ニューサトシのアニポケ冒険記   作:おこむね

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♯195 『やはりムクホークはいいなぁ!』

 13歳 ζ月η日 『ブレバはニューサトシの得意技なんだ』

 

 ヒカリがスモモにお節介を焼いている間、俺達はレイジに誘われて、彼の家で少し休ませてもらうことになったのだが、適当な話をしているとレイジからポケモンバトルをしないかと誘われた。

 どうやら、シンジからニューサトシの話をいろいろ聞いていたようで、話をしている内にチャンピオンリーグクラスの実力を肌で感じたいと思ったらしい。聞けば、育て屋になる前はトレーナーだったとのことで腕には自信があると言っている。

 

 見れば、育て屋の室内には、かつてレイジが獲得したであろう各地方のジムバッジや、バトルフロンティアのフロンティアシンボルが飾られていた。

 

 当然、受ける。

 

 ガチ戦もジム戦もお預けになって、丁度バトルに飢えていた所だ。早速、バトルしようぜ――と、言うと、シンジと最初にやったとの同じ、レベル無制限の3対3で交代はなし、先に2勝した方が勝ちというルールを提案される。

 特に問題ないので外に出ると、どうやらヒカリと腹を割って話せたようで、スモモも帰ってきた所だった。とはいえ、今大事なのはスモモよりもレイジとのバトルである。

 

 だが、それ以上に大事なこともあった。

 

 バトルを始める前に、グライガーをボールから出す。こいつはまだ上手く飛べないのでバトルには参加できないが、バトルの空気を感じさせてやりたい。

 グライガーに、「ポケモンバトルがどういうものなのかしっかり見てろよ」と声をかけると、了解ですアニキと敬礼している。どうやら、完全に舎弟になったようだ。

 

 気を取り直してバトルを始める。

 

 開幕、こちらがナエトルを出すと、レイジはビーダルを出してきた。ビッパの進化系でノーマル・みずタイプのポケモンだ。

 相性的にはこちらが有利だが、向こうのビーダルの方が若干レベルが高い。しかし、そこまで大きなレベル差がある訳でもなかった。おそらく、手持ちのポケモンの中でも、近いレベルのポケモンをチョイスしてくれたのだろう。

 

 開幕、『はっぱカッター』を指示して先制攻撃を仕掛けていくと、レイジは『のろい』を指示してきた。

 この『のろい』という技は、自分がゴーストタイプの時は体力を半分削る代わりに相手を呪い状態にする技だが、ゴーストタイプ以外が使うと、素早を一段階下げる代わりに攻撃と防御を一段階上げるという能力変化技になる。

 

 ビーダルはゴーストタイプではないので、後者の効果が適応され、スピードを犠牲にパワーとガードを上げてきた――だけではない。

 ニューサトシは忘れていなかった。

 ビーダルの特性は二つあり、一つは『てんねん』で相手の能力変化を無効にする特性、もう一つが『たんじゅん』という能力変化が二倍になるという特性だ。

 

 こちらの『はっぱカッター』を相殺するでもなく、能力を上げて受けに回った所から見ても、ビーダルの特性は『たんじゅん』と見て間違いないだろう。

 つまり、『のろい』は素早を一段階下げて、攻撃と防御を一段階上げるという効果から、素早を二段階下げて、攻撃と防御が二段階上がるという効果に変化する。

 

 防御力が二段階上がれば実質防御力二倍だ。いくらこちらの攻撃が二倍弱点とはいえ、効果的なダメージは期待できない。

 単純故に強力な特性だった。

 続けて、レイジは『アクアジェット』を指示してくる。とはいえ、くさタイプのナエトルに有効打を期待してのことではなく、『のろい』で遅くなったスピードを補うために先制技を移動技として使用したのだ。

 

 そのまま、近くまで来ると『いかりのまえば』に技を繋げて、こちらに攻撃を仕掛けてきたので、ナエトルにギリギリまで引き付けさせてから攻撃を回避させる。

 ナタネのナエトルと同じ、一瞬で最高速を出すことで相手の攻撃を避ける動きだ。良いものは参考にしていかないとな。

 

