ニューサトシのアニポケ冒険記   作:おこむね

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#156 『仕方ない、今回だけだぞ』

 13歳 α月σ日 『バトルファクトリー VSダツラ 後編』

 

 ダツラのカイロスを倒すと同時に、こちらも金角のカイロスを戻した。これで状況は一対一の五分だ。

 ダツラは改めてフシギバナを出してくる。こちらはニョロトノを出すことにした。前に戦い方の方向性に悩んでいたようだが、シロナブートキャンプで答えが出たようだし、その結果をここで見せて欲しい。

 

 ダツラはくさタイプに不利なみずタイプのニョロトノを出してきたことに首を傾げているが、『マジカルリーフ』で様子見をしてきた。

 こちらは『れいとうビーム』を指示する。

 ニョロトノが、ワニノコとはまた違ったブレイクダンスっぽいステップを踏みながらウインドミルに移行し、ピカ様のやっているカウンターシールドによる『れいとうビーム』で『マジカルリーフ』を打ち落としていく。

 

 攻撃後はすぐに体勢を立て直して、ステップに移行する。いいね、隙もないし、完成度が高い。

 

 続けて『やどりぎのたね』を撃ってくるので、こちらは『かげぶんしん』で回避していく。

 十体に増えたニョロトノが踊りながらフシギバナへの距離を詰めていくが、ダツラは『はなふぶき』で全体攻撃を仕掛けてきた。これにより、全てのニョロトノが攻撃対象になる。

 

 しかし、『はなふぶき』は発射されず、『やどりぎのたね』が分身に向けて発射された。

 距離を詰めながら『アンコール』で『やどりぎのたね』を縛ったのだ。踊りが、技のカモフラージュにもなっている。

 ワニノコの場合は、自分自身のリズムに相手を巻き込むことで、相手の動きを封じ自分の力を最大限に引き出す。だが、ニョロトノの場合は、自分のダンスを利用することで、相手に自分の動き出しを隠している。その隙を突いて攻撃しているのだ。

 

 ワニノコは踊りがバトルに直結しているが、ニョロトノにとって踊りはバトルを有利にするための道具に過ぎない。

 少し言い方が悪いかもしれないが、勿論ニョロトノも踊るのが嫌いという訳ではなかった。しかし、あくまでもバトルに勝つということが第一であり、勝つためならば踊るのを止めることも出来る。

 

 踊り第一のワニノコとは違うということだ。

 

 ダツラは『アンコール』に気付くのに一歩遅れた。その間に、ニョロトノは懐に潜り込めている。

 再び、カウンターシールドからの『れいとうビーム』で弱点の攻撃を与えていく。フシギバナが『れいとうビーム』をモロにくらってから少しして、ダツラはフシギバナをボールに戻した。

 

 フシギバナがボールに戻ると、同時にニョロトノも踊りを止める。ダツラはライボルトを出してきた。

 ヘルガーとの戦いで体力が残り少ないはずだが、少しは休めたようで呼吸は整っている。相性的には向こうが有利だが、それを言えば先程のフシギバナだって向こうの方が相性は有利だった。

 

 ライボルトが『10まんボルト』を撃ってくると同時に、カウンターシールドからの『れいとうビーム』で攻撃を防いでいく。

 本来、カウンターシールドはその名の通り、防御しつつ相手に攻撃を返す技だ。技の出だしがわかりにくいので、通常の攻撃にも使っていたが、本来はこうやって相手の攻撃を防ぐのに使う。

 

 相手の『10まんボルト』を弾きながら、氷の光線がライボルトにも向かっていく。しかし、狙って撃っている訳ではないのでそう簡単には当たらない。

 

 遠距離からの攻撃は完全に防がれるとわかると、『でんこうせっか』で距離を詰めてくる。だが、カウンターシールドは遠近両用の技だ。

 この『れいとうビーム』の嵐の中を潜り抜けてくるには、ライボルトの残り体力は怪しいだろう。しかし、ダツラは覚悟を決めていた。

 

 ライボルトが『ワイルドボルト』を身に纏って突撃してくる。カウンターシールドは当たっているはずだが、ライボルトは気にせずニョロトノに一撃を与えてきた。

 

 ニョロトノが弾き飛ばされていく。

 

