ニューサトシのアニポケ冒険記   作:おこむね

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♯194 『あ、やっちまったぜ』

 13歳 ζ月ε日 『じめんタイプ限定コンテスト』

 

 ヌマクローさんに一夜漬けで、コンテストバトルを叩き込んだ。一応、ホウエンを旅していた時に、練習していたのを見ていたこともあり、何とか最低限の形にはなっている。

 後は少し前に仕込んだカウンター戦法に合わせていけば、とりあえず負けはしないだろう。たぶん、きっと、めいびー。

 

 ちなみに、もう一つの懸念点であるヒポポタスだが、今回は難しい演技は無理なので、ホウエンの頃のラティのように、アイテムを使いながらヒポポタスの魅力を引き出すスタンダードな演技で行くつもりだ。

 たまには初心に帰るのも悪くないだろう。

 また、今回の衣装は天元突破グレンラガンの大人シモンスタイルで、派手な上着に超ギザギザのグラサンをかけている。ヒポポタスには工事用のヘルメット(ドカヘル)とグラサン、ヌマクローさんにはマフラーとグラサンをかけて、今回はアウトローっぽさを強調していく。

 

 今回はどうも俺以外に知り合いはいないようで、俺がこけるかこけないかの勝負になる。

 

 一次審査が始まると、まずはヒポポタスをニューサトシの頭の上に乗せた。別にネタでも何でもなく、高さが欲しかったからである。

 俺のヒポポタスは通常の個体よりも体が少し小さいので、ちょっとしたことで姿が見えなくなってしまうのだ。通常個体が身長80㎝だとすれば、40㎝くらいしかない。

 

 続けて、特性の『すなおこし』で、砂を巻き上げていく。とはいえ、巻き上げすぎると、ヒポポタス自身が見えなくなるので程々にする。

 次に『すなじごく』を発動させて砂を操っていく。本来であれば、地面に砂地獄を作って相手にハメる技だが、今回は空中の砂を操作して集めさせる。すると、空中に砂の竜巻が四つくらい出来上がるので、それを操作させながら俺が歩くことで頭にいるヒポポタスを目立たせていく。

 

 砂の演技を終えると、今度は的当てだ。

 

 ヒポポタスを降ろして、ニューサトシの持っている的に、『どろばくだん』を当てていくゲーム。ヒポポタスの楽しそうな姿が魅力的に映るだろう。

 ニューサトシも高速移動で的が移動する速度をどんどん上げて難易度を上げていく。それでもヒポポタスは一度も的を外さなかった。意外と射撃の才能があるぞ!

 

 最後は地面に散らばってしまった砂を『すなあらし』で巻き上げ、天井から外へと追い出していく。

 奇麗にしましたよ――と、言わんばかりのヒポポタスのドヤ顔でフィニッシュを決めた。

 

 付け焼刃だが、反応自体はそこまで悪くなく、何とか一次審査を突破することが出来ている。

 ヒカリも今回は休みだが、俺が四苦八苦しているのをみて勉強しているようだ。後輩に恥は見せられないので、ニューサトシも改めて気合を入れていく。

 

 二次審査のバトルからはヌマクローさんにお願いする。奇しくもじめんタイプバトルなので、みずタイプを持つヌマクローさんは有利に立てるはずだ。

 しかし、同じようなことを考える奴はいるものだ。

 ファーストステージの相手は同じくみず・じめんタイプのヌオーであり、こちらの優位性がほぼなくなっている。おまけに、向こうはおそらく『ちょすい』なので、こちらが不利だった。

 

 とはいえ、そこはスーパーヌマクローさん、向こうのヌオーの攻撃を寸前で躱し、エビワラー直伝の『カウンター』からの『けたぐり』で、向こうを放り投げている。

 もはや、完全なかくとうタイプな件。

 まぁ、みずもじめんも効かない以上、かくとう技は悪いチョイスではない。どうもヌマクローさんは投げ技が好きなのか、『けたぐり』や『ちきゅうなげ』で相手をポンポンすっ飛ばしている。

