ニューサトシのアニポケ冒険記   作:おこむね

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#165 『構うな、戦え!!』

 13歳 γ月β日 『バトルタワー VS リラ 後編』

 

 リラは二体目として、メタグロスを出してきた。対するこちらはリザードンである。やはり、心を通わせたという意味では、こいつの右に出るものはいないだろう。

 相性的にも有利なので、序盤はきずな現象なしで攻めていくことにした。この一年、リザードンはオーキド研究所で通常状態で自身を鍛え直していたのだ。ホウエンでのガチ戦の途中、俺がナギに負けたせいできずな化させてしまったが、今回はこいつの意図を汲み取ってバトルしていくつもりである。

 

 気持ちは合わせつつ、きずな化はしないレベルでシンクロしていく。リラも、こちらとリザードンが気持ちを一つにしたことに気付いたようで嬉しそうな笑みを浮かべている。

 ピカ様の時は経験則でのバトルだった。

 公式戦以外の野良バトルを含めると、ポケモンの使用率はピカ様がナンバー1だ。一度も旅から離れたことがない以上、ピカ様以上に俺の指示を受けたことがあるポケモンはいない。だからこそ、ピカ様は俺ならこういう指示をするだろうと考えてバトルしていた。

 

 実際、動きは全て合っている。

 

 いわば、時間が作った信頼が現れたバトルだ。しかし、今回は違う――俺達は言わば、リラと同じ世界で戦うことになる。

 言葉は必要なく、心を一つにすることで、気持ちを共有していくバトル――何故、俺が今回こういうバトルを提案したかの全てはここに詰まっていた。

 

 バトル再開と共に、リザードンが『かえんほうしゃ』を撃つ。同時に、メタグロスも『サイコキネシス』でこちらの炎を弾いていく。

 割とガチ目の攻撃だったが防がれたな。『サイコフィールド』が張られているので、エスパータイプの技は1.3倍になっているのだ。

 

 続けて、『ブラストバーン』の構えを取ると、向こうも『はかいこうせん』を撃ってくる。しかし、タイプ不一致ということもあって、こちらの方が押していた。

 そのまま、『はかいこうせん』を突き破って、メタグロスにダメージを与えていく。互いに反動で少しの間動けなくなるが、先制のダメージはこちらが頂いた。

 

 とはいえ、威力の大半は相殺されている。

 

 ほのおタイプの技ははがねタイプに効果抜群だが、実際には『ひのこ』を直撃させたレベルのダメージだ。メタグロスも、まだまだ余裕の表情を見せている。

 

 だが、先制したのは間違いない。このまま一気に流れを掴むために、空中戦に移動していく。

 メタグロスは飛行が可能なタイプのポケモンだが、『ふゆう』の特性を持っている訳ではないので、ひこうタイプのような機敏な動きは出来ない。こちらが得意なスピード勝負に持ち込んでアドバンテージを稼いでいこう。

 

 上下右左と、メタグロスの周りを高速で移動していく。しかし、メタグロスは落ち着いていた。トレーナーであるリラを信じ切っているのだろう。

 何度も揺さぶりをかけていくが不動である。

 思えば、生まれたばかりの俺のダンバルも、こんなタイプだ。はがねタイプ――と、いうか、メタグロス系列はポーカーフェイスタイプが多いのかもしれない。

 

 リラも視線がリザードンから外れなかった。こちらがどう動こうとも対応できるように、タイミングを計っているのだろう。

 下手に隙を見つけるのは無理と判断し、先に仕掛けて行くことにした。リザードンが『ほのおのパンチ』で接近していく。メタグロスもまた、『かみなりパンチ』で迎撃してきた。タイプ不一致だが、近接の攻撃力は向こうの方が高いようで、威力的にはほぼ五分の状況である。

 

 直撃こそないものの、お互いにダメージを受けた。その勢いでメタグロスが地面に落下していく。

このまま、一気に『フレアドライブ』で攻め切ってやる――と、こちらが考えるのと同時、ここでリラが勝負をかけてきた。

 

 フーディンの使った『サイコフィールド』が残っているうちに勝負を決めるつもりのようで、メタグロスが最後の技として、『ワイドフォース』を使ってくる。

 この『ワイドフォース』という技は、場の状態が『サイコフィールド』で自分がひこうタイプや特性ふゆうなどではなく地面にいる時、威力が1.5倍になり、相手全体を攻撃するという大技だ。

