ニューサトシのアニポケ冒険記   作:おこむね

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#022 『お前達、どちらの応援をするつもりだ?』

 10歳 ι月μ日 『シルフカンパニーの戦い 中編』

 

 シルフカンパニーにテレポートしてきた。

 噴水が見えるのでおそらく一階だろう。階段を守っていたしたっぱ達が俺達に気付いたので、ピカ様の『10まんボルト』で気絶させて先に進むことにする。

 ゲーム通りならカードキーを手に入れたり、ワープパネルで部屋をいろいろ移動したりしないといけないのだが、こちらにはナツメがいるので超能力でどうにでもなるだろう。

 

 エレベーターは狭いので囲まれたら戦うのに不利ということで、階段で上の階を目指していく。ゲーム通りなら、屋上にサカキ様がいるはずだ。

 出来れば真っ直ぐ上の階を目指したいのだが、各階にシルフカンパニーの社員達が捕まっているので無視する訳にもいかなかった。

 

 したっぱの強さはムサシとコジロウ以下なので、ピカ様を始め全員で無双していく。

 当然、それだけ暴れれば警報が鳴る訳で、したっぱ達が下の階に増援として送られてくる。数が多くて面倒だが、そのおかげか三階でタケシのイシツブテがゴローンに進化していた。

 正直、数が多すぎて三人だと凌ぎきれるか怪しかったので、着いてきてくれたナツメには感謝である。

 

 そのまま四階へ行って社員達を解放すると、ここではポケモンに使える道具の研究をしているのか、サイドンの進化アイテムであるプロテクターを発見した。絶対に欲しい。助けたという事実を前面に押し出して、半ば無理やりプロテクターを貰っていく。

 

 見ると、おあつらえ向きにポケモンの交換装置もあったので、タケシのゴローンとプロテクターを持った俺のサイドンを交換してゴローニャとドサイドンに進化させる。いつかドサイドンに進化させたいとは思っていたが、まさかこんな早く出来るとは思わなかった。

 

 ウキウキで五階へ行くと、いつかタマムシで戦ったアポロの姿が見える。

 向こうも俺のことを覚えていたようで、「また我々の邪魔をするつもりか!」と言ってバトルを仕掛けてきた。

 

 一体目のマルマインにドサイドンを出す。見たこともないポケモンに驚いているアポロだが、そんなに驚いている場合じゃないぞ。

 何せ、前はサイホーンの時でさえ完封出来たのだ。当然、進化後に勝てる訳がなく、『ドリルライナー』でマルマインをワンキルしていく。

 本来なら『じしん』を使いたかったが、ここはビルの中なので倒壊する危険を考えて、『ドリルライナー』で妥協した。だが、それでも十分なパワーを持っており、進化後のパワーをこれでもかと見せてくれる。

 

 続いて出してきたゴルバットも『ストーンエッジ』でワンキルした。前と同じく『メガドレイン』されたが、進化したことで特性が『ハードロック』になり、効果抜群で受けるダメージが3/4になっている。タイプ不一致ということもあって十分に耐えられた。

 

 次にブーバーを出してきたが、『ドリルライナー』の前に沈んでいく。ドサイドンとなったことでサイドンの時以上のパワーを手に入れたとはいえ、前にあれだけ苦戦したアポロをここまで圧倒するとは思わなかった。

 それは向こうも同じ思いなのだろう。アポロも信じられないという表情を浮かべている。

 

 最後にマタドガスを出してきたが、ドサイドンは引かない。メガドレを受けているのに、まだまだ戦えるとばかりに大声を出していた。

 ならば行こう。『ドリルライナー』を指示し、ドサイドンが真っ直ぐマタドガスに突撃していく。しかし、かなりの早さである『ドリルライナー』をマタドガスは簡単に回避していた。

 これは特性が『ふゆう』っぽいな。と、すると、効果抜群の技がないドサイドンには等倍のいわ技くらいしか有効打がない――いや待て、ここはゲーム世界じゃないし、これも使えるか。

 

「ドサイドン、マタドガスを掴め。『つのドリル』だ!」

 

