ニューサトシのアニポケ冒険記   作:おこむね

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#170 『たまにはこういうのも悪くないな』

 13歳 γ月σ日 『たまにはこういうのも悪くないな』

 

 カントーじゃあまり見ないペラップを相棒に、世界一の漫才コンビを目指しているというアンリに出会った。

 漫才と聞いて、何やらメタモン使いのイミテの時と似たような空気を感じるが、いざ見せて貰ったペラップの芸は完成度が高くなかなか面白い。

 

 しかし、たまにフラっと、どこかへいなくなってしまい、戻ってきた時には聞き慣れない言葉を覚えているので困っているということだった。成程、ポケモン自身ではなく、行動に問題があるタイプだったか。

 

 とりあえず、真相を突き止めるために、ペラップの後を追ってみようということになったのだが、ペラップが向かった先には病院しかなかった。

 どうやら、ペラップは入院中で親と一緒に居られない子供達を励ますために、定期的に遊びに行っていったらしい。アンリに秘密がバレて焦るペラップだが、アンリは水臭いとばかりにペラップの頭を撫でていた。ペラップの気持ちを汲んで、子供達に芸を見せるつもりなのだろう。

 

 だが、ペラップがアンリのポケモンで、もうすぐ一緒に旅立ってしまうと知った子供達は芸を見る前にショックを受けてしまった。

 落ち込む子供達だが、それでもアンリは少しでもみんなが元気になるようにと、自分に出来る全力で芸を披露していく。アンリやペラップの気持ちは、芸を通じて子供達にも伝わったようで、始まる前にはお通夜みたいだった空気も一転し、終わる頃には拍手が二人に送られていた。

 

 いいね。ニューサトシはこうやって、ポケモンと一緒に誰かを助けようとする奴は割と嫌いではないのである。

 俺達も出来るだけサポートしようということで、疑似コンテストみたいなことをして、入院中の子供達を励ましてあげることにした。

 

 グランドフェスティバル出場経験者と、ジムリーダーが揃っているということで、割と大規模なコンテストだが、子供達が喜んでくれるなら当然無料である。

 最初は落ち込んでいた子供達も、アンリやペラップ、それに俺達のことも応援することにしてくれたようで、最後は笑顔で旅立ちを見送ってくれた。たまには、こういうのも悪くないな。

 

 

 

 13歳 γ月τ日 『こういう奴は強くなる』

 

 野生のマニューラが勝負を仕掛けてきた。基本的に野生のポケモンをいじめる趣味はないニューサトシだが、このマニューラはかなり好戦的な奴だったので、仕方なくワカシャモでお仕置きしてやる。

 こおり・あくタイプのマニューラに、ほのお・かくとうタイプのワカシャモをぶつけるという非道なニューサトシだが、突っかかってきた奴が悪いということでボコボコにした。

 

 この辺りの警護をしているという、森林警備隊のカワダとかいう奴の話によると、このマニューラはこの辺りに通りかかるトレーナーに片っ端から勝負を挑んでいるらしい。

 倒れたマニューラを介抱しながら、何で喧嘩を売ってきたのか聞いてみると、どうもこいつはかつて群れのリーダーだったようなのだが、突如現れたはぐれマニューラとのバトルに負けて群を去ったのだという。もっと力をつけてリベンジするつもりのようで、そのためにトレーナーを襲って自分を鍛えていたらしい。

 

 泣かせる話ということで、ニューサトシが協力してやることにした。マニューラも自分を倒したニューサトシに師事できるとわかると、恥を捨てて頭を下げてくる。

 強くなるためにプライドを捨てられる奴は強くなるもんだ。と、いうことで、ニューサトシが野生ポケモンメタの戦い方をレクチャーしていると、森の中からニューラが飛び出してきた。

 

 どうやら、かつてマニューラが率いていた群のニューラのようで、新しくリーダーになったはぐれマニューラの横暴に耐え切れずに、群から逃げ出してきたらしい。

 助けを請うニューラに対し、マニューラは何も言わなかった。おそらく、まだ自分に自信が持てていないのだろう。だが、そんなマニューラの心境など知らんとばかりに、森の中からマニューラの群がニューラを連れ戻しにやってきた。