 

 条件を満たすために、メタグロスはわざと地上に降りていったのか。おまけに、『サイコフィールド』の効果で、威力はさらに1.3倍になる。

 元の威力は80だが、タイプ一致で120、技の効果で180、場の効果で234の高火力全体攻撃に変化するのだ。咄嗟に、きずな化して『ブラスターバースト』することを視野に入れる。

 

 だが、リザードンはそれを拒否した。

 

 負けそうになったらすぐにきずな化するという行為を取りたくなかったのだろう。現在の自分で限界まで戦いたいという気持ちが伝わってきた。

 しかし、その意思の違いが一瞬の隙となり、リザードンに攻撃が直撃する。しまった――『まもる』で防ぐことも出来たのだ。俺がきずな化に甘えたせいで、防御が間に合わなかった。

 

 高火力技の直撃でリザードンの体力が一気に削られる。残り体力はもう1/3もないだろう。

 だが、『サイコフィールド』は消えた。これでもう『ワイドフォース』は威力80の通常技に戻ったと言っていい。とはいえ、このダメージは安くなかった。

 

 対するメタグロスはまだ体力が半分以上余裕である。相性的には有利でも、ダメージはこちらの方が大きい。

 普通なら戻すことを考慮に入れる場面――しかし、戻すつもりはなかった。俺は、俺達は、互いを信じている。メタグロスを倒すことが出来るというのは共通認識だった。

 

 リザードンが再びメタグロスの周りを飛び回る。

 

 当然、それでかく乱できないのは先程の流れで証明済みだ。なので、そのまま『かえんほうしゃ』を撃って、疑似的な『ほのおのうず』を作っていく。

 メタグロスが一瞬、『サイコキネシス』を撃とうとするが、すぐに動きを止めた。リラも、『かえんほうしゃ』で作った炎の渦が直撃コースじゃないことに気付いたのだろう。

 

 コンテストの応用で思いついたこの疑似的な『ほのおのうず』は、メタグロスに向かってゆっくりと進んでいく。リラも、まさか技をこんな風に応用してくるとは思わなかったようで警戒心をあらわにしている。

 とはいえ、本物の『ほのおのうず』ではないので、拘束効果も、交代禁止効果もなかった。『サイコキネシス』で弾き飛ばせば、特にダメージも受けないだろう。これだけなら、宴会芸にしかならない。そんな意味のない応用技だ。

 

 だが、狙いは別にあった。

 

 リラは勿論、メタグロスも疑似的な炎の渦に視線が集中している。そのせいで、一瞬リザードンから意識が逸れていた。

 まさか、この大事な場面で全く意味のない技を使ってくるとは普通考えないだろう。リラもメタグロスも、この『かえんほうしゃ』で作った炎の渦には、何か意味があると深読みするはずだ。

 

 だが、実際には何の意味もない。

 ただただ、無意味なだけの技だ。

 

 しかし、リラとメタグロスはそう考えない。その深読みが、隙を作るきっかけになるのだ。実力がある奴程、こういうフェイントに引っかかりやすい。

 

 リザードンはその隙を突いて、一気にメタグロスへ突撃していく。最後の技である『フレアドライブ』を発動させ、上空からメタグロスへダイブした。

 真正面から行けば、『サイコキネシス』や『はかいこうせん』で迎撃されかねない。だからこそ、無意味な技で意識を反らした。リラもすぐにリザードンに気付いたようだが、人間が反応して対応策を考える以上の早さでリザードンの攻撃が決まる。

 

 しかし、メタグロスもされるがままではなかった。上から抑えられながらも、『サイコキネシス』でとどめを刺そうとしてくる。

 リザードンの体力は、『フレアドライブ』の反動でミリだ。『サイコキネシス』でも『ワイドフォース』でも当たれば倒れるだろう。

 

 だが、まだ俺のターンだ。

 

 相手の攻撃に合わせて、『ほのおのパンチ』をボディに打ち付けて集中を阻害していく。

 前にもどこかで書いたが、『サイコキネシス』などのエスパー技は、強力な分、集中力が必要になる。その集中を阻害してやれば、技は不発になるのだ。

 

