ニューサトシのアニポケ冒険記   作:おこむね

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#135 『頑張って跳べよ!』

 12歳 ι月υ日 『バネブーって、マグロやサメと同じ生態らしい』

 

 森の中でバネブーに出会った。しかし、代名詞というべき真珠が頭になく、本人も元気を失っている。

 どうやら、頭の真珠を森のどこかに落としてしまったようだったので、一緒に探してやることにした。

 

 バネブーも頭の上が落ち着かないようで、丸いものを見つける度にそれがポケモンでも頭に乗せようとしている。流石にマルマインを乗せた時は肝が冷えた。大爆発される前に、ミュウツーの『テレポート』でリリースしている。

 しばらくしていつものようにロケット団がやってくると同時に、ようやくバネブーの真珠を見つけた。コンテストで負けた腹いせにロケット団をやなかんじーにしてやると、そのままバネブーに真珠を返してやる。バネブーも真珠が戻ってきて大喜びしていた。

 

 そういえば、バネブーはマグロとかサメが泳いでいないと死ぬのと一緒で飛び跳ねていないと死んでしまうらしい。頑張って跳べよと、一言残してバネブーとお別れした。

 

 

 

 12歳 ι月φ日 『実は優しいツン?』

 

 今日も今日とて黒いラルトスをボールから出していると、突如としてリハビリをしているハルカのチルットを『テレポート』で上空へ送っているのを見てしまった。

 当然、飛べないチルットは落下するのだが、今までのリハビリで大分トラウマも薄れていたこともあって、勇気を出して羽を動かし、ようやく自由に空を飛んでいる。

 

 いや、お前、結果的に飛べたからよかったものの、失敗していたらこれまでの努力も無駄になっていたんだぞ――と、言おうとしたら、既にハルカが言っていた。

 

 しかし、ラルトスはそんなハルカの声などどこ吹く風というような様子で、いつものようにガン無視している。それを見て、ふと俺は本当にラルトスは気まぐれで『テレポート』したのか疑問になってきた。

 思えばこいつが誰かにちょっかいを出すなど初めてのことだ。これまで近くには居ても、人間はおろかポケモンにすら気を許さなかったこいつが、イタズラで飛べないチルットを『テレポート』するなんてことするだろうか?

 

 もしかしたらだが、こいつにはチルットが飛べるという確信があったのかもしれない。

 いや、正確には、チルットはもう飛べる状態だったが、精神的なブレーキで最後の一歩だけが踏み出せていなかった。それを見たラルトスが、敢えて背中を押してやったのではないか?

 

 あくまで推測だが、ラルトスは頭のツノで人の感情が読めるみたいな能力があったはずだし、チルット自身が気付いていなかったものを見通したのではないかと思っている。

 

 その証拠に飛べるようになったチルットがお礼を言うように、ラルトスの周りを飛んではしゃいでいた。ただイタズラされただけなら、チルットもあんな態度取らないだろう。

 本当はラルトスも心の優しい奴なのだ。

 少なくとも、俺は今回の件を見てそう感じた。しかし、やはりショック療法はやり過ぎじゃないだろうか? 出来れば一言相談が欲しかった所だよ、ラルトス君。

 

 

 

 12歳 ι月χ日 『ポケリンガなるスポーツがあるらしい』

 

 ヒワマキシティを目指している途中、クロスゲートタウンという街に立ち寄った。

この街は風の交差点という通称があるようで、突風や竜巻が良く起きるらしい。コナン映画みたいな通称だな。

 

 そこで知り合ったカイトという少年によると、今日はポケリンガとかいう競技の大会が行われるということだった。

 一瞬、ベロリンガの知り合いかとも思ったが、聞けばトレーナーとポケモンでチームを組み、他のチームと空中にあるリングを奪い合って、先にリングをゴールに引っ掛ければ勝ちというルールの競技らしい。

 

 今日開催で誰でも参加できるということで、俺がスバメで参加することにした。ハルカも最近飛べるようになったチルットで参加を表明している。

 タケシは残念ながらひこうタイプのクロバットを実家に置いて来ているようで、参加は断念するようだった。しかし、ラティはひこうタイプではないが特性の『ふゆう』があるのでやろうと思えば参加できなくもない。が、今回は黒いラルトスを構うのに夢中なようでラティ自身が参加したがっていなかった。

 