 また、いくら『アクアジェット』でカバーしても、二段階もスピードが下がっていれば攻撃回避はそこまで難しくない。

 背後に回ったナエトルに、『やどりぎのたね』を指示して、相手の体力を奪っていく。ならばと、レイジは『ひみつのちから』を指示してきた。

 

 この『ひみつのちから』はノーマルの物理技で威力は70と、割と普通の技だが、地形によって30%の追加効果が与えられる。

 草むらやグラスフィールド時は眠り、水場は攻撃一段階ダウン、砂地は命中率一段階ダウン、岩場や洞窟は怯み、雪原や氷地では凍り、火山では火傷、サイコフィールド時は素早一段階ダウン、ウルトラスペース時は防御一段階ダウン、その他だと麻痺だ。

 

 そして、今は草むらがフィールドなので30%で眠らされる。眠らされても面倒なので、『まもる』で攻撃自体を防いだ。

 しかし、その間に再び『アクアジェット』で接近して『いかりのまえば』を狙ってきたので、『いかりのまえば』に合わせて、『どくどく』をお見舞いする。

 

 こちらも体力が半分にされるが、交代なしのバトルなら相手がやどりぎと猛毒状態になればお釣りがくる。

 向こうがスピードを遅くしたことで、ナエトルは完全にビーダルの動きを見切っていた。いくら『アクアジェット』の先制スピードで動きをカバーしても、『まもる』もあるし、もう回避に専念すれば攻撃は当たらない。

 

 向こうも『のろい』ではなく、『つるぎのまい』にすべきだったと後悔しているようだ。

 最初のダメージを許容して、『つるぎのまい』で攻撃を四段階上げていれば、下がっていないビーダルのスピードと合わせて、こちらももっと攻撃を避けるのに苦労しただろう。

 こちらの攻撃を防ぎつつ火力を上げるということで、チョイスした『のろい』だったようだが、ポケモンバトルにおいて素早はかなり重要なファクターだ。これが重量級のポケモン相手なら十分通用したが、今のナエトルはスピードファイター故に悪手になっている。

 

 結局、やどりぎで体力を2/3ほど回復すると、猛毒でビーダルが倒れた。これで一勝。

 

 レイジも俺の言動から、ニューサトシが真正面から力でぶつかってくるタイプだと思ったようだが、こういう搦手も大好きな俺様である。

 一戦毎にポケモンを交代するルールなので、ナエトルを戻して、ムウマージを出していく。ふふふ、いやらしいバトル第二戦と行こうぜぇ。

 

 レイジは二体目にマルノームを出してきた。どく単体のポケモンで、特性はHPを吸収する技を使った時に逆にダメージを与える『ヘドロえき』と、持っている道具を相手に奪われない『ねんちゃく』だ。

 何というか、マルノームはステータスが平均的で、あまり凄い特徴があるタイプではないが、故にいろいろな型がある。物理受けだったり、特殊アタッカーだったり、害悪戦法だったりと上げればキリがない。

 

 とはいえ、相性自体はどっこいという感じだ。

 

 レイジのマルノームはどういう型かな? と、思いつつ、バトルがスタートすると同時に、得意の『あやしいひかり』をノータイムで指示した。

 混乱させてから考えても遅くないだろうという判断からだが、レイジは『みがわり』を指示して攻撃を回避させていく。仕方ないので、弱点技である『じんつうりき』を指示しようとするが、その前に『アンコール』で、こちらの『あやしいひかり』を縛ってきた。

 

 素早が上のムウマージより先に動いてきただと?

 

 それはつまり、『みがわり』と『アンコール』を同時に使ってきたということだ。シバやナタネがやっている、二つの技の同時発動をレイジもやってきたということになる。

 前にハクタイでのガチ戦で、カモネギがナタネのチェリンボ相手に、技の連続発動で先制技を防いだが、あれは『こうそくいどう』でスピード上げていたから間に合っていた。素早種族値55のマルノームでは逆立ちしても間に合うものではない。

 

 しかし、前にもどこかで書いたが、二つの技の合成や、技の連続発動と違って、全く同じタイミングで違う技を使うのは、右手で数式を解きながら左手で英語を和文に訳しているようなものだ。

 まさかの技術で動きを固定される。『みがわり』がある以上、『あやしいひかり』は一生相手に当たらない。

 

