12歳 θ月κ日 『キンセツシティ ガチ戦 VSテッセン』
残念ながら昨日は敗北してしまったが、今日はテッセンをボコボコにしてやるぜ――と、思いつつ、意気揚々とジムに行くと、既にテッセンも戦闘態勢に入っているようだった。
どうやら、昨日の勝利を引きずって調子に乗るというようなことはないようで、笑顔を浮かべているが笑みの中に凄みを感じる。いつでもかかってこいと言わんばかりの態度を見て、思わずこちらも笑みが浮かんでしまった。
最近、俺の笑顔はあまりウケが良くないようで、見た人間が引くことが多いのだが、テッセンは意に介した様子もない。いいね、早く始めようじゃないか。
ルールは三対三の入れ替え制。レベル制限はなしだ。先に相手のポケモンを全滅させた方が勝利ということで、互いにボールを構える。
審判を務めるワットの声掛けによって、互いに一体目を出した。俺は当然、バンギラス、テッセンはマルマインである。バンギラスの特性である『すなおこし』によって、フィールドが砂嵐に包まれていく。
テッセンはバンギラスを見た瞬間、俺がでんきタイプをメタって砂パを用意して来たのを理解したようで、「めんどくさいポケモン出してきよって」と嫌な顔をしている。
しかし、マルマインを戻すつもりはないようで、先手必勝と『どくどく』を指示してきた。如何にも攻めますと言わんばかりの顔をして毒攻めかい! 面倒くさい爺だな。
とはいえ、こちらのバンギラスは巻き起こった『すなあらし』の効果によって特防が1.5倍になっている。マルマインの火力でこれを抜くのは難しいだろうし、納得の技チョイスではあった。
しかし、そのまま好き勝手させるつもりはない。甘んじて猛毒は受けるが、『ちょうはつ』でそれ以外の変化技は禁止していく。それを見て、テッセンは『ボルトチェンジ』を指示して、素直にマルマインをボールに戻した。同時に、こちらもバンギラスをボールに戻す。
互いに手早い交換だが、向こうもあれ以上マルマインを突っ張っても無駄に消耗するだけだし、こちらもバンギラスが貰った猛毒があるので仕切り直すのには丁度いい。
それに、これで砂嵐が切れても、またバンギラスを出せばフィールドは『すなおこし』を発動出来るので猛毒をくらったマイナス分はカバーできる。状況的にはトントンと言った所だろう。
先にポケモンを戻したテッセンが、二体目としてライチュウを出してくる。それを見て、こちらはゴマゾウを送り出した。
当然、じめんタイプのゴマゾウにでんき技は効かない。とはいえ、ライチュウはピカ様の進化後ということで、でんき技以外の技も豊富に覚える。それこそ、じめんタイプ相手なら、『くさむすび』や『なみのり』をしてきてもおかしくなかった。
ゴマゾウも晴れ舞台に興奮した様子を見せているが、テンションは上手く調整しているようで、暴走することなくこちらの指示を待っている。
テッセンは『くさむすび』を指示して、こちらの弱点を突こうとしてきた。予想内の行動なので『じならし』を指示し、草ごと地面を踏んで相手の攻撃を無効にしつつ、反撃していく。
ジョウトリーグのエキシビションマッチで、カスミさんがやって見せた『くさむすび』破りである。地面を鳴らすのではなく、地面を均してやった。
テッセンもまさかそんな方法で防いでくるとは思わなかったようで、ライチュウに回避の指示が間に合わない。
タイプ一致の弱点攻撃を受けて、ライチュウが大ダメージを受ける。しかし、すぐに立て直してきた。テッセンも「なら、これはどうじゃ!」と、『なみのり』を指示してくる。
しかし、『なみのり』もまた、ピカ様が良く使うのでゴマゾウも慣れていた。『あなをほる』で地面に潜って、攻撃を回避していく。
水が穴に入るのを防ぐために、大きくUの字に穴を掘らせているので、ダメージを受けることはない。おまけにライチュウは『じしん』系の技を覚えないので、地中のゴマゾウへ追撃をかけることも出来なかった。