 何だかんだ足を止める時は黒いラルトスをボールから出してやるのだが、未だに懐く気配はゼロである。ちなみに、前回のコンテストでも自由にさせていた。

 まぁ、未来の俺(多分)からの伝言で、そう簡単にいかないというのはわかっているので、今は少しでも俺というトレーナーに慣れて貰うだけでいいだろう。

 

 と、いう訳でポケリンガの大会に飛び入り参加したのだが、見た感じ参加者の数がかなり多い。そのせいか、一回戦から四回戦までは四人一組のグループで戦うということだった。五回戦から一対一のルールに変わるらしい。

 組み合わせを見ていると、どうも俺の一回戦のグループに優勝候補がいるということで、辺りが騒然としている。当の優勝候補はなかなかガタイの良い奴で、こちらを馬鹿にしたような態度を取っているが、ああいう奴に限って大したことないんだよなぁ。

 

 と、思っていると、後ろからロケット団のコジロウが声をかけてきた。どうやら、こいつもポケリンガに参加するつもりらしい。

 こいつ、ひこうタイプのポケモン持ってたっけか? と、一瞬、首を傾げたが、しっかりとムサシのドクケイルを借りているようだ。まぁ、こいつらはリーグでもポケモンを貸し合うような仲だし、コジロウがムサシのポケモンを借りても不思議ではない。

 

 聞けば、昔高名なポケリンガーの下で修業したことがあるということで、今回は真面目に参加しているようなのだが、普段が普段だけにハルカが全然信じていなかった。

 

 とりあえず、俺もハルカもルールすら把握していないので、自分の番が来るまでに他のグループを見ている。ちなみに、ハルカはコジロウと同じ最後のグループだった。

 

 しかし、こうしてみてみると、なかなか奥が深い競技である。上空の気球についているリングを奪って、下のゴールに引っ掛けるという単純なルールだが、他のポケモンの動きや風などの自然の状況を上手く使うのも重要なファクターになっている。

 最初は、他のポケモンを全員ボコボコにすればいいくらいにしか考えていなかったが、一瞬の隙が勝敗を分かつこともあるようで、五回戦までは迂闊に攻めるのは悪手かもしれん。

 

 さっき知り合ったカイトも無事に一回戦を突破したようで、俺の番になったのだが、優勝候補がバルビートで『かみなり』を連打するという頭の悪いことをしてきた。

 いや、俺以外の二名がそれで脱落してしまったので、一概に馬鹿には出来ないのだが、命中率の低い『かみなり』など見ていれば簡単に避けられる。外した隙にリングを奪ってやったのだが、後ろから『かみなり』で追ってきた。

 

 ぶっちゃけ、『かげぶんしん』や『でんこうせっか』を使えば、一気にゴールまで逃げられるのだが、あまり調子に乗られてもウザいので先に倒すことにする。

 そのままUターンして、『かみなり』を避けながら、『つつく』、『つばめがえし』、『つばさでうつ』、『ブレイブバード』の四段階攻撃を当てて一気に戦闘不能にしてやった。

 

 敵が誰もいなくなったので、悠々とゴールにリングを引っかける。やっぱりこうなったな。優勝候補とか言われて調子に乗っている奴に限って大したことないのである。

 

 俺が勝ったことでハルカも続こうとしたようだが、コジロウが思ったよりも上手かった。

 風の動きを読んだり、ハルカの『かぜおこし』を逆に利用したりして圧勝している。どうやら、高名な先生に修行して貰ったというのは嘘ではないようで、自分のポケモンではないドクケイルでもかなりの技術を見せていた。

 

 そのまま、順調に準決勝まで勝ち進むと、俺の他にカイトやコジロウも勝ち進んでいる。

 俺はエアームド使いを軽くひねって決勝の権利を掴んだが、カイトとコジロウは互いに風を読み合って動かないという高度な駆け引きをしていた。最終的には雲の動きを読んだコジロウが、太陽を使った目つぶしで相手の動きを止めて勝利している。

 

 決勝は俺とコジロウになったのだが、コジロウが先制で仕掛けてきた『サイケこうせん』を回避した瞬間、クロスゲートタウン名物の竜巻が発生してゴールに近づけなくなってしまった。

 こうなると、勝負は竜巻が収まった後、どちらが先にリングを取るか――と、いう状況なのだが、風の動きが読めるコジロウにいつ竜巻が収まるか読む対決など挑んでも勝ち目はないだろう。

