13歳 β月η日 『バトルアリーナ VS コゴミ』
ようやく二つ目のフロンティア施設であるバトルアリーナに到着した。エニシダも当然のように見学している。早速、バトルを挑むと、普通に2対2のシングルバトルを提案された。
おいおい、普通のジムじゃねーんだから、もっと凝ったルールねぇのかよ――と、文句を垂れると、ピキったようで複雑なルールを提案してくれる。
ルールは3対3のシングルに変更し、勝ち抜き戦。道具やアイテムの使用も禁止で、一試合の制限時間は5分。5分を過ぎた場合は、審判による判定で体力の多かった方を勝者とするということだ。
また、レベルは50で固定とし、ポケモンを出す順番も事前に決めておくことになった。これにより、相手のポケモンを見て、有利なポケモンを出すという行為は出来なくなる。
例えば、コゴミがニョロボン、俺がヘルガーを出してバトルをし、俺が負けたとして、続けて相性のいいピカ様を送り出すというのは出来ないということだ。
あくまで事前に決めていたポケモンが繰り出される。つまり、二体目にマグマラシをエントリーしていたら、俺は相性不利で戦わなければいけないということである。
また、ポケモンの交代は全て自動ボール射出機で行う。事前にボールをセットしておき、ポケモンを出したらボールはトレーナーの元へ戻る仕組みになっている。
戦っているポケモンが戦闘不能になったら、そのポケモンを手元のボールに戻し、次のポケモンが自動で射出されるという感じで、バトルは進んでいくのだろう。
ポケモンの入れ替え無しのバトルはあまり好きではないニューサトシだが、勝ち抜き戦ならハンデにならないので文句はない。
また、五分間の本気勝負というのも面白かった。
普段なら、交代や後の状況を考えて体力温存などをするが、時間制限で勝者が決まる以上、下手な温存をして負けては話にならない。つまり、基本的に毎回全力勝負を求められるということである。
コゴミは見た感じ、かくとうタイプメインのトレーナーだ。アリーナも空手道場っぽい感じだし、ここにいるポケモンもかくとうタイプばかりだしな。ここは、ニューサトシもかくとうタイプを選出していくことにした。
毎度お馴染みエビワラーに、進化狙いのオコリザル、そしてワカシャモである。本来、まだ仲間にしたばかりのワカシャモには公式戦は早いかもしれないが、今回はレベルが50で統一されているのでレベル差によるハンデはない。
本人も、シロナブートキャンプや先輩達の指導でいろいろ学んでいるようだったし、獅子は我が子を千尋の谷に落とす――ではないが、ここはトライしてみようと思ったのだ。
出す順番を先に決めておく必要があるが、開幕ワカシャモは流石に荷が重そうなので、オコリザル、ワカシャモ、エビワラーの順にオートボール射出機にセットしていく。
オコリザルで有利を作ってワカシャモで追撃。何か問題があればエビワラーに任せるという感じだ。シバには前にエビワラーに頼り過ぎと言われたが、まだオコリザルも進化に苦心しているし、流石にケツを持たせるのは可哀想である。ここはもう少しエビワラーに助けて貰ってもいいだろう。
と、いう訳で、互いにポケモンの登録を終えると、早速一体目が繰り出されていく。
コゴミはハリテヤマ、俺はオコリザルだった。ハリテヤマというと、ホウエンのガチ戦で戦ったトウキの巨大ハリテヤマが記憶に新しいが、流石にあんな巨大ポケモンはそうそういないということで、コゴミのハリテヤマは通常サイズのハリテヤマである。
とはいえ、それでもオコリザルよりは一回り大きい。勿論、顔に手が届かないという程ではないが、いつも通り両手を構えてからのウィービングで様子を見ていく。
進化に必要なゴースト技である『ふんどのこぶし』は、まだ覚えられていない。かくとうタイプがゴースト技を覚えようというのがそもそも難しいのだろうが、やはり怒りが足りていないのも大きかった。
俺が格闘戦用に冷静さを覚えさせたせいで、オコリザルが本来持つ怒りが鈍ってしまっているのだ。このバトルを通じて、何かキッカケが掴めないかとも思っているが――
開幕、コゴミが『きあいだめ』を指示してくる。どうやら、俺が意図してかくとうタイプを被せてきたのは理解してくれたようで、口元には好戦的な笑みが浮かんでいた。
