13歳 γ月ω日 『ポケモンコンテスト トネリコ大会』
俺のバトルフロンティアと、ハルカのカントーグランドフェスティバルが終了したことで、各々が故郷に帰ることになった。
前のようにミュウツーの『テレポート』で家に送っても良かったのだが、やはりこれが本当にしばらくの別れと思うと名残惜しいものである。付き添いのカスミさんも、去年似た経験をした故に軽口を叩くようなことはなかった。
港町であるトネリコタウンに着くと、ここで非公式のポケモンコンテストが行われるということで、ハルカが参加しようと声をかけてくる。
どうやら、これをニューサトシとの決着のコンテストにしたいらしい。こちらも何だかんだ、直接対決では勝ち越してはいるが、グランドフェスティバルの成績では負けているからな。白黒ハッキリさせたい思いはある。
俺がバトルフロンティアを挑戦している間も、ハルカはコンテストの練習をしっかり続けていた。
地力も大分ついてきたみたいだし、もう前のように経験による勝利は狙えないと考えるべきだな。
と、いうことで、飛び入りで参加することになったのだが、一次審査はエイパムで――と、思ったら珍しく黒いラルトスが、自分が出ると自己主張してきた。
エイパムはグランドフェスティバル後も、ラティと一緒にハルカのコンテスト練習に付き合っていたし、ここ最近は勢いに乗っている。本人もコンテスト好きだし、悪いチョイスではないと思ったのだが、ラルトスが自分から何かをしたがるのは初めてだったので、今回はその意思を優先してやることにした。
即興演技ではあるものの、ラルトスと息を合わせていく。ずっとホウエンで俺達を見ていただけあって、ラルトスの演技は素晴らしいものだ。
逆に、数か月のブランクがあるニューサトシの動きが微妙で、逆にラルトスに助けて貰う場面もあったが、何とか一次審査を突破することが出来た。
対するハルカは、バネブーのエスパー技を駆使して、余裕で一次審査を突破している。
うーむ、俺とは安定感が違うな。それに、二度のグランドフェスティバルベスト4になったことで、ハルカも相当名前が売れているらしく、ホウエンの舞姫と呼ばれていた。
ちょっと羨ましい。ニューサトシもその辺の異名が欲しい所だ。とはいえ、評判と実力は別物よ。本番は二次審査のコンテストバトルである。
だが、二次審査前の休憩中に、ロケット団が襲い掛かってきた。最近はムサシがコンテストに参加していたので、コンテスト中に襲ってくることはなかったのだが、どうやらグランドフェスティバルに優勝したことで、もう非公式のコンテストには参加する気はなくなってしまったらしい。
ならば、こちらも遠慮なくやなかんじーにしていく。ハルカも出来ればコンテストでムサシに挑戦したかったようで、少し名残惜しそうな顔をしていた。しかし、このバトルでハルカのワカシャモがバシャーモに進化している。最高のサプライズだな。面白くなってきた。
二次審査のコンテストバトルでは、ラティで挑戦していくことにした。俺のホウエンでのコンテストを支えてくれたのはラティだ。ハルカとの最後のバトル、ラティ以外の選択肢はない。
思えば、練習ではいつも戦っていた二人だが、こうしてコンテストバトルで戦うのは初めてだった。
一次審査では少し苦戦したニューサトシだが、バトルとなればお手の物ということで、準伝の種族値と器用さを利用してごり押ししていく。
対するハルカは、進化したバシャーモを使っているようで、ワカシャモ時代との動きの違いを確認しながら、冷静にコンテストバトルを進めていた。
そのまま順調に勝ち抜いていき、ファイナルステージで俺とハルカがぶつかっていく。
相性としてはドラゴン・エスパータイプであるラティの方が有利だ。バシャーモが得意としているほのお・かくとう技の両方を半減することが出来る。
先制の『ミストボール』で弱点を突いていこうとしたが、ハルカは上手く『みきり』で躱しつつ、続く『りゅうのいぶき』も『ほのおのうず』で防御して致命打は避けていた。落ち着いた立ち回りである。どうやらシュウに負けてしっかり視野を広げてきたらしい。