 本来、一撃必殺技は命中率が三割しかない。ゲームだとレベルの差だけ命中率が上がるが、ここはアニポケという名の現実世界だ。相手の動きを封じて確実に相手に技を当てるということも出来る。ぶっちゃけ卑怯だと思うが、この世界では対応できない方が悪かった。

 

 マタドガスを戦闘不能にし、まさかの4タテをする。アポロもまさかここまで惨敗するとは思わなかったのか、言葉もなく崩れ落ちていった。対する俺も勝てるとは思っていたが、ここまで圧倒的なバトルになるとは思っていなかったので驚いている。

 

 ドサイドンにタケシ特製のパラセクト傷薬を使いながら先に進む。しかし、幹部すら相手にならなかったということで、もう俺を止められる奴は存在しなかった。六階、七階と、続けてしたっぱ共をボコボコにしていく。

 

 七階にはゲームとは違って、一階のような水場があったので、カスミさんも絶好調である。

 トサキントやタッツーが活躍した上、進化フィーバーが来ているのか、カスミさんのトサキントがアズマオウに、タケシのズバットがゴルバットに進化していた。

 

 七階の社員を解放すると、ここではポケモンの研究をしていたようで、珍しいポケモンであるラプラスがいるらしい。社員曰く、このままでは、いつロケット団に取られるかわからないし、実力あるトレーナーである俺達に連れて行って欲しいとのことだ。

 

 これに反応したのがカスミさんである。みずタイプのトレーナーである彼女はラプラスを欲しがった。だが、それはこちらも同じである。オレンジ諸島で手に入るのかもしれないが、最終的に別れる以上、別のラプラスが手に入るならその機会を逃す訳にはいかなかった。

 

 とはいえ、今は非常事態である。長々と喧嘩している訳にもいかないので、どちらが選ばれても恨みっこなしで、ラプラス自身に選ばせることにした。

 俺を選べとばかりに思念を送っていると、思いが伝わったのか、俺の方に顔を寄せてくる。

 ショックからカスミさんが崩れ落ちた。

 すまんな。いつか、オレンジ諸島でラプラスを捕まえてくれ。そいつ、いずれ群れに帰るけどな!

 

 

 

 10歳 ι月μ日 『シルフカンパニーの戦い 後編』

 

 ラプラスがオーキド研究所に送られるのと同時に、下の階からシゲルが上がってきた。

 どうやら事件を調べているうちに、俺達が戦っていることに気付いたようで慌てて中に入ってきたらしい。自分の仕事を取られてご立腹なのか、「君達はロケット団を甘く見すぎている」、「君達の行動は無謀以外の何物でもない」等と散々文句を言っており、終いには「後は僕に任せて早く帰るんだ」と吐き捨て、そのまま上の階へと走って行った。

 

 しかし、そんな忠告を素直に聞かないのがニューサトシである。こうなってしまった以上、後の社員救出はシゲルに全てお任せして、俺達は先に進むことにした。ナツメにお願いして最上階までテレポートして貰う。これまでの戦いの間に、ケーシィにマッピングをさせていたようで、問題なく最上階に向かうことが出来た。

 

 最上階に着くと問答無用で社長室のドアを開く。

 中には社長らしきおじさんとサカキ様がいて、サカキ様がペルシアンで脅しを入れながら札束で社長の頬を叩いている(比喩)。

 どうやらゲーム同様、マスターボールを求めているようだ。もしサカキ様がマスターボールをゲットすれば、ミュウツーを拘束具なしで使える可能性があるということであり、そんなことになれば一生グリーンバッジがゲット出来なくなるので絶対に防がなければ。

 

 だが、サカキ様はこちらを舐めているのか、俺達を一目した後、サイホーンを出して、そのまま視線を社長に戻している。

 それはいくらなんでもこちらを甘く見すぎだ。突っ込んでくるサイホーンにドサイドンを出してカウンター気味に『アームハンマー』を食らわせてワンキルしてやる。

 流石のサカキ様も、まさか自分のポケモンがワンキルされるとは思わなかったのか、「なに?」と声を出して、本格的にこちらへ視線を向けてきた。

 その瞬間、ナツメが社長をこちらへテレポートして身柄を回収してくれている。グッドだ。

 

「成程。何やら下が騒がしいとは思っていたが、お前達が原因か。そういえば、前にアポロが子供に負けたという話があったが……お前だな?」

 

