリリと共にフィニッシュを決めると、会場中から拍手が送られた。俺も惜しみない拍手を送る。水中であれだけ動けば疲れて呼吸は荒くなるだろう。しかし、ハルカはそんな疲れを欠片も見せないように、気合で呼吸を整えている。プロ根性だ。
控室に戻ってきたハルカは、もう歩けないとばかりに椅子に座りこんでしまった。
無理に呼吸を整えた反動で過呼吸になりそうだったので、酸素スプレーを当てて落ち着かせる。正直、俺はハルカがここまでやるとは思っていなかった。
いくら数日ルリリと練習したと言っても完全な付け焼刃だ。特に、ハルカは普通の演技すらまだ練習段階なのに、水中演技は初めてで手探り状態である。
多分、カスミさんも少しでもコンテストの経験になればいいなくらいの気持ちだっただろう。だが、ハルカはこの場を本当のコンテストだと考えて、自分に出来る限界にトライしたのだ。
こんな演技を見せられて燃えない奴は、ポケモンコーディネーター失格である。俺はトレーナーとコーディネーターの二足わらじだが、それでもここまで頑張ったハルカに負けない演技をしたいと思わされた。
人の心を動かす演技が出来る。
それは、紛れもない才能だ。
前回、シュウに負けたことで、ハルカはコーディネーターとしての素質を開花させつつあったが、その花が開いた瞬間を見ることが出来たような気がした。
ハルカに続き、次の奴の審査が終わると、遂にニューサトシの番がやってくる。
気合は十分だった。ミロカロスが入ったボールを手に会場へ向かう。さぁ、ショーの始まりだぜ。
司会の合図と共に、ボールを投げる。中から出てきたのは当然、ミロカロスだ。美しさを最大まで上げたミロカロスが海に飛び込む姿は観客を魅了し、俺も少し高くジャンプして水中に飛び込んでいく。
しかし、俺が水中に入ることはなかった。泳ぐミロカロスが俺を背に乗せると、そのまま観客席に向かって泳ぎながらアピールしていく。
俺もまた、「レディースエーンジェントールメーン!!」と声を上げた。本来、コンテスト中に会場に声をかけるようなことはないだろう。だが、これはコンテストとはいえ、半分はイベントである。
言ってしまえばお祭りだ。
なら、多少の無茶はご愛敬ということで、観客を盛り上げるという方向にシフトする。
まぁ、やることは先程書いた通り、ショーみたいなものだ。カスミさんが開幕でやったのも実家のショーでやったことの応用だろうし、見ている側も盛り上がるのでショーは悪い選択肢ではない。
練習してきた演技をしつつ、会場を沸かせるパフォーマンスも取り入れていく。
ふと、審査委員席を見ると、カスミさんが、「やってくれたわね」と言って、小さく笑みを浮かべていた。
とはいえ、これは開幕であれだけハードルを上げたカスミさんと、俺を熱くさせたハルカが悪い。二人が焚き付けなければ、俺だってこんなことしようとは思わなかっただろう。
昨日までの成果もしっかりアピールし、今の俺達に出来る最高の演技を見せていく。ショーの流れ自体は、今さっき思いついたばかりの即興だが、ミロカロスも良くついて来てくれていた。
基本は昨日考えた通り、ミロカロスの魅力を全面的にアピールである。急遽、ショーという形に移行はしたが、その基本だけはブレさせずにアピールを続けた。
ハルカのように見ている人の気持ちを盛り上げるようなことは出来ないが、場を沸かせるということにおいて、ニューサトシの右に出る奴はいないと自負している。
そして、会場中が楽しいという気持ちに包まれれば、当然演じている俺達も自然と楽しくなるものだ。楽しいという気持ちは笑顔を作り、それがまたミロカロスの魅力を引き出してくれる。
最後のフィニッシュまでしっかり決めると、会場中から拍手が送られた。
だが、いくらミロカロスのポテンシャルが凄くても、まだコーディネーターとして未熟な俺では、その力を完全には引き出し切れなかったらしい。
結局、優勝は名も知らぬコーディネーターのお姉さんになってしまった。また非公式のコンテスト故、リボンではなくメダルが授与されている。