だが、テッセンもやられたままではない。ゴマゾウが『あなをほる』で攻撃を避けたと判断すると、ライチュウを『あなをほる』で地面に潜らせて攻撃を回避していった。
ならば、再び『じならし』で大ダメージを与えてやる。『じしん』や『マグニチュード』と違って『じならし』の効果は『あなをほる』への効果対象外だが、ピカ様の『アイアンテール(疑似じならし)』のように距離が近ければダメージを与えることも出来るだろう。
ゴマゾウに地上へ上がるように指示を出す。
だが、テッセンはライチュウにゴマゾウの先回りをするように指示を出した。これにより出口が塞がれ、ゴマゾウが地上に出られなくなる。
ゴマゾウも地中を動き回り、ライチュウを回避して、何とか地上に出ようとしていた。そんなゴマゾウを追うようにテッセンが指示を出す。
こうして、先に捕まった方が負けのドッグファイトが始まった訳だが、しばらくすると地中からゴマゾウの悲鳴が響き、同時にライチュウがゴマゾウを押し上げるように地面から飛び出してきた。
どうやら『あなをほる』対決はライチュウに軍配が上がったらしい。だが、タイプ不一致のじめん技を受けただけにしてはゴマゾウのダメージが大きかった。
どういうことだ――と、首を傾げていると、満面の笑みでテッセンが答えを教えてくれる。
テッセン曰く、いくらライチュウとはいえ、地面内の攻防でじめんタイプのゴマゾウには勝てない。だから、予め自分の通った道に、『くさむすび』の罠を仕掛けていたらしい。
ゴマゾウはそうとは知らずに罠に引っかかってダメージを受け、ライチュウはその隙を突いてゴマゾウを攻撃して地上まで押し上げたということだ。流石に読めなかったな。こうなるとわかれば、俺も自爆覚悟で地中での『じならし』を指示したのだが――
思わぬダメージを受けたので、ここは一度ゴマゾウを戻す。丁度砂嵐が収まったので、再びバンギラスを出して『すなおこし』を起こした。
テッセンは何とかここでバンギラスを倒しておきたいのか、惜しげもなく最後の技を使ってくる。『かわらわり』で、こちらの四倍弱点を突いてきたのだ。
だが、テッセンは不運だった。『くさむすび』の特殊な使い方には驚いたが、それ以外は全てピカ様と事前の特訓済である。こちらも『ほのおのパンチ』を指示して、『かわらわり』を受け流していく。『ほのおのパンチ』を選択したのは、火傷による継続ダメージや攻撃力低下を見込んでのことだ。
ライチュウの尻尾はピカ様比べて長いので、少し受け流すのに苦労しているが、それでもまだ致命傷は受けていない。
テッセンもここまで凌がれるとは思わなかったようで驚いた顔をしている。思えば、でんきタイプのジムリーダーと最後に戦ったのはマチスが最後だったか。あの時はまだ俺もポケモン達も未熟で相手に本気も出させられなかったが、ある程度成長した今ならわかる。でんきタイプのジムは俺との相性が最悪だ。
今はでんきタイプを砂パでメタッているということもあるが、そもそも相棒にでんきタイプのピカ様がいるので相手が何をしてくるのか大体読める。
相手の行動が読めれば対策も余裕ということで、ある程度打ち合うと『まもる』を指示してライチュウの攻撃を無効にして弾き飛ばした。そのまま距離を作ると、最後の技として『じしん』を指示していく。
流石にここでバンギラスの『じしん』は致命傷になりかねないので、テッセンは素直にライチュウを戻した。
フィールドに誰もいないということで、技を撃っても無駄なので、こちらもバンギラスに技を中断させてそのままボールに戻していく。攻撃の直撃は受けていないが、猛毒による継続ダメージが厳しい。最初にマルマインから受けたボルチェンのダメージと合わせて、もう半分近く体力が削られてしまった。
テッセンは再びマルマインを出してくる。こちらもドサイドンは温存して、ゴマゾウを送り出した。
再び、テッセンが『どくどく』を指示してきたので、『あなをほる』で回避していく。ライチュウと違って、マルマインはそこまで豊富に技を覚えないので対応は難しいだろう。