こちらも、オコリザルに『グロウパンチ』を指示していく。向こうが急所率を上げてくるなら、こちらは素直に攻撃力を上げていくまでだ。一気に懐に潜り込んで、ボディに一発入れてやる。グロパンの追加効果で、攻撃が一段階上昇した。
コゴミもすぐに『つっぱり』を指示してくる。成程、連続技である『つっぱり』だが、一発一発に技の判定があった。単発は15しかダメージがないが、二分の一で急所に当たれば火力はかなりのものだろう。
おまけに、コゴミのハリテヤマは通常の個体よりも動きが早かった。どうやら、意図してそう育てたのだろう。オコリザルは体を左右に振りつつ攻撃をかわしていくが、手が早すぎて完全には避け切れない。仕方ないので、避け切れないものは『みきり』を使って『つっぱり』を回避していく。
こちらも進化のための特訓で、防御や回避は特に気合を入れて訓練させている。いくら急所率を上げたとはいえ、技が当たらなければ意味がない。
攻撃後の隙を狙って、二発目の『グロウパンチ』を叩きこんでいく。コゴミも、俺のオコリザルが格闘戦において、かなりの技術を持っているのはすぐにわかったようでさらに目を輝かせていた。
これで、大体二分が経過している。
残り時間は約三分しかない。制限時間が五分しかないのだ。有利な状況をキープしつつ、勝負を決めに行きたい。
しかし、得意の『あばれる』と『げきりん』の合わせ技は、既にトウキに攻略されている。コゴミにも初見で看破される可能性は十分にあった。迂闊に仕掛けてまたカウンターを受ければまた戦闘不能にされる可能性がある。そう考えると、簡単には攻められない。まだカウンターを攻略するすべは身に着けていないのだ。
いろいろパターンを考えてみたが、やはりここは素直に攻めて行くことにする。
実際、これまでは必殺技に頼り過ぎだった。火力不足を技で解消するためとはいえ、同じコンボを何度も使っていれば対策されるし、上級者なら一見して弱点を看破してくる。
焦らなくていい。
コンテストと一緒だ。一つ一つ丁寧に、技をぶつけていこう。コノヨザルへの進化だって、攻撃力不足を解消するためなんだ。火力が足りないのなら、その分は手数で補えばいい。
コゴミはここで勝負をかけると『インファイト』を仕掛けてきた。こちらも、『インファイト』で迎撃していく。
攻撃が二段階上昇しているこちらの方が若干有利だが、向こうは耐久が高い。おまけに、『きあいだめ』のせいで、こちらは一撃のダメージがかなり痛かった。
ダメージ勝ちはしているが、こちらも安くないダメージを受けている。このまま続けると、ワンチャン倒されかねない。
しかし、コゴミは攻め手を止めるつもりはないようだった。最後の技として『ぶちかまし』を指示してくる。これはじめんタイプ版の『インファイト』のような技で、攻撃後に自分の防御と特防が一段階下がる威力120の物理技だ。
タイプ不一致ではあるが、文字通り体全体でぶちかましてくるので回避が難しい。だが、こちらにはその不可能を可能にする『みきり』が存在した。
回避困難の『ぶちかまし』を無理矢理回避する。
しかし、コゴミはまだまだと言わんばかりに、『ぶちかまし』を続けてきた。『みきり』は連続では使いにくい技だ。こうして同じ技を連続で使われると回避しきれなくなる。
これをまともにくらえば、戦闘不能にはならずとも大ダメージは必至だ。判定に持ち込まれれば負けも有り得る。だが、まともに受ける気などさらさらなかった。
一度、『みきり』を挟んだことでタイミングは掴んだ。相手が再び向かってくるのに合わせて、最後の技である『カウンター』を発動させる。何度もエビワラーを見てきたのだ。もうオコリザルだってこの技を応用して使えるようになっている。
流石にエビワラーのように『きあいパンチ』を合わせるのは無理だが、相手の『ぶちかまし』が決まる前に『グロウパンチ』の一撃を顔面に叩きこんだ。
既に『インファイト』を一度使っていて、ハリテヤマは防御が一段階下がっている。その上、こちらは『カウンター』で威力が二倍になっている上、『グロウパンチ』二回で攻撃力も二段階上がっていた。
いくら、『グロウパンチ』が威力40しかない技でも、それだけ恩恵を受ければ威力は数倍になっている。当然、耐え切れるはずがなく、ハリテヤマが前のめりに倒れて行った。
