ニューサトシのアニポケ冒険記   作:おこむね

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#142 『イの島はラーの翼神竜だな』

 13歳 κ月φ日 『バネブーゲットかも』

 

 トクサネシティを目指して海を移動していると、海の上で板に乗っているバネブーを見つけた。

 こいつはもしかしてと思って声をかけると、板の上にバランスよく乗っていたバネブーが体勢を崩して頭の上の真珠が落っこちてしまっている。間違いない、こいつは前に助けたバネブーだ。

 

 とりあえず、また真珠を無くしてしまったバネブーを助けることになったのだが、紆余曲折あって近くの島にいたパールルに新しい真珠を貰っていた。そういえば、バネブーの真珠はパールル産だったっけか。

 

 これで一件落着ということで、もう無くすなよと声をかけて別れようとした――のだが、これも何かの縁ということで、ハルカが自分と一緒に来ないか声をかけている。

 どうやら、前回のコンテストで苦戦させられたカナタのブーピッグが印象に残っているようで、バネブーに将来性を感じたのかもしれない。バネブーも特に嫌がるような様子もなく、ハルカにゲットされていた。

 

 

 

 13歳 κ月χ日 『深海の宝ねぇ』

 

 トクサネシティに向かう途中、ワズワ島という島に寄ったのだが、そこで海の男を名乗るソウヤとかいう奴に出会った。

 ソウヤは深海の沈没船に眠る宝を探しているということで、興味を持ったラティやマサトが一緒に行きたがっている。流石に二人だけに行かせる訳にもいかないので一緒に行くことになった。

 

 途中、潜水艇が深海の海流に飲まれてどこかへと流されてしまい、ジーランスが住居にしている海底洞窟に辿り着いたのだが、そこで噂の沈没船らしき船を見つける。

 おまけに、ちゃんと宝箱もあったようで、マジでお宝ゲットか――と、驚いていると、いつものようにロケット団が現れて、ソウヤが持っていた宝箱が奪われてしまった。

 

 あーあと思いつつも、いつものようにやなかんじーにしてやろうとしたのだが、ここは洞窟で天然ガスがあるかもしれないということで、電気は引火する可能性があると言われる。

 一瞬、攻撃を躊躇うと、ロケット団は出口を塞いでそのまま逃げてしまった。まぁ、ポケモンを奪われた訳じゃないし、別にいいかとも思ったのだが、海で泳いでいるジーランス達がもう一つの出口を教えてくれる。

 

 そのまま無事に脱出に成功すると、丁度ロケット団も出てきた所だったので、サクッと奪われた宝箱を取り返してやなかんじーにしてやった。

 

 宝箱の中には結構な量の緑の欠片が入っている。一応、売却アイテムではあるが、まぁお宝というにはしけた中身だ。

 しかし、秘宝ではなかったが、それでも宝を見つけたことに意味があるようで、ソウヤはこれからも夢を追い続けると言っていた。まぁ、頑張ってくれ。

 

 

 

 13歳 κ月φ日 『負け癖』

 

 ひこうタイプ限定のポケモンコンテストがあるということで寄って行くことにした。

 前にカスミさんがゲストとして呼ばれたコンテストのひこうタイプ版だが、このコンテストではちゃんとリボンが貰えるらしい。カスミさんが聞いたら怒りそうな違いである。

 

 とはいえ、ひこうタイプは割と自信があるということで、今回はトゲ様で挑戦するつもりだ。つーか、ひこうタイプでコンテストに興味がある奴はバタフリーとトゲ様、ギャラドスしかいなかった。

 ギャラドスはひこうタイプだが飛べないし、むしタイプが入っているバタフリーは少し不利と考えてのトゲ様選出である。消去法ともいうが、本人は出番を貰えて喜んでいるので選出したことにしておこう。

 

 勿論、ハルカも挑戦すると思ったのだが、今回は止めておくと言っている。どうも、俺に二連敗したことで負けるのが怖くなったのかもしれない。

 

 普段なら性根を叩き直してやる所だが、元凶の俺が言っても伝わらないだろう。それがハルカの選択なら仕方ないと思っていると、チルットが羽でハルカの頭をぺしぺし叩きだした。

 その目には涙が浮かんでいる。

 言葉にしなくても伝わった。戦う前から負けを認めるなと、チルットはそう言っているのだ。ずっと空を飛ぶのを諦めずにリハビリを続けていたチルットだからこそ、ハルカにコンテストを諦めて欲しくないと思ったのだろう。