 

 真ん中の頬に傷がある奴が、はぐれマニューラのようだ。逃げ出してきたニューラに、戻って来いと言って無理やり群に連れて帰ろうとしている。

 しかし、そんなニューラを見ても、マニューラは動かなかった。敗北の恐怖が足を止めさせるのだろう。「見捨てて後悔しないな?」と声をかけると、ギュッと拳を握りしめていた。もうちょっと後押してやるか。

 

「男には、例え勝てなくても逃げちゃいけない時がある。お前にとって、それは今だ。ここで逃げれば、後で絶対に後悔する。それでいいのか?」

 

 最後の問いに対し、良い訳がない――と、声を上げてマニューラが前に出る。そのまま、はぐれマニューラに再戦を挑んだ。

 

 一度倒した相手ということで、はぐれマニューラも余裕でその挑戦を受けている。しかし、実戦時間がなかったとはいえ、既にメタは教えてあった。

 マニューラには最初に『こうそくいどう』で素早を上げ、次に『つめとぎ』、『わるだくみ』などでステータスを上げてから戦うことを教えている。野生のポケモンは、余程頭が良い奴でない限り、基本的に変化技を使っては来ないから、詰み技でステを上げればごり押しで勝てるのだ。

 

 特に、最初にスピードさえ上げてしまえば、マニューラの素早なら相手の動きなど止まって見えるだろう。

 後は攻撃を受け流して、隙を見てステータスを上げて行き、十分に力をつけたらボコボコにするだけである。

 

 いくら、はぐれマニューラが強いとはいえ、ステータスが上がったマニューラを相手に勝てるはずがない。

 実際、ステが上がったマニューラに歯が立たず、はぐれマニューラはボコボコにされている。まさか、こうまで一方的なバトルになるとは思わなかったようで、マニューラが驚いたようにこちらを見ていた。

 

 そのまま、終わりだとばかりに、マニューラが爪をはぐれマニューラの首に添える。マニューラが無事勝利し、再び群のリーダーに戻ることになった。よかったな。

 

 

 追記。はぐれマニューラが負けて群を去ろうとしたが、ニューラの仲介によってマニューラとも和解したようで、そのまま群に残ることにしたらしい。ちなみに、ニューラは♀だったらしく、これから凄い三角関係になるとカスミさんがニヤニヤしていた。

 

 

 

 13歳 γ月υ日 『なら、延期で良いや』

 

 ようやくフェンネル谷の遺跡に辿り着いた。早速、バトル――と行きたい所だったが、遺跡の前でジンダイが何やら申し訳なさそうな顔をしている。

 どうやら、原作よりもポケランティス王(笑)のくだりが早く終わったことで、俺が着く前に遺跡の謎を解明できたようなのだが、その解明できた場所にいる、あるポケモンをゲットしに行きたいらしい。

 

 その、あるポケモンというのがレジアイスだというのだ。まさか、今の時点でレジ三兄弟を揃えていないとは思っていなかったので驚きである。

 ニューサトシとの約束もあるが、自分と全力で戦うのを楽しみにしていたニューサトシの気持ちを考えると、先に三兄弟を揃えた方がいいかと葛藤していたらしい。

 

 なら、延期でいいや。

 

 ニューサトシはレジ三兄弟を揃えた全力のジンダイと戦いたいのである。と、いうことで、ジンダイがレジアイスをゲットして来るまで、このフェンネル谷で少し待つことにした。

 

 軽く暇を持て余していたのだが、ポケモンセンターのジョーイさんがバトルしてくれるというので、喜んで相手をお願いして貰うことにする。

 どうやら昔はポケモントレーナーだったということで、なかなかに好戦的だ。腕に自信があるらしく、キャップを取るとスイッチが入るようだった。

 

 相棒のラッキーも、キャップを取って気合を入れている。こりゃ、舐めてかかると倒されそうだな。

 こちらは、ワカシャモを出すことにした。相手のレベルが高めなので、相性の有利を突かせてもらうつもりである。

 