「『カウンター』をカウンターとして使ってくるなんて……」
そう言いながら、コゴミがハリテヤマをボールに戻す。エビワラーを出す前に使ったのは失敗だったかもしれないな。
この超カウンターは初見殺しの要素が強い。
勿論、シバ程の実力者でなければ、防ぐことも容易ではないが、あまり相手に印象付けないに越したことはないのだ。必殺技はネタが割れると必殺技になり得なくなる。
とはいえ、何とか制限時間内に戦闘不能にすることは出来た。が、ポケモンを戻せない以上、オコリザルは防御と特防が一段階下がったままだ。逆をいえば、攻撃力は三段階上がったままでもある。技は全て使ってしまったが、これで攻撃力不足は解消されただろう。
一息つく間もなく、登録されたコゴミの二体目が繰り出される。二体目はチャーレムだった。
こちらもホウエン地方のガチ戦で、トウキが使っていたポケモンである。聞けば、コゴミはホウエンのトウキやジョウトのシジマを尊敬しているらしい。
俺はどちらとも格闘戦をしたことがあると話すと、羨ましそうな眼を向けられた。大変、気分が良い。
とはいえ、気分よくなっている場合ではなかった。チャーレムはエスパータイプも持っているので、オコリザルには少し不利な相手だ。
攻撃力は上がっているとはいえ、かくとう技は半減である。こうなれば、『グロウパンチ』の連打で、気にならなくなるまで攻撃を上げていくしかない。
しかし、それよりも先に、コゴミは『いばる』を指示してきた。しまった――こちらの攻撃がさらに二段階上がる代わりに混乱になる技だ。
チャーレムの挑発に乗るかのように、オコリザルが冷静さを失って暴走してしまう。攻撃力が五段階上がっているだけあって、自傷ダメージでかなりのダメージを受けていた。
だが、ここで冷静さを失ったことがプラスになったようで、久しぶりに本能のままに暴れまくっているオコリザルの拳が怪しい靄に包まれている。同時に、コゴミは『じこあんじ』を指示していた。これにより、チャーレムの攻撃は五段階上昇する。
まずい――攻撃を受ければ一撃でアウトだ。
オコリザルに指示を飛ばすが、完全に暴走しているようで反応が返ってこない。まだ技としては登録されてはいないが、あの黒い靄がどうやら『ふんどのこぶし』に必要なゴーストエネルギーのようだった。とはいえ、喜びもつかの間、続けて繰り出されるチャーレムの『かみなりパンチ』直撃で戦闘不能に持って行かれる。
ハリテヤマの『インファイト』急所に、攻撃力五段階の自傷ダメージ、とどめに攻撃が五段階上昇した『かみなりパンチ』の直撃を受ければ、流石のオコリザルも耐えきれなかったようだ。
しかし、収穫はあった。
そうか、『いばる』で無理やりに本能を目覚めさせてやればよかったのか。いや、『いばる』だけじゃない。思えば、『いかり』のように、本能を刺激する技でもアシストも出来た。次のトレーニングからは、それらの技を使おう――と、思いつつ、倒れたオコリザルを戻していく。
こちらがオコリザルを戻すと同時に、登録した俺の二体目が繰り出された。ワカシャモである。
連続のかくとうタイプで、コゴミは俺が格闘戦を挑んでいるのを確信したようだった。そうでなくては面白くないとばかりの笑みを浮かべている。
後で聞いた話だが、最初に試合形式の文句を垂れまくったせいで、俺はコゴミに滅茶苦茶嫌われていたようなのだが、そのマイナスがプラスに戻るくらいには嬉しかったらしい。
とはいえ、そんなことは知る由もなく、こちらは公式戦デビューのワカシャモが暴走しないように声をかけていた。
野良バトルはいくつかこなしたが、こいつは特性が『かそく』ということもあって、時間が経過するごとに足が速くなる。強力な特性だが、そのせいかお調子に乗りやすいのだ。
おまけに、足技を得意としているからか、レベル技では覚えない『メガトンキック』や『ローキック』なんかも覚えている。咄嗟に蹴りが出やすいので、その癖を逆利用されないか心配だった。
ワカシャモが嬉しそうにフィールドに入って行く。バトル開始の合図と共に、コゴミは再び『いばる』を指示してきた。
交代できないルールで、混乱状態はかなり危険な状態異常だ。さらに攻撃力も上昇させられるので、自傷ダメージも増えていく。