 

 ハルカも涙を浮かべながら、チルットに謝っていた。そして、今回のひこうタイプ限定コンテストは、チルットで挑戦すると宣言している。

 一瞬、手加減すべきかと思った。

 今のハルカは負け癖がつきつつある。もしここで負ければ、ハルカはもうコンテストに挑戦しなくなるかもしれない。俺がコンテストに参加したことで、いろいろな変化が起きているが、これ以上はまずいのではないかと危険を感じたのだ。

 

 しかし、ハルカはそんな俺の考えを見抜いたように、「手加減しないでよね」と言ってきた。

 

 そうだよな。

 

 ニューサトシが手加減なんてするはずがない。俺の性格をハルカはよくわかっている。もし手を抜けば、すぐに気付くだろう。俺に出来るのは、力の限りコンテストに挑戦することだけだった。

 

 

 

 13歳 κ月ω日 『ひこうタイプ限定コンテスト』

 

 ひこうタイプ限定のコンテストが始まった。とはいえ、想定よりも余裕はない。何せ、トゲ様はイーブイと違って一日しか練習していないので完全な付け焼刃だ。

 対するハルカは、普段からチルットと練習を繰り返しているだけあって演技に淀みはない。手加減なんて考えていた自分が恥ずかしくなるほど、ハルカは一次審査を圧倒的な点数で独走していった。

 

 今回はいつものように、幸平式を求められていない。どうも、俺への甘えを完全に捨て去るつもりのようで、今までのハルカとは覚悟が違った。

 

 二次審査は四人なので、一度勝てばファイナルステージである。俺とハルカは順調にファーストステージを勝ち抜き、ファイナルステージでバトルすることが決まった。

 チルットもついひと月まで飛べなかったのが嘘のような動きだ。とはいえ、それだけ飛べるようになってから頑張ったということでもある。油断すれば負けるだけの力は十分に持っていた。

 

 ファイナルステージがスタートすると、ハルカはチルットを大空へ上昇させた。二次審査の初戦で、俺の対戦相手がまひるみコンボの前に何も出来なくなったのを見ているので警戒しているのだろう。

 とはいえ、こちらも飛行技術にはそこそこ自信がある。流石につい最近飛べるようになったばかりのチルットに負けはしない。

 

 こちらが『エアスラッシュ』で先制しようとすると、『しろいきり』で姿を隠してきた。技を使ったテクニカルな回避で、こちらのポイントが10削られる。

 とはいえ、このまま技を連打すれば霧も晴れるだろう。エアスラ連打で、霧をかき消すと気が付いたらチルットはトゲ様の背後に回っていた。背後から『とっしん』で突っ込んで来ようとするので、攻撃を回避して『しんそく』でそのまま迎撃する。

 

 こちらの『しんそく』によって、向こうのポイントが15削られた。しかし、まだまだとばかりに、『とっしん』で猛追してくる。

 種族値差のおかげで、『しんそく』で十分対応できるが、ここは確実に『でんじは』で動きを止めることにした。だが、こちらの『でんじは』指示と同時に、『とっしん』をキャンセルして『しんぴのまもり』で状態異常を防いでくる。

 

 どうやら、動きを読まれたらしい。

 

 こちらの『でんじは』が上手く無効にさせられたことで、さらにこちらのポイントが15削られる。

 種族値に差があるチルットでここまで食らいついてくるとは、やはり今回のハルカはひと味違うみたいだな。

 

 ならば、こちらもそちらの動きを封じて行こう。再びの『とっしん』に合わせて、『まもる』で相手の攻撃を防いでいく。チルットの攻撃を『まもる』で防ぐと、ハルカのポイントがさらに10削られた。これで五分だな。

 これでこちらは全ての技を使ってしまったが、『しんそく』と『エアスラッシュ』が残っていれば十分だ。怯みゲーで、全てを粉砕してやる。

 

 ハルカの表情は暗い。どうやっても勝ち筋を見つけられないのだろう。実際、ほぼレベル技しか覚えていないチルットではトゲ様を突破するなど不可能に近い。

 こちらのポイントを削ろうにも、有効な技はもう残っていなかった。『とっしん』は『まもる』で無効化され、『しろいきり』や『しんぴのまもり』はあくまでも防御技なので、相手のポイントを削るには使いづらい。