 これでダメージはほぼ五分。お互いに後一発で倒せる盤面――リラは『かみなりパンチ』を指示したようだった。エスパー技は今のように集中を阻害され、『はかいこうせん』は発射までに少しタメがいる。

 だからこその近接攻撃なのだろう。しかし、体勢が悪かった。地面に叩きつけられているメタグロスが腕を振り上げるよりも、リザードンがとどめを刺す方が早い。

 

 最後の『ほのおのパンチ』でメタグロスを戦闘不能に持って行った。もっと早くこの状況に持って行きたかったが、中盤俺の甘えが無駄にリザードンを傷つけてしまったな。

 

 しかし、これで3対1という状況になった。

 

 リザードンを戻す。体力ミリな以上、少しでも体力を回復させてほしい場面だ。一撃でも耐えてくれれば戦いようはあるが、一撃も耐えられないのでは戦いようがない。

 

 リラは最後の一体として、エーフィを出してきた。こちらも、最後の一体であるバタフリーを送り出していく。

 ピカ様、リザードンと来て、まさかのバタフリーである。誰も想像できなかっただろう。だが、こいつもまた、立派なニューサトシ古株勢の一人である。特に、コンテストの練習で阿吽の呼吸を覚えたこいつなら、他の連中よりもこのバトルに適していると判断した。

 

 とはいえ、流石にバタフリーでは、ピカ様のように俺の考えをトレースしたり、リザードンのようにシンクロしたりすることは出来ないので、こまめなアイコンタクトとサインを送っていく。

 シンクロという意味ならミュウツーもアリだったが、リザードンと違ってきずな化は安定していないし、勝手に暴れるだけで勝っても経験にならないからな。

 

 エーフィの通常特性は、状態異常になった時に同じ状態異常を相手にも与える『シンクロ』だ。夢特性は、変化技を跳ね返す『マジックコート』と同じ効果の『マジックミラー』である。

 どちらも強力な特性だ。

 こちらが状態異常に甘えて粉技を使えば、それらは全て自分に跳ね返ってくるということである。迂闊に変化技は使えないということで、ここは相性を最大限に利用してごり押ししていく。

 

 バタフリーに『むしのさざめき』のサインを送る。正確には、むし技高火力というサインだ。

 しかし、バタフリーはすぐに『むしのさざめき』を撃った。長い付き合いだけあって、すぐに言いたいことは理解してくれる。

 

 だが、リラとエーフィのコンビはその上を行っていた。バタフリーの『むしのさざめき』を放たれるギリギリで回避に移っている。

 リラの気持ちがエーフィに伝わる速度が速すぎるが故に、回避もワンテンポ早くなり、モーションを先読みして回避を可能としていた。フーディンやメタグロスとは年季が違うと言いた気だな。

 

 しかし、こちらもされるがままでいるほど優しくはない。もし、エーフィの特性が『マジックミラー』だったとしても、相手に影響を及ぼさない技なら問題ないだろう。

 バタフリーが得意の『ちょうのまい』を披露していく。特攻、特防、素早が一段階上がるという強技だ。相手の動きが早いなら、ステータスを上げて追いついてやるぜ。

 

 だが、リラも対応が早い。『じこあんじ』でこちらが強化した分、エーフィのステータスを上げてきた。

 これではステータスを上げるだけ不利になる。万が一、ステ最大まで上げたバタフリーが倒されでもしたら、後ろのピカ様とリザードンは最大バフをコピーしたエーフィと戦うことになるのだ。もう体力が少ない二体にしてみればたまったものではないだろう。

 

 ならばと、バタフリーは『おいかぜ』で少しの間、自身の素早を二倍にしてきた。

 成程、考えたな。風によるバフは、『じこあんじ』でもコピーできない。これなら相手の上を取れる。

 

 素早でエーフィを上回ったバタフリーが、再び『むしのさざめき』で攻撃していく。

 エーフィも『サイコキネシス』で、こちらの攻撃を跳ね返そうとしてきたが、どうやら威力はほぼ互角らしく反らすのが限界のようだった。

 

 リラが驚いたような顔をしている。

 

 どうやら技の威力に自信があったようで、エーフィのサイキネで押し切れないとは思わなかったようだ。

 おいおい、そりゃ俺のバタフリーを舐め過ぎだろう。この三年間、こいつもまた古株として死ぬほど努力していたのだ。種族値がそこまで高くなくてもちゃんと強くなってんだよ。

