ニューサトシのアニポケ冒険記   作:おこむね

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#130 『負けたままでいい訳がない』

 12歳 θ月σ日 『どうも負け犬になっていたらしい』

 

 ハルカのコンテストも終わったし、次はどうするかと考えていると、タケシからトウカシティに行かないかと提案された。

 どうやら、昨日シュウと別れる際に近くであるコンテストをいくつか紹介されたようで、トウカシティ方面にあるコトキタウンでコンテストがあるらしい。

 

 うーむ。あいつはどうしても俺にコンテストを続けて欲しいみたいだな。とはいえ、ついこの間、バトルを優先すると決めたばかりだ。トウカシティ方面に行くのは良いとしても、コンテストに参加するつもりはない。

 

 そう言うと、珍しくタケシが厳しい顔で「それは本心か?」と問いかけてきた。

 

「なぁ、サトシ。何でコンテストに参加するのをやめたんだ? 俺から見て、お前とハルカにそう大きな技術差があるとは思えない。ハルカには悪いが、むしろ経験豊富な分、お前の方がいろいろと上だと思っている。今回のコンテストだって、もし出ていれば優勝出来たんじゃないか?」

 

 かもしれないが、別にグランドフェスティバルに出るつもりもないのに、今更コンテストで優勝してリボンを一個手に入れてもなぁ。

 それなら、原作通りにハルカのリボンを集めた方がいいだろう。最初はまだコンテストを舐めていたから、俺の実力でリボンを総なめにしてやろうとも思ったが、ここ数回のコンテストでそう現実も甘くないって知ったしな。

 

「それは、逃げじゃないか? 昔、お前がトレーナーになってすぐ、ニビシティジムリーダーの俺に挑戦してきたお前は、負けても決して諦めようとはしなかった。必ずリベンジすると言って、毎日貪欲にバトルを挑んできたじゃないか」

 

 随分と懐かしい話だ。そういや、あの頃はまだレベル20にもなっていないピカ様で、タケシのエースであるイワークに挑戦したんだっけか。結局、ホウエンに来る前まで本気の勝負では勝てなかったけど、旅をしながらタケシとは何度もバトルをした。

 

「お前は、カントーやジョウトを旅して少し大人になった。ハルカやマサトのような後輩も出来てそういう自覚も出たのかもしれない。けど、そのせいでお前が持っていた無鉄砲さがなくなってしまったように見える。あの時のお前なら、ハルカのことなんか気にしないでがむしゃらにコンテストに挑戦したはずだ」

 

 って言ってもなぁ。本格的にコンテストに時間を割くということは、チャンピオンリーグにかける時間を削るということだ。

 いくらなんでもそれは本末転倒だろう。レベリング問題だって解決したわけじゃないんだ。だからこそ、今はコンテストではなくリーグを優先して、落ち着いたらまたコンテストをやるという結論を出したのである。

 

「別に今のお前が駄目な訳じゃない。むしろ、トレーナーとして大分成熟してきているとも思う。けど、昔のお前のがむしゃらさは失ってはいけないものだ。いつか、お前が行き詰って足を止めた時、次に進むためにきっとそれが必要になる」

 

 思えば、ここまでタケシがガチで俺の心配をしたのは初めてかもしれない。それだけ、俺は変わってしまったのだろうか。

 自分では全く意識していなかったが、これまでずっと俺と一緒にいたタケシの言葉だ。最初は適当に聞き流そうかとも思ったが、こうまで言われるとちょっと気になってくる。

 

「いいじゃないか、少しくらい寄り道したって。チャンピオンリーグだって、後三回も挑戦できるんだ。今焦る必要なんてどこにもないだろう?」

 

 焦り、か。確かに、焦っていたのかもしれない。次は絶対に優勝するという目標が、一年で結果を出さないといけないという見えない足かせになっていた。

 コンテストもそうだ。予想外に負け続けたから、これ以上は時間の無駄と思ったけど、タケシの言う通り逃げだった。チャンピオンリーグや原作のハルカのことを言い訳にして、負けたことに目を背けただけ――確かに、昔の俺なら考えられない思考だ。

 

 負けたままでいい訳がない。

 

「ラティがかつ!」

 

 ふと、黙って話を聞いていたラティがそう声をあげた。そうだよな、お前はずっとリベンジしたいと思ってたんだもんな。

 タケシ風に言うのであれば、俺がいつのまにか無くしてしまったがむしゃらさを、ラティはずっと持っていてくれたのだ。

 

「そうだな。もうちょっとだけやってみるか」

 

