13歳 ζ月σ日 『間違いじゃなかった』
ミクリカップ二日目の夜。ラティが負けたことを、ピカ様とキルリアに謝っていた。
とはいえ、二人ともラティが一生懸命頑張って戦ったのはわかっているので文句を言うことはない。仮にセカンドステージを戦っていたのがキルリアでも、ピカ様でも、絶対に勝てたとは言えないレベルの戦いだった。
許して貰えたことで涙腺が緩んだのかラティが再び涙ぐんでいる。コンテストで負けてもそうは泣かないのだが、やはりライバルのハルカに負けたのは悔しかったようだ。
キルリアが仕方ないとばかりにベッドに座ると隣に座るように、ぽんぽんとベッドを叩く。
すとんと座ったラティだったが、数秒持たずにキルリアに泣きついた。負けたくなかったと、悔しさをぶちまけている。普段、お姉さんぶるラティも、こうなると妹分だ。
ここはキルリアに任せようと、タケシと一緒に部屋を出ることにした。流石に女子部屋にいく訳にもいかないので、タケシと二人で外に出ていく。
タケシが「ラティもキルリアも、随分と変わったな」と呟いたので、「そうだな」と返す。もう一年近く一緒にいるが、最初はラティが一方的に付きまとっていて、当時まだラルトスだったキルリアは人ともポケモンとも関わろうとしなかった。
けど、ホウエン地方を旅していくうちに、ラルトスの心も少しずつほぐれて、このシンオウ地方では素直になることも増え、キルリアへと進化している。
とはいえ、それでラティや他のポケモン達とも面と向かって仲良くはしなかったが、邪険にするようなこともなくなった。それだけでも十分だと思っていたが、あのキルリアが率先してラティを慰めているのを見ると、何というか感慨深いものがある。
「未来の俺が、過去の俺にラルトスを送ってくれたのは間違いじゃなかった」
そう、面と向かって言えるようになった。そんな気がした。
13歳 ζ月τ日 『ポケモンコンテスト ミクリカップ 二次審査 後編』
セミファイナルの第一試合はヒカリVSムサシということで、ヒカリは今回ガーメイルでエントリーしていた。仮にムサシがドクケイルでも対等に戦うつもりなのだろう。
一方のムサシは、やはりドクケイルだった。
ナナミさんは無言で頭を抱えているが、もう本人達も後には引けないのだろう。ムサシが本来の実力を出せれば、まだ勝負はわからなかったかもしれないが、今勢いに乗っているヒカリは強敵だった。
今までたいしたことないと馬鹿にしていたヒカリが、想像以上の演技を自分に見せてくる――そんなムサシの胸中は、言葉に出来ないものだろう。
ヒカリは得意の回転を意識しながら、ガーメイルに独自のステップを刻ませている。そのステップが一々ムサシの攻撃を外していくのだ。苦し紛れに出したドクケイルの『かぜおこし』も、ダメージを受けることを覚悟して敢えて風を使った演技で反撃していく。
今までなら、そんな演技はしなかった。
スタンダードなバトル、見栄えを重視するだけの演技――未熟なポケモンコーディネーターだったはずのヒカリは、自分のバトルスタイルを掴んだことで成長した。どうすればポケモンを輝かせてあげられるのか、それがわかるようになって楽しんでいるのがわかる。
そして、それがムサシを追い詰めていた。
ムサシも経験や技術で反撃を試みるが、ムサシとドクケイルが真に一心同体になっていない今、勢いに乗っているヒカリを抑えるのは難しかった。
自分の気持ちとポケモンの気持ちを一つにしてぶつかってくるヒカリは、ポケモンコンテストの根源的な楽しさを周囲に伝える。それが、勝つことに拘るムサシを一層苦しめていた。
ムサシはドクケイルを勝たせたくて戦っている。だが、コンテストの本質はポケモンの魅力を引き出すことだ。
片や、勝つことに目が眩んで、ドクケイルを生かす演技が出来ないムサシ。
片や、長い回り道の末、ポケモンの魅力を引き出す楽しさを知ったヒカリ。
それがポケモンのためであれ、本質を見失った者と、本質を見つけた者が戦って、本質を見失った者が勝てるはずがない。
結局、終始ヒカリがムサシを押し込む形でバトルは終わり、ヒカリがファイナルへコマを進めていた。