注意すべきは当然、『だいばくはつ』だ。
しかし、バンギラスは『まもる』、ゴマゾウは『あなをほる』で回避できる技をチョイスしている。そう簡単に爆発をくらう気はない。テッセンも俺が『だいばくはつ』を警戒しているのには気付いているようで、三つ目の技として『リフレクター』でこちらの物理攻撃を半減させてきた。
同時に、ゴマゾウが地面からマルマインに突撃していく。弱点の攻撃だが、『リフレクター』のおかげで、マルマインもそこまでダメージを受けていなかった。
向こうが体勢を立て直す前に、ゴマゾウに指示を出し、すぐにまた『あなをほる』で地面の中に潜っていく。
こうなると、攻め手がないようでテッセンは再びマルマインをボールに戻した。やはり、得意のでんき技が使えないというのはかなり向こうの動きを封じているようだ。
マルマインがボールに戻ると同時に、ゴマゾウが地面からひょっこり顔を出してくる。同時に砂嵐も止んでしまった。ライチュウとバンギラスのバトルが思いの外長かったからな。
ここまでこまめにポケモンを交換するバトルは初めて見るのか、観客席のマサトが「一回のバトルでこんなにポケモンを戻すものなんだね」と感心している。
まぁ、今回のバトルだと、俺がテッセンをメタッていたり、猛毒状態だったりと、なかなか長期戦に持ち込めるような状況じゃないからな。その辺りは、解説役のタケシが説明している。ハルカもうんうん頷いていた。最近はバトルにしっかり向き合っているのが良くわかる。ラティもうんうん頷いているが、こっちは理解しているか少し怪しかった。
正直、ここは再びライチュウを出してくるかと思ったのだが、テッセンはここで切り札を出すつもりのようで、最後の一体を出してくる。
出てきたのはライボルトだ。だが、昨日戦ったライボルトとは別の個体だった。そもそも色が違う。基本的に青い体に黄色の毛を持つライボルトだが、今回出てきたのは黒い体に黄色の毛を持ったライボルトだった。
珍しい色違いだが、どうやらこいつがエースらしい。ホウエン地方のガチバトルと言えば、怠けないケッキングに、ファンネルを使うダイノーズ、腹部物理半減の巨大ハリテヤマと、とんでもポケモンが続いてきたが、こいつも何か特殊なものを持っているのだろうか?
俺が警戒を最大まで上げる中、テッセンは素直に『こおりのキバ』を指示してきた。
こちらはお得意の『あなをほる』で地面に逃げる。ライボルトも『じしん』系の技は覚えないので、こうなるとどうしようもないだろう。
しかし、その瞬間、テッセンは『みがわり』を指示した。まずい、これでゴマゾウの攻撃は身代わりへ行ってしまう。地中にいるゴマゾウは身代わりに気付くことなく攻撃を繰り出すも、ぶつかった瞬間身代わりは煙となって消える。
隙だらけのゴマゾウの横から、『こおりのキバ』が直撃した。タイプ不一致の攻撃だが、弱点のこおり技ということでゴマゾウも大ダメージを受けている。
おまけに、追加効果の氷が発生したようで、ゴマゾウの動きが止まった。即座に『じたばた』を指示して氷ごと砕こうとしたが、どうやっても追撃の『こおりのキバ』の方が速い。
甘んじて一撃は受けた。代わりに、『じたばた』で氷を砕きながら、ライボルトにもダメージを与えていく。『じたばた』はこちらのHPが少ないほど威力が高くなる技だ。二度の『こおりのキバ』と、ライチュウから受けたダメージでゴマゾウももう限界に近い。威力は最大になっているだろう。
だが、氷を砕くのに力を使ったせいで、そこまでライボルトにダメージを与えることが出来なかった。
テッセンがとどめの『こおりのキバ』を指示してきたので、『こらえる』で攻撃を耐えていく。そのまま『じたばた』で今度こそ最大ダメージを頂こうと思ったが、『でんこうせっか』でとどめを刺されてしまった。
流石にゴマゾウも戦闘不能になってしまったが、ライボルトの技を三つも使わせている。おまけに、『みがわり』や『じたばた』のダメージで体力も1/3以上削った。大活躍である。