 質問と言うよりは、もはや断定口調だった。

 まぁ、間違ってはいないのだが。

 

 しかし、これでアポロを倒した=タマムシのアジトを壊滅に追い込んだのが俺というのもバレてしまったので、サカキ様の警戒度もマックスに跳ね上がったようだ。

 ペルシアンをこちらに差し向けてきたので、再びドサイドンで迎撃することにした。

 物理に関して、鉄壁の防御を持っているドサイドンである。当然、ペルシアンの攻撃などたいしたダメージにならず、そのまま『アームハンマー』でペルシアンを吹き飛ばした。

 

 一撃で倒れたペルシアンをモンスターボールに戻し、こちらを睨み付けてくるサカキ様。

 ここからが本格的なバトルか――と思ったが、ドサイドンを見ると、「初めて見るポケモンだな。サイドンの進化形か?」と聞いてくるので、素直に頷いておく。

 どうやらドサイドンについては知らなかったようで、黙ったまま何かを考え込んでいる。

 

 そのままサカキ様が、「試してみるか」と呟くと、ニドクインを出して『れいとうパンチ』を繰り出してきた。弱点の攻撃だが、タイプ不一致の物理技など『ハードロック』の前では無力も同然である。お返しに『ドリルライナー』でぶっ飛ばすと、ニドクインのダメージからこちらの攻撃力を判断したのか、そのままニドクインに止まるように声をかけていた。

 

「凄まじいパワーとタフネスだ。これは今の手持ちで相手をするのは少し面倒だな」

 

 言葉と裏腹に余裕の表情を浮かべたまま、サカキ様が「残念だが、ここは素直に撤退させて貰う」と言って、ニドクインに『じしん』を指示した。

 ビルが倒れんばかりに大きく揺れる。

 かなりの威力に思わず立っていられなくなったので膝をつくと、ニドクインが『ばかぢから』で建物の壁を破壊していた。まさか、飛び降りる気か? ここは十一階だぞ。

 

「最後に、名前を聞いておこうか」

「……俺の名前はサトシ。マサラタウンのサトシだ」

「そうか、サトシ。いずれまた会うこともあるだろう。その時は、本気で相手をしてやる」

 

 そう言って、サカキ様がニドクインをボールに戻して飛び降りた。すぐに壊れた壁に駆け寄ると、下から黒塗りのヘリが上昇してヤマブキから去っていく。どうやら、俺とのバトルの間に隠れてヘリを呼んでいたようだ。

 しかし、これでサカキ様のマスターボール強奪計画はとりあえず阻止できた。ただ、アニメと違ってサカキ様に名前を覚えられてしまったのが問題か。「オムライスケチャップ郎」とか言って、偽名でも名乗っておけば良かったかも知れない。

 

 俺達に助けられた社長がお礼を言って、サカキ様が求めたマスターボールを出してくる。

 聞けば、マスターボールはこの世に一つしか存在せず、どんなポケモンもゲットして従えることが出来るらしい。今回はそれをロケット団に狙われた訳だ。

 社長もこんなボールは作らない方が良かったと後悔しているようで、今回のお礼とばかりに俺達へマスターボールを厄介払いしてきた。

 ゲームなら、これでミュウツーでも捕まえるのだが、この世界じゃ伝説のポケモンなんか捕まえても良いことないだろうしなぁ。まぁ、貰えるものは貰うの精神で受け取っておくが使う機会は多分ないだろう。

 

 サカキ様とのバトルは若干消化不良だったが、これ以上ここにいてシゲルにバレたら後がうるさいので、このままナツメのテレポートでヤマブキジムへ撤退することにした。

 社長には俺達のことはくれぐれも内密にとお願いしてあるのでバレることはないだろう。

 

 ヤマブキジムに戻った後、回復装置を使ってポケモン達を回復させていると、俺がバトルに満足していないことを察したのか、ナツメが自分とのバトルを提案してきた。

 まぁ、表向きは俺のためのようだが、本当はこのままお別れするのが寂しいのだろう。

 思えば、前回のバトルはお笑いポケモン達のせいで台無しになったし、俺もまだ戦い足りなかったので改めてナツメとバトルすることにした。あの時と比べて俺達もレベルが上がっているので楽しみである。