 

 ならば、先手必勝。一か八か、『ブレイブバード』で一気にリングまで突っ込ませることにした。

 風は強いが、技の勢いで一気に突っ切る。とはいえ、スバメの体格を考えれば出来るかどうかは賭けだ。これがピジョットやプテラなら問題ないのだろうが――と、考えていると、スバメが風の中でオオスバメに進化した。

 

 体が大きくなったことで安定感が戻り、そのまま一気にリングを奪っていく。コジロウが慌ててリングを奪い返しに来たが、一度優勢になればこちらのものである。『つばめがえし』で、ドクケイルをぶっ飛ばしてゴールまで一気に駆け抜けた。

 

 負けたコジロウが本気で悔しがっているが、まぁここはニューサトシの方が一歩上手だったということで、優勝トロフィーとクロスゲートタウンの名誉町民の称号を手にする。

 ぶっちゃけ、名誉町民になって何か意味あんのか? と、思ったが、まぁくれるものは貰っておこう。準優勝だったコジロウは、俺の横で涙ながらに先生とやらに謝っていた。

 

 

 追記。大会が終わった後、参加者のポケモンが盗まれる事件が起きたということでジュンサーが犯人を捜していた。コジロウを見るも、全く知らない様子だったので、今回はどうもこいつらの仕業ではないらしい。

 

 

 

 12歳 ι月ω日 『アフロ事件』

 

 ロケット団が意味不明な機械で襲ってきて、その結果俺以外の奴がアフロになるという事件が発生した。ラティは一度変身を解いて戻ることでリセットが出来るが、それ以外のメンツはしばらくアフロである。

 思わず大爆笑しながら歩いていると、ハルカが「笑いすぎかも!」と怒り出した。これが笑わずにいられるかよと大爆笑していたのだが、タケシの「俺は意外と気に入っている」というセリフで笑いも止まった。お前、通常時からアフロになったら絶交するからな。

 

 その後、雨が降って近くの館で雨宿りしたり、ハルカとマサトが喧嘩したり、館で怪奇現象が起きていたり、ロケット団を再びやなかんじーにしたり、館の主人のカゲボウズが怪奇現象の犯人だったりと、まぁいろいろなことがあったのだが、アフロ事件に比べたら大したことはなかった。

 

 

 

 12歳 κ月α日 『ロケット団を生贄に、上級モンスターを召喚するゼ!』

 

 ロケット団が野生のキノガッサの群れに襲われているのに巻き込まれた。どうも、ロケット団が彼らの食事を横取りしたせいで、後を追われているらしい。

 俺達は完全なとばっちりなのだが、頭に血が上っているキノガッサ達は問答無用で襲ってくる。

 ここは素直にロケット団を差し出して怒りを抑えるしかないということで、フシギダネの『しびれごな』でロケット団を生贄に、何とかキノガッサ達から逃げ出した。

 

 

 

 12歳 κ月β日 『ダブルコンテスト』

 

 近くの街でポケモンコンテストがあるということで、寄って行くことにしたのだが、どうやら普通のコンテストとルールが違うようだった。

 見ると、二体のポケモンを使った一次審査と、ダブルバトルによる二次審査があるということで、近くのポケモンコーディネーターに話を聞くと、今回のコンテストでは二体のポケモンのコンビネーションによる魅力がキーになるらしい。

 

 難しそうなコンテストだが、グランドフェスティバルの二次審査もタッグバトルだということで、ハルカもやる気を出している。

 どうやら、ずっとコンテストに出せなかったアチャモとコドラで参加するつもりのようで、実家からコドラを転送して貰っていた。前回調子に乗って失敗しまくった分、今回は誰が見ても恥ずかしくない演技をすると意気込んでいる。

 

 対するニューサトシは、どうするか困り果てていた。コンビネーションで演技をする以上、ある程度経験を積んでいるラティを選ぶと相棒がついていけない可能性がある。

 うーむ、と頭を悩ませていると、ピカ様とフシギダネが任せろとばかりに前に出てきた。ずっと練習を見ていたピカ様はともかく、どうもフシギダネは前回ハルカのフシギダネがコンテストを失敗してから練習を手伝っていたようで、少し自信があるらしい。

 

 見るのとやるのじゃ難しさは段違いだが、何だかんだピカ様とフシギダネも古い付き合いだし、コンビネーションは問題ないだろう。

 下手な組み合わせを作るより本人達のやる気を買った方が良いと判断し、今回のコンテストにはピカ様とフシギダネで参加することにした。

 