 だが、ライボルトもただでは済まなかった。あの嵐の中を抜けて、反動ダメージの1/4を受けたのだ。当然、耐えられるはずもなく戦闘不能になる。

 とはいえ、こちらも被害が少ない訳ではない。カウンターシールドをしながらの攻撃中に直撃を受けたことで、ニョロトノは技のダメージを逃がせていなかった。タイプ一致の弱点高火力物理技を受けて、体力は半分を切っている。

 

 続けて、ダツラはまたフシギバナを出してきた。

 

 遠距離攻撃は全て防げるはず――と、考えていると、最後の技で『じしん』を撃ってくる。

 これはまずい。『じしん』のように衝撃を飛ばしてくる技は、カウンターシールドでも撃ち抜くことは出来ない。咄嗟に、垂直大ジャンプで『じしん』を回避させていく。

 

 何とか『じしん』は回避できたが、大ジャンプしたことで隙が出来ている。着地前に、全体攻撃である『はなふぶき』の追撃を受けた。

 体が地面に着いてなければカウンターシールドは使えない。『れいとうビーム』を前面に撃ち出して相殺を狙うが、撃ち落とせなかった『はなふぶき』がニョロトノを撃ち抜いていく。

 

 残り体力1/3以下――次に『はなふぶき』を受ければもう耐えることは出来ないだろう。

 

 ここは一度ニョロトノを戻すことにした。フシギバナもピカ様に受けた『ばちばちアクセル』とニョロトノの『れいとうビーム』で半分近くダメージを受けている。

 残りの体力を無理に使ってニョロトノで攻めるよりも、残っている別のポケモンの相手をして貰う方が有利になると判断した。ニョロトノを戻して、再び金角のカイロスを出していく。

 

 金角のカイロスも残り体力は少ないが、とりあえず、『じしん』と『やどりぎのたね』にだけ気を付ければ十分倒すことが出来るだろう。

 

 当然、ダツラは『じしん』を指示してきた。

 

 こちらはフシギバナに飛び込むようにジャンプし、そのまま『シザークロス』でタイプ一致の火力を押し付けていく。

 フシギバナはくさ・どくタイプ故に、むし技は等倍になってしまうが、それでも残っている技で一番火力があるのはシザクロ以外にない。『はさみギロチン』はもう存在がばれている上、警戒されているので下手に使おうとしても『はなふぶき』や『マジカルリーフ』で狙いをずらされる。

 

 ならば、多少の狙いをずらされてもダメージを取れる『シザークロス』で攻めるのは当然だった。

 しかし、ダツラはダメージを敢えて受けつつ、『やどりぎのたね』を金角のカイロスに当ててくる。まだ体力は半分近くあるから、一撃受けても回復の目途を立てようという狙いか。

 

 今の『シザークロス』直撃で体力は1/4程に出来た。本来であれば、もう一撃で倒せるはずだったが、『やどりぎのたね』による回復で確定数がずらされる。

 後、『シザークロス』が二回必要だ。その間に、相手も攻撃をしかけてくるだろう。くさ技はダメージが半減だが、やどりぎの回復量と合わせられると倒れるのはギリギリと見た。

 

 一度戻すか――いや、後ろにはフリーザー様もいるのだ。下手に残りの手持ちを傷つけるより、金角のカイロスを信じてフシギバナを倒し切らないときつい。

 

 金角のカイロスに二度目の『シザークロス』を指示した。フシギバナに飛びかかるように攻撃する。

 花の部分を挟みこまれ、これでは『じしん』は当てられない。フシギバナも吹き飛ばすように『はなふぶき』を撃ちだすが、金角のカイロスは意地でもフシギバナのことを離さなかった。

 

 もし、ここで吹き飛ばされればその時点でゲームオーバーだ。組み付いたまま、金角のカイロスは三度目の『シザークロス』でフシギバナを戦闘不能にしていく。

 しかし、『やどりぎのたね』によるドレインで、金角のカイロスも耐えきれなかった。『はなふぶき』と『やどりぎのたね』二回は、1/3程あった金角のカイロスの体力を削り切る。

 

 フシギバナと金角のカイロスが同時に倒れた。

 

