13歳 θ月γ日 『アカギィ!』
無事にヒカリのコンテストが終わった次の日、シロナがカンナギにある歴史研究所に出かけるということでついて行くことにした。
ここにはハクタイで盗まれた『こんごうだま』と対となる『しらたま』が保管されており、シロナの祖母であるカラシナ博士が所長を務めているらしい。
前回、チャンピオンリーグ前にハクタイに来た時も、シロナの祖母には会わなかったので、地味に初対面なのだが、ニューサトシの顔を見たカラシナ博士が「アンタ、どこかであったことないかい?」と聞いてきた。
こちらには全く記憶にないが、もしかしたら前回カンナギに来た時にどこかで見られていたのかもしれない。一応、「初対面です」と返すと、まだ首を傾げていた。まさかの婆さんからの逆ナンパである。年の差有り過