 バトルが始まると、『ちいさくなる』、『どくどく』、『きあいパンチ』、『たまごうみ』と、害悪戦術でこちらを攻め立ててきた。

 ぶっちゃけ、『きあいパンチ』以外は、ほぼお手本と言っていいラッキーの使い方だ。ラッキーは特殊こそ固いが、物理はそこまででもないので『ビルドアップ』、『きあいだめ』からの必中『つばめがえし』の急所連打で何とかラッキーを倒した。

 

 正直、『どくどく』のタイムリミットと、どちらが早いかのチキンレースだったので、もしワカシャモが押し切れなかったら負けていたのはこちらだっただろう。

 ぶっちゃけ、そこらにいるトレーナーより十倍は強い。ここのジョーイさんとバトルする奴は、ジョーイさん相手と油断した瞬間に地獄を見るという訳だ。おー、怖い怖い。

 

 

 

 13歳 γ月φ日 『ハルカスランプ再び』

 

 どうやら、ハルカがパフォーマンスの方向性に悩んでいるようだったので、少し悩みを聞いてやることにした。

 本人も自覚しているようだが、俺と一緒にコンテストに参加したり、俺がバトルする所をずっと見ていたりしたせいで、最近のハルカはコンテストのバトルスタイルが俺に近くなってきている。

 

 ホウエンを旅していた頃は、まだ未熟だったこともあってスタイルが確立されておらず、いろいろなものに影響を受けていた。

 だからこそ柔軟な演技が出来ていたのだが、後半からは今のバトルスタイルが固まり、かなり攻めのパフォーマンスになってしまっている。別にそれが駄目という訳ではないが、それだけでは駄目なのはグランドフェスティバルの結果が物語っていた。ハルカも何とかして、さらに一歩先に行きたいのだろう。

 

 と、すると、俺とバトルするのは駄目だな。解決する所か、逆に事態を悪化させかねない。

 

 どうやら、シュウもここに来ているようなので、本職にサポートをお願いすることにした。

 ハルカに負けてからシュウはずっとポケモンを磨いていたようで、言葉よりもステージで見せた方が早いと、ハルカにコンテストバトルを挑んでいる。

 

 たまたま話を聞いていたらしいカスミさんとジョーイさんのおかげでステージや審査委員も確保し、緊急のコンテストバトルをすることになった。

 審査委員は、俺、カスミさん、タケシ、オーキド博士と、何故かいたエニシダである。ジョーイさんは司会をやってくれるそうだ。バトルといい、コンテストの司会といい、いろいろと器用なジョーイさんである。

 

 シュウは新しく仲間にしたバタフリーとロゼリアで、ハルカはワカシャモとアゲハントでバトルがスタートした。

 仲間にしてからそう時間が経っていないはずだが、バタフリーの練度が高い。と、いうよりも俺のバタフリーの動きに近かった。

 

 粉技を上手く使って動きを封じ、隙を見てロゼリアが攻撃をしていくという基本的な動きだが、その基本的な動きにハルカはなすすべもなくやられている。

 しかし、ハルカの神髄は後半の巻き返しだ。

 ワカシャモのほのお技を起点に、逆転を図るハルカだが、わかっていたとばかりにバタフリーの粉技で粉塵爆発を起こして技を無効にしている。

 

 だが、ハルカは諦めなかった。

 

 そんな諦めない所がハルカの美点だと、ニューサトシは評価している。どんな窮地になっても決して勝つことを諦めない。

 それは、戦い方と一緒に根付いたニューサトシの意思だった――ハルカはグランドフェスティバルで負けが続いて、今までの自分を否定しようとしていたが、今までのハルカを否定しても意味がないのだ。今の形を変えるのではなく、その土台をどう伸ばしていくかが、きっとこれから先のハルカにとって重要なことなのである。

 

 コンテストバトルはハルカの負けに終わったが、ハルカもバトルを通じて何かを掴んだようだった。

 少なくとも、立ち止まらずに先に進むという決意は出来たみたいで、またコーディネーターとして一皮むけたように見える。

 

 シュウやハーリー、そしてグランドフェスティバルで戦ったサオリも、次のグランドフェスティバルを目指してジョウト地方に向かうらしい。

 そういえば、原作のハルカもジョウトへ行くと言っていたっけか。今まであまり気にしていなかったが、そろそろお別れの時も近くなってきたな。

 