ワカシャモには目を瞑ってフィールドを外回りに走るように指示した。『いばる』もまた、『あくび』なんかと同じで、モーションを見ることによって発動される技だ。視界に入れなければ技は発動しない。
動き回らせたのは、追撃をしにくくさせるためだ。攻撃が五段階も上がっているチャーレムの攻撃など簡単には受けられない。同時に、『かそく』の特性が発動し、ワカシャモの素早が一段階上がっていく。
コゴミもあからさまに上がったスピードを見て、ワカシャモの特性が『かそく』だと理解したらしい。
ここで『じこあんじ』を使ってくれればいいのだが、四天王に近い実力を持つフロンティアブレーンが自身の攻撃力を下げる真似などするはずないか。
だが、防御は並だ。攻撃が通れば倒せる。
ワカシャモに『ブレイズキック』を指示した。一割で相手を火傷にするか、急所ランクが+1される技だ。
火傷に出来ればあのバカみたいな火力も半減するし、急所に当たればダメージを稼げる。おまけにタイプ一致で、ワカシャモは蹴技が得意と、もはやこの技以外の選択肢はない。
得意の『ブレイズキック』でチャーレムにダメージを与えていく。どうやら上手く火傷を引いたようで、チャーレムの火力が下がった。
しかし、それでもかなりの火力を持っている。『かみなりパンチ』で麻痺を狙いながら、コゴミも追撃をかけてきた。一撃で体力が半分近く持って行かれる。
しかし、ワカシャモはそのまま『にどげり』でさらに追撃をかけにいった。『かそく』でさらに素早が上がったからこそできる、隙の無い追撃である。
そのまま二段目の攻撃の勢いに乗って、ワカシャモがチャーレムから距離を取っていく。
チャーレムも耐久がそこまで高いポケモンではない。この連撃で、そこそこ体力は削れたはずだ。
特に火傷に出来たのは大手柄だった。これで、火力は半減したし、攻略の目途が立ったと言っていい。『フェザーダンス』を指示して、相手の攻撃をさらに二段階下げていく。
これで攻撃力は通常時よりちょっと強いくらいには出来たはずだ。だが、コゴミは即座に攻撃力を諦めたようで、『じこあんじ』でワカシャモのステータスをコピーしている。これで、『フェザーダンス』のマイナスが消え、お互いに三段階素早は上昇した。
素早が上がったチャーレムに『かみなりパンチ』が指示され、真っすぐ突っ込んでくる。攻撃力は何とか半減させられたが、『かみなりパンチ』で麻痺させられたら、スピードに追い付けなくなって負けてしまうだろう。
直撃を受ける訳にはいかない。だが、攻撃を避けようとするも、あまりの速さに回避しきれなかった。仕方ないので『ブレイズキック』で弾いていく。しかし、コゴミはその防御の隙を狙っていたようで、最後の技である『かかとおとし』を指示してきた。
この技は、三割の確率で相手を混乱に出来るが、外れたり、『まもる』や『みきり』で攻撃を失敗させられたりすると、最大HPの半分のダメージを受けるという大技だ。
仕組み的には『とびひざげり』に近いが、混乱の追加効果があるため、威力は120の物理技となっている。ワカシャモは『かみなりパンチ』を防ぐために、『ブレイズキック』を使っていた。言わば、足が片方浮いている状態だ。当然、俊敏な動きが出来るはずもなく、チャーレムの『かかとおとし』が脳天に直撃する。
この一撃でワカシャモの体力は1/3以下まで削られた。残り時間は二分――だが、このままでは制限時間が来る前に倒されかねない。
運の悪いことに、追加効果である混乱を引いてワカシャモはフラフラしていた。オコリザルの時は『いばる』で煽られたこともあって暴走気味だったが、通常の混乱ということでそこまで興奮はしていない。
しかし、隙が出来たのは間違いなかった。
コゴミは再び、『かみなりパンチ』を指示してくる。とどめを刺そうという狙いだろう。実際、チャーレムも『ブレイズキック』と『にどげり』、火傷の継続ダメージで体力はかなり減りつつある。目算で1/3ちょっとくらいだ。向こうも追い詰められている。
こうなれば、一か八かだ。最後の技として、『きしかいせい』を指示する。
この技は自分の残りHPが低いほど威力が上がる技だ。今のワカシャモなら最大値に近いダメージを出すことが出来るだろう。当たれば勝てる。