 少し、視野が狭まっていた。タケシの言う通りだ。焦る必要はない。寄り道を楽しんでもいいじゃないか。そこで、新しい何かが見つかるかもしれない。

 強くなることは確かに大切だ。でも、コンテストバトルをすることで、新しく見えてきたものも確かにあった。本来なら、もっとレベリングに精を出すべきなのかもしれないが、きっと今までが駆け足過ぎたからそう感じるだけなんだ。

 

 ゆっくり強くなればいい。原作のサトシ君が、長い旅で強くなって答えを出したように――俺も、俺なりのポケモンマスターをこれから探して行けばいいんだ。

 

 そう結論を出すと、タケシが「それでこそサトシだ」と笑みを浮かべた。同時に、ずっと話を聞いていたハルカとマサトも何やらホッとした顔をしている。特にハルカは、俺が自分に遠慮してコンテストを辞退したんじゃないかとずっと気にしていたらしい。

 思えば、前回のコンテストで集中できていなかったのは、それを気にしていたというのもあったのかもしれないな。悪いことをしてしまった。

 

 俺がコンテストに参加すると聞いてラティが大喜びしている。別にラティで参加するとは言っていないのだが、こうまで喜ばれるとラティを選ばない訳にはいかないだろう。

 

 という訳で、次もラティで参加することにした。

 

 

 追記。ふと、原作やゲームでもコトキタウンでコンテストなんかなかったような気がしたのだが、どうやら参加条件にリボンを一つも持っていないというものがあるらしい。確かに、これなら既にリボンを二つ持っているハルカは参加条件を満たしていなかった。逆にそこまで実力者がいないということでもあり、俺のリハビリとしては丁度いいだろう。

 

 

 

 12歳 θ月τ日 『おやぁ、君はぁ?』

 

 方針も決まったので、シダケタウンを後にしようとすると、前にトウカシティでラルトスを捕まえるのに協力したミツル君と再会した。

 どうやら、大分体が良くなったようで、前見た時よりも元気になっている。割と育てられているらしく、ラルトスもキルリアに進化していて、うちのホウエン組とそうレベルが変わらない。

 

 どうも、ミツル君はキルリアと一緒に旅に出ようと考えているようだ。しかし、叔父さんが心配して旅を認めてくれないらしい。

 とりあえず、今のミツル君の実力を試しがてらバトルをすることになった。とはいえ、流石にまだ初心者のミツル君に負けるはずがなく、バトルというよりも指導のような形になっている。

 

 ニューサトシの指導を受けたミツル君は、「まだまだ学ぶことはたくさんあるんですね」と言って頷いていた。どうやら、旅に出る前にもう少し自分を鍛えることにしたようだ。

 なかなか意欲があるので、ニューサトシも簡単なバトルメモを渡してあげる。もうちょっと強くなったらまたバトルしような。

 

 

 

 12歳 θ月υ日 『ルンパッパのイメージ』

 

 この近くで名水百選にも選ばれた美味しい湧き水があるという森があるというので、少し分けて貰いに来た。のだが、何故かタケシのハスボーが村の井戸に落ちてしまい、救い上げたらハスブレロに進化している。

 

 なんぞそれと思っていると、村人が急にタケシのハスブレロを崇め称え出した。聞けば、かつてハスブレロがこの村の水不足を救ったという伝承があるということで、村人にとってハスブレロは崇拝の対象らしい。

 タケシのハスブレロも進化して少し陽気になったのか、乗せられるようにして村人と一緒に踊っていた。うーむ、俺の中のルンパッパのイメージと微妙に重なるな。

 

 

 

 12歳 θ月φ日 『トラウマチルット』

 

 森の中で翼を怪我したチルットを保護した。偶然知り合った自然保護官のモリタによれば、嵐に巻き込まれて群と逸れてしまったのではないかということで、ハルカが率先してチルットのお世話をしている。

 チルットも、甲斐甲斐しくお世話をしてくれるハルカに懐いているのだが、嵐の出来事がトラウマになってしまっているようで、怪我が治っても空を飛ぶことが出来なかった。

 

 いろいろと手を尽くして、少しずつ恐怖心を薄れさせることは出来たと思うのだが、やはり心の傷は深く完全にトラウマを払拭できずにいる。

 無理をさせるのも良くないということで、とりあえずハルカがゲットしてゆっくりリハビリをしようという話になった。期せずして仲間が増えたハルカだが、このチルットのトラウマを払拭するのはなかなか手がかかりそうだな。

 

 

 