ムサシは悔しそうに歯を食いしばっている。だが、ナナミさんは「ポケモンコンテストは、意地と根性だけでどうにかなるものではありません。もう一度、ポケモン達と自分の演技を見つめ直しなさい」と厳しい一言を告げるだけだった。
――しかし、自分の演技を見つめ直すか。
いろいろと偉そうなことを言っているニューサトシだったりするが、セミファイナル前に負けているので、結果としてはムサシ以下の成績だったりする。
今回、シンオウ地方を旅するに当たって、俺はリーグ戦もコンテストも両方全力で行うと決めた。だから、俺は前のようにリーグを理由に負けたことから目を背けるつもりはない。
ここらで一度、俺も自分の演技を見直してみるか――と、ナナミさんの言葉に感銘を受けていると、セミファイナルの第二試合、ハルカVSノゾミのバトルが始まった。
ハルカは海の――ではなく普通のアゲハントを、対するノゾミはここが山場と判断したのか、相棒のニャルマーを出している。
ノゾミの基本スタイルは待ちだ。
相手が攻めてきた所を攻め返してポイントを奪っているカウンタースタイル。だが、ここ数戦でハルカもノゾミの戦い方は理解しているのだろう。素直には攻めて行かなかった。
まずは様子見と、『ちょうのまい』を指示するが、ノゾミも『ねこだまし』でその動きを妨害していく。
最初に出た一回しか使えないという制約はあるが、『ねこだまし』は『しんそく』よりも早く攻撃が決まる。ハルカが様子見に移った瞬間に、技を一つ捨てても責める判断をノゾミはしたのだ。
ハルカのポイントが15下がるが、負けじと『ぎんいろのかぜ』で反撃していく。
しかし、ノゾミも『アイアンテール』で大ジャンプをすることで攻撃を回避した。再びハルカから10ポイントがマイナスされ、そのまま攻撃を仕掛けていく。
だが、ハルカも『ちょうのまい』でステータスを上げながら踊りのステップで『アイアンテール』を回避した。同時にノゾミのポイントが10マイナスされる。
しかし、ノゾミはそこで止まらなかった。
ニャルマーは回避された『アイアンテール』をそのまま水フィールドの水面に叩きつけ、水のカーテンを作り、アゲハントを囲って水で体を濡らしていく。
動きを封じた演技が評価され、さらに10ポイントがハルカのポイントからマイナスされた。同時に、ノゾミも水のカーテンがある内に『でんげきは』で追撃をかけていく。
必中技故回避も出来ず、相殺するしかないが、ノゾミは水越しに『でんげきは』を撃つことで電撃を水に流し込んだ。
電撃は水を伝わり、体を濡らしたアゲハントにダメージを与える。水中にいたニャルマー自身も、電撃のダメージを受けてしまうが、その電撃を逆に自分の魅力を引き出すための素材として利用していた。
だが、ハルカもやられるままではない。
逃げられないとわかると、『ちょうのまい』でステータスを上げて受けきる体勢を取る。
特攻、特防、素早が一段ずつ上昇するので、弱点のでんき技とはいえ、何とかダメージを多少は軽減できていた。
それでも、一気にハルカのポイントが15削られ、50対10と大差がつく。
しかし、ハルカはまだまだと気合を入れ直した。『ぎんいろのかぜ』で再び反撃を狙う。
ノゾミも『シャドークロー』で対応させようとしたが、『ちょうのまい』を二段階詰まれたことで、素早も二段階上がっており、前とは攻撃のタイミングが違ったせいもあってアゲハントの攻撃を止めきれなかった。
アゲハントの『ぎんいろのかぜ』が決まり、今度はノゾミのポイントが15削られる。だが、代わりにその勢いでニャルマーも陸に上がることが出来ていた。
それでもノゾミ有利という状況。
ヒカリも手に汗握って見ている。
だが、ニューサトシとタケシは良く知っていた。追い詰められた状況こそが、ハルカの本領が発揮されるということを――
「アゲハント! 急上昇!」
ミクリカップの会場には天井がない。よって、制限なく高く跳べる。とはいえ、あまり飛び過ぎて姿が見えなくなっては減点になりかねないので限度はあるが、ハルカは限界高度までアゲハントを飛ばした。
この距離ではいくらニャルマーがジャンプしても届かない。しかし、アゲハントが『ちょうのまい』をしようとしているのは明らかなので、ノゾミも『でんげきは』を指示して追撃する。