 先にダツラのポケモンが三体戦闘不能になったことで、五分間のインターバルに入る。

 ダツラの残りポケモンは無傷のゴルダックとフリーザー様、それに姿を見せていない残り一体だ。対するこちらは、残り体力の少ないニョロトノと無傷のピカ様、まだ見せていない二体のポケモンである。

 

 数では有利が取れているが、後ろにフリーザー様がいると考えると、少し心許ないか。

 

 ダツラは、次にゴルダックを出したいはずだ。まだ見せていない最後の一体の情報は、ギリギリまで伏せたいはずだしな。

 しかし、こちらにピカ様がいる以上、ゴルダックを出せばピカ様の独擅場でもある。そう考えれば、残り一体を出してくる可能性は十分にあった。

 

 五分が過ぎ、バトルが再開される。

 

 ダツラはここでフリーザー様を投入してきた。てっきり、最後に出してくるかと思ったが、ここで場を荒らしに来るとは流石はファクトリーヘッドということか。

 

 こちらはピカ様を投入していく。誰が来たとしても、ここはピカ様にお任せするつもりだった。

 相手は伝説のポケモンだが、ピカ様は四天王の本気ポケモンに勝った実績がある。相性も有利だし、相手が伝説のポケモンと言っても十分に勝機はあるはずだ。

 

 ピカ様が調子を確認するように、体をスパークさせていく。その好戦的な笑みは誰に似たのか、強敵との戦いを楽しんでいるのが一発でわかった。

 

 開幕、『ばちばちアクセル』でフリーザー様に弱点攻撃を仕掛けていく。ここ一番に強いピカ様の神速の一撃は、完成度十割だった。確定急所でフリーザー様にダメージを与える。

 弱点の先制技が確定急所で当たるというのは、いくらフリーザー様とはいえ、安いダメージではないはずだ。しかし、まるで効いていませんと言わんばかりの表情で、『れいとうビーム』を返してくる。

 

 こちらも『10まんボルト』で相殺を狙うが、流石に威力に差があるようで押し返された。

 回避の隙もなく攻撃が直撃し、ピカ様が吹き飛んでいく。しかし、受け身が間に合ったことで、ダメージは軽減された。

 

 続けて、『ぼうふう』でピカ様の動きが封じされる。風の渦に包まれ、体勢を整えるのもままならない。

 ギリギリ『ひかりのかべ』を使って、何とかダメージは減衰させたが、ダメージはかなり大きかった。

 先程の『れいとうビーム』もそうだが、タイプ一致ということで威力が半端じゃない。無理にでも突破しないとあっという間に倒されかねなかった。

 

 風で体勢が流されるのであれば、そのまま『10まんボルト』を撃てば、自然と攻撃はランダムに散るということだ。

 状況を利用した自然のカウンターシールドによる『10まんボルト』で、風の防壁を貫いて相手の技を拡散させていく。

 

 何とか突破するも、フリーザー様には余裕があった。対するこちらは、たった二回の攻撃だが、既にピカ様の体力は半分近くになっている。

 本当に、伝説のポケモンはシャレにならないくらい強い。素直にリザードンを出してきずな化した方がいいと誰もが思うかもしれないが、ここでピカ様を引かせるつもりはなかった。

 

 再び、『ばちばちアクセル』で距離を詰めていく。この速さの一撃があるからこそ、何とかくらいつけている。

 しかし、ダツラはここで『はねやすめ』を指示してきた。受けたダメージを回復させようという狙いだろう。

 

 まずい。ここで体力など回復されたら勝機はない。

 

 ピカ様に最後の技である『ボルテッカー』を指示する。また、前のように『10まんボルト』を帯電させ、デュアルボルテッカー状態で火力を上げた。

 回復よりも大きな一撃でダメージを与える。流石のフリーザー様も、この一撃の前には表情を取り繕う余裕もなかったようで苦しそうな表情を見せていた。

 

 だが、ダメージはこちらにもある。

 

 デュアルボルテッカーは諸刃の剣だ。与えるダメージは大きくなるが、その分返って来るダメージも大きくなる。

 ピカ様もあまりのダメージに肩で呼吸をしていた。しかし、まだ戦えるとばかりに、フリーザー様を睨みつけている。

 

 ダツラとしては、このまま回復を連打することも考慮に入れられる場面だった。確かに、デュアルボルテッカーは凄い技だが反動が大きい。

 フリーザー様は回復を挟んでいるので、ダメージはそこまで大きくなかった。このまま、『はねやすめ』を連打すれば、ピカ様は自ずと自滅するだろう。

 