砂嵐が切れてしまっていたので、再びバンギラスを送り出した。特性の『すなおこし』で再びフィールドが砂嵐になっていく。
テッセンもライボルトを戻して、ライチュウを出してきた。『かわらわり』さえ直撃させられれば勝ちだと思っているのだろう。間違いではないが、バンギラスにしてみれば最大警戒技である。この日まで毎日ピカ様と訓練してきたのだ。そう簡単にはくらわない。
それに、そろそろライチュウには退場して貰うつもりだ。バンギラスに『じしん』を指示する。
当然、弱点の攻撃を受ける訳にはいかないので、テッセンはライチュウにジャンプするように指示をした。おまけに、そのまま『かわらわり』を指示している。どうやら『じしん』のせいで動けないこちらにジャンプ攻撃を仕掛けるつもりらしい。
だが、その動きは読めていた。
ある程度実力のあるトレーナーになれば、『じしん』をジャンプで避けつつ反撃してくるものだ。俺でもそうする。っていうか、実際にやったこともあった。
しかし、『じしん』を回避するためには、地面が揺れる前にジャンプする必要がある。つまり、技発動前にジャンプしなければいけないのだ。タイミング的には、トレーナーの指示が聞こえた瞬間に跳ぶのが普通だろう。それより遅いと回避が間に合わない。
だが、もしジャンプした後に『じしん』が発動していなかったらどうだ?
当然、『じしん』を発動していないのだからこちらは自由に動ける。対する相手は、逃げ場のない空中で真っすぐこちらに向かってくるので迎撃し放題だ。
テッセンが「しまった」という表情を浮かべる。こちらの『じしん』が発動していないことから、自分がフェイントに引っかかったということに気付いたのだろう。
これはピカ様相手にも通用した新フェイントだ。
バンギラスには事前に、俺の指示から一拍置いてから動き、相手がジャンプや交代をしなかったら『じしん』を使えと言っておいた。先程、『じしん』に合わせたライチュウの交換で、技の発動を止めることが出来たのはそのためである。
一拍置くことで、相手の動きを見てから動けるのだ。同時に、相手に『じしん』回避を強制させることで、向こうの方から真っすぐ懐に飛び込んでくる状況を作ることが出来る。当然、こちらは技を使っていないので、向こうは飛んで火にいる夏の虫という訳だ。
先程、ライチュウとバンギラスの打ち合いが互角だったのは、ライチュウが細かく立ち位置を入れ替えて致命傷を防いでいたからである。
しかし、空中では動けないので回避など出来るはずがない。『かわらわり』を悠々とかわし、ボディに『ほのおのパンチ』を叩きこんでいく。『リフレクター』のおかげで致命傷は避けられたようだが、それでもこの直撃は大きかった。
ずっと思っていたのだ。
この『じしん』という技は強いが、避けられることが割と多い。ならば、敢えて避けさせてしまおうと。
言ってしまえば後出しじゃんけんだ。こちらのチョキに対し、相手がグーを出そうとしているのでチョキからパーに変える。こちらの『じしん』という札に対し、相手は必ずジャンプするのだから、『じしん』を使うふりをして別の技で迎撃という最強の後出しだ。
さらにこれの良い所は、仮にこのフェイントの存在がばれてもこちらは何も痛くないということである。
何せ、フェイントだと思って跳ばなければ、本当に『じしん』を使うだけでいい。後出しの権利を持っているのはこちらであり、相手はフェイントかもしれないという可能性があるだけで迷いが生まれる。
スラムダンクで攻めの択しか取らなかった流川がパスをしたことで、相手に迷いを生んだのと同じだ。選択肢があるからこそ、相手は動きにくくなる。
今までは単純にジャンプして避ければいいと思っていたが、フェイントの存在によってジャンプはミスになりかねなくなった。なら跳ばなければいいと思うかもしれないが、100%フェイントだと確信出来ない以上、跳ばないという選択肢を取る訳にもいかない。もし仮に、俺の指示と同時に『じしん』が来ればそれで終わりなのだ。