必中技故に外すことはないが、ハルカはこれを待っていたとばかりに『ぎんいろのかぜ』で電撃を包んで跳ね返していく。
既に『ちょうのまい』で特攻が二段階上がっており、タイプ一致技だ。対するニャルマーの『でんげきは』タイプ不一致技ということでパワーがない。十分に押し返すことが出来た。
演技において美しさは重要なファクターだが、同時に力もまた技を表現する要素の一つ。
こう見えて、ニューサトシの影響を受けまくったハルカは、生粋のパワーファイターだったりするのだ。
昨日のセカンドステージでもとどめに『はかいこうせん』をチョイスした所からもそれは昔と変わっていない。
ニャルマーが吹き飛ばされ、ノゾミのポイントが15削られると、ハルカもフィニッシュの体勢に入った。
アゲハントに『おいかぜ』を指示し、その風の勢いを利用して上空からの急降下『つばめがえし』――それが、今回のハルカの切り札だ。
ニャルマーが体勢を立て直す頃には、アゲハントの突撃は始まっており、『ちょうのまい』二回で素早が二段階。『おいかぜ』でさらにその素早が二倍。上空からの急降下でさらに加速がつき、まさに流星のような速さとなる。
それは一筋の光とも言えるが、そんな速さでも『つばめがえし』が必中技故にニャルマーを逃さない。
空から一筋の光がニャルマーにぶつかり、そのまま一気にバトルオフまで持って行った。
流石のノゾミも言葉を失っている。まぁ、バトルオフに持って行ったのは偶然だろうが、仮にバトルオフになっていなかったとしてもこの演技でハルカは一気に20ポイントくらいは稼いでいた。
前の怒涛の畳みかけを合わせて、ポイント差は逆転し、制限時間的にもそのまま逃げ切っていただろう。ノゾミもそれがわかったのか、「参ったね」と苦笑いしてニャルマーを抱き起している。
どうも、前から思っていたのだが、やはりコンテストを専門にポケモンを育成すると、ポケモン達が打たれ弱く、技も上っ面なダメージしか来ない気がするんだよな。
ハルカはジムリーダーセンリの娘であり、幼い頃から父親の背中を見て育った。おまけに、去年一年ホウエン地方をニューサトシと一緒に旅してボコボコにされながら育っている。
当然、コンテストの技術と同じくらいバトルの技術も叩き込んできたし、それが今の力ある演技や耐久力に繋がっているのだろう。
ヒカリもそうだ。
俺はヒカリとのコンテスト練習の時、本番直前の調整しかレベルを合わせない。基本はボコボコにしている。それは、ヒカリにバトル経験を積ませるのと同時、ポケモン達にも耐久力をつけさせるためだ。
俺みたいなトレーナー上がりのポケモンは、ジムやリーグ戦を経験しているので、自然と力の入る技の出し方や、攻撃を受けても耐えられる根性が身についている。
ハルカやヒカリも、ジム戦こそしていないが、ニューサトシがそう育ててきた。しかし、ノゾミは違う。彼女は今まで、コンテスト一筋で、ついこの間までジム戦すら毛嫌いしていた生粋のポケモンコーディネーターだ。当然、育成も演技に偏っていたのだろう。
だが、グランドフェスティバルの上位陣は、今のハルカのように力があって美しい演技を平然としてくる。
つまり、演技ばかり極めても、バトル経験がないと耐えられないのだ。同じ理由で、バトル経験がないと相手を倒し切れない。
勿論、コンテストバトルは相手を倒し切る必要はない。ポイントで上回ればいいだけの話だ。
だが、それでも相手にダメージがあれば、演技を崩せるし、自分の流れに持って行きやすい。そういう流れも掴めなくなるということだ。
ミクリも数年前まではチャンピオンだったらしいし、やはりバトルの経験というのはコンテストにとっても重要なモノなのだろう。
とはいえ、それを考えるのはノゾミであり、俺が忠告してやることではない。自分で気づかなければ意味がないのだ。それに、いろいろと偉そうなことを言っているニューサトシだったりするが、セミファイナル前に負けているので、結果としては(以下略)。
まぁ、いろいろあったが、ファイナルにはヒカリとハルカが進出ということで、まさかのメインヒロイン対決である。
アニメでありそうだ――と、思ったが、俺が忘れているだけで、もしかしたらこのミクリカップもアニメのイベントであったのかもしれない。