 ただ、一つ問題があった。

 

 麻痺だ。

 

 ピカ様の『10まんボルト』には麻痺の追加効果がある。下手に何度もくらって、フリーザー様が麻痺するような事態になれば、仮にピカ様を倒したとしても後が辛くなるのは確実。

 

 ならば、ここは圧倒的な力で反撃の余裕など与えず一気に敵を倒すべき――そう判断したようで、ダツラはフリーザー様に『れいとうビーム』を指示してきた。

 

 しかし、こちらはまだ『ひかりのかべ』によって、特殊攻撃は威力が減衰している。カウンターシールドによる『10まんボルト』で、『れいとうビーム』を弾き返していく。

 ならばと、再び『ぼうふう』を指示してきた。ダメージではなく、追加効果の混乱を狙ってのことだろう。だが、雨状態でない『ぼうふう』は必中ではない。『ばちばちアクセル』で風を置き去りにし、そのまま急所に一撃を与えていく。

 

 回復の間など与えない。このままデュアルボルテッカーで一気に体力を削り切る――そう考えた瞬間、フリーザー様は最後の技として、ダツラの指示より早く『ぜったいれいど』を使ってきた。

 

 一撃必殺。ピカ様が一瞬で凍り付き、戦闘不能にされる。

 

 普通ならピカ様を回収しにいくのだが、このままではどうにも出来ないので、ヘルガーを出してピカ様の氷を溶かして貰い、何とか回収した。

 パッと見て、フリーザー様の体力は残り1/3ちょっとと言った感じか。デュアルボルテッカーが決まっていれば勝っていたが、フリーザー様も危機を感じたからこそダツラの指示を待たずに『ぜったいれいど』を使ったのだろう。

 

 そこまで伝説のポケモンを追い詰めたのだ。

 

 成長を十二分に感じ取れる一戦だった。

 

 俺がピカ様を回収し、ハルカに預けると同時に、ダツラもフリーザー様を戻してきた。

 ダツラにしてみればもっとフリーザー様で状況を荒らすつもりだったのだろうが、ピカ様に思わぬダメージを受けて少し焦っているように見える。

 

 これで、残るポケモンは三対三だ。

 

 こちらは新たにケンタロスを出していく。対するダツラは、ゴルダックを出してきた。

 ゴルダックは既に『ハイドロポンプ』、『なみのり』、『アクアジェット』と技を三つも使っている。こちらとしては、早めに全ての技を使わせて余裕を作りたい所だ。

 

 ケンタロスの特性である『いかく』で、相手の攻撃が一段階下がる。これで『アクアジェット』は威力がかなり下がったと言っていいだろう。

 

 開幕、『じしん』を指示していく。ゴルダックは『なみのり』でこちらの攻撃を凌いできた。

 しかし、予想できたことである。『なみのり』を受けつつ、射程距離まで入ってきたゴルダックに『ワイルドボルト』で弱点攻撃を仕掛けていく。

 

 攻撃を受けると覚悟していたため、ケンタロスの動き出しは早い。対して、技の直後で動きの止まっているゴルダックにこの攻撃を避けるすべはなかった。

 肉を切らせて骨を断つ――弱点の一撃を受けてゴルダックがダメージを受ける。だが、されるがままではないようで、起き上がったゴルダックは『ハイドロポンプ』による迎撃をしようとしていた。

 

 こちらは攻撃の勢いのまま、新たに『ギガインパクト』を指示する。

 

 攻撃後に硬直するという弱点はあるが、相手の『ハイドロポンプ』を押し返しながら、ケンタロスはゴルダックに追撃の一撃を与えた。

 二度の大技を受けて、ゴルダックも残り体力が1/3以下に削られる。対するこちらも防御を全く考えていないので、体力はもう半分以下だった。

 

 攻撃の反動で、ケンタロスの足が止まる。

 

 ようやく動きを止めたなという感じで、ゴルダックは『ハイドロポンプ』を撃ってきた。防御も回避も出来ないので、直撃を受ける。これで、こちらの残り体力は残り1/4程だ。

