13歳 δ月χ日 『日付が巻き戻った』
あれ、日付が過去じゃない? と、思った貴方、大丈夫です。これが正確な日付ですよ。
と、いうのも、ついこの間、別の時空間でディアルガが大暴れした結果、この世界に被害こそ出なかったものの、ひと月ほど時間が巻き戻ってしまったようなのだ。正確には時間が巻き戻ったのではなく、日付が巻き戻っているだけ。
俺の日記だと、明日は、ラティがラティ仮面になってヒカリに正体がばれた日になっているのだが、どうも他のみんなもそのことをしっかり覚えている。
もし、時間が巻き戻ったのだとすれば、この日付以降にあった出来事を始め、ポケモンコンテストや、ガチ戦等が全てなかったことになっているはずだ。
しかし、俺はゲットしたリボンやバッジを持っているし、この日以降にゲットしたブイゼルを連れて歩いている。
ヒカリもフシギダネのタマゴや色違いのポニータを仲間にしているし、タケシも新しく生まれたピンプクがちゃんと居た。本当に日付だけが変わっているという状況だ。
おまけに、俺とミュウツー以外はそのことを認識してすらいなかった。ヒカリとタケシも、俺に言われて初めておかしいと気付いたくらいで、普通の人は日付が巻き戻ったことに気付いてもいないだろう。
まぁ、本当は何か問題があるのかもしれないが、俺達に何か不都合がある訳でもないし、どこにいるかもわからないディアルガを探して時間を元に戻させるのも面倒なので、このまま旅を続けることにする。
よくよく考えれば、時間がひと月増えたのは、ヒカリにとってはアドバンテージだしな。
ニューサトシのせいでリボンゲットを苦労させている分、練習時間が伸びたと思えば悪い影響ではないはずだ。たぶん、きっと、めいびー。
13歳 δ月ψ日 『極致』
今日も今日とて、ほぼ毎日の日課になりつつあるヒカリとのコンテスト練習をしていると、目の前にいきなりニャルマーとムウマが現れた。
よく見ると毛並みがかなり整っている。野生ではなく、間違いなくトレーナーのポケモンだった。また、ニャルマーやムウマも俺達のことを知っている風な所から、まずノゾミのポケモン達と見て間違いないだろう。
どうも、かなり慌てているようで、付いてくるように言っている。もしかしたらノゾミに何かがあったのかもしれないな。
素直に二体の後を追って行くと、そこには足を痛めたようでノゾミが地面に座り込んでいた。どうやら、演技の練習中に怪我をしてしまったらしい。
こういう時はうちのタケシ先生の出番である。
タケシも、年下相手と緊急時はデレデレにならないので、真面目な顔でノゾミを手当てしていた。そこまで酷い怪我ではないようで、ノゾミもすぐに立ち上がっている。
ふと、ノゾミの隣を見ると、新たにカラナクシを仲間にしたようだ。前回会った時も、みずタイプの仲間が欲しいと言っていたし、こいつがそのニューフェイスらしい。
いいなぁ。トリトドン好きなんだよなぁ。ニューサトシもどっかでカラナクシゲットしようかな?