当の二人は、お互いに悔いのないバトルをしようと火花を散らしている。ヒカリもこのミクリカップで一気に成長したな。
後は、これが一過性のものでないように、明日から全力でボコボコにしていくのがニューサトシの仕事だろう。寝て起きたら忘れましたじゃ話にならないからな。
とはいえ、今は素直にファイナルを見守ろう。
試合がスタートすると、ヒカリは当然のように相棒のポッチャマ、ハルカは今回イーブイから進化させてきたグレイシアを出してきた。
相性的には、こおり技に耐性のあるポッチャマ有利だが、ハルカも馬鹿正直にこおり技を使ってくることはしないだろう。どうバトルを組み立ててくるか――
と、見て居ると、逆にハルカは『フリーズドライ』で先制してきた。こおり技でも、みずタイプに弱点が取れる技だ。おまけに、一割の確率で相手をこおり状態にしてくる。
しかし、ヒカリも即座に『バブルこうせん』を指示して迎撃した。パワーが劣っている分はポッチャマ自身を回転させて『バブルこうせん』をガトリングガンのように撃つことで補っている。回転による泡は美しさも補っており隙もない。
もはや回転は完全にヒカリの技だな。いつか、黄金の回転に目覚めたポッチャマがチュミミーンとか鳴き始めたらどうしよう。
なんて考えていると、ヒカリもハルカも次へと移っていた。互いの技が相殺されると、今度は距離を詰めていく。
ヒカリは『みだれづき』を指示した。当然のようにポッチャマは回転しており、技の出所を見え無くしつつ、乱れの美しさを目立たせている。
対するハルカは『ひみつのちから』を指示した。前にレイジのビーダルも使ってきた威力70のノーマル物理技だが、距離を詰める際に、『フリーズドライ』の影響で凍ったフィールドを滑るように走っているため、加速で威力が上がっている。当然、体の小さいポッチャマでは受けきれずに吹き飛ばされた。
この技には地形で三割の追加効果が発生する。今地形は水場なので、攻撃ワンランクダウン――と、思ったが、先程の『フリーズドライ』の影響で、フィールドが凍って氷上判定になっているのか、攻撃を受けたポッチャマが凍っていく。
ハルカの巧みな一撃で、ヒカリのポイントが15マイナスされる。だが、ヒカリもされるがままではないようで、「ポッチャマ水へ!」と指示を飛ばしていた。無理にポッチャマに抵抗させず、そのまま吹き飛ばされた勢いで、ポッチャマ自身を水に入れることで氷を溶かすつもりなのだろう。
氷に比べたら水温は暖かいので、氷が解け、すぐに復活したポッチャマが水上へと飛び出ていく。
今度はヒカリが『うずしお』で反撃を仕掛けに行った。ハルカも『フリーズドライ』で『うずしお』を凍らせに行くが、逆に凍った『うずしお』を物理的にグレイシアにぶつけるという荒業でポイントを稼ぎに行く。
それもただぶつけに行っただけではなく、渦の回転を失った『うずしお』の代わりに、ポッチャマ自身が回転をして技の威力を保持したのだ。
さらには、氷がぶつかって割れることで、まるで花が散ったかのような美しい氷の景色が出来上がっている。同時にハルカのポイントが15削られた。
ほぼ互角の戦いだが、ヒカリは攻めていく。今度はポッチャマを水の中に入れ、水中からグレイシアを狙いに行ったのだ。
ポッチャマの水中を優雅に泳ぐ姿が、ハルカのポイントを10削っていく。バトルだけがポイントを削る要素ではないということだろう。
だが、そんなことはハルカも百も承知だった。『ふぶき』を指示して、水場を氷上フィールドに変えるという荒業で、グレイシアにスケートをさせるかのように移動させていく。
これで今度はヒカリのポイントが10削られた。さらに、グレイシアの周囲の水は氷で塞がれてしまったため、回り道をするか、氷を壊すしか出て来る道はない。当然、氷を壊そうとすれば、出てくる前に音で位置がバレるので狙い撃ちされる危険があった。
しかし、ヒカリに悩んでいる暇はない。次に、ハルカが別の道を『ふぶき』で凍らせてしまえば、もうポッチャマには壊す以外の択はなくなるのだ。
遠回りするか危険を覚悟で突っ込むか――回り道をすれば、ハルカの技術が評価されてマイナスを科される。ヒカリはここでマイナスを受けるよりも、一か八かの賭けに出た。