 

 バトルフィールドに行くと、ゲンガーとゴーストが俺に気付いて飛びかかってきた。相変わらずのようで、いつも通りコントをして遊んでいる。

 ナツメが「この子達は、いつもここにいるの」と言っており、どうやらナツメのポケモンではあるものの、基本的には放し飼いにしているようだ。

 一応、ジム戦の邪魔はしないように言ってあるらしいので、ジム戦が終わるまでは静かにしているらしい。俺達もこれからバトルをすると話すと、観客席に移動して応援の準備をしていた。お前達、どちらの応援をするつもりだ?

 

 公式試合ではないので、ナツメも本気メンバーで戦ってくれることになった。シルフカンパニーでは最低限のサポートをする以外は、俺のことを尊重してくれていたので、どんなポケモンが出てくるか予想もつかない。

 俺の方もメンバーを対ナツメ用に変更した。

 トゲ様を除くと、ピカ様、バタフリー、リザードン、ゲンガー、ストライクと、ピカ様とリザードン以外は滅茶苦茶にエスパーメタのメンバーである。

 

 トゲ様がいる都合上、フルバトルだと俺が不利なので3対3になった。先手必勝とばかりに早速ゲンガーを出すと、ナツメも初っぱなからフーディンを出して来る。マジかよ、フーディンは切り札だからもっと後に出てくると思った。

 

「サトシ君。良い機会だから見せてあげる。ポケモンには通常の進化を超えた別の進化が存在するのよ」

 

 そう言って、ナツメが長い髪を掻き上げて耳を出す。そこにはイヤリングがついており、前世のゲームで見覚えのある綺麗な石がついていた。

 よく見れば、フーディンのスプーンにも対応するであろう石が加工されて付けてあるのを見て思わず俺の頬が引きつる。まさか、無印時代やぞ――

 

「ポケモンとの絆が進化を超える、それが――メガシンカ」

 

 ヒッキーのお前がどこからメガストーン持ってきた。とか、ツッコミ所は山ほど有るが、それ以上にナツメのメガフーディンのパワーが圧倒的すぎて言葉にならなかった。

 戦わなくても分かる。それこそ、かつてピカ様でタケシの本気イワークと戦った時のような力の差を感じた。駄目だ、これは勝てない――

 

 その後、当然のようにメガフーディンに3タテされ、俺は見事に天狗だった鼻を叩き折られた。

 

 

 

 




 原作との変化点。

・シルフカンパニーで大暴れした。
 三人で無双した。ナツメはニューサトシを尊重して、撃ち漏らしを叩くくらいしかしなかった。

・ドサイドンに進化した。
 プロテクターを強奪した。ついでにアポロを抹殺した。

・進化ラッシュが来た。
 アニメでは進化しない、イシツブテ、トサキントが進化した。ズバットも早期に進化した故に後のフラグがいろいろ折れた。

・ラプラスを手に入れた。
 シルフカンパニーはやっぱりラプラスよ。

・サカキ様に名前を憶えられた。
 調子に乗ってドサイドンを出したせいで覚えられた。偽名を名乗っておけば良かったと後悔している。

・マスターボールを手に入れた。
 ニューサトシは伝説捕まえるの否定派なので基本的に使わない。ゲームだったら使ってた。

・ナツメと本気のバトルをした。
 メガフーディンに三タテされた。ナツメからの愛の鞭である。


 現在ゲットしたポケモン。

 ピカチュウ Lv.44→45

 ピジョット Lv.42

 バタフリー Lv.41

 サイドン→ドサイドン Lv.44→45

 フシギダネ Lv.42

 リザードン Lv.45→46

 ゼニガメ  Lv.42

 クラブ   Lv.41

 カモネギ  Lv.41

 エビワラー Lv.43→44

 ゲンガー  Lv.42→43

 オコリザル Lv.42

 イーブイ  Lv.25

 ベトベトン Lv.39

 ジバコイル Lv.41

 ケンタロス Lv.40

 ヤドン   Lv.40

 ストライク Lv.40

 トゲピー  LV.1

 プテラ   Lv.40

 ラプラス  Lv.35 NEW!


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