 

 ファーストステージは美しい投げで一本――ではなく、バトルオフを決め、続くセミファイナルも相手のサイドンに対し、みず技を中心にして攻めて勝ちを拾っている。

 やっぱり、天才って奴は何でもそつなくこなせるもんで、今の所は技をしっかりと魅力的に決めることが出来ていた。

 

 しかし、ファイナルステージは、相手がドダイトスという――まさかのくさ・じめんの複合タイプであり、ヌマクローさんが大の苦手なくさタイプだった。

 

 確かに、ドダイトスは盲点だったわぁ。みず・じめんが相手でも有利に進められるし、おまけに最終進化系だからパワーもある。

 見ただけでもしっかり育てられているのがわかるし、こりゃ付け焼刃のスーパーヌマクローさんでは勝てないかも――と、考えた瞬間だった。

 

 突如として、ヌマクローさんからやる気が溢れ出る。どうやら、久しぶりにくさタイプ相手ということで、ライバルのことを思い出したのか、絶対に負けないと意気込んでいた。

 

 そのまま、バトルがスタートする。

 

 どうも、向こうは今までの戦いで俺のヌマクローさんがカウンター型だとわかっているようで、なかなか近づこうとしてこなかった。

 さて、どうするか――と、考えようとすると、ヌマクローさんが無警戒でドダイトスに向かって真っすぐに歩いていく。

 おいおい、近づくにしてもそんなゆっくりじゃ的になるぞ。いくらドダイトスにスピードがないっていっても、その分技にもパワーがあるんだから受けたら終わりだ。

 

 と、忠告するも、ヌマクローさんは、黙ったまま真っすぐに歩を進めていく。

 

 自然体を崩さず近づいてくるヌマクローさんを見て、向こうも近づかれて四倍弱点のこおり技を受けるのも嫌だと考えたのか、ドダイトスが『ハードプラント』で迎撃してきた。

 早速の究極技だ。おまけに、地中から不意打ち気味に樹木が飛び出してきたので、のんびり歩いているだけのヌマクローさんでは見てからの回避は100%不可能と言っていい。

 

 ――しかし。避けられないはずなのに、何故か『ハードプラント』はヌマクローさんの横を通過していた。

 

 流石のニューサトシも動揺を隠せない。ヌマクローさんは、『ハードプラント』の不意打ちを、まるで先読みしていたかのように回避したのだ。

 事前に来る技がわからなければ避けられるはずがない。おそらく、ここに来て、ヌマクローさんはずっと手古摺っていたレーダーの感覚をモノにしたのだろう。

 

 天才の資質が花開いた瞬間だった。

 

 また、これは後から本人に聞いた話になるが、どうも今までのレーダーと質感が違ったのもそうだが、レーダー自体がバージョンアップしていたようで、今までよりもシビアに感覚が伝わってきていたらしい。

 そりゃ、苦戦もするだろう。今まで使っていた初心者にも扱いやすいレーダーが、より強力でピーキーな性能のレーダーになっていたのだ。一朝一夕で身に着くはずもなかった。

 

 だが、そんな高性能レーダーを完全に我が物としたことで、ヌマクローさんにはもはや相手の動きが止まって見えている。

 

 次にドダイトスは『はっぱカッター』で全体攻撃を仕掛けてきたが、当たる直前に完璧なタイミングで『まもる』を発動させ、回避困難な攻撃も簡単に受け流していく。

 その悠然とした姿に、先程の究極技回避と含めて、合計30ポイントが相手のポイントから引かれている。追い込まれた相手が『じしん』を指示すると、同時にヌマクローさんはその場からジャンプした。もう射程圏内に入っていたのだ。

 

 そのまま、『じしん』を空撃ちするドダイトスに向かって、『れいとうパンチ』をお見舞いしていく。

 物理耐久の高いドダイトスの急所を撃ち抜くかのように、ヌマクローさんは一撃で相手をバトルオフまで持って行った。こいつ、急所まで見えてやがる!