無駄に被弾するよりも、ダメージを最小限にした方がポケモン達への負担も少なくなる。おまけに、的確な防御でこちらのポイントが削られた。とはいえ、まだまだ勝負はこれからである。
ラティもバトルを楽しむように、『んー!』と嬉しそうに声を上げていた。思えば、ラティにしてみれば念願のハルカとの勝負でもある。楽しくて仕方ないのだろう。
俺も少しは反撃しないとな――と、いうことで、『ミストボール』を地面に当てて土煙を発生させた。
この土煙に乗じて、ラティが姿を隠していく。
確かに、『まもる』や『みきり』は強い技だが、ゲームと違って発動タイミングがシビアだ。こうして、こちらの出方を隠してしまえば簡単には使えなくなる。
再び、『ミストボール』で攻め立てていく。
今度は威力を犠牲にし、スピードを上げた一撃だ。流石に回避出来なかったようで、ハルカのポイントが削られていく。
ハルカも、必中の『つばめがえし』で迎撃してきたが、『ドラゴンクロー』で攻撃を防ぐことでダメージを最小に抑えた。
これで、再びポイントとしては五分である。
残り時間が迫る中、ハルカも反撃に出てきた。『ほのおのうず』でラティの動きを封じ込め、続けて大技の準備をしている。
とはいえ、ドラゴンタイプのラティにほのお技は半減だ。渦を力づくで破ると、そのまま『ミストボール』で追撃をかけていく。
しかし、バシャーモは『ミストボール』を躱すと、そのままラティとの距離を詰めてきた。
よく見ると、口には『オーバーヒート』がチャージされている。技を発射待機させたまま無理矢理動いてきたのか!
バシャーモに進化したことで手足が長くなっている。ラティを押さえつけると、ゼロ距離で『オーバーヒート』を炸裂させた。
いくら威力半減とはいえ、流石のラティも大ダメージである。しかし、バシャーモもまたダメージを受けていた。いくら、進化して丈夫になったとはいえ、技を待機させたまま動くなどいわば自傷しながら動いているものである。
だが、その一か八かはハルカを有利にした。
特攻が二段階下がったが、続けて『つばめがえし』で追撃をかけてくる。ラティはまだ起き上がったばかりで体勢を立て直せていなかった。
攻撃をモロに攻撃を受けたことでポイントが削られていく。残り時間は一分しかない。逆転するには、もう『りゅうせいぐん』しかないだろう。
しかし、ハルカもまた『りゅうせいぐん』が来ることを読んでいた。特攻が二段階下がったとはいえ、一番威力のある『オーバーヒート』で直撃を避けようとしている。
なら、もう一か八かだ。
ラティに『りゅうせいぐん』と同時に飛び上がるように指示する。『りゅうせいぐん』は撃ちだすタイプの技故に、次の行動が一歩早い。原作のサトシ君がカイリューでやっていた。カイリューせいぐんで、この勝負にケリをつける。
ラティは『りゅうせいぐん』を撃ちだすと、そのまま空に上がった。そのまま、流星を纏うように、バシャーモへとダイブしていく。
「行けぇラティ! 『りゅうせいダイブ』!!」
バシャーモも『オーバーヒート』で、ラティを撃ち落とそうとしてきたが、特攻が二段階下がった影響で、『りゅうせいぐん』を撃ち消し切れない。
ハルカは、咄嗟に『みきり』で攻撃を躱させた。
しかし、『りゅうせいダイブ』を躱しても、ラティの攻撃全てを躱せる訳ではない。『みきり』が反応するのは、あくまでも『りゅうせいぐん』という技だ。
ラティは避けるバシャーモを逃がさなかった。
特性の『ふゆう』による飛行技術で、無理矢理方向を変えると、そのまま潰すようにバシャーモへ体を押し付ける。
これ自体に攻撃判定はない。
しかし、ラティは既に『ドラゴンクロー』で追撃をかけていた。
ゼロ距離からの『ドラゴンクロー』だ。おまけに『みきり』は既に使用したばかりで、押さえつけているから『つばめがえし』も使えない。直撃でハルカのポイントが減った。
このまま押し切る――と、考えた瞬間、タイムアップとなりバトルが終了となる。
ハルカも俺も熱中しすぎていて後半はポイント差を確認できていなかった。中盤は押し返されたが逆転できたか?