目の焦点の合っていないワカシャモだが、指示は聞こえていたのか、技を発動させようとしていた。
だが、その動きはとてもゆっくりで、チャーレムは余裕をもって『かみなりパンチ』を繰り出してくる。
しかし、混乱はあくまでも確率――2/3の確率で、攻撃は素直に通るのだ。ワカシャモは運よくその2/3を引いたようで、『かそく』による変速を利用しつつ、カウンター気味に『きしかいせい』の一撃をチャーレムに命中させる。
当然、残り体力に余裕のないチャーレムに耐えられるはずもなく、戦闘不能になっていた。勝ったワカシャモはまだ混乱しているようでフラフラと辺りを歩き回っている。
変速は偶然だったが、結果的にはこちらの勝ちだ。こういう偶然が勝利に結び着くのがポケモンバトルである。
コゴミもこれは仕方ないという顔でチャーレムを戻すと、登録した最後の一体が繰り出された。出てきたのはカポエラーである。
シジマのカポエラーに危うく三タテくらいそうになった記憶は未だ鮮明に残っていた。どうやら、コゴミがシジマやトウキのファンというのはガチのようだ。
コゴミは当然のように『トリプルキック』を指示してきた。混乱しているうちにワカシャモを倒そうという狙いだろう。
こちらも『きしかいせい』で反撃を狙うが、そう何度も混乱は抜けられないようで、攻撃モーションに移ることなく、カポエラーの攻撃を受けてワカシャモは戦闘不能になった。
これで、こちらも残りはエビワラーだけである。ワカシャモを戻すと同時に、エビワラーがフィールドに送られていく。
いつも通り、自信たっぷりの面構えで安心する。指示なしでも、当然のように『こうそくいどう』を発動させて素早を二段階上げていった。
先程、ワカシャモに当たった攻撃の威力から見ても、コゴミのカポエラーの特性は『テクニシャン』で間違いないだろう。威力60以下の技が1.5倍の威力になる強力な特性だ。
こちらが動かないのを見て、コゴミは『ビルドアップ』を指示していた。カポエラーの攻撃と防御が一段階ずつ上昇していく。対して、エビワラーは二度目の『こうそくいどう』を積んでいる。
そのままコゴミが二度目の『ビルドアップ』を指示した瞬間、エビワラーは動き出した。得意の『マッハパンチ』で顔面に一撃を与えていく。
コゴミも、エビワラーにはあり得ない速度を見て、こちらが指示なしで『こうそくいどう』を使っていたことを察したらしく、二度目の『ビルドアップ』をキャンセルし、『こうそくスピン』からの『トリプルキック』という変則技で攻撃を仕掛けてくる。
しかし、攻撃は全て回避していく。
回転状態で、技の出だしがわかりにくいはずだが、エビワラーは当たり前のように攻撃をギリギリで避けていた。
だが、コゴミも即座に『こうそくスピン』からの『トリプルキック』で追撃をかけてくる。『こうそくスピン』の追加効果である素早一段階上昇のおかげで、段々とカポエラーのスピードも上がり、少しずつエビワラーも避け切れずに『マッハパンチ』で攻撃を払いのけていた。
もう少しで当たる――そんなコゴミの心の声が聞こえてきた。再び、『こうそくスピン』で素早を上げながら、今度は懐に潜り込んでの『インファイト』を仕掛けてくる。
しかし、待っていたのはこの一瞬だ。
相手の攻撃に合わせて、『こうそくいどう』、『カウンター』、『きあいパンチ』の超カウンターで、一刀の下に切り伏せていく。
ギリギリまで引き付けたことによって、カポエラーはエビワラーの動きについて行けず、何がされたかわからなかっただろう。まさに意識外からの一撃を受けて、カポエラーが倒れ落ちる。
先に『ビルドアップ』を一段階積んでいたが、それでもカポエラーはエビワラーの超カウンターに耐え切れなかったようだった。
まぁ、当然である。実質、威力540もある攻撃を防御一段階上がった程度で耐えきれるはずがない。最近は不発になることも多かったが、これが本来あるべき状況なのだ。おそらく、カポエラーは何をされたかわからないままに戦闘不能になってしまったことだろう。
だが、コゴミは理解しているようだった。
オコリザルが使った超カウンターもどき。あれの完成型がこれなのだと理解していたのだ。むしろ、何故そこに思い至らなかったと自分を悔いる様子を見せる。