 コンテストまでの数時間で、ピカ様とフシギダネの魅力を活かした演技のプランを考え、通しでやってみたがわりかし上手く行っている。

 フシギダネもコンテストの基本は抑えてくれているようで、観客へのアピールもバッチリのようだ。俺はバトル以外興味ねぇみたいな性格だと思っていたが、これがどうしてなかなかノリノリである。

 

 ピカ様はずっとハルカの練習を見たり、付き合ったりしていたおかげもあって安定性が段違いだった。

 むしろ、お前こんなに上手かったんか。と、ツッコミを入れるくらい演技が上手い。こんなことなら、もっと早くピカ様を選べばよかった。ずっと近くにいると、逆に見えなくなるものだな。

 

 これならいけるということで、そのままコンテスト本番を迎えた。

 

 審査員達の挨拶が終わると、控室に行く前にハルカが両手を合わせてこちらに差しだしてくる。おや? と、思ったが、ハルカが「心機一転!」と言ってくるので、仕方なくパチーンと久しぶりに幸平式緊張ほぐし術を使ってやった。

 そのおかげもあってか、ハルカも「よーし、いくわよ!」と気合を入れ、トップバッターとして飛び出していく。

 

 開幕、ハルカは小さいアチャモを力のあるコドラで空中に投げ、アチャモが空中でほのお技を使ってアピールするという王道な方法で攻めてきた。

 しかし、王道というのはそれだけ良いものということでもある。メインをアチャモ、アシストをコドラにすることで、お互いの良い所を魅せるという作戦でハルカは余裕で一次審査を突破している。

 

 対するこちらはピカ様とフシギダネの小型コンビだ。とはいえ、舐めて貰ってはいけない。フシギダネの『つるのむち』は手以上に繊細な動きを可能にしている。また、パワーもあるので、ピカ様や自身を持ち上げていろいろな動きをすることが出来るのだ。

 他にも、ピカ様がブレイクダンスからの『10まんボルト』というアドリブを見せてきたが、お前それ原作DP編で習得したカウンターシールドではないかね?

 

 空中で電撃が網のようになり、その美しさに観客が沸いている。今度、バトルにも応用しよっと。

 また、フシギダネも負けじと、ピカ様の電撃に粉技を当てて即興の花火を作ってアピールしていた。どうやら、前に粉技で花火を作ったのをバタフリーから聞いていたらしい。

 

 とても初コンテストとは思えない連携を見せ、こちらも一次審査は余裕で突破した。

 

 二次審査はダブルのコンテストバトルである。シングルの時と同じでCPは100のままだが、二体のポケモンで共通のポイントを使うらしい。

 つまり、ピカ様とフシギダネで合わせて100ポイントあり、ピカ様がミスしても、フシギダネがミスしてもポイントが削られていくということだ。

 

 シングルと違ってちょっとしたミスが大きくポイントを削りそうだが、ハルカは慣れていないダブルでも良く戦っていた。

 おまけに、初戦を戦っていたハルカのアチャモがここでワカシャモに進化している。進化したことで体格が良くなり、パワーもスピードも格段に上がっていた。コドラと合わせても、大小の凸凹コンビというような印象は消え、そのままの勢いで一気に相手のポイントを削り切っている。

 

 こちらもピカ様とフシギダネが抜群のコンビネーションを見せた。元々、フシギダネは割と視野が広い方だったということもあり、お互いがお互いをフォローする動きを意識しているので隙が無いのだ。

 隙が無いから相手は上手く攻め入ることが出来ず、こちらの動きに翻弄されまくっている。フシギダネが『つるのむち』で相手を空中に投げ、ピカ様が『アイアンテール』で叩き落すというコンビプレーが勝因となり、そのままこちらも相手から勝利をもぎ取った。

 

 ファイナルステージは俺とハルカとなった。

 

 思えば、こうしてちゃんとハルカとコンテストで戦うのは実は初めてかもしれない。最近まで俺は負けっぱなしで先へ進めていなかったし、逆にハルカは順調に実力を伸ばしてきた。

 しかし、負けるつもりはない。

 確かに、ハルカにはコーディネーターとしてのセンスがある。まだポケモンを貰って半年くらいしかたっていないのに、既にリボンを二つゲットしているのだ。運の絡んだ内容も少なからずあったが、それでも今ここで俺の前に立っているのは実力があるからである。