 

 とはいえ、エーフィの強さもなかなかのものだ。

 

 出来れば、『おいかぜ』が生きているうちに流れを掴みたい。と、すると、単発ではなく、連打だな。『エアスラッシュ』で怯ませて、ダメージを稼いでいきたい。

 再びバタフリーにサインを送る。

 複眼だから視野が広く、しっかりとサインを受け取ってくれたようだ。出した指示は、ひこう技連打である。それだけで理解したようで、『エアスラッシュ』を連打していく。

 

 流石のエーフィも『おいかぜ』で加速しているバタフリーの細かいエアスラは避け切れないようで攻撃がヒットしていた。

 しかし、バタフリーの特性は『てんのめぐみ』ではないので、怯み率は三割しかない。トゲ様のように動きを止め続けるというのは無理なようでエーフィもすぐに回避に移っている。

 

 バタフリーのスピードに防御一択という感じの状況だが、連打を続けても致命傷にはなっていない。

 エーフィも攻撃を上手く受け流しているのだ。もうエアスラも三発目になるが、体力はまだ2/3ほど残っているだろう。

 

 だが、ここで『おいかぜ』の効果が切れた。

 

 同時に、目に見えてバタフリーのスピードが下がる。その瞬間、この時を待っていたと言わんばかりにリラは勝負に出てきた。

 エーフィが『でんじほう』の構えを取っている。妨害しようとするバタフリーだが、スピードはもうエーフィの方が上なので間に合わない。

 

 バタフリーもすぐに止められないと判断したようで回避に移った。『でんじほう』は命中率五割の技だ。そう簡単には当たらない。

 しかし、発射と同時に、『でんじほう』はバタフリーを追従してきた。『サイコキネシス』で弾を操作しているのだ。おまけに、リラのポケモンの気持ちを読む力によって、バタフリーの回避思考は先読みされているようで、避け切れずに『でんじほう』が直撃する。

 

 ――無傷だったバタフリーの体力が、たったの一撃で半分持って行かれた。

 

 急所に当たったという感じではない。しかし、乱数込みとはいえ確実に体力は半分削られた。バタフリーが苦しそうな顔をしている。

 だが、いくら『ちょうのまい』をコピーして、特攻が一段階上がっているとはいえ、タイプ不一致の『でんじほう』の一撃でそこまで削られるほど俺のバタフリーは弱くない。

 いや、そもそもこちらも『ちょうのまい』で特防が上がっているのだ。仮にピカ様の『かみなり』を直撃で受けたとしてもダメージは半分もいかないだろう。威力が有り過ぎだ。

 

 おまけに、『でんじほう』の追加効果で確定麻痺を貰っている。これではもう次の攻撃を避けることすら出来なかった。

 

「エーフィの特性である『シンクロ』は、本来自分の受けた状態異常を相手にも移す特性だけど、僕とエーフィが深いシンクロ状態になると、自分の得意タイプ以外の技も得意になるみたいなんだ」

 

 こちらの困惑を読み取ったリラがそう説明してくる。つまり、シンクロが深くなると、タイプ不一致の技がタイプ一致で打てるようになるということか。ナーフ前の『へんげんじざい』並に強いじゃねーか!

 

 これはまずい。バタフリーはもう完全に動きが止まってしまっている。リラは「ごめんね」と一言謝って、エーフィに『サイコキネシス』を使わせていた。

 バタフリーも、もうどうしようもないことを悟っていたようで、『おいかぜ』を使って後を任せている。少しでも、後ろのポケモン達が楽になるようにと考えてのことだろう。

 

 サイキネの直撃を受けて、バタフリーが戦闘不能になる。これで2対1だが、こちらの残りは全員満身創痍だ。

 リザードンは体力ミリ、ピカ様は1/3と言った所か。ここはピカ様にお任せしよう。リザードンのミリの体力ではサイキネを受けただけで倒されかねない。もう少し体力を回復させたかった。

 

 視線を向けると、ピカ様が頷いてフィールドに走っていく。長い時間休んだおかげで、少しはスタミナが回復できたようだ。

 バトルが再開すると、開幕『ばちばちアクセル』で攻めていく。しかし、前に一度見せたこともあって、リラも攻撃を見切っていた。最後の技である『アイアンテール』で、『ばちばちアクセル』を受けている。