 

 残り時間は約半分。まだ時間はあるが、ハルカには打開が出来る手段がない。

 

 しかし、こちらには必殺の『エアスラッシュ』と『しんそく』があった。『しんそく』で距離を詰めると、『エアスラッシュ』で怯みを狙っていく。

 だが、チルットも諦めなかった。

 こちらの『エアスラッシュ』を受けながらも、気合で怯みを回避し、『しろいきり』をトゲ様の顔面近くで発動させることで、視界を奪いつつ攻撃から脱出している。

 

 こちらの攻撃が当たったことでハルカのポイントが削られるが、脱出の技術が評価されてポイントは相殺された。

 すかさず、『しんそく』で追撃を指示するも、『とっしん』で自分からぶつかることで、ダメージを最小限に抑えている。ポイントは動かない。

 

 ハルカはそんなチルットを見て、自分の頬をパンと強く叩いた。

 チルットがまだまだ諦めずに頑張っているのに、相棒の自分が戦いを諦めていたことに気付いたのだろう。

 

 また、そんなハルカの気合を見て、チルットもまた気合を入れるように声を上げた。

 同時に体が光り、チルットからチルタリスへと進化していく。進化したことで、ノーマル・ひこうタイプから、ドラゴン・ひこうタイプへと変わった。こうなるとわかっていれば、最後の技にフェアリータイプの技を残していたのだが、こちらは既に技を全て使っている。

 

 ハルカは素早く図鑑を確認すると、新技である『ムーンフォース』を指示してきた。

 タイプ不一致だが、フェアリータイプの特殊技だ。威力95で、今のチルタリスに使える技の中では一番威力が高いのだろう。

 こちらも『エアスラッシュ』で反撃する。いくらムンフォとはいえ、不一致で火力は微妙だ。ここで一気に勝負をつけてやる。

 

 互いの攻撃がぶつかると、やはりこちらが優勢だった。しかし、わかっていたとばかりに、ハルカは「ゴー!!」と指示を飛ばす。

 

 その瞬間、チルタリスが真っすぐトゲ様に突っ込んできた。『ムーンフォース』は撃ち切るタイプの技故に、攻撃後の動き出しが早い。『エアスラッシュ』が『ムーンフォース』を貫いたことで、ハルカのポイントが10削られるが、おそらくそれはハルカの想定内。

 この勝負はあくまでおまけだ。

 本命は上空から勢いをつけた『とっしん』だろう。しかし、攻撃が読めている以上、『まもる』で防御は容易だ。防いだ後の一瞬の隙に、こちらの得意な怯みゲーに持って行ってやるぜ。

 

 トゲ様に『まもる』を指示する。だが、同時に、『ムーンフォース』の爆発を背に受けることでさらに加速し、チルタリスはトゲ様に突撃してきた。

 確かに、『まもる』は完全防御だが、ゲームと違ってタイミングがずらされると発動が間に合わないこともある。こちらの予想以上の速さで『とっしん』が直撃し、トゲ様が吹き飛ばされた。それにより、こちらのポイントが15削られていく。

 

 まさか、『ムーンフォース』が負けることも想定して、その爆発で加速してくるとは――即座に反撃しようとするも、再びチルタリスは『しろいきり』で姿を隠していく。『エアスラッシュ』で追撃をかけるも、ポイントを削る前にタイムアップになってしまった。

 

 僅か5ポイント差だがハルカの勝利が決定する。

 

 参った。まさか、こんなトンデモ殺法で『まもる』を突破してくるとはな。素直にハルカの策を称賛すると、照れたように頬をかいている。

 聞けば、全てを使って突撃することしか考えていなかったと言っていた。俺が負けたのは、この勢いに押されてしまったからかもしれないな。

 

 ハルカが表彰台でリボンを受け取ると、本当に嬉しそうな笑みを浮かべている。それを見て、トゲ様も悔しそうにしているが、付け焼刃とはいえトゲ様は一日でよくやってくれた。

 これで、俺はリボン四つ、ハルカもリボン三つになる。残りの大会に全て勝つことが出来れば、ギリギリで間に合うかもしれないな。

 

 

 

 13歳 λ月α日 『イの島はラーの翼神竜だな』

 