 

 ドダイトスが戦闘不能になったことで、こちらの勝利が決まり、同時にヌマクローさんの体が光って最終進化系であるラグラージへと進化していく。

 それを見て思った。

 きっとミズゴロウさんが進化した時、海の王冠から特別な力を貰っていたのだ。正確には、ヌマクローさんが手に入れた力は、本来ラグラージになって初めて手にするものであり、それを先取りしたことでヌマクロー時代は力を持て余していたのではないだろうか。

 

 その証拠に、ラグラージさんになったことで、全てがかみ合ったと言わんばかりの顔をしている。

 だが、ヌマクロー時代に苦労したことで、ラグラージさんはもう自身の力を100%発揮できる下地が完成された。天才が真に天才として覚醒してしまったのだ。

 

 四つ目のリボンを受け取りながら、ラグラージさんに「助かったぞ」と感謝の言葉を伝える。

 どうやら、ラグラージになって昔の自信家な性格を完全に取り戻したようで、サングラスを持ち上げながら、「まぁ、俺なら当然ですけど」と、言わんばかりのドヤ顔をしていた。

 

 

 

 13歳 ζ月ζ日 『パパン? ママン?』

 

 野生のカバルドンの口の中に、ヒカリのパチリスが入り込んで飲み込まれるという事件が発生した。

 急いでカバルドンの後を追ったのだが、どうもこのカバルドンは、前に俺のヒポポタスを返しに行った時に居たカバルドンの群にいたカバルドンであり、俺のヒポポタスの実の親のようで、久しぶりに親を見たヒポポタスが驚いた表情をしている。

 

 そのまま後を追いかけると、どうもロケット団もカバルドンを狙っているようで、いつものように邪魔をしてきた。

 おまけに、前に何度か見たロケット団のパチモンもカバルドンを狙っているようで、三つ巴の戦いに突入していく。

 

 とはいえ、ロケット団以下のパチモンに俺が負ける要素がなく、サクッとどちらとも、やなかんじーとやなきもちーにしてやった。

 そのまま、カバルドンからパチリスを救出すると、ヒポポタスとカバルドンを再会させてやる。ヒポポタスが元気にしているとわかると、カバルドンも満足そうな顔をしていた。

 

 

 

 13歳 ζ月η日 『まだ半年じゃ無理かぁ』

 

 ようやくジムのあるトバリシティに着いたのだが、街の外れの方から強い波動を感じたので見に行くことにする。

 すると、鼻の頭に絆創膏を付けた格闘少女がルカリオに訓練をしているのを見つけた。見た感じ、格闘センスはなかなか悪くない。ルカリオの練度もなかなかだ――と、様子を見て居ると、どうもルカリオを鍛えているという様子ではない。

 

 何というか、ルカリオが格闘少女のことを叱っているとでもいうべきか。根性を叩き直そうとしている。

 

 だが、ルカリオはどうも少し感情的になっているのか、自分の攻撃を簡単に受け流す格闘少女に、『はどうだん』を乱発している。

 格闘少女も上手いこと、『はどうだん』を捌いているが、一発だけ捌き切れない弾があったので、思わずニューサトシの『はどうだん』で相殺してしまった。

 

 あ、やっちまったぜ。

 

 邪魔してすまない――と、謝罪すると、今度は騒ぎを聞きつけて、エレブーを連れた男性がこちらに走ってくる。

 よく見ると、そのエレブーはシンジのエレブーであり、男性はシンジの兄でレイジと言い、育て屋をしているという。そして、この格闘少女はスモモであり、トバリジムのジムリーダーだということだった。

 

 うーむ、ゲームのスモモはもっと子供だったような気がしたが、こうしてみるとニューサトシよりもでかい。ってか、俺は何故か身長が一向に伸びないんだよな。呪いかな?