 しかし、ゴルダックも肩で息をしている。

次の一撃で勝負を決めてやる――そう考えた瞬間、上空から見えない攻撃がケンタロスを直撃した。不意の一撃でケンタロスが戦闘不能になる。

 

 ダツラがニヤリと笑みを浮かべた。

 

 クッソ、今の攻撃は『みらいよち』だ。おそらく、『ワイルドボルト』直撃の時、避けずに技を使っていたのだろう。

 あの場面以外に、『みらいよち』を使えるだけの時間はなかった。技の直後で動けないからこそ、動かずに攻撃をくらいながら別の技を使っていたのだ。

 

 これで、こちらは残り二体――瀕死のニョロトノを送り出していく。もう少し休ませてやりたい所だが、向こうももう瀕死に近い。何とか倒してくれ。

 

 ゴルダックは再び『みらいよち』を使ってきた。他のみず技は半減故、確実に倒せる技をチョイスしたのだろう。

 こちらは『アンコール』でゴルダックの動きを封じていく。『みらいよち』は初弾が決まるまで次弾が使えない技だ。これでしばらく、ゴルダックは動けなくなる。

 

 しかし、ここでダツラは冷静にゴルダックを戻してきた。そのまま最後の一体であるカイリキーを出してくる。これで向こうのポケモンは全て判明した。

 

 ゴルダックの残した『みらいよち』に注意しつつ、ニョロトノがカイリキーに攻撃を仕掛けていく。

 カウンターシールドによる『れいとうビーム』がカイリキーに直撃する。おそらく、特性は『ノーガード』と見た。ダメージを受けながらもこちらに向かってくるカイリキーに、最後の技である『さいみんじゅつ』を使って眠らせていく。

 

 これで、起きるまで無慈悲に攻撃を仕掛けてやる――と、思ったその瞬間、『バレットパンチ』がニョロトノに直撃した。

 

 くっそ、『ねごと』か。この世界の『ねごと』は、ゲームと違って四つの技からランダムに技が出るのではなく、覚えている技からランダムに技が選択され、出てきた技は選択した技に含まれないという『ねこのて』のような技になっている。

 だが、そのあまりのギャンブル性と状況を選ぶ技故、あまり覚えさせている奴はいないのだが、『ノーガード』による催眠を警戒してしっかり覚えさせてやがったか。

 

 カイリキーのバレパン直撃を受けたニョロトノが戦闘不能になり、これでこちらは残り一体になる。

 

 出来ればもう一体削ってからがよかったが、こうなれば仕方ないな。最後の一体であるバリヤードを送り出していく。

 

 原作再現でリザードンか、伝説には伝説でミュウツーだと思った奴もいるかもしれないが、今回の最後はバリヤードだ。ぶっちゃけ、相手が伝説のポケモンでもいつまでもリザードンやミュウツーの力を借りなきゃ勝てないのは問題だと思ったのである。

 

 そもそも、今回のフリーザー様はダツラの正式なポケモンではないのだ。いくら仲良しとはいえ、バトルをしたのは今回が初めてでは他のポケモンに比べて連携にも穴が出来る。

 いわば、ハンデ有りの状態で、こちらは遠慮なく切り札を出して蹂躙するなんていうのは、これまでの俺と何も変わらないではないか。そろそろ一段階先に進むためにも、ここはリザードンやミュウツーの力無しで勝たなくてはいけない。

 

 言うならば、前にナギに負けた時のリベンジだ。

 

 あの時はメガシンカだったが、今回は伝説のポケモンを含んだフルパに、きずな化やミュウツーなしで勝ってみせる。

 バリヤードが調子を確かめるようにステップを踏んだ。どうやら、今回は絶好調のようでいつでもどうぞと言わんばかりの表情をしている。

 

 どうやら、ダツラはカイリキーをそのまま継続させるようで、再び『ねごと』を使ってきた。出てきた技は『きあいパンチ』のようで、拳に気合を貯めている。

 こちらはド直球で『サイコキネシス』を使った。

 弱点の攻撃を受けて、気合が霧散していくが、それ以上にかなりのダメージを与える。眠り状態で防御もままならないのに一撃ではないのには驚いたが、それも二回当てればいいだけの話だった。

 