 

 その才能は俺以上かもしれないが、俺だってトレーナーとしてもう三年のキャリアがあるのだ。悪いが、まだまだハルカに負けてやる訳にはいかない。

 

 ファイナルステージがスタートすると、ハルカはワカシャモの『ひのこ』でフシギダネを攻めてきた。

 素直に相性を突いてきたのだろうが、ハルカ自身にダブルバトルの経験があまりないからかコドラへの指示が遅れている。本来なら、同時にピカ様を狙わせる場面だが、おかげでフリーに動けそうだった。

 

 フシギダネは背中のタネから『ねむりごな』を壁のように噴射し、『ひのこ』を粉塵爆発で回避している。上手い防御で、ハルカのポイントが10マイナスされた。

 同時に、ピカ様には『ざぶざぶサーフ』で全体攻撃を仕掛けさせる。ワカシャモもコドラも、みずタイプの技は二倍弱点だ。通れば、ポイントの減少は避けられない。

 

 しかし、ハルカもやられたままではいないようで、ワカシャモをコドラの後ろに移動させ、コドラの『まもる』で攻撃を防いできた。

 本来ならば自分しか守れない技だが、防御範囲に仲間を入れることで全員を守ることが出来る。上手いガードで、こちらのポイントが10マイナスされた。

 

 とはいえ、悪いが攻めの手を緩めるつもりはない。速攻はニューサトシの得意分野であり、こいつらの得意分野でもある。

 ピカ様に『ほうでん』、『10まんボルト』のマチス式アニポケ殺法を指示して、さらに全体攻撃を仕掛けていく。フシギダネにも攻撃が当たる危険性があるが、『つるのむち』を使ったジャンプで上手く攻撃を回避させた。

 

 強化された電撃がピカ様を中心に大きく波を撃つように放たれ、ワカシャモとコドラに直撃していく。割と演出を重視しているようで、電撃の波が美しく泳いでいた。

 しかし、こちらも演出面に気を使ったこともあって、通常よりも威力が大分下がっている。それでも、『ほうでん』の三割、『10まんボルト』の一割の追加麻痺効果が当たったらしく、ワカシャモもコドラも体が麻痺していた。

 

 でんき技の組み合わせによる美しい全体攻撃と、フシギダネの技術による回避、攻撃後の相手への追加効果まで含め、ハルカのポイントが一気に25も削られる。

 ハルカの表情が苦し気に歪む。一対一なら、まだワンチャンあったかもしれないが、ハルカも慣れないタッグで一杯一杯のようだ。とはいえ、手を抜くつもりはない。

 

 ハルカもまだ諦めてはいないようで、コドラが麻痺で動けなくなるも、ワカシャモが『にどげり』でピカ様に攻撃を仕掛けていく。

 こちらもピカ様が全く同じ技である『にどげり』で攻撃を受け流した。種族値はワカシャモの方が上だが、ピカ様の技術があるからこそ出来る芸当である。同じ攻撃で技を流されたことで、ハルカのポイントがさらに10削られていく。

 

 おまけに、その間にフシギダネが『ソーラービーム』のチャージをしており、ピカ様が『10まんボルト』の単発でワカシャモの動きを誘導して二体が重なるように追い詰めた。

 直後フシギダネの『ソーラービーム』が発射され、コドラが『まもる』で攻撃を防いでいく。だが、『まもる』は連続ガードが難しい技だ。向こうの『まもる』が切れた瞬間、『10まんボルト』でさらなる追撃をかけてやる。

 

 ハルカもワカシャモに『かえんほうしゃ』で追撃を指示したが、流石にピカ様の攻撃は防ぎきれず、ワカシャモとコドラが追撃の『10まんボルト』の直撃を受けた。

 こちらの連携が評価されハルカのポイントがさらに20削られるが、全てのポイントが削り切られる前にワカシャモとコドラがバトルオフになってしまったようで倒れている。

 

 俺も、コンテストバトルに大分慣れてきたな。ようやく、全体の流れが掴めてきたような気がする。

 ハルカも、何も出来ずに負けて悔しそうにしているが、自身の経験不足が大きな原因なのはわかっているらしく何も言えないようだ。奇しくも、俺がこれまで培ってきた経験が生きたバトルだった。

 

