ニューサトシのアニポケ冒険記   作:おこむね

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♯183 『神髄を極めてたかもしれん』

 13歳 ε月θ日 『お気持ちだけで十分です』

 

 ザロクの花が咲く場所に行こうということになったのだが、途中でナタネに用事が出来たらしく別れることになった。

 そういえば、ガチ戦の予約をするのをすっかり忘れてしまったが、まぁ新人達がいい経験を積めたので良しとしよう。

 

 とりあえず、ザロクの花に集まるミツハニーを見つけたので、ずっと後を追っているのだが、遂にナタネの言っていたミツハニーウォールを見つけた。

 いくつものミツハニーが集まって壁のようになっている。まさに、ミツハニーウォールってことか――と、頷いていると、モミとヒカリのガーメイルが別の方向に反応を示している。どうやら近くには滝があり、その裏側が入り組んだ洞窟になっているようだった。

 

 そのまま洞窟を進んでいくと、先が結晶体の洞窟になっている。そこからさらに先に進むと、何故かロケット団が洞窟内で穴を掘っていた。

 どうも、『おそろしくあまいみつ』を狙ってのことのようだが、そのせいで洞窟内のミツハニー達がやたらと興奮している。とりあえず、サクッとやなかんじーにして先に進むことにした。

 

 洞窟の先には、琥珀の城があり、蜜のようなものが流れている。中央には、女王蜂らしいビークインがおり、こちらを敵視していた。

 まぁ、ロケット団のせいもあるだろうが、普通に考えて自分達の家に土足で入り込んだ人間に友好的に接しろというのは無理がある。

 

 しかし、モミは諦めずにビークインに対話を求めた。今こそ、対話の時! 波動クアンタムシステムを発動させる!

 

 と、脳内で一人ダブルオーごっこをしながら様子を見ていると、またロケット団が天井から降ってきた。

 どうやら、洞窟内でやなかんじーにしてやったせいで、勢いが殺されて天井に引っかかっていたらしい。

 

 性懲りもなく蜜を奪おうとしていたので、今度は強めにやなかんじーにしてやったのだが、ロケット団のせいで琥珀の城に亀裂が発生してしまった。

 ビークインやミツハニー達が急いで補強するのを俺達も手伝っていく。原因は少なからずこちらにもあったので償いの気持ちもあるしな。ただ、ロケット団とのやり取りや、このお手伝いを見て、向こうも俺達が悪い奴ではないとわかってくれたらしく、先程までの敵意が徐々に消えていった。

 

 最終的には、ビークインがモミに容器一杯の『おそろしくあまいみつ』をあげている。

 別にご褒美欲しさで手伝った訳ではないのだが、ビークインが「遠慮せずに持って行きな!」という感じだったので有難く受け取った。

 

 試しに舐めてみると、確かに普通の蜜の何倍も甘い。甘いものが得意ではないタケシのグレッグルは胸やけを起こしているようだった。

 逆に甘いもの大好きラティは両腕を嬉しそうに振って、体全体で美味しさを表現している。気を良くしたビークインがさらに蜜を持ってこさせようとしたが、変にハマっても困るので遠慮させて貰った。お気持ちだけで十分です。

 

 

 

 13歳 ε月ι日 『客観的に見ることで見えるものもある』

 

 ヒカリのミノムッチがガーメイルに進化したことで、『ちょうのまい』を覚えた。思えば、俺もバタフリーの『ちょうのまい』でコンテストデビューしたんだっけか。

 と、少し過去を懐かしんでいると、ジョーイさんがポケモンセンターのパソコンから過去にやったコンテストの映像が見られると教えてくれたので、去年のホウエン地方カイナ大会の記録を探してみることにした。

 

 一年前ということで、まだデータも残っているらしい。ヒカリも俺のデビュー戦と聞いてワクワクした顔でパソコンを覗いていた。

 

 しかし、こうして改めて見直してみると、あの時は完璧に思えた『ちょうのまい』と粉技のコンボも不完全に見える。粉技の虹と舞が調和していないのだ。料理に例えるなら、味の強いもの同士で喧嘩しているような印象を受ける。

 勿論、レベルが低い訳ではない。あの時の俺に出来た最高の演技に変わりはなかった。だが、今の俺ならもう一段階上の演技を披露できる自信がある。どこかのコンテストで、もう一度バタフリーで参加するのも有りかもしれないな。

 

 と、考えていると、ヒカリが「これがデビュー戦って、レベル高すぎなんだけど……」と呟いている。まぁ、今のヒカリにはまだ同じことは出来ないかな。

 

 続けて、俺がロバートにボコボコにされた二次審査の動画も見て行く。負けた試合だが、ヒカリはバタフリーが『ちょうのまい』の動きで相手の攻撃を躱したシーンがお気に入りのようだった。

 どうも、ヒカリは『ちょうのまい』という技を完全に気に入ったらしく、次のコンテストにはガーメイルで出ると意気込んでいる。

 

 なら、今日からは『ちょうのまい』のやりこみだ。舞の美しさを極めるのはそう簡単なことではない。

 鬼教官として、「ビシビシ行くぞ」というと、「望むところよ!」と拳を握っていた。常にやる気があるのはヒカリの良い所である。

 

 

 

 13歳 ε月κ日 『神髄を極めてたかもしれん』

 

 以前『シンオウ・ナウ』で知り合ったユウカと再会した。今回は『ポケモンなりきり大会』略して、『ポケなり』という番組の公開生放送をしているらしい。

 内容を聞いてみると、人間がポケモンの真似をするのではなく、ポケモンがメイクや仮装をしてポケモンの真似をするようだ。ヒンバスにコイキングの真似をさせるという感じだろうか?

 

 優勝賞品は何とポケモンのタマゴのようで、飛び入り参加歓迎ということもあって急遽参戦していくことにした。

 とはいえ、俺の持っているポケモンの中で、こういう芸を競うタイプのポケモンって実はあんまりいないんだよな。

 

 どうするか――と、悩んでいると、ピカ様が任せろと胸を叩いていた。そこから、ソーナンス、ドゴーム、プリン、ハブネーク、ミズゴロウ、ハスボー、ミミロル、スボミーと、自身の顔を手で引っ張るようにして、特徴をしっかり掴んだ形態模写を見せてくる。確かに、これならいけるかもしれないな。

 

 いざ、大会がスタートすると一次審査が始まった。

 

 ポケモンコンテストでもお世話になっている大好きクラブのスキゾーと、この街のジョーイさん、ジュンサーの三人が審査員のようで、三人全員が〇の札を上げないと決勝には進めないらしい。

 

 他の参加者が次々と叩き落される中、遂にタケシの番がやってきた。見ると、グレッグルを上手くニョロトノに変装させている。これが意外と似合っていた。

 グレッグルもニョロトノを意識しているのか、普段とは違って鳴き声を寄せている。客席のウケも悪くなく、審査員三名からも〇を貰って決勝へ進出を決めていた。

 

 よく見ると、ロケット団も参加しているようで、ムサシはニャースにニューラの真似をさせており、コジロウはマネネでネンドールやチコリータの物真似をさせている。

 あいつらも、芸人気質な所があるからか、この手の催し物は大得意のようで、二人とも問題なく一次審査をスキップしていた。やなかんじーにしてやってもいいのだが、まぁ別に悪さをしている訳ではないし、今回は見逃してやるか。

 

 続いてヒカリの番が来ると、被り物のようなものでポッチャマをビードルになりきらせている。

 見た目は悪くなかったのだが、調子に乗って『バブルこうせん』を撃ってしまったことで失格になっていた。まぁ、ビードルは『バブルこうせん』なんか使わないからな。

 

 続くピカ様の番になると、ラティと一緒にステージに上がっている。本当は俺が出るつもりだったが、ラティが「ラティがでる!」と、我が儘をいうので譲ったのだ。

 まぁ、今回はポケモンが主体のイベントなので、ラティがトレーナー役でも問題ないしな。ピカ様も、お得意の形態模写で観客や審査員のハートを上手く掴んだようで合格を得ている。どうやらまだまだ形態模写のストックはあるようで任せろと指を立てていた。

 

 仲間内だと、ヒカリだけが落選して、俺のいる観客席に戻ってくる。ポッチャマが残念そうにしていたので、「気合入り過ぎたな」とフォローを入れておいた。

 

 続けて、決勝に残った全員が舞台に上がることになったのだが、昨年優勝のペラップ組以外はラティとタケシ、ロケット団の二人だけである。たったの五組しか残っていなかった。

 一次審査は結構な数がいたはずだが、俺達以外は残れないとはどれだけお笑いに適性がないんだよ。おまけに、昨年優勝のペラップの歌真似もそこまでレベルが高くない。

 

 これ、俺らかロケット団のどっちかが優勝すんじゃね? と、思っていると、当のロケット団のムサシとニャースが悪さを企んでいるのをマサライヤーが捕えた。会場の気を反らしてタマゴを奪おうとしているのだ。

 しかし、コジロウが「バカ、観客席にはジャリボーイがいるんだぞ! このまま優勝かっさらった方が確実だ」と、ムサシとニャースの暴挙を止めている。

 

 チラリとこちらを見る仕草を見せたので、応援がてら久しぶりに右手を振りながらバリバリさせてやった。聞こえているぞの合図である。

 

 俺の合図が理解できたようで、ムサシとニャースも顔を真っ青にしていた。「そうよね、このレベルならあたしたちのどっちかが優勝するわ」、「強硬策は後からでも遅くないにゃ」と、コジロウに同調している。命拾いしたな、お前達。

 

 どうも、コジロウは本気で優勝を狙っているようだった。あいつも地味にこういう大会好きだよな。

 まぁ、俺としては悪ささえしないのであれば、あいつらがタマゴを手に入れるのも有りだと思っている。実力で手に入れたものならば、文句を言うのはお門違いだからな。

 

 さて、どうなるか――と、決勝の続きを見て行く。よく見ると、ニャースはいつの間にかニューラからキマワリに変装が変わっていた。地味に似てて笑える。

 コジロウもマネネの神髄を見せると言わんばかりに、いろいろ被り物を被せてはポケモンの物真似をさせていた。そんなマネネを見て、ピカ様も負けじと百面相を披露している。

 

 最後のタケシだが、相変わらずグレッグルはニョロトノを続けていた。一次審査から何も変わっていない。後から聞いた話だと、タケシも何か別のモノに変えようとしたらしいのだが、グレッグルが頑なに嫌がったということだった。

 一次審査と全く同じでは、流石に優勝はないだろう。つまり、勝者は残りの四組に絞られたわけだ。その中でもあのペラップには多分負けないので、1/3を制してピカ様が優勝するか、2/3で順当にロケット団が優勝するかの二つに一つ。

 

 どうなるか――と、思って結果を見ていると、優勝はまさかのグレッグルだった。

 

 当のタケシが一番驚いている。俺もグレッグルはないだろうと思っていたので意外だった。

 理由を聞いてみると、グレッグルはこの大会中ずっとニョロトノになりきっていたからということである。確かに、一次審査から決勝までの間、休憩の時間でもグレッグルはニョロトノになりきっていた。

 

 思えば、この大会は『ポケモンなりきり大会』だ。

 

 面白さというのも大切なファクターではあるが、一番はそのポケモンになりきる気持ちということだろう。

 俺もコンテストを審査するような目線で見ていたせいで本質を見失っていた。そういう意味では、確かにグレッグルは神髄を極めていたのかもしれないな。

 

 とはいえ、当然それで納得するロケット団ではなく、隙を見てタマゴを盗もうとしたので、罠カード『エレキネット』を発動させておいた。タケシが優勝と聞いて予め仕掛けておいたのだ。

 あいつらが、ただで帰る訳ないからな。

 こちらの予想通り、しっかり三人で引っかかってくれた。観客席からピカ様に、三人がロケット団だと伝えると、いつものようにやなかんじーにしている。

 

 こうして、タマゴも無事だったということで、タケシが優勝賞品のタマゴを受け取っていた。

 ピンク色で真ん中に白い線があるタマゴだ。そういえば、タケシはピンプクを持っていた時期があったっけか。ピンプクはラッキー、ハピナスに進化するし、俺も欲しかったな。

 

 

 

 13歳 ε月λ日 『今より強くしてやる』

 

 ハクタイシティを目指していると、滅法強い野生のブイゼルがいるということでヒカリがゲットしようと意気込んでいる。

 川で釣りをしていると、前にコンテストでヒカリのライバルになったノゾミも来ていた。どうやら彼女もみずポケモンをゲットしようと思ってきたらしい。

 

 しばらくすると、噂のブイゼルが現れた。

 

 しかし、ヒカリのポッチャマもノゾミのニャルマーも、ブイゼルのパワーに敵わず倒されてしまっている。

 まぁ、ヒカリはまだ初心者だし、ノゾミはコンテスト用にポケモンを育てているから、ポケモンのレベル自体はそう高くないからなぁ。

 

 どうもブイゼルは強い相手を求めているようで、ニューサトシにも喧嘩を売ってきた。まぁ、確かにお前はそこそこ強いが、所詮は井の中の蛙だということを教えてやろう。

 ピカ様の『ばちばちアクセル』の一撃で戦闘不能にしてやる。そういえば、このブイゼルはヒカリがゲットしたはいいものの、コンテストには馴染めずいずれ俺のエイパムと交換させられる運命だったはずだ。

 

 ならば、先に俺がブイゼルをゲットしてしまえば、そのイベントも発生しなくなるだろう。ブイゼルを回復させながら「俺と一緒にこい。今より強くしてやる」と声をかける。

 ブイゼルも、俺なら自分をもっと強くしてくれると思ってくれたようで素直に頷いてモンスターボールに入ってくれた。シンオウ初のみずポケモンだ。ブイゼル、ゲットだぜ。

 

 代わりに、ワカシャモをオーキド研究所に送り返す。ワカシャモの方がエイパムよりも一緒に居た期間が長いし、メタングはもうちょっと育成したいしな。

 

 どうもブイゼルは戦利品として倒したトレーナーの釣り竿を奪っていたようだったので、一緒に持ち主に返していく。

 ノゾミはまだこの辺りでみずポケモンを探すということだったので、釣り竿を返し終えると一旦お別れすることになった。またコンテストで会おうぜ!

 

 

 




 原作との変化点。

・第32話『琥珀の城のビークイン!』より、恐ろしく甘い蜜が本当に恐ろしく甘かった。
 下手に中毒になっても怖いので、ニューサトシは貰うのを遠慮した。仲良くなったビークインは肝っ玉母ちゃんみたいな性格をしていた(独自設定)。

・ニューサトシの過去のコンテスト映像を見た。
 いろいろ経験が詰んだ今、過去の自分の演技の荒さが目に付いた。とはいえ、それは成長している証拠でもあり、ちょうまいに興味を示したヒカリに地獄のようなメニューを組んでいる。

・第33話『スキです! ポケモンなりきり大会!!』より、ニューサトシの代わりにラティが出場した。
 ポケなりって、多分名前的にウリナリのオマージュだよね。今の世代の子に通じるかわからないけど、当時ウッチャンナンチャンのウリナリは神番組だったのよ。

・第34話『ブイゼル! 最強への道!!』より、ニューサトシがブイゼルをゲットした。
 原作ではヒカリがゲットして後にエイパムと交換されるが、ここではピカ様が普通にチャンピオンリーグクラスなので、一撃で倒して勧誘した。ブイゼルも、ニューサトシと一緒なら強くなれると信じて仲間になっている。地味にブイゼルとニューサトシは性格が似ている。


 現在ゲットしたポケモン

 ピカチュウ Lv.64

 ピジョット Lv.59

 バタフリー Lv.59

 ドサイドン Lv.62

 フシギダネ Lv.60

 リザードン Lv.64

 カメックス Lv.60

 キングラー Lv.60

 カモネギ  Lv.59

 エビワラー Lv.59

 ゲンガー  Lv.61

 コノヨザル Lv.59

 イーブイ  Lv.59

 ベトベトン Lv.58

 ジバコイル Lv.59

 ケンタロス Lv.58

 ヤドラン  Lv.59

 ハッサム  Lv.60

 トゲキッス Lv.58

 プテラ   Lv.59

 ラプラス  Lv.59

 ミュウツー Lv.75

 バリヤード Lv.59

 イワーク(オレンジ諸島の姿) Lv.57

 カビゴン  Lv.57

 ニョロトノ Lv.58

 ヘラクロス Lv.56

 メガニウム Lv.56

 マグマラシ Lv.56

 ラティアス Lv.52

 ヘルガー  Lv.56

 ワニノコ  Lv.57

 ヨルノズク(色違い) Lv.55

 カイロス(部分色違い) Lv.56

 ウソッキー Lv.55

 バンギラス Lv.61

 ドンファン Lv.55

 ギャラドス(色違い) Lv.54→55

 ミロカロス Lv.49

 ヌマクロー Lv.51

 オオスバメ Lv.51

 ジュカイン Lv.51

 ヘイガニ  Lv.50

 フライゴン Lv.55

 コータス  Lv.49

 キルリア(色違い) Lv.37→38

 オニゴーリ Lv.48

 ワカシャモ Lv.46

 メタング(色違い) Lv.30→32

 エイパム  Lv.30→32

 ムクバード Lv.28→30

 ナエトル  Lv.28→30

 ブイゼル  Lv.30 NEW!
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