 12歳 θ月χ日 『ゆっくりでいい』

 

 ハルカがチルットのトラウマ払拭について頑張る隣で、俺とラティもコンテストの練習を再開した。

 今回、一次審査については以前の演技を踏襲しつつ、多少アレンジを加えるという形で練習時間を削減し、二次審査のコンテストバトルの練習に重きを置いている。

 

 自分の魅力を見せるバトル――と、いうことで、タケシに練習相手を頼みながら、何度もコンテストバトルの練習をしていく。

 技を組み合わせる応用技は確かにポイントが高いが、基本の技をしっかり魅せることでポイントを稼ぐことも重要だ。焦らず、基本をしっかり練習しよう。仮に失敗しても、また参加すればいいのだ。チルットと一緒で、ゆっくりでいい。

 

 

 

 12歳 θ月ψ日 『ゴクリン大量発生』

 

 もうすぐコトキタウンが見えてくるのだが、その一つ前の街でゴクリンの大量発生が起こった。

 ゲームではポケモンが出やすくなる嬉しい出来事だが、この世界だとポケモンの種類によっては大惨事になる。特に今回のゴクリンは、街の食料を狙うタイプのようで放置しておけば街が壊滅してしまうだろう。

 

 仕方ないので急遽協力することにしたのだが、この街に住んでいるというシャクジイ博士とかいう博士が謎の兵器を持ち出してきた。

 その名も、ゴクリン駆除兵器超素粒子TH砲というらしいが、言ってしまえばモンスターボールの原理で一度ゴクリンを内部に吸収し、遠くへ撃ちだすというものだ。THは、蓄えるのTと、吐き出すのHという意味らしい。

 

 確かに凄いが、遠くに飛ばしたゴクリンはどうするつもりなのだろうか? また、近くの街を襲いかねないが?

 

 と、疑問を抱いたのだが、撃ちだす方向や距離を毎回変えれば、大群も小さくなり街を襲わなくなるだろうということだった。

 まぁ、他の街に被害が出ないならということで、その作戦で行くことにする。次々とゴクリンを街の外へ撃ちだし、ほぼ全てのゴクリンを対処することが出来た。

 

 しかし、後一体を残して兵器が故障し、吸収されたゴクリンが何故か巨大化してしまう。

 とりあえず、ニューサトシの怪力乱舞でゴクリンの進行を止めはするが、いくら身体能力に自信があるニューサトシとはいえ、このまま永遠に止めておくことは流石に不可能である。

 

 今のうちにどうにかしてくれ――と、思っていると、どんなに大きくてもポケモンならゲットできるというハルカのアイディアで、ゴクリンをゲットすることになった。

 体が大きくなったことで質量も上がっている=体重も重くなっているはずという推理によって、最適なボールであるヘビーボールを投げ、何とか一発でゲットしている。

 

 ゴクリンもエネルギーが切れれば元のサイズに戻るということだが、あれだけの大きさだと元に戻るまでかなりの時間がかかるということだった。まぁ、頑張ってくれ。

 

 

 

 12歳 θ月ω日 『気合十分』

 

 コトキタウンに着いた。早速ポケモンコンテストにエントリーすると、開催は明日ということでまだ一日練習する時間があったので、ラティと外で練習することにする。

 前のコンテストではバトル経験不足で混乱してしまったラティだが、流石にもうそんな素振りは見せていない。逆に今度こそは優勝してみせると、とても意気込んでいた。

 

 そんなラティの気合を見て、ハルカのチルットもリハビリを頑張っている。キッカケさえあればすぐに跳べるようになると思うのだが、そう簡単にキッカケが起きれば苦労はしないよな。

 

 

 

 12歳 ι月α日 『ポケモンコンテスト コトキ大会』

 

 遂にコンテストが始まったが、参加条件がリボンを持っていない人のみということで、今までのどのコンテストよりも参加者のレベルが低い。油断するつもりはないが、これなら余程手を抜かない限り、一次審査の突破は容易いだろう。

 

 俺達の順番が来ると、颯爽とラティと共にステージに立ち、その魅力を伝えていく。やはり、伝説のポケモンであるラティはその珍しさが際立つのか、審査員や観客の視線が釘付けになっていた。

 しかし、当の本人は特に緊張した様子もなく、楽しく演技する姿を見せつけることが出来ている。前のコンテストでもそうだったが、ラティはいい意味でマイペースなのだ。

 

 当然、一次審査はトップで通過した。まぁ、ハルカやシュウもいないのであれば当然と言っていいのかもしれない。

 