 

 ならば接近戦だと、ピカ様も『アイアンテール』でエーフィに攻撃を仕掛けていく。バタフリーの残した『おいかぜ』の恩恵を最大限生かして直撃を狙いに行っていた。

 どうやら、近接攻撃力はこちらの方が上のようで押している。誰に似てしまったのか、ピカ様も接近戦が大好きだからなぁ。しかし、エーフィも頑張って防御していた。尻を一生懸命に振って、ピカ様の攻撃を防御している。

 

 対するピカ様は二足歩行の有利を生かし、相手の後ろ脚を払ってバランスを崩すという、極悪非道な一撃でエーフィを転ばせていた。

 そのまま脳天に『アイアンテール』の一撃をお見舞いしていく。頭にダメージを受けたことで、エーフィにも一瞬隙が出来た。その隙を逃すピカ様ではなく、『10まんボルト』の追撃でダメージを稼いでいく。二連撃によって、エーフィの体力が大きく削られた。

 

 おそらく、残り体力はどっこいくらいだろう。

 

 お互いに、後一、二発という体力だ。ただ、今の攻撃で『おいかぜ』の効果が切れてしまった。こうなると、ピカ様もそう簡単にダメージを与えられない。

 おまけに、ピカ様もせっかく回復したスタミナも切れかけ、再び肩で息をしていた。長期戦になれば、間違いなくやられる。どうにかして、先に二発叩き込む必要があった。

 

 エーフィが『でんじほう』の構えを取る。いくら強力とはいえ、でんきタイプにでんき技は威力半減だ。

 それでもピカ様の残り体力をサイキネ一撃圏内に入れられればいいという判断だろう。サイキネで操作した『でんじほう』でピカ様を攻撃してくる。

 

 ピカ様が当然のように『でんじほう』を『アイアンテール』で一刀両断していく。しかし、『でんじほう』は囮だと言わんばかりに、エーフィは攻撃後のピカ様に『サイコキネシス』を撃ってきた。

 ピカ様が『サイコキネシス』の直撃を受ける。だが、ピカ様もただではやられんと、カウンターシールドからの『10まんボルト』で、エーフィに迎撃していった。

 

 普通に撃てば回避されると考えて、カウンターシールド型にすることで電撃の動きを読みにくくしたのだろう。これが、この勝負の明暗を分けることになった。

 

 エーフィの『サイコキネシス』によって、ピカ様の残り体力がミリまで削られていく。

 対するエーフィもカウンターシールドでダメージを与えていたが、流石のピカ様でも攻撃を受けながらのカウンターシールドは制御が難しかったようで、途中で電撃が全方位に分散してしまった。

 

 その際、電撃の一部が電球を破壊してしまい、フィールド一帯が暗闇に包まれる。

 何てことはない普通の停電だが、この状況で視界が奪われるのはエーフィからすれば予想外の出来事だった。

 

 暗闇に驚いたエーフィが咄嗟にサイキネを解除する。しかし、ピカ様はカウンターシールドを止めなかった。

 もし、ニューサトシが声を出せていたなら、「構うな、戦え!!」と叫んでいただろう。おそらくピカ様も俺がそう言うとわかったのだ。

 

 暗闇の中、電撃の光がエーフィのいた方向に向かって放たれていく。エーフィからすれば、いきなり視界が真っ暗になったと思ったら、自分に向かって電撃が波打って飛んできたのだ。驚くなという方が無理だろう。

 だが、驚きの声を出しながらも、何とか攻撃は回避したらしい。しかし、声を出したことが運の尽きだった。ピカ様は既に声を頼りに、暗闇の中でエーフィの位置を特定し、とどめの『アイアンテール』を振っている。

 

 基本的にピカ様は『アイアンテール』を縦に振りがちだが、今回は範囲を考えて横に振ったらしい。

 その範囲にいたエーフィは、見えない攻撃を受けて戦闘不能になってしまった。後で聞いた所によると、暗闇になったことでリラとエーフィはかなり動揺してしまったらしい。

 

 どんなに気持ちがリンクしていても、いきなり視界が塞がれれば対応できないということだ。幻影旅団でもそうだった。十九時、停電、作戦決行。

 