ならば、相手の方に跳ばず、垂直に跳べばいいと思うかもしれないが、それこそ落下に合わせて『じしん』を使うだけの簡単な後出しが決まるだけである。
対処するには、こちらが『じしん』を使う前に距離を詰めてくるか、遠距離で戦う以外にない。ライチュウなら『なみのり』や『くさむすび』があるが、その場合はこちらも後出しで別の対応を取ればいいだけである。
テッセンがライチュウを戻した。こちらのフェイントが死ぬほど面倒くさいものだというのがわかったのだろう。それと同時に、『リフレクター』の効果も切れた。
こちらもバンギラスを戻す。猛毒のリミットがあるので、あまり長時間出したくないのだ。代わりに出てくるのは当然、最後のドサイドンである。向こうはマルマインを出してきた。
丁度、壁が切れたので張り直そうということだろうが、こちらの最後の一体がドサイドンだと分かった瞬間、テッセンが「お前さん、本気出し過ぎじゃろ」と苦笑いを浮かべる。自慢のでんき技を披露する隙がないと理解したのだろう。
また、マルマインはこれでほぼ無力化した。『どくどく』、『ボルトチェンジ』、『リフレクター』と、既に三つ技を使っているが、その全てがドサイドンへの有効打へはなり得ない。
仮に『だいばくはつ』をくらったとしても、ドサイドンならば耐えきれるだろう。体力の削られているバンギラスなら倒し切れるかもしれないが、『まもる』で防げる。
死ぬほど面倒くさいという顔をしたテッセンが、『どくどく』を指示した。当然、こちらは『あなをほる』で回避する。ゴマゾウに出来て、ドサイドンに出来ないはずがなかった。
テッセンは仕方ないと、再び『リフレクター』を指示してくる。ゴマゾウの時同様に、『あなをほる』の一撃をくらうのは必要経費と判断したのだろう。
しかし、その妥協が命取りだ。
ドサイドンに『ドリルライナー』を指示する。地面の中から凄まじい回転音が響き渡り、すごい勢いで地面から飛び出したドサイドンがマルマインに突っ込んでいった。
だが、『ドリルライナー』はあくまでも狙いを定めるための補助に過ぎない。ドリルが相手に当たった瞬間、そのまま『つのドリル』に繋げて一撃でマルマインを戦闘不能に持っていく。
穴の中から急加速で突撃しつつ、隙を見て一撃必殺へ繋げる新たな必殺技。三つの技を使うが、確定で相手を倒せる奇襲コンボだ。
一見無駄に見える『ドリルライナー』だが、これがあるおかげで地中から一気に距離を詰められるし、ドリルの位置調整も出来るので、『あなをほる』から『つのドリル』がほぼ確定で繋がる。これが無ければ、『つのドリル』は命中率がかなり下がるだろう。
テッセンも、まさか『リフレクター』を張って一撃で持って行かれるとは思わなかったようだが、ただでは転ばなかった。
どうやら、マルマインの特性は夢特性の『ゆうばく』だったようで、ドサイドンの体力が1/4削られる。とはいえ、これで『だいばくはつ』の危険はなくなった上、ポケモンの数も互角になった。
テッセンがマルマインをボールに戻すと、ライチュウを出してくる。おそらく、バンギラスは猛毒で倒し切るつもりなのだろう。
むしろ、体力がまだ3/4も残っているドサイドンをどうにかするには、みず技やくさ技が使えるライチュウしかないと考えたようだ。とはいえ、ライチュウもこれまでのバトルで体力がかなり削られている。大体、半分ないくらいか。まだ砂嵐も継続しているし、下手をすれば『リフレクター』込みでも、『あなをほる』からの『ドリルライナー』だけで戦闘不能にすることも出来そうだった。
テッセンが『くさむすび』を指示してくる。『なみのり』はゴマゾウの時のように『あなをほる』で回避されると思ったのだろう。
しかし、『くさむすび』は『ドリルライナー』で対処が可能だ。『ドリルライナー』はドリルを起点に全身を回転させる技なので、草が絡みついた瞬間千切れ跳んでしまうのである。