と、思いながらスコアを見てみると、俺とハルカのポイントは全くの同率だった。通常のコンテストであれば、審査委員による評価で勝者が決まるのだが、これは非公式のコンテストである。
審査員であるジョーイさんや司会も、同時優勝と口にしており、今回のコンテストは俺とハルカの同時優勝で幕を閉じることになった。
仲良しのハルカと一緒に優勝できたということで、ラティも大喜びしている。ハルカは少し納得のいかなそうな顔をしていたが、ラティの笑顔を見ていたら、そんな不満も消えてしまったようだ。
優勝賞品は、前にホウエンで参加した非公式のコンテストと一緒でメダルらしい。
だが、一つしか用意出来なかったということで、ピカ様に頼んでメダルを『アイアンテール』で二つに割って貰う。シゲルの時と同じだ。
決着は必ずつける。
次に会うまでに互いにもっと力をつけて。
これはその約束だ。
ラティも割ったメダルを嬉しそうに見ていた。
コンテストが終わって、少し早めの夕食を取っていると、ハルカがシュウ達のいるジョウト地方を一人で旅すると打ち明けてきた。
今まではトレーナーとして先輩である俺やタケシに甘えてきたが、これからは自分一人でコンテストの道を進んでいくと決意したらしい。
そんなハルカを見ながら、マサトが少し落ち込んでいる。自分はまだポケモンを持てる年齢ではないから、これ以上俺達と一緒に旅が出来ないのが寂しいのだろう。
とはいえ、マサトももう数年すればトレーナーだ。
原作ではサトシ君が永遠の10歳だったから、叶うことはなかったが、この世界は現実なので時計の針は進んでいる。その割に、あまり体は成長していないが、それでも数年したらマサトもポケモントレーナーになっているはずだ。
いつか、俺と全力のバトルをしよう。
そう約束した。
また、黒いラルトスがハルカとマサトに手を出している。何だかんだ一緒に旅した仲間だと認めていたらしく、最後に握手がしたいようだ。
思えば、今回コンテストに出ると言ったのも、ハルカとの思い出を作ろうとしたのかもしれないな。少しずつ、ラルトスも心を開いて来ている。
そのまま、ハルカとマサトがホウエン行の船に乗るのを見送っていく。ラティが泣きそうな顔をしていたが、大分別れに慣れてきたようで、大きな声で「またあう、ハルカ、マサト!」と約束を交わしていた。
これで残されたのはいつメンの俺、ラティ、タケシ、カスミさんの四人である。カスミさんなど、「何か、ここまで付き添うつもりなかったんだけどね」と、帰るタイミングを逃したことを苦笑いしている。
俺は次にシンオウ地方に行くつもりだと話すと、やはりカスミさんはそろそろジムを再開させるので一緒には行けないと言っていた。タケシは一度、実家に顔を出して家の問題を解決してくると言っている。前にロケット団に荒らされたし、やはり心配なのだろう。
タケシとは、ホウエンの時と同様に現地で合流になりそうだ。
俺達に関しては、地元がカントーなので会おうと思えばいつでも会える。ということで、ミュウツーの『テレポート』で、二人をニビとハナダに送って、俺とラティはサクッとマサラタウンに帰ることにした。
追記。マサラタウンに帰ると、シゲルが丁度旅に出る所だった。どうやら、今度はガラル地方を旅するつもりらしい。頑張れよ。
13歳 δ月α日 『シンオウに行くぜ』
今回、シンオウに行くメンバーを決めた。固定のピカ様に、オニゴーリ、ワカシャモ、ダンバル、エイパムである。一体は空きにした。向こうですぐにポケモンゲットするだろうしな。
また、ミュウツーとラティ、黒いラルトスは変わらず特別枠である。ラルトスに関しては、特別枠から外すことも考えたが今回は止めにした。ハルカやマサトとの触れ合いを見ても、大分懐いて来てくれているが、未来の俺もゆっくりと言っていたし焦ることはない。
と、いうことで、シゲルから一日遅れでニューサトシも新たにシンオウ地方へ向かうことにした。
毎度お馴染みオーキド博士が餞別にポケモン図鑑をくれるが、これ技確認以外に使っていないんだよなぁ。