とはいえ、こちらとしてはそう簡単に凌がれる方が問題だ。シバはともかく、シジマやトウキですら初見は通用している。勿論、オコリザルでヒントを出したとはいえ、カウンター=エビワラーというのは、俺の事前情報なしでは見抜けるはずがないのだ。
しかし、動かない人間は他にもいた。
審判もまた、まさかこんなにあっさり勝負が決まるとは思わなかったようで呆然としている。思わず、仕事をしろとツッコミを入れると、慌てたようにカポエラーの戦闘不能が宣言された。
これにより、コゴミのポケモンが三体全て戦闘不能になったことで、俺の勝利が決定する。今回は全員のレベルが同じで事前にポケモンを決めている勝ち抜き戦だったこともあって、後が予想できない面白いバトルが出来たな。
安定のエビワラーも良かったが、ワカシャモもデビュー戦とは思えない大活躍だった。オコリザル進化への道も見えてきたし、いろいろと収穫のあるバトルだったと言えよう。
実際、エビワラーの初見殺しがなければ、どうなるかはわからなかった。それだけ、『こうそくスピン』からの足技は厄介だったし、俺が格闘戦に精通していなければまず勝てなかっただろう。
コゴミから、二つ目のフロンティアシンボルであるガッツシンボルを渡される。これで二つ目だ。わりかし順調だな。
ラティが期待したような目をしているが、残念ながら今回はしません。ニューサトシはあまり安売りをしないタイプなのである。
追記。次のバトル施設は、バトルドームというらしい。思わず、超エキサイティンしそうだぜ!
原作との変化点。
・第149話『バトルアリーナ! 格闘対決!?』より、ニューサトシが対戦方法に文句をつけた。
2対2とか前菜だけみたいなもんじゃん。
・特殊ルールでバトルすることになった。
ゲームルールを応用している。シングルバトル3VS3、レベル制限50、勝ち抜き戦、一試合制限時間5分、それを過ぎた場合は審判による判定。事前にポケモンを三体、ボール射出機にセットして、戦闘不能になる度にチェンジしていくシステム。
・ふんどのこぶしを覚えるヒントを掴んだ。
感想欄でもバレていたが、ポケモンの技によって強制的に本能を引き出すことで、無くしていた怒りを取り戻させることを思いついた。
・ワカシャモは足技が大得意。
気が付いたら蹴りキャラになっていたが、足技被りは今の所していないのでこの先も足技使いになりそう。
・エビワラーの初見殺し。
そろそろ見飽きてきた人も出てきそうなエビワラーだが、もしエビワラーでなければ負けていた可能性が高い。向こうのカポエラーはこうそくスピンでスピードを段階的に上げることで避けづらい攻撃を仕掛け、隙を見てとどめを刺すという型。エビワラー以外ではおそらく、変速に対応出来ずに殴り倒されていた。
現在ゲットしたポケモン
ピカチュウ Lv.63
ピジョット Lv.59
バタフリー Lv.59
ドサイドン Lv.62
フシギダネ Lv.59
リザードン Lv.63
カメックス Lv.59
キングラー Lv.59
カモネギ Lv.59
エビワラー Lv.59
ゲンガー Lv.61
オコリザル Lv.58
イーブイ Lv.58
ベトベトン Lv.58
ジバコイル Lv.58
ケンタロス Lv.58
ヤドラン Lv.58
ハッサム Lv.60
トゲキッス Lv.58
プテラ Lv.59
ラプラス Lv.58
ミュウツー Lv.75
バリヤード Lv.59
イワーク(オレンジ諸島の姿) Lv.57
カビゴン Lv.57
ニョロトノ Lv.57
ヘラクロス Lv.56
メガニウム Lv.55
マグマラシ Lv.55
ラティアス Lv.51
ヘルガー Lv.56
ワニノコ Lv.55
ヨルノズク(色違い) Lv.55
カイロス(部分色違い) Lv.56
ウソッキー Lv.55
バンギラス Lv.61
ゴマゾウ Lv.53
ギャラドス(色違い) Lv.53
ミロカロス Lv.46→47
ミズゴロウ Lv.49
オオスバメ Lv.49
ジュプトル Lv.49
ヘイガニ Lv.48
フライゴン Lv.54
コータス Lv.47
ラルトス(色違い) Lv.30
ユキワラシ Lv.45
ワカシャモ Lv.41→42
タマゴ 何が生まれてくるのかな? 生まれるまで、まだまだ時間がかかりそう。