 と、思いつつ、ガチ戦の要求をしたのだが、スモモはこれを拒否してきた。どうも、ジムリーダーとしての自信を失ったということで、ジムリーダーそのものを止めようとしているらしい。

 

 聞けば、少し前にシンジがトバリジムに挑戦したようで、トバリジムがかくとうタイプのジムだとわかると、相性のいいひこうタイプでごり押しし、最後のルカリオはほのおタイプのモウカザルでボコボコにしたのだという。

 いつの間にかヒコザルもモウカザルに進化していたようだが、それはそれとして、あまりに完勝したからか、「今までで一番手応えがなかったな。随分と軽いバッジだ」と、捨て台詞を吐いていったとのことで、スモモは完全に落ち込んでしまったらしい。

 

 そもそも、ジムリーダーはバッジの数でレベルや使用技に制限がある。シンジはそれをわかった上で、制限を逆に利用して勝っているのだ。ぶっちゃけ勝てて当たり前。

 逆にスモモも、ジムリーダーは相手の実力を判断する場である以上、負けることだってある。一度や二度負けたくらいで落ち込んでいては確かにこの先やってはいけないだろう。とはいえ、ジムリーダーになってまだ半年では、そこまでの覚悟を持てという方が無理か。

 

 無理を言っても仕方ないので、先に別のジムに行こうかとも思ったのだが、その瞬間ヒカリから待ったがかかる。

 どうやらヒカリはスモモの現状を、コンテストバトルで負け続けている自分に重ねているのか、放っておけないようでお節介を焼くことにしたらしい。こういう時、ニューサトシは厳しい言葉しかかけられないので、ここは素直にヒカリにお任せした。

 

 

 追記。聞けば、スモモとルカリオはトバリでも有名なかくとうコンビだったということで、もっと強くなるためにジムリーダーになったはいいが、自分が人を試す立場になったことで迷いが生まれたらしい。もし、スモモがやる気を取り戻してくれるようなことがあれば、今回はスモモのためにジム戦を挑戦してもいいかもしれないな。かくとうタイプジムはガチ戦になりがちだが、今のスモモにはガチ戦よりもジム戦の方が為になるだろう。

 

 

 




 原作との変化点。

・じめんタイプコンテストを行った。
 ヌマクローさんが完全復活してラグラージに進化した。

・海の王冠の件に関してはあくまでもニューサトシの推察。
 本当かどうかは海の神しかしらない。いや、海の神も知らなそうだけど。

・第65話『パチリスはカバルドンの口の中!』より、ヒポポタスの両親と再会した。
 原作と違ってゲットしているので、久しぶりの再会となった。

・ヤマトとコサンジを退治した。
 彼らの任務であるカバルドンの砂の採取については、やなかんじーにされた時に、ムサコジの服に大量に入っていたので、それを提出することで奴らの活躍を奪った。

・第66話『ルカリオ! 怒りのはどうだん!!』より、ニューサトシがルカリオとスモモの間に乱入した。
 ニューサトシはスモモが意外と大きくてびっくりした。スモモは人間がはどうだんを撃ったことに滅茶苦茶驚いていた。普通の人間ははどうだんなど撃てないのである。



 現在ゲットしたポケモン

 ピカチュウ Lv.64

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 バタフリー Lv.59

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 リザードン Lv.64

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 カモネギ  Lv.60

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 カイロス(部分色違い) Lv.56

 ウソッキー Lv.55

 バンギラス Lv.61

 ドンファン Lv.55

 ギャラドス(色違い) Lv.56

 ミロカロス Lv.50

 ヌマクロー→ラグラージ Lv.51→52 NEW!

 オオスバメ Lv.51

 ジュカイン Lv.51

 ヘイガニ  Lv.50

 フライゴン Lv.55

 コータス  Lv.50

 キルリア(色違い) Lv.40

 オニゴーリ Lv.48

 ワカシャモ Lv.46

 メタング(色違い) Lv.38

 エイパム  Lv.37

 ムクバード Lv.35

 ナエトル  Lv.35

 ブイゼル  Lv.37

 ムウマージ Lv.43

 ヒポポタス LV.33→34

 ミカルゲ  Lv.55

 グライガー Lv.25


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