 おまけに、『どくどく』でこちらを猛毒状態にしてきた。どうやら、先程の意趣返しをしにきたらしい。

 そのまま、動けないムウマージに、最後の技である『ベノムトラップ』を使ってくる。毒、猛毒の時に攻撃、特攻、素早を一段階ずつ下げる技だ。火力と足を奪うつもりなのだろう。

 

 くっそ、さっき完勝したことで油断させられた。想像以上に強いぞ、こいつ。

 

 いや、それよりもこれからどうするかを考えろ。どこかで『アンコール』を凌いで攻撃に出るしかない。この世界はゲームと違って、完全なターン制じゃないから『アンコール』が解けるタイミングも個体差がある。

 動けるようになった瞬間、『かげぶんしん』で的を絞れなくして『アンコール』から離脱――続けて、『じんつうりき』で『みがわり』を解除して、『あやしいひかり』で隙を作り、後はごり押しで僅かな勝機を掴みに行く。

 

 追加の『ベノムトラップ』を受け、合計で火力とスピードが二段階下がると、ようやくムウマージの『アンコール』が解けた。

 速攻で『かげぶんしん』を指示して逃げる。次に、『じんつうりき』を指示したのだが――何故か、ムウマージが『かげぶんしん』を繰り返し始めた。

 

 まさか、本体の位置を見切ったとでもいうのか!?

 

「『ベノムトラップ』の痕跡が本体には残っている。けど、『かげぶんしん』にはそれがない」

 

 しまった。毒がムウマージを汚していたのか。『かげぶんしん』もある程度のコピーはしてくれるが、細かい汚れまではコピーできない。

 おそらく、レイジにしかわからない痕跡が本体にはあり、それを目印に『アンコール』を命中させてきたのだろう。これは素直に参った。

 

 二度目の『アンコール』を受けては、もう猛毒を耐え切れない。体力の限界にきたムウマージが倒れ、これで一対一となる。

 どうも、最初のビーダル戦はまだブランクがあったようで、本調子ではなかったのだろう。しかし、一度のバトルで感覚を修正して、実力を発揮してきた。正直に言おう、こいつはチャンピオンリーグクラスのトレーナーだ。

 

 レイジは三体目としてムクホークを出してきた。ならばと、こちらもムクバードを出していく。

 

 パッと見た感じ、レベルは少し向こうが上だが、こちらのムクバードもニューサトシが育てているだけあって総合的なステでは、そこまで負けていない。

 開幕、『でんこうせっか』で奇襲をかけると、『かげぶんしん』で回避されたので、『つばめがえし』で本体を狙いに行く。向こうも、『つばめがえし』で技を相殺し、そのまま二体が上空へと駆け上がっていった。

 

 飛行技術はほぼ互角か――結構ムクバードには仕込んでいるのだが、向こうもしっかり場数を踏んでいる。

 

 また、進化系だけあってやはり向こうの方が体格がいい。真正面からのぶつかり合いでは不利なので、小技を使いつつ、手数で押していく。

 向こうも『でんこうせっか』の連続で、こちらの後ろを取りに来たので、『かげぶんしん』で回避して横に並んだ。これで、お互いに、『でんこうせっか』、『つばめがえし』、『かげぶんしん』の三つの技を使っている。

 

 しっかし、やはりムクホークはいいなぁ!

 

 今回のバトルでレイジは使ってこなかったが、こいつはひこうタイプの癖に『インファイト』を覚えるので、殴り合いには滅法強いのだ。おまけに、特性が『いかく』だから、物理対面だとかなり強気に出られる。

 ムクバードがムクホークに打ち負けていないのは、受け流しの技術もあるが『いかく』で攻撃力が一段階下がっていることも大きかった。

 

 とはいえ、逆を言えば、こちらも攻撃力が下がっているので向こうに決定打を打ち込むことが出来ていない。

 結果、必然的に持久戦となり、お互いに相手の隙を見つけるじり貧な状況に陥っている。

 

 そのままある程度ぶつかり合い、互いの体力が半分になってくると、レイジが自慢げな顔で、「面白い技を見せてあげるよ」と言ってきた。

 そのままムクホークが高度を取ると、落下と同時に、レイジが『ブレイブバード』を指示してくる。落下の勢いも加えて、高速のブレバがムクバードに迫っていく。

 