そのまま『あなをほる』で地面に潜っていく。だが、ライチュウもまた『あなをほる』で地中に潜って行った。
どうやら、ゴマゾウの時のように『くさむすび』の罠を仕掛けるつもりのようだが、一度見た攻撃を何度もくらうほどこちらも優しくはない。逆にドサイドンを急上昇させ、最後の技である『じしん』で地中に隠れるライチュウを倒しに行く。
体が小さなゴマゾウと違い、重量級のドサイドンの動きはライチュウでは止められない。
テッセンも、こちらが『じしん』を撃つとわかったようで、ライチュウをすぐに地上に出した。しかし、回避までは間に合わず、『じしん』の振動を受ける。
倒し切れるかと思ったが、『リフレクター』の効果と、地中から出ていたおかげもあってギリギリ耐えていた。そのまま、返しの『くさむすび』でドサイドンが転ばされる。技を出した後の隙を狙われたな。
運の悪いことに、こちらはドサイドンが『じしん』を撃った段階で砂嵐が解除されてしまったので、『すなあらし』の砂嵐状態の時に特防が1.5倍になる効果は失われていた。
だが、『ハードロック』のおかげで、ギリギリ耐えることが出来ている。それでも体力はギリギリだ。これ以上抵抗されても面倒なので、『ドリルライナー』で一気にライチュウを戦闘不能まで持って行く。
真っすぐに向かってくるドサイドンに対し、ライチュウの出来る迎撃は『かわらわり』しかなかった。
他の三つの技である、『くさむすび』、『なみのり』、『あなをほる』では対応が難しい。『なみのり』は発動までのモーションが大きすぎるし、『くさむすび』は『ドリルライナー』との相性が悪いのが見えている。『あなをほる』など、『じしん』で殺してくださいと言っているようなものだ。
どうやっても、『かわらわり』以外は、ライチュウが攻撃する前に倒されてしまう。だからこそ、倒されるのを覚悟で何とか相打ちに持ち込もうとしていたが、流石に体重差もあってこちらに軍配が上がった。
しかし、これでドサイドンも限界だ。
倒れたライチュウを戻すと、切り札のライボルトを出してくる。こちらもドサイドンとバンギラスを交代した。
特性の『すなおこし』によって、再びフィールドが砂嵐に包まれていく。テッセンは『でんこうせっか』で即座に距離を詰めさせてきた。『じしん』を使われる前に、少しでも早くバンギラスを倒すつもりなのだろう。
そのまま、最後の技である『アイアンテール』に繋げて接近戦を仕掛けてくる。こちらも『ほのおのパンチ』で迎撃していくが、まだ『リフレクター』が残っていることで、向こうもなりふり構わず突っ込んできた。
こちらの『ほのおのパンチ』の直撃を受けて尚突っ込んでくる。こうも捨て身になられると、受け流すのも難しい。実際、『アイアンテール』を捌いた瞬間、その隙を突かれて『こおりのキバ』を叩きこまれてしまった。
等倍の不一致技なのでそこまでダメージはないが、猛毒と合わせるとバンギラスの体力はもう限界に近い。
長くは持たないと判断し、こちらに噛みついているライボルトをガッチリ掴んでそのまま地面に叩きつけた。ゼロ距離『じしん』で一気に戦闘不能にまで持って行く。しかし、ライボルトもまた『こおりのキバ』で反撃してくる。
タイミング的に『リフレクター』が消えた後の攻撃だったので倒し切れるかと思ったが、タイプ不一致技ということもあって、ライボルトの体力が少しだけ残ってしまった。
対するこちらは、『こおりのキバ』二回と猛毒のダメージで一気に戦闘不能に持って行かれる。これで俺も残りは、ドサイドンのみだ。
ドサイドンもライボルトも、もうそこまで体力は残っていない。強い技を一度受けたらその時点で戦闘不能になる。
だが、テッセンは迷わず『でんこうせっか』でライボルトを突撃させてきた。ドサイドンも『じしん』を使うので、フェイントを使う可能性があると考えたのだろう。