 二度目の『サイコキネシス』でカイリキーが戦闘不能になる。同時に、ゴルダックが放った『みらいよち』がバリヤードを攻撃してくるが、エスパータイプ故にエスパー技は感知できた。くるりとその場で一回転するだけで不意の一撃を回避していく。

 

 ダツラが無言でカイリキーを戻し、ゴルダックを出してくる。とはいえ、ダメージは回復しきっていないようで肩で息をしていた。

 そのまま、最後の『ハイドロポンプ』を撃ってきたので、『ひかりのかべ』バリヤードエディションで完全防御し、驚いているゴルダックに『サイコキネシス』をお返ししていく。残り少ない体力のゴルダックに、タイプ一致サイキネが耐えられるはずなく、カイリキーに続いて戦闘不能になった。

 

 当のバリヤードと言えば、ようやくエンジンがかかりましたと言わんばかりの余裕ぶりである。

 実際、こちらは最後の一体であるバリヤードまで追い込まれたが、状況がピンチかと言われると、実はそこまで追いつめられている訳ではなかった。

 

 何せ、カイリキーは眠り状態、ゴルダックとフリーザー様は、ケンタロスとピカ様の頑張りによって体力がかなり削られていたのだ。

 対するこちらは、全くの無傷でようやく出番かと戦意を漲らせていた。そんな状況で苦戦していては、伝説のポケモンを倒すのなど夢のまた夢である。

 

 ダツラも最後の一体になったことで、再びフリーザー様がフィールドに入ってきた。

 

 ピカ様の与えたダメージはまだまだ残っているようで、体力は1/3ちょっとと言った所だ。

呼吸は整っているので、多少は回復したようだが、既に技は全て使わされている。いくら伝説のポケモンとはいえ、この状況ではこちらの方が圧倒的に有利だった。

 

 ダツラは開幕から『はねやすめ』で体力を回復させようとしてくる。とはいえ、そんな簡単に回復など許すはずがなく、『ちょうはつ』で『はねやすめ』は禁止させた。

 ならばと、『れいとうビーム』を撃ってくるので、『サイコキネシス』で軌道を反らす。本来なら本体へ直接返したかったが、流石にフリーザー様のれいビは反らすのが限界だったようだ。

 

 続けて、『ぼうふう』で攻撃を仕掛けてきたので、『ひかりのかべ』バリヤードエディションで完全防御していく。

 防いだが、ゴルダックの『ハイドロポンプ』を防ぐのにも一回使っているので、残りは一回が限度だった。前にも何回か書いたが、この技は『ひかりのかべ』を一瞬で何度も発動させるので一回でPPを多く消費する。元々、『ひかりのかべ』のPPが15で、基本的に完全防御に5は使うので、約三回が限度なのだ。

 

 とはいえ、そんなことを知らないダツラは、全ての攻撃が防がれたように感じるだろう。残る技は『ぜったいれいど』だが、警戒されている一撃必殺などそう簡単には当たらない。

 打つ手なしとばかりに動きが止まる。

 ダツラの動きが止まると同時、こちらは最後の技である『10まんボルト』で弱点を突いて行った。カンフーやダンスやらで、物理的な技が大好きなバリヤードだが、本来は特殊アタッカーである。当然、特殊の攻撃バリエーションは豊富に増やさせていた。

 

 フリーザー様が空に飛んで電撃を回避していく。

 

 とはいえ、追いきれない訳ではない。『サイコキネシス』を同時発動して、『10まんボルト』の速度を上げて追い詰めていく。

 まるで網のように広がった電撃が、空を飛ぶフリーザー様を徐々に追い詰めていく。避け切れないと判断すると、『れいとうビーム』で迎撃してきた。

 

 しかし、既に高さはこちらの攻撃範囲内である。

 

 再び、『サイコキネシス』で直接攻撃を仕掛けていく。だが、フリーザー様もただでは攻撃をくらわないようで、サイキネを受けつつも『れいとうビーム』で反撃してきた。

 流石に技を使いながら別の技は使えないので、『れいとうビーム』がバリヤードに直撃する。特殊防御は割と高いバリヤードだが、それでもフリーザー様の『れいとうビーム』直撃は効くようで体力が削られていた。

 