 どうやら、見せたいものというのはブレバのようで、後ろで応援していたスモモが「スピードとパワーに自信がなくちゃ使えない凄い技です!」と、自慢げにヒカリに話している。

 しかし、ヒカリの反応は薄いものだった。

 それも当然のことだろう。何故ならヒカリは知っている。ニューサトシがひこうタイプに、ブレバ、羽休め、霧払いを標準装備させていることを。

 

 と、いう訳で、当たる直前でムクバードに『かげぶんしん』を指示して攻撃を回避し、ムクホークの動きが止まった所に『ブレイブバード』を返してやった。

 

「なっ! 『ブレイブバード』が使えるのか!?」

 

 悪いけど、ニューサトシは、ひこうタイプと死ぬほど相性がいいんだよねぇ!

 

 おまけに、こちらのブレバは相手の急所に当たったようで、一気にダメージ勝ちした。そのまま『つばめがえし』に繋げて、レイジのムクホークを戦闘不能まで持って行く。

 まさか、俺のムクバードが既にブレバを覚えているとは思わなかったようで、「流石はチャンピオンリーグトレーナー、育成能力が違うね」と褒められた。いやぁ、照れるぜ。

 

 また、格上のムクホークを倒したことで、俺のムクバードも体が光り、ムクホークへと進化を遂げている。

 遂にムクホークに進化したか! これからは『インファイト』の使い方を極めて、接近戦最強を目指していくぞ! と、いうと、ムクホークもやる気を漲らせていた。

 

 

 追記。ニューサトシとレイジのバトルを見て、スモモも元気になったようで、明日ヒカリとジム戦をするらしい。その結果次第で、俺もスモモにジム戦を申し込もうっと。

 

 

 




 原作との変化点。

・第66話『ルカリオ! 怒りのはどうだん!!』より、レイジとバトルをした。
 レイジのトレーナーレベルは地方リーグチャンピオン~チャンピオンリーグ1年目レベル。バトルのセンスと育成力が両立しているタイプ。

・ブレイブバード返しをした。
 原作だとブレバをここで教えて貰うが、ニューサトシのとりポケモンたちはブレバ、羽休め、霧払いが標準装備なので、どや顔でブレバを返してやった。ひこうタイプとは死ぬ程相性がいい。



 現在ゲットしたポケモン

 ピカチュウ Lv.64

 ピジョット Lv.59

 バタフリー Lv.59

 ドサイドン Lv.62

 フシギダネ Lv.60

 リザードン Lv.64

 カメックス Lv.60

 キングラー Lv.60

 カモネギ  Lv.60

 エビワラー Lv.59

 ゲンガー  Lv.61

 コノヨザル Lv.59

 イーブイ  Lv.59

 ベトベトン Lv.59

 ジバコイル Lv.59

 ケンタロス Lv.58

 ヤドラン  Lv.59

 ハッサム  Lv.60

 トゲキッス Lv.58

 プテラ   Lv.59

 ラプラス  Lv.59

 ミュウツー Lv.75

 バリヤード Lv.59

 イワーク(オレンジ諸島の姿) Lv.58

 カビゴン  Lv.58

 ニョロトノ Lv.58

 ヘラクロス Lv.57

 メガニウム Lv.57

 マグマラシ Lv.57

 ラティアス Lv.52

 ヘルガー  Lv.56

 ワニノコ  Lv.57

 ヨルノズク(色違い) Lv.55

 カイロス(部分色違い) Lv.56

 ウソッキー Lv.55

 バンギラス Lv.61

 ドンファン Lv.55

 ギャラドス(色違い) Lv.56

 ミロカロス Lv.50

 ラグラージ Lv.52

 オオスバメ Lv.51

 ジュカイン Lv.51

 ヘイガニ  Lv.50

 フライゴン Lv.55

 コータス  Lv.50

 キルリア(色違い) Lv.40

 オニゴーリ Lv.48

 ワカシャモ Lv.46

 メタング(色違い) Lv.38

 エイパム  Lv.37

 ムクバード→ムクホーク Lv.35→36 NEW!

 ナエトル  Lv.35→36

 ブイゼル  Lv.37

 ムウマージ Lv.43→44

 ヒポポタス LV.34

 ミカルゲ  Lv.55

 グライガー Lv.25


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