ポッチャマに『みだれづき』を指示して、氷を砕いていく。当然、位置はバレているので、ハルカは追撃の『フリーズドライ』を指示していた。
氷が割れ、回転したポッチャマが飛び出してくる。
同時に、ヒカリは最後の技として『がまん』を指示した。グレイシアの『フリーズドライ』を受けながら、『がまん』のエフェクトと合わせてポッチャマを美しく見せていく。
技を敢えて受けることで美しさを魅せる技術――かなりの高難易度だ。しかし、ヒカリはやってみせた。
通常ならマイナスを科される場面を、上手く乗り切り、ハルカのポイントを10減らしていく。ハルカもまさかこんな手段で乗り越えてくるとは思わなかったようで驚いていた。
だが、本番はこれからだ。『がまん』によって、貯められたエネルギーがグレイシアに向かって解き放たれていく。
ハルカも『ふぶき』でそのエネルギーを相殺するが、『がまん』のエネルギーは花火のように散らばり、氷と合わせて美しい景色を作っている。相殺されることまで考えたヒカリの工夫が一つ上を行っていた。ハルカのポイントがさらに10削られる。
時間的にもポイント的にもそろそろヤバいということで、ハルカも勝負を賭けに行った。
今度は『ふぶき』と『ひみつのちから』を同時に使って、吹き荒れる吹雪を自身の身に纏わせていく。
いわば、『フレアドライブ』などの氷版とも言える。俺のピカ様で言えば疑似ボルテッカーだ。多分、それを参考にしたのだろう。
美しい氷の化身となったグレイシアが突撃していく。ポッチャマは『うずしお』で対抗した。
本来、『うずしお』は相手を渦を相手にぶつけて動きを封じる技だが、グレイシアの身に纏う『ふぶき』が『うずしお』を凍らせて効果を打ち消していく。
ヒカリのポイントが15削られ、ポッチャマが吹き飛ばされる。ハルカはここを決め場所と判断したようで、最後の技である『とっておき』を指示した。
他に三つの技を使ってからしか使えないという制限のある技だが、その分威力がある。ハルカはそのエネルギーを美しさに振って追撃をかけて行った。
凍ったフィールドを滑って吹き飛ぶポッチャマまで先回りし、空中で水の中に叩き落す。これで、さらにヒカリは15ポイントのマイナスとなる。
ポッチャマも、ノゾミの時のようにバトルオフこそしていないようだが、これでハルカがポイントを逆転し、残り時間も後僅か――ここまでか。
と、思っていると、水中からエネルギーが空中にいるグレイシアに向かって放たれた。
流石のハルカも反応が間に合わず、グレイシアも空中で技を決めた後ということで油断して相殺が間に合わない。
――ポッチャマの『がまん』だ。
ヒカリは、『とっておき』の追撃を躱せないとわかると、ポッチャマにアイコンタクトで『がまん』を指示したのだ。そして、ポッチャマは水中に叩きつけられたと同時に、『がまん』を解き放って反撃してきた。
ポッチャマの『がまん』がグレイシアに当たり、さらに15ポイントがハルカのポイントから削られる。
同時にタイムアップとなり、バトルは終了した。
残りポイントはハルカが40でヒカリが45――僅かな差で、ヒカリの勝利となっている。最後の一撃、あれがなければハルカの勝利だっただろう。本当にギリギリの勝負だった。
「ヒカリ、おめでとう。素晴らしいバトルだった」
「だとしたら、それは頑張ってくれたポッチャマのおかげね!」
ハルカも負けて悔しそうにしているが、素直にヒカリのことを祝福している。負けて泣いていた頃が嘘のような成長だ。
グレイシアもデビュー戦で負けて悔しそうにしているが、これからジョウト地方でもっとコンテストをして成長していくだろう。
ミクリやナナミさんからも、素晴らしい評価を頂き、ヒカリは無事に今回の勝利者に与えられるアクアリボンを授与されていた。
このリボンは、どの地方でも使用できる特別なリボンだ。当然、シンオウのリボンとしても使えるので、ヒカリは二つ目のリボンとなる。
ミクリも、少し前まで道に迷っていたヒカリがまさかここまで来るとは思わなかったのか、「若い子の成長ってのは早いもんだね」と笑みを浮かべていた。