 また、攻撃が直撃したことで集中が切れ、フリーザー様が体の自由を取り戻している。

 そのまま、フリーザー様がバリヤードに向けて、『ぼうふう』でさらに追撃をかけてきた。最後の『ひかりのかべ』バリヤードエディションで完全防御していくが、これで防御手段は完全になくなる。

 

 しかし、フリーザー様は攻め手を緩めなかった。

 

 どうやら、ダメージがそろそろ限界に近付いたことで、伝説のポケモンが持つ底力のようなものが発動したのか、なりふり構わず攻撃を仕掛けてきたのだ。

 完全防御の後、ダツラが下がるように指示を飛ばすも、フリーザー様は『ぼうふう』でさらなる追撃をかけてきた。『ひかりのかべ』バリヤードエディションはPP切れで使えず、『ぼうふう』によって大ダメージを受ける。

 

 それを見たダツラも、『ひかりのかべ』バリヤードエディションの仕組みを何となく理解したようだ。

 クッソ、ダツラの方は上手いこと騙せていたのだが、フリーザー様の特攻でタネもバレてしまった。

 

 とはいえ、攻撃を受けっぱなしという訳にもいかないので、『サイコキネシス』で風を押さえつけて無理矢理脱出していく。

 だが、その隙を突いて、フリーザー様はさらに『れいとうビーム』を撃ってきた。まさに怒涛の攻めと言っていい攻撃の連続で、バリヤードの体力が一気に減らされる。

 

 ついさっきまで無傷だったのが、気が付けばフリーザー様と変わらないくらいまで体力を削られてしまった。

 

 おまけに、『れいとうビーム』の追加効果である氷状態になったようで、バリヤードが動けなくなる。

 これはまずい。このままでは一撃必殺の餌食だ。フリーザー様は当然のように『ぜったいれいど』を仕掛けてくる。このままではやられる――

 

 しかし、バリヤードは諦めなかった。

 

 氷を削りつつ、隙間から『10まんボルト』を放ち、その光でフリーザー様の目をくらませたのだ。

 一撃必殺は良く当たるイメージだが、割とちょっとした妨害で当たらなくなる。視界を一瞬閉ざしてやるだけでも照準がズレてしまうのだ。

 

 疑似フラッシュで、何とか『ぜったいれいど』を回避する。その間に、バリヤードは何とか氷から抜け出した。

 

 だが、このままでは攻め負ける。

 

 お互いに後一撃という体力なのだ。何とかして、こちらが先に攻撃を当てる必要があった。

 

 ダツラはもうフリーザー様にお任せするようで、応援の体勢に回っている。対するこちらも、バリヤードが何か策を思いついたようで、任せてくれという表情をしていた。

 ならば、俺も応援に回ろう。

 バリヤードに向けて、「お前に任せる」と言うと、得意の『サイコキネシス』の発動に移行していく。対してフリーザー様も、得意の『れいとうビーム』を撃ちながら突っ込んできた。

 

 しかし、フリーザー様の『れいとうビーム』が当たる直前、バリヤードが弾かれたようにフリーザー様に向かって突っ込んでいく。

 どうやら、『サイコキネシス』は攻撃ではなく、自身の移動に使ったようで、まるでゴムに弾かれたようにバリヤードがフリーザー様に突っ込んでいった。

 

 フリーザー様の攻撃の下を潜り抜けるようにバリヤードが突っ込んでいき、そのまま下半身に抱き着いていく。

 即座に振り解こうと、体を振るフリーザー様だが、バリヤードは離さず『10まんボルト』の追撃をかけて行った。

 

 弱点のゼロ距離攻撃を受けて、フリーザー様が悲鳴を上げる。しかし、本来ならば倒れてもおかしくないダメージのはずだが、伝説の意地で倒れることを拒否していた。

 

 何とか顔を下に向けて、フリーザー様が『れいとうビーム』をバリヤードに撃ってくる。

 当然、耐えられるはずがないのだが、バリヤードもまた負けたくない一心で倒れるのを拒否した。

 

 まさか、自分の攻撃を受けて倒れないとは思わなかったのか、フリーザー様が驚きの表情を浮かべる。

 それに対し、バリヤードも再び『10まんボルト』でお返しした。今度こそ倒れろと言わんばかりの全力攻撃だが、それでもフリーザー様は倒れない。

 

 クッソ、もうHPねーのに、二回も攻撃を耐えるとか反則が過ぎんだろ!