「サトシの土俵でバトルしたら私に勝ち目なんかない。もっと、こっちの得意な土俵に引き込むべきだった……」

「だな。まぁ、これがタッグバトルじゃなかったら、ハルカも簡単に流れは渡さなかったかもしれないけど、序盤から俺の流れだったのを変えられなかったのが問題だったな」

 

 ハルカのタッグバトルの経験不足でバトルの流れは終始俺が掴んでいた。元々バトルの技術差もあるのに、流れまで掴まれては勝ち目などないだろう。

 ハルカもシングルなら、自分のペースで自分のコンテストバトルが出来ただろうが、今回は俺の速攻に引き込まれて対応に精一杯だったからな。先程も書いたが経験勝ちだ。

 

 表彰式でリボンを貰い、ケースにしまっていく。

 

 これで、俺もようやく三つ目のリボンだ。後二つでグランドフェスティバルに出場できる。折り返し地点を超えたな。

 ピカ様もフシギダネも良くやってくれた。特にフシギダネはとても最近練習に付き合っていただけとは思えない練度だ。器用な男はモテるようで、ハルカのフシギダネが尊敬の視線で見ていた。

 

 おうおう、デレデレしてやがるぜ。

 

 

 

 




 原作との変化点。

・第79話『バネブーの探し物!?』より、裏でコイキング売りの親父がまた悪さをしていたのでロケット団に成敗された。
 コイキングの色を塗ってヒンバスを偽って売っていた。しばらく悪さが出来ないようにボコボコにしている。

・黒いラルトスがチルットのトラウマを克服させた。
 克服(無理矢理)。

・第80話『初挑戦! 空中競技・ポケリンガ!!』より、裏でロケット団がポケモンを盗んでいた。
 原作ではコジロウを回収しようとして捕まってしまったが、こちらにはニューサトシがいるので敢えてコジロウを囮に使った。コジロウ自身も作戦を知らないので、上手いカモフラージュになっている。

・第81話『カゲボウズの館!』より、ニューサトシだけはアフロにならなかった。
 思わず大爆笑した。

・第82話『森の格闘王! ワカシャモVSキノガッサ!』より、キノガッサにロケット団を渡した。
 よって、ハルカのアチャモが進化するシーンはカットされた。

・ダブルバトルコンテストに参加した。
 オリジナルコンテスト。けど、ダイパ編見直したら普通にこういうコンテストもあった。

・ピカ様とフシギダネで参加した。
 ピカ様が疑似カウンターシールドをしていたのを見て、今なら出来るとニューサトシが確信した。

・ハルカのアチャモが進化した。
 前回進化しなかったので、ここで進化した。

・ハルカと初めてコンテストバトルをした。
 ニューサトシ有利な状況もあって、流石に負けなかった。



 現在ゲットしたポケモン

 ピカチュウ Lv.61

 ピジョット Lv.56

 バタフリー Lv.56

 ドサイドン Lv.60

 フシギダネ Lv.57

 リザードン Lv.61

 カメックス Lv.57

 キングラー Lv.56

 カモネギ  Lv.56

 エビワラー Lv.57

 ゲンガー  Lv.58

 オコリザル Lv.56

 イーブイ  Lv.56

 ベトベトン Lv.56

 ジバコイル Lv.56

 ケンタロス Lv.56

 ヤドラン  Lv.55

 ハッサム  Lv.57

 トゲキッス Lv.54

 プテラ   Lv.57

 ラプラス  Lv.55

 ミュウツー Lv.73

 バリヤード Lv.56

 イワーク(オレンジ諸島の姿) Lv.54

 カビゴン  Lv.52

 ニョロトノ Lv.52

 ヘラクロス Lv.52

 メガニウム Lv.51

 マグマラシ Lv.51

 ラティアス Lv.47

 ヘルガー  Lv.51

 ワニノコ  Lv.51

 ヨルノズク(色違い) Lv.51

 カイロス(部分色違い) Lv.51

 ウソッキー Lv.51

 バンギラス Lv.59

 ゴマゾウ  Lv.49

 ギャラドス(色違い) Lv.49

 ミロカロス Lv.35→36

 ミズゴロウ Lv.41

 スバメ→オオスバメ Lv.40→41

 ジュプトル Lv.41

 ヘイガニ  Lv.40

 フライゴン Lv.50

 コータス  Lv.38→39

 ラルトス(色違い) Lv.30


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