ついでに、マサゴタウンにいるナナカマド博士に届け物をして欲しいと頼まれたので荷物を預かっていく。
てっきり、フタバタウンに住んでいると勘違いしていたが、そういやゲームでもナナカマド博士はフタバタウンの近くに来ていただけで住んではいなかったんだっけか。
なら、フタバタウンに行く必要はなくなったな。と、いう訳で、とりあえずミュウツーの『テレポート』でシンオウ地方の港町まで移動する。
一昨年のチャンピオンリーグで一度シンオウには来ているので船旅はカットだ。さぁて、まずはここからマサゴタウン目指して歩いていくかな。
原作との変化点。
・第191話『サトシVSハルカ! ラストバトル!!』より、黒いラルトスがコンテストに出たがった。
これまでの旅の中で、ハルカやマサトを仲間だと認めた証。センスが有り過ぎて、ニューサトシの方がリードして貰った。
・ラティVSハルカ。
ずっと温めていた話。これを最後に持ってくるために、ラティとハルカのバトルを書くのをずっと我慢していた。結果は原作通りだが、納得のいくバトルが書けた。
・ハルカの成長。
今までは相手に翻弄されて追い込まれてからの逆転だったが、勝手知ったるニューサトシが相手ということもあって、防御の意識がついてきた。これからは、追い込まれる状況を減らしつつ、ガードでポイントを稼いで、逆転が主流の動きになりそう。
・流星ダイブ。
まんまカイリューせいぐん。ただ、ラティが使ったので流星ダイブに名前を変えただけ。しかし、みきりでの回避はりゅうせいぐんを囮にし、隙をついて攻撃するという荒業は咄嗟の閃きだった。対応して見せたラティも強くなっている。
・シゲルがガラルに向かった。
武者修行のために、ガラル地方無敗のチャンピオンに喧嘩を売りに行った。ストイックシゲル。
・時間的に船だと間に合わないので、テレポートでシンオウに向かった。
最初のチャンピオンリーグでシンオウまで船旅したのでカット。ロケット団がニューサトシを見失って慌てまくっている。
現在ゲットしたポケモン
ピカチュウ Lv.64
ピジョット Lv.59
バタフリー Lv.59
ドサイドン Lv.62
フシギダネ Lv.60
リザードン Lv.64
カメックス Lv.60
キングラー Lv.60
カモネギ Lv.59
エビワラー Lv.59
ゲンガー Lv.61
コノヨザル Lv.59
イーブイ Lv.59
ベトベトン Lv.58
ジバコイル Lv.59
ケンタロス Lv.58
ヤドラン Lv.59
ハッサム Lv.60
トゲキッス Lv.58
プテラ Lv.59
ラプラス Lv.59
ミュウツー Lv.75
バリヤード Lv.59
イワーク(オレンジ諸島の姿) Lv.57
カビゴン Lv.57
ニョロトノ Lv.58
ヘラクロス Lv.56
メガニウム Lv.56
マグマラシ Lv.56
ラティアス Lv.51→52
ヘルガー Lv.56
ワニノコ Lv.56
ヨルノズク(色違い) Lv.55
カイロス(部分色違い) Lv.56
ウソッキー Lv.55
バンギラス Lv.61
ドンファン Lv.54
ギャラドス(色違い) Lv.54
ミロカロス Lv.48
ヌマクロー Lv.51
オオスバメ Lv.50
ジュカイン Lv.50
ヘイガニ Lv.49
フライゴン Lv.55
コータス Lv.48
ラルトス(色違い) Lv.30→31
オニゴーリ Lv.47
ワカシャモ Lv.45
ダンバル(色違い) Lv.15
エイパム Lv.15
ホウエン&バトルフロンティア編は、ここで終了となります。約二か月ありがとうございました。
続く、ダイパ編ですが、やはり好きな人も多いようで、多くの意見が寄せられています。作者もニューサトシとキャラ達の絡みを書いていきたいのでまた少しずつ執筆していくつもりです。
まぁ、まだダイパ編見終わってすらいないので、次の更新がいつになるかはわかりませんが、書き上がり次第こっそり毎日更新始めると思いますので、機会があればまた見て頂けると嬉しいです。では。