 

 

 13歳 γ月χ日 『ポケモンセンター代理』

 

 ジョーイさんが熱を出してしまった。どうやら、俺との熱いバトルや、ハルカとシュウの青春のぶつかり合いに興奮しすぎたようで熱が出てしまったらしい。

 

 仕方ないので俺達が代わりにジョーイさんの代わりをすることになったのだが、こんな時に限ってポケモン達を乗せてこの辺りを走っていた車が事故に巻き込まれてしまった。

 ポケモン達は何とか無事にポケモンセンターまで運ぶことができたのだが、隙を見てロケット団がポケモン達を奪おうとしてきたので、いつものようにやなかんじーにしている。

 

 正直、ニューサトシ達も頑張ったが、こういうのはタケシが得意ということで、先生として大活躍だった。ジョーイさんも夕方には元気を取り戻したのだが、殆どの仕事をタケシが終わらせてくれたということで驚いている。流石はドクタータケシ。

 

 

 




 原作との変化点。

・第184話『ペラップとポケモン漫才!』より、病院の子供達のために疑似コンテストをした。
 ニューサトシ、ハルカ、タケシ、カスミさんの大盤振る舞いである。こういうのもたまには悪くない。

・第185話『襲撃! はぐれマニューラ!!』より、マニューラに野良メタを叩き込んだ。
 ステータスを上げて殴る。これだけ。

・第186話『バトルピラミッド再び! VSレジスチル!!』より、ジンダイとのバトルを延期した。
 この時点ではレジアイスがいないので、全部揃うまで待つことにした。アトランティス王(笑)の事件が原作よりも早く終わったこともあって、ニューサトシが着く前に遺跡の調査は終わっていた。

・第187話『ハルカVSシュウ! ライバルよ永遠に!!』より、原作通りハルカが方向性を見失った。
 原作を見ている限り、ハルカがどういう答えを出したかはイマイチわからないが、ニューサトシでは、ようやく土台が出来て来てこれからどう伸ばしていくかの問題だと判断。苦手なことも、伸ばしているうちに対応できるようになると解釈した。

・第188話『ポケモンセンターは大忙し!』より、タケシが大活躍した。
 原作よりも、薬師スキルが高いおかげで病気や怪我の知識があるので、十分にジョーイさん代理をやっていた。



 現在ゲットしたポケモン

 ピカチュウ Lv.63

 ピジョット Lv.59

 バタフリー Lv.59

 ドサイドン Lv.62

 フシギダネ Lv.59

 リザードン Lv.63

 カメックス Lv.60

 キングラー Lv.60

 カモネギ  Lv.59

 エビワラー Lv.59

 ゲンガー  Lv.61

 オコリザル Lv.58

 イーブイ  Lv.58

 ベトベトン Lv.58

 ジバコイル Lv.59

 ケンタロス Lv.58

 ヤドラン  Lv.59

 ハッサム  Lv.60

 トゲキッス Lv.58

 プテラ   Lv.59

 ラプラス  Lv.59

 ミュウツー Lv.75

 バリヤード Lv.59

 イワーク(オレンジ諸島の姿) Lv.57

 カビゴン  Lv.57

 ニョロトノ Lv.58

 ヘラクロス Lv.56

 メガニウム Lv.56

 マグマラシ Lv.56

 ラティアス Lv.51

 ヘルガー  Lv.56

 ワニノコ  Lv.56

 ヨルノズク(色違い) Lv.55

 カイロス(部分色違い) Lv.56

 ウソッキー Lv.55

 バンギラス Lv.61

 ドンファン Lv.54

 ギャラドス(色違い) Lv.54

 ミロカロス Lv.48

 ヌマクロー Lv.51

 オオスバメ Lv.50

 ジュカイン Lv.50

 ヘイガニ  Lv.49

 フライゴン Lv.55

 コータス  Lv.48

 ラルトス(色違い) Lv.30

 オニゴーリ Lv.47

 ワカシャモ Lv.44→45

 ダンバル(色違い) Lv.11→15

 エイパム  Lv.15


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