と、考えていると、ノゾミが次のヨスガ大会はダブルパフォーマンスの大会だと教えてくれる。やはり、日付が戻っても時間自体が巻き戻っている訳ではないからか、次の大会はヨスガ大会になっているようだった。
しかし、ダブルパフォーマンスか、ホウエンでもあったポケモン二体による演技とダブルバトルだ。一応、ヒカリはダブルバトルについては指導したが、ポケモンを複数使った演技については全くしていなかったので、これを機に練習を始めることにした。
とはいえ、一体で演技するのがやっとなレベルのヒカリに二体のポケモンのコンビネーションプレイを要求するのはまだ早いようで、なかなか演技が上手く決まらない。
まぁ、最初はそんなもんだろう。
ハルカがダブルパフォーマンスの大会に挑戦した時は、もう結構場数を踏んでいたし、つたないながらもダブルバトルの練習をしていた。ヒカリもロケット団とのダブルバトルは割とやっているが、演技はほぼゼロからやっているのですぐに出来ないのも無理はない。
だが、そんなヒカリをキャンディの姿をしたムサシがバカにしに来た。意外だが、こいつらも近くで演技の練習をしていたらしい。
どうやらこちらの練習を覗き見していたようで、ヒカリやノゾミの演技は全くなっていないと茶々を入れている。おまけに、流れでダブルバトルを挑んできたので、ムッとしたノゾミが受けて立っていた。
ノゾミはニャルマーとカラナクシのコンビ。対するムサシはウツボットとフシギダネという熟練くさコンビだ。
相手の力を利用してポイントを稼ぐというのが俺の知るノゾミのスタイルだが、今回はムカついていることもあってか、自分から仕掛けに行っている。ニャルマーの『シャドークロー』に、カラナクシの『ふぶき』を合わせるという合わせ技で、先制攻撃を仕掛けていった。
しかし、ムサシは冷静に、ウツボットの『グラスミキサー』と、フシギダネの『マジカルリーフ』の合わせ技で迎撃している。どちらも、二体のポケモンの技を合わせる高等技術だが、ムサシの合わせ技は極致の域に至っていた。
今まで詳しくは書かなかったが、複数ポケモンの合わせ技自体はそこまで難しくはない。しかし、合わせた結果、通常とは別の効力を発揮するからこそ、極致に至った合わせ技は難易度が高いと言われているのだ。
そういう意味では、ノゾミの合わせ技は極致に至っていない。技同士を合わせて綺麗に見せているだけだ。
ぶっちゃけ、それだけなら俺にだってできる。エイパムの『スピードスター』に、ピカ様の『10まんボルト』を合わせて綺麗に見せればいい。
極致とは、もっと違うものなのだ。
例えば、バトルフロンティアで戦ったヒースが使っていた、炎と水のフュージョン。あれは、『ほのおのうず』と『うずしお』という相反する二つを制御することで、美しくも強力な堅牢な檻と姿を変えていた。
つまり、技同士の効果を合わせ、新しい効果を生み出すことで、技自体の美しさを昇華させることを極致と呼び、それ以外はただの合わせ技に過ぎないのである。
今回ムサシが使用した『グラスミキサー』と『マジカルリーフ』の極致は、ヒースのモノに比べたら難易度こそ低めだが、それでも極致たる効果を持っていた。
その証拠に、特殊と物理の二重奏により、カラナクシとニャルマーは視界を奪われ、身動きが取れなくなり、技の制御が利かなくなって攻撃を無効にされてしまっている。
おそらく、『マジカルリーフ』の必中効果に、『グラスミキサー』の五割の命中率ダウンが合わさることで、相手に必ず命中し、動きを封じるという効果に昇華されているのだ。
また、カラナクシは苦手なくさ技の合わせ技を受けたことで、戦闘不能になってしまっていた。
ノゾミの技も悪くなかったが、練度差が出たな。ナナミさんの弟子であるムサシは技の極致を理解している。見た目だけの合わせ技で太刀打ちできるものではない。
結局、カラナクシが倒れたことで二対一となり、ムサシの猛攻の前にノゾミはなすすべなくやられてしまった。
タケシの装置を使っているのでポケモンのレベルに差はない。それがわかっているだけに、ノゾミは悔しそうな顔を隠せずにいた。完全に実力の差で負けたのだ。
勝って天狗になっているムサシに、俺からもコンテストバトルを挑む。どうやら勝ったことに味を占めたようで、「誰でもかかってきなさい」とかなり調子に乗っていた。