ただ、ちゃんと抜け目もないようで、負けたハルカにも自分の名刺らしきものを渡している。才能ある若者には唾を付けておこうということかもしれない。いずれ、ハルカがゲストとして招待される日も来るかもな。
追記。ミクリカップが終了したということで、夕方にはハルカもジョウトの方に戻っていった。ストッパーがいないので、タケシが美味しいものの食べ過ぎに注意している。また、チャンピオンリーグは応援しに来ると言っていたので、そのうちまた会えるだろう。
原作との変化点。
・第79話『決戦! ヒカリ対ハルカ!!』より、ヒカリがギリギリで勝利した。
ムサシの不調がなければ、また結果は変わっていたかもしれないが、それでも才能を目覚めさせて勝利したことは、ヒカリにとって大きな経験となった。
・アニメがベース。
今回、基本的な動きはアニメをベースにしている。特に、ハルカVSノゾミ戦、ハルカVSヒカリ戦は半分くらいそのまま。
・ハルカがジョウトに戻っていった。
チャンピオンリーグは見に来るらしいので、そのうちまた再会できるということもあり、割とあっさり別れた。
現在ゲットしたポケモン
ピカチュウ Lv.64
ピジョット Lv.59
バタフリー Lv.59
ドサイドン Lv.62
フシギバナ Lv.60
リザードン Lv.64
カメックス Lv.60
キングラー Lv.60
カモネギ Lv.60
エビワラー Lv.59
ゲンガー Lv.61
コノヨザル Lv.59
イーブイ Lv.59
ベトベトン Lv.59
ジバコイル Lv.59
ケンタロス Lv.59
ヤドラン Lv.59
ハッサム Lv.60
トゲキッス Lv.58
プテラ Lv.59
ラプラス Lv.59
ミュウツー Lv.75
バリヤード Lv.59
イワーク(オレンジ諸島の姿) Lv.58
カビゴン Lv.58
ニョロトノ Lv.58
ヘラクロス Lv.57
メガニウム Lv.57
マグマラシ Lv.57
ラティアス Lv.53
ヘルガー Lv.56
ワニノコ Lv.57
ヨルノズク(色違い) Lv.55
カイロス(部分色違い) Lv.56
ウソッキー Lv.55
バンギラス Lv.61
ドンファン Lv.55
ギャラドス(色違い) Lv.56
ミロカロス Lv.50
ラグラージ Lv.52
オオスバメ Lv.51
ジュカイン Lv.51
ヘイガニ Lv.50
フライゴン Lv.55
コータス Lv.50
キルリア(色違い) Lv.41
オニゴーリ Lv.48
ワカシャモ Lv.47
メタング(色違い) Lv.39
エテボース Lv.40
ムクホーク Lv.37
ナエトル Lv.37
ブイゼル Lv.39
ムウマージ Lv.44
ヒポポタス LV.35
ミカルゲ Lv.55
グライガー Lv.25
※伝説嫌いについて。
なんか、感想やメッセでもかなりのご意見を頂きましたが、ニューサトシは最初から徹底して伝説に関わりたくない、好きじゃないと書いてきたつもりです。
伝説もポケモンなんだから嫌うなって、野菜大好きでピーマンだけ嫌いだけど、ピーマンも野菜なんだから食べろって強要してるようなもんですよ。人間なんだから好き嫌いくらいあります。
ただ、口では嫌っていても、実際に会って困っていたら助けるし見捨てない。これは前からずっと同じであり、今回に限った話ではありません。
アグノムが可哀想やら、伝説嫌いもここまで来ると病気とか言ってる人もいますが、普通に考えて関わったら高確率で世界を巻き込むような事件に巻き込む存在を好きになる方が無理では?
分かりやすく例えれば、仮に動物が人間を食べるようになったとして、犬の中の数少ない種類だけが人食べないけど、それが分かってない状況でその犬怖がらずにいられるか? って話です。
ニューサトシにしてみれば、伝説は全部理不尽な力を持った存在であり、実際に直接会ってみればミュウツーやラティのように仲良くもなるかもしれませんが、見ただけでそんな区別付きません。
口が悪いのは今に始まった話じゃないし、別にアグノムに直接何かした訳でもないのに、何を過剰反応しているのかわかりませんが、お気持ちメール何件送っても書き直す気はありません。