 対して、ピカ様は最後まで相手のことを意識から外さなかった。それは普段からどんな状態でも戦うことを諦めないニューサトシのバトルが根底に根付いているからである。闘争心の差が勝敗を決めたと言っていいだろう。

 

 リラも、イレギュラーが起きてもトレーナーの声なしで落ち着いた動きが出来たのは、ピカ様と俺の間に確固たる信頼があったからだと、拍手を送ってきた。

 そのまま六つ目のシンボルである、アビリティシンボルを受け取る。これで残すは後一人ジンダイだけだ。リラも強かったが、ジンダイはさらに強敵だろう。楽しみだぜ。

 

 聞けば、最後のバトルピラミッドはニビシティの近くにあるらしい。そのままバトルタワーを後にしようとしたのだが、最後にリラからポケナビの番号を教えてくれと言われた。

 

 そういえば、原作ではサトシ君が惚れられるような描写があったような気がしなくもない。が、まぁ今回は普通にまたバトルがしたいとかそういうことだろう。

 このリラが、ニューサトシに惚れるなんて奇特な性格をしているとは思えないしな。残念ながら、ニューサトシはサトシ君のように優しい性格はしていないのである。

 

 何やらハルカがスッと厳しい目を向けてきたり、ラティが「むーむー」言ったりしているが、気にせずバトルピラミッドに向かうことにした。

 

 

 追記。生まれたばかりのダンバルが、ガチ戦を見て大喜びしている。どうやら、ニューサトシに似てバトルが大好きなようで、自分も戦うと『たいあたり』を披露してくれた。やる気もあるし、予定を繰り上げて少しずつバトルの練習をしてもいいかもしれないな。

 

 

 




 原作との変化点。

・第170話『バトルタワー! 以心伝心バトル!!』より、リザードンとのシンクロが一瞬ブレた。
 ニューサトシの想像以上に自分の力を試したいストイックなリザードンだった。

・エーフィの特性について。
 オリジナル設定。リラと深いシンクロ状態になることで、使う技がタイプ一致技になる。へんげんじざいに似ているが、自身のタイプが変化する訳ではない。

・ピカ様とはきずな化などなくても以心伝心。
 これまでの付き合いで、何を言いたいかは黙っていても伝わる。停電についてはアニメ通り。

・リラにポケナビの番号を聞かれた。
 が、ニューサトシは自分が悪い性格をしているのを自覚しているので、惚れられたとは欠片も考えていない。

・ダンバルがバトルをしたがった。
 歴代のタマゴポケモンの中でも一番好戦的。もう少し遊ばせるつもりだったが、ちょっとずつバトルの練習を始めることにした。



 現在ゲットしたポケモン

 ピカチュウ Lv.63

 ピジョット Lv.59

 バタフリー Lv.59

 ドサイドン Lv.62

 フシギダネ Lv.59

 リザードン Lv.63

 カメックス Lv.59

 キングラー Lv.59

 カモネギ  Lv.59

 エビワラー Lv.59

 ゲンガー  Lv.61

 オコリザル Lv.58

 イーブイ  Lv.58

 ベトベトン Lv.58

 ジバコイル Lv.59

 ケンタロス Lv.58

 ヤドラン  Lv.58

 ハッサム  Lv.60

 トゲキッス Lv.58

 プテラ   Lv.59

 ラプラス  Lv.58

 ミュウツー Lv.75

 バリヤード Lv.59

 イワーク(オレンジ諸島の姿) Lv.57

 カビゴン  Lv.57

 ニョロトノ Lv.57

 ヘラクロス Lv.56

 メガニウム Lv.56

 マグマラシ Lv.56

 ラティアス Lv.51

 ヘルガー  Lv.56

 ワニノコ  Lv.55

 ヨルノズク(色違い) Lv.55

 カイロス(部分色違い) Lv.56

 ウソッキー Lv.55

 バンギラス Lv.61

 ドンファン Lv.54

 ギャラドス(色違い) Lv.53

 ミロカロス Lv.47

 ミズゴロウ Lv.50

 オオスバメ Lv.49

 ジュカイン Lv.50

 ヘイガニ  Lv.48

 フライゴン Lv.55

 コータス  Lv.48

 ラルトス(色違い) Lv.30

 オニゴーリ Lv.47

 ワカシャモ Lv.43

 ダンバル(色違い) Lv.1


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