 イロハ三島という三つの島に寄ることになったのだが、この三島ではロの島とハの島の人達の仲が悪いらしい。

 おまけに、ロの島ではパールルがサクラビスに、ハの島ではパールルがハンテールに進化するという不思議な現象が起きているようで、その調査に来ていたオダマキ博士と再会した。

 

 博士と一緒に、それぞれの島にある水の成分を調べてみると、ロの島の水にはパールルをサクラビスに進化させるしんかいのウロコの成分が、ハの島の水にはハンテールに進化させるしんかいのキバの成分があるということがわかる。

 

 ロの島に住んでいるキクマという少年は、自分のパールルをハンテールに進化させたいようなのだが、ロの島の水はサクラビスになってしまうということでハの島に行きたいと言っている。だが、島の対立のせいで行けないらしい。

 ハの島に住んでいるナミヨという少女も、自分のパールルをサクラビスに進化させたいようなのだが、ハの島の水はハンテールになってしまうということでロの島に行きたいと言っている。だが、タクマと同じく島の対立があるせいで行けないと諦めていた。

 

 ならば、しんかいのキバとしんかいのウロコを持たせて通信交換すりゃいいじゃんということで、俺達で進化アイテムを探してやることにする。

 進化するための成分が水に含まれているということは、本体も存在するという証拠だ。みずタイプであるミロカロス、ミズゴロウさん、ヘイガニの力を借りて、各島で進化アイテムを探すと、二人をポケモンセンターのあるイの島まで連れて行って通信交換させてやった。

 

 しっかし、三つの島でポケモンセンターがイの島にしかないって、イの島以外の島はマジでパールルを進化させるくらいしか存在価値がないな。この近辺の学校も全部イの島にあるらしいし、もう全部イの島でいいんじゃないか?

 

 

 追記。キクマとナミヨがそれぞれ自分のパールルを進化させたことで、島同士の対立は鎮火したらしい。その程度で鎮火するなら、最初から対立なんかすんじゃねーよ。どうせ、イの島が一番なんだから。

 

 

 




 原作との変化点。

・第93話『パールルとバネブー! 真珠を探せ!』より、ハルカがバネブーを勧誘した。
 愛嬌があるし、前回コンテストに出てきたカナタとのことを考えればゲットしてもおかしくないと判断した。

・第94話『ジーランスと深海の秘宝!』より、大体こういうのに行くのはラティの役。
 乗り気ではないニューサトシの代わりに、行きたがってくれた。

・ひこうタイプ限定コンテストに参加した。
 オリジナルコンテスト。スランプを完全に乗り切ったハルカが勢いで押し切った。

・第95話『ハンテールとサクラビス! 進化の謎!』より、全部イの島でいいじゃんの結論が出た。
 水の性質以外は、全てがロとハの島の上位互換だった。



 現在ゲットしたポケモン

 ピカチュウ Lv.61

 ピジョット Lv.57

 バタフリー Lv.56

 ドサイドン Lv.60

 フシギダネ Lv.57

 リザードン Lv.61

 カメックス Lv.57

 キングラー Lv.56

 カモネギ  Lv.56

 エビワラー Lv.57

 ゲンガー  Lv.58

 オコリザル Lv.56

 イーブイ  Lv.56

 ベトベトン Lv.56

 ジバコイル Lv.56

 ケンタロス Lv.56

 ヤドラン  Lv.55

 ハッサム  Lv.57

 トゲキッス Lv.54

 プテラ   Lv.57

 ラプラス  Lv.55

 ミュウツー Lv.74

 バリヤード Lv.56

 イワーク(オレンジ諸島の姿) Lv.54

 カビゴン  Lv.52

 ニョロトノ Lv.52

 ヘラクロス Lv.52

 メガニウム Lv.51

 マグマラシ Lv.51

 ラティアス Lv.47

 ヘルガー  Lv.51

 ワニノコ  Lv.51

 ヨルノズク(色違い) Lv.51

 カイロス(部分色違い) Lv.51

 ウソッキー Lv.51

 バンギラス Lv.59

 ゴマゾウ  Lv.49

 ギャラドス(色違い) Lv.49

 ミロカロス Lv.38→39

 ミズゴロウ Lv.42→43

 オオスバメ Lv.42

 ジュプトル Lv.42

 ヘイガニ  Lv.41

 フライゴン Lv.51

 コータス  Lv.41

 ラルトス(色違い) Lv.30


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