 

 反撃とばかりに、再びフリーザー様が『れいとうビーム』を撃とうとする。だが、その瞬間、フリーザー様の体から稲妻が迸り、攻撃しようとした体勢が崩れた。

 麻痺だ。『10まんボルト』の一割の追加効果である麻痺を引いたのである。体が麻痺したことで、フリーザー様は一瞬攻撃が遅れた。その間に、バリヤードは最後の力を込めた『10まんボルト』で三度目の攻撃を仕掛けていく。

 

 いくら伝説の意地でも、体力の限界で弱点攻撃三回は耐えられなかったようで、ようやくフリーザー様が倒れた。

 審判による戦闘不能の判定が下ると同時に、バリヤードも倒れる。こちらも既に限界を突破していた。それでも勝ちと判定されるまでは意地でも倒れなかったのだ。

 

 よくやったぞ。お前の粘り勝ちだ。

 

 バリヤードをボールに戻すと、ダツラが俺の勝利を祝って、フロンティアシンボルであるノウレッジシンボルを渡してくる。

 ダツラも、自分に出せる全力を出した。フリーザー様の底力も出した。それでも、勝ったのはニューサトシだと、素直に拍手をしてくれる。

 

 バリヤードが頑張ってくれたのは事実だが、それでも勝てたのはそれまでのバトルを全員で頑張ったからだ。

 特に伝説のポケモンであるフリーザー様相手に、リザードン、ミュウツーなしで勝てたというのは、俺達が成長しているという自信に繋がっている。

 

 正直、バトルフロンティアに挑戦するために、チャンピオンリーグを辞退したことを、心の中で少し後悔していた部分もあったのだが、この結果のおかげで挑戦してよかったと思うことが出来た。

 

 あまりに俺がご機嫌だからか、ラティが期待したような目をこちらに向けてくる。仕方ない、今回だけだぞ。

 

「ノウレッジシンボル、ゲットだぜ!!」

 

 

 

 




 原作との変化点。

・第136話『初陣! バトルファクトリー!!(後編)』より、リザードンとミュウツーを使わなかった。
 いつまでも切り札に頼るだけのバトルでは成長できないと判断した。これがチャンピオンリーグなら流石にしなかったが、バトルファクトリーはチャレンジの場でもあると判断しての切り札抜きのメンバーを選出した。

・フリーザー様を倒した。
 ピカ様とバリヤードの二人がかりで何とか倒した。根性で耐え過ぎて草。



 現在ゲットしたポケモン

 ピカチュウ Lv.63

 ピジョット Lv.59

 バタフリー Lv.58

 ドサイドン Lv.62

 フシギダネ Lv.59

 リザードン Lv.63

 カメックス Lv.59

 キングラー Lv.59

 カモネギ  Lv.58

 エビワラー Lv.59

 ゲンガー  Lv.61

 オコリザル Lv.58

 イーブイ  Lv.58

 ベトベトン Lv.58

 ジバコイル Lv.58

 ケンタロス Lv.58

 ヤドラン  Lv.58

 ハッサム  Lv.60

 トゲキッス Lv.57

 プテラ   Lv.59

 ラプラス  Lv.58

 ミュウツー Lv.75

 バリヤード Lv.58→59

 イワーク(オレンジ諸島の姿) Lv.57

 カビゴン  Lv.56

 ニョロトノ Lv.56→57

 ヘラクロス Lv.56

 メガニウム Lv.55

 マグマラシ Lv.55

 ラティアス Lv.51

 ヘルガー  Lv.55

 ワニノコ  Lv.55

 ヨルノズク(色違い) Lv.55

 カイロス(部分色違い) Lv.55→56

 ウソッキー Lv.55

 バンギラス Lv.61

 ゴマゾウ  Lv.53

 ギャラドス(色違い) Lv.53

 ミロカロス Lv.46

 ミズゴロウ Lv.49

 オオスバメ Lv.49

 ジュプトル Lv.49

 ヘイガニ  Lv.48

 フライゴン Lv.54

 コータス  Lv.47

 ラルトス(色違い) Lv.30

 ユキワラシ Lv.44

 ワカシャモ Lv.40 

 タマゴ   何が生まれてくるのかな? 生まれるまで、まだまだ時間がかかりそう。


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