こちらは、ピカ様と黒いキルリアのコンビだ。
ムサシは相変わらず、ウツボットとフシギダネの二体でやるつもりらしい。当然、一度見せた手がニューサトシに通用するはずがなく、ムサシの合わせ技に対しての『10まんボルト』で相殺していく。
技の融合は確かに極致と言えるが、パフォーマンスレベルの合わせ技ならピカ様の通常技で十分に対応できる。
ヒースのように実戦に使えるレベルの極致というのは、そう簡単に出来るものではないのだ。そういう意味では、まだまだムサシも未熟ということである。
続けて、『テレポート』を発動させていたキルリアはピカ様と一緒に、一気に距離を詰めた。
調子に乗っていたムサシは、技を防がれるとは思っていなかったようで、動き出しが一歩遅い。その間に、ピカ様が『アイアンテール』を、キルリアが『サイコキネシス』の構えを取った。
そのまま、一気にやなかんじーにしてやる。
まさか一瞬で負けるとは思わなかったようで、ムサシも自分のポケモンが吹き飛ばされたのを見ながら、「覚えてなさいよー!」と慌てて去って行った。
ノゾミも、「やっぱり、強いね」と、俺のことを褒めてくれるが、今回は相手が調子に乗っていただけだ。ノゾミも怒りに飲まれず、いつものように冷静に立ち回っていれば、あんな結果にはならなかっただろう。
平常心を忘れずに、けどチャレンジ精神は大切に――と、ニューサトシが話を纏めると、何やらヒカリが感動したようにこちらを見ていた。
どうやら、凄い演技をしても慢心しないニューサトシを見て、もっと頑張ろうと思えたらしい。ノゾミも、「そうだね。まだまだ技は磨ける」と頷いていた。
13歳 δ月ω日 『嘘をつくと、鼻の頭に血管が浮き出る』
旅の途中で、ラクライとそのブリーダーのユウスケと出会った。しかし、ユウスケは本来ひこうタイプのポケモンを専門にしているようで、でんきタイプ専門のポケモン訓練センターに派遣されたことが納得いっていないらしい。
まぁ、気持ちはわからなくはないが、それでラクライを適当に扱っていいということにはならないだろう。
ユウスケはろくにラクライとも向き合わずに落ちこぼれ個体と呼んでいるようだが、本職ではないニューサトシですら、このラクライが通常よりも強い力を持っていることに気付けた。当然、本職のタケシなどは一目で見抜いている。
ひこうタイプのポケモンならもっと上手く育てられる? 今のお前の行動を見て、そう思える奴は誰もいないだろう。目の前の仕事もろくにこなせない人間に期待などしない。
「結局、結果を出さなければ、誰もお前を認めてはくれない。不貞腐れてラクライの本当の資質も見抜けないお前に、本当にひこうタイプのポケモンがブリーディングできるのか俺は疑問だよ」
と、ストレートに言葉をぶつけた。
ユウスケも、最初は言い返そうとしてきたが、すぐに自分がラクライとどう向き合っていたかを思い出したようで、言葉を出せずにいる。
けど、そんなユウスケにタケシが、「これから頑張ればいいさ」と声をかけていた。基本的にニューサトシは落とすのは得意なのだが、慰めるのが苦手なのでこういう時はタケシのフォローが助かっている。
やる気を取り戻したユウスケは、心機一転でラクライと向き合っていった。わからないことがある時は、素直にタケシに疑問を飛ばして自分なりの解決策を探している。
ラクライもまた強くなろうとひたむきに努力を続けており、俺達も惜しみなく力を貸した。何故か、訓練中の電撃は全て俺に飛んできたが、波動のおかげで俺に電撃は効かないので問題はない。
しばらくすると、隠れてラクライの頑張る姿を見ていたロケット団が、珍しく自分達も協力させてほしいと声をかけてきた。
長年の付き合いで、コジロウとニャースは本心から声をかけてきていることがわかったが、どうもムサシだけは後ろめたい理由があるように見える。だが、敢えて「手を貸してくれるというなら、有難く借りよう」と、俺が言うと、慌てたようにヒカリが声をかけてきた。
「ちょ、ちょっと、そんな簡単に信じていいの? また、騙してポケモンを奪おうとしてくるかもしれないわよ?」
「大丈夫だ。流石に長い付き合いだからな。ロケット団に共通する癖を見つけた。奴らは嘘をつくと、鼻の頭に血管が浮き出る」
当然、嘘である。そんな奇妙な癖はジョジョの世界だけで十分だろう。まぁ、原作でも嘘だったが。