実際、ドサイドンにもバンギラスと同じ指示をしてあるのでその判断は正しい。そのまま『アイアンテール』に繋げて接近戦に持ち込んでくる。こちらの技は『あなをほる』、『ドリルライナー』、『つのドリル』、『じしん』なので近接戦に持ち込まれるのは辛い。
仕方ないので、『ドリルライナー』の回転で何とか攻撃を弾く。とはいえ、連続で攻撃されたら一巻の終わりなので、そのまま『あなをほる』で地中に逃げた。
俺の目算では、『すなあらし』の継続ダメージ二、三回ほどでライボルトは倒れるはずだ。下手に接近戦に付き合ってワンチャン取られるよりも確実な勝利を取る。
テッセンも俺が砂ダメによる勝利を狙っているのは読めたようで顔を上へ向けた。相棒の残り体力をしっかり把握しているが故に結果が見えてしまったのだろう。
長く地面の中に居ると、審判による遅延の警告が入るが砂ダメ数回の時間ならギリギリだ。砂嵐が切れると同時にライボルトが倒れた。それを確認し、ドサイドンが地中から出てくる。
結局、何かあるかと警戒していたが、あのライボルトも珍しい色違いで良く育てられている普通に強いだけのポケモンだったな。まぁ、毎回毎回よくわからないチートポケモンが出てくる方がおかしいのでこれが普通なのだが。
テッセンが「全く、もっと子供らしい戦い方をせんか」と言いながら、勝利の証であるダイナモバッジを渡してきた。
確かに、砂ダメを狙って地面に隠れるなんて戦い方は今どきの子供はしないだろう。とはいえ、ニューサトシ的には勝てばよかろうなのだの精神なので気にしていない。
まぁ、それだけこっちも追い詰められたということだ。ぶっちゃけ、かなりメタったつもりだが、それでもギリギリな勝利になった辺りテッセンの強さが伺える。
今にして思えば、やはりベトベトンを入れた方が楽に戦えたな。とはいえ、ガチ戦の目的は挑戦も兼ねているので、完璧なパーティで戦う必要はなかった。むしろ、多少穴がある方が対応力を鍛える訓練になるだろう。
地味に悔しそうにしているテッセンに見送られながら、キンセツジムを後にする。
ふと、今度は不利な状況を打開する力をつけるために、逆に相性の悪いポケモンを入れてガチ戦を挑んでも面白いかもしれないと思った。
原作との変化点。
・テッセンとのガチ戦をした。
ガチガチにメタったが、危うく負けそうになった。手持ちはゲーム参照。
・じしんの後出し
死ぬほど面倒くさい心理戦を要求する。わからない奴は即殺しできる。
・色違いのライボルト。
実はでんき技を精密に操作できる能力があったのだが、ニューサトシがメタったせいで披露できなかった。
現在ゲットしたポケモン
ピカチュウ Lv.60
ピジョット Lv.55
バタフリー Lv.55
ドサイドン Lv.59→60
フシギダネ Lv.56
リザードン Lv.61
カメックス Lv.57
キングラー Lv.55
カモネギ Lv.55
エビワラー Lv.57
ゲンガー Lv.57
オコリザル Lv.56
イーブイ Lv.55
ベトベトン Lv.55
ジバコイル Lv.55
ケンタロス Lv.55
ヤドラン Lv.54
ハッサム Lv.56
トゲキッス Lv.53
プテラ Lv.56
ラプラス Lv.54
ミュウツー Lv.73
バリヤード Lv.55
イワーク(オレンジ諸島の姿) Lv.54
カビゴン Lv.52
ニョロトノ Lv.52
ヘラクロス Lv.52
メガニウム Lv.51
マグマラシ Lv.51
ラティアス Lv.47
ヘルガー Lv.51
ワニノコ Lv.51
ヨルノズク(色違い) Lv.51
カイロス(部分色違い) Lv.51
ウソッキー Lv.51
バンギラス Lv.58→59
ゴマゾウ Lv.48→49
ギャラドス(色違い) Lv.49
ミロカロス Lv.20
ミズゴロウ Lv.37
スバメ Lv.36
ジュプトル Lv.37
ヘイガニ Lv.36
フライゴン Lv.50
コータス Lv.30