 だが、問題はここからのコンテストバトルだ。二次審査が始まると、一つ一つ丁寧に技を使って、相手のポイントを奪っていく。

 これまで俺はバトルの時のような大技でポイントを稼いでいたが、ああいう大技は逆にここぞという時に取っておかないと、他の技がショボく見えてポイントが稼ぎづらくなるとロバートとのバトルで習った。練習の時もそうだったが、一つの技を丁寧に使うのが大切なのだ。

 

 最終的には相手のポイントを削り切る前に戦闘不能にしてしまったが、コンテストから外れた荒々しいバトルにはなっていないので、特にポイントもマイナスになっていない。

 そのままセカンドステージ、ファイナルステージも、ほぼ一方的なバトルで勝負を決めた。ラティもコンテストバトルに慣れてきたようで、どうすれば相手のポイントを削れるかを理解してきたらしい。

 

 表彰式では、念願のリボンをゲットして、ラティが飛び上がって喜んでいる。そんな姿が可愛いからか、リボン渡す審査員達もほっこりした顔をしていた。

 

 

 追記。ラティが演技する姿を見て、チルットもコンテストに興味を持ったようだった。ハルカにしてみれば、いい影響を受けたと言っていいだろう。そのためにも、頑張ってまた飛べるようにならないとな。

 

 

 

 




 原作との変化点。

・無意識にコンテストから逃げようとしていたのを自覚した。
 ニューサトシ自身特に意識はしていなかったが、二度負けたことでもういいやみたいな気持ちになっていた。タケシの説得で負け犬になっていたことを自覚し、もう一度コンテストに挑戦することを決めた。

・ミツル君と再会した。
 旅に出たがっていた。ポケモンの育成が凄いが、バトル能力はまだまだだったので、ニューサトシが指導した。いずれ、ポケモン廃人になるかもしれない。
 
・第63話『ソルロックとハスブレロ! 聖なる森の伝説!!』より、ロケット団がいないので水不足にならなかった。
 よって、ソルロックの出番がまるまるカットされた。

・第64話『チルットの空! ハルカの心!!』より、ロケット団がいないのでチルットのトラウマが払拭されなかった。
 原作ではロケット団とのいざこざで飛べるようになるのだが、ロケット団がいないためトラウマを払拭できなかった。

・ハルカがチルットをゲットした。
 飛べないままなので、群れにも返せず、ハルカがチルットをゲットした。原作でもハルカの手持ちになればよかったのに。

・コンテストの練習を再開した。
 基礎こそが何より大事。

・第65話『ゴクリン撃退大作戦!!』より、キモリが巨大化しなかった。
 ジュプトルに進化していたので、吸収される前に逃げられた。代わりに、ニューサトシが巨大ゴクリンを止めている。

・コトキタウンのコンテスト。
 オリジナルコンテスト、ニューサトシが参加する都合上、オリジナルのコンテストが増えていく予定。リボンを一つゲットした。



 現在ゲットしたポケモン

 ピカチュウ Lv.61

 ピジョット Lv.55

 バタフリー Lv.55

 ドサイドン Lv.60

 フシギダネ Lv.56

 リザードン Lv.61

 カメックス Lv.57

 キングラー Lv.55

 カモネギ  Lv.55

 エビワラー Lv.57

 ゲンガー  Lv.57

 オコリザル Lv.56

 イーブイ  Lv.55

 ベトベトン Lv.55

 ジバコイル Lv.55

 ケンタロス Lv.55

 ヤドラン  Lv.54

 ハッサム  Lv.56

 トゲキッス Lv.53

 プテラ   Lv.56

 ラプラス  Lv.54

 ミュウツー Lv.73

 バリヤード Lv.55

 イワーク(オレンジ諸島の姿) Lv.54

 カビゴン  Lv.52

 ニョロトノ Lv.52

 ヘラクロス Lv.52

 メガニウム Lv.51

 マグマラシ Lv.51

 ラティアス Lv.47

 ヘルガー  Lv.51

 ワニノコ  Lv.51

 ヨルノズク(色違い) Lv.51

 カイロス(部分色違い) Lv.51

 ウソッキー Lv.51

 バンギラス Lv.59

 ゴマゾウ  Lv.49

 ギャラドス(色違い) Lv.49

 ミロカロス Lv.25→30

 ミズゴロウ Lv.38→39

 スバメ   Lv.37→38

 ジュプトル Lv.38→39

 ヘイガニ  Lv.37→38

 フライゴン Lv.50

 コータス  Lv.31→33


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