俺もハルカも頑張ったが、少し及ばなかったらしい。とはいえ、これは地力の差だ。もし、二次審査でバトルがあれば、また優勝者は変わっていたかもしれないが、それでも俺達が優勝することはなかっただろう。
しかし、会場のお客さんは満足してくれたようだし、ひと先ずは成功と言っていいはずだ。
閉会式が終わり、観客席にいたタケシ達が控室に顔を出すと、「お疲れさん」と声をかけられた。それだけなら問題なかったのだが、優勝者したお姉さんがこちらに声をかけてくると、タケシがいつものように目をハートにして求愛している。
まだカスミさんが帰ってきていないのでどうするかと思っていると、マサトがカスミさん直伝の耳引っ張りでタケシの奇行をブロックしていた。どうやら無事に習得したらしい。
ラティも、妹分のミロカロスが素晴らしい演技をしたということで、大喜びで頭を撫でてあげていた。ミロカロスも褒められて恥ずかしそうにしている。可愛い奴だぜ。
少しして、お偉いさん達との話を終えたカスミさんが合流すると、特別賞としてカスミさんがハルカに何かをプレゼントしていた。
おいおい、ニューサトシには何かねぇのかよとも思ったが、「むしろ、きれいなウロコ寄こしなさいよ」と言わんばかりのジト目を貰ったので、そそくさと逃げ帰っている。
さて、気を取り直して、次の街に行こうか――と、思ったのだが、どうやらカスミさんはそろそろジムを開けなければいけないということで、カントーに帰るらしい。また時間を作ってこっちに来ると言っていたので、いずれどこかで会えることもあるだろう。
まぁ、今回俺はホウエンリーグに出る予定がないので、もしかしたら俺がカントーに戻る方が速いかもしれないけどな。
追記。どうやら、ハルカはカスミさんからポケモンにつける用のリボンを貰ったようで、今回頑張ってくれたルリリの尻尾につけている。カスミさんはみずポケ好きだし、ルリリも喜んでいるしでいいかんじーだった。
原作との変化点。
・コンテストの新たな一面を理解した。
わかっていたつもりでも、実際やってみて初めてわかることもある。
・カスミさんがギャラドスをゲットしていた。
詳しくはアニメの放送局第二話を見よう。
・ハルカが才能を目覚めさせた。
独自解釈。まだAG編ではコンテストがそこまで詳しく描写されていないので、ヒカリやセレナ程努力描写が多くない。ので、天才キャラにして誤魔化している。実際、アニメだとコンテスト殆ど勝つのでハルカは天才型でも問題ないと判断した。
・優勝は出来なかった。
そう簡単に勝てれば世の中苦労はない。
・ハルカのルリリがカスミさんからリボンを貰った。
ピンクの可愛いリボンである。
現在ゲットしたポケモン
ピカチュウ Lv.60
ピジョット Lv.55
バタフリー Lv.55
ドサイドン Lv.59
フシギダネ Lv.56
リザードン Lv.61
カメックス Lv.57
キングラー Lv.55
カモネギ Lv.55
エビワラー Lv.57
ゲンガー Lv.57
オコリザル Lv.56
イーブイ Lv.55
ベトベトン Lv.55
ジバコイル Lv.55
ケンタロス Lv.55
ヤドラン Lv.54
ハッサム Lv.56
トゲキッス Lv.53
プテラ Lv.56
ラプラス Lv.54
ミュウツー Lv.72
バリヤード Lv.55
イワーク(オレンジ諸島の姿) Lv.54
カビゴン Lv.52
ニョロトノ Lv.52
ヘラクロス Lv.52
メガニウム Lv.51
マグマラシ Lv.51
ラティアス Lv.46
ヘルガー Lv.51
ワニノコ Lv.51
ヨルノズク(色違い) Lv.51
カイロス(部分色違い) Lv.51
ウソッキー Lv.51
バンギラス Lv.58
ゴマゾウ Lv.47
ギャラドス(色違い) Lv.49
ミロカロス Lv.5
ミズゴロウ Lv.33
スバメ Lv.32
ジュプトル Lv.33
ヘイガニ Lv.32