しかし、当のロケット団には効果覿面だった。コジロウとニャースはやましい心がないから、驚きこそするが「マジかよ、コエー」、「そんにゃ癖があったなんて知らなかったにゃー」と呟くだけで済んでいる。だが、思いっ切し後ろめたい理由のあるムサシだけはしっかりと鼻の頭を抑えてしまっていた。
そんなムサシを見て、ヒカリが「あっ!?」と声をあげる。やれやれ、間抜けは見つかったようだな。
ムサシもすぐに嘘だと気付いたようだが、既に悪巧みは全員にバレてしまっていた。こうなれば一人でもラクライを捕まえてやる――と、ムサシが飛びかかってくるが、その瞬間、ラクライの体が光り、ライボルトへと進化を果たしている。
ライボルトとなったことで、電撃のコントロールも完璧となりムサシがやなかんじーにされてしまった。コジロウとニャースも、「よかったなぁ(にゃあ)」と、ライボルトに一声かけると、すぐにやなかんじーになったムサシの後を追いかけて行っている。
結局、あいつらは何もしていかなかったが、あいつらのおかげで進化したので良しとしよう。
追記。ライボルトの戦いぶりを見ていた訓練センターの所長から合格を貰ったライボルトは、無事に別の発電所への派遣が決まった。ユウスケもいろいろあったことで、ライボルトとの別れを惜しんでいるが、最後はちゃんと見送るのが本当のブリーダーだと、しっかりライボルトを見送っていた。
原作との変化点。
・ディアルガの影響で日付が遡った。
ときのほうこう連打の影響。ただ、日付が巻き戻っただけで、過去が改変された訳ではない。不思議な状態。ちなみに、これのせいで、とあるポケモンが迷惑を受けている。
・第41話『ヒカリとノゾミとダブルパフォーマンス!』から、極致について説明した。
今まで触れてなかったので捕捉。合わせ技によって、効果や見た目が大きく変わるのが極致。ただ、極致にもレベルがあり、今回のムサシの練度は低くなっている。前に見せた猛毒の極致だったらこうはいかなかった。そういう意味だと、ムサシもまだ未熟。
・ノゾミがムサシに負けた。
原作だとノゾミが勝つが、この世界のムサシは腐ってもカントーフェスティバル優勝者の実力があるため、逆に返り打ちにあった。なので、ニューサトシが事態を収拾し、本来ノゾミが受けるべき称賛を浴びている。
・第42話『ラクライ訓練センター』より、ユウスケを正論でボコボコにした。
自分は○○が得意と言っても、結果も出していない人間など信じるはずがない。与えられた仕事を一つずつこなして信頼を得るのは社会人の常識である。
・ロケット団を罠に嵌めた。
ジョジョネタ。原作はたばこの煙だったが、こちらは嘘をつくとという割と有りそうな罠にムサシが引っかかっている。
現在ゲットしたポケモン
ピカチュウ Lv.64
ピジョット Lv.59
バタフリー Lv.59
ドサイドン Lv.62
フシギダネ Lv.60
リザードン Lv.64
カメックス Lv.60
キングラー Lv.60
カモネギ Lv.60
エビワラー Lv.59
ゲンガー Lv.61
コノヨザル Lv.59
イーブイ Lv.59
ベトベトン Lv.59
ジバコイル Lv.59
ケンタロス Lv.58
ヤドラン Lv.59
ハッサム Lv.60
トゲキッス Lv.58
プテラ Lv.59
ラプラス Lv.59
ミュウツー Lv.75
バリヤード Lv.59
イワーク(オレンジ諸島の姿) Lv.57
カビゴン Lv.57
ニョロトノ Lv.58
ヘラクロス Lv.56
メガニウム Lv.56
マグマラシ Lv.56
ラティアス Lv.52
ヘルガー Lv.56
ワニノコ Lv.57
ヨルノズク(色違い) Lv.55
カイロス(部分色違い) Lv.56
ウソッキー Lv.55
バンギラス Lv.61
ドンファン Lv.55
ギャラドス(色違い) Lv.55
ミロカロス Lv.49
ヌマクロー Lv.51
オオスバメ Lv.51
ジュカイン Lv.51
ヘイガニ Lv.50
フライゴン Lv.55
コータス Lv.50
キルリア(色違い) Lv.40
オニゴーリ Lv.48
ワカシャモ Lv.46
メタング(色違い) Lv.34→35
エイパム Lv.34→35
ムクバード Lv.32→33
ナエトル Lv.32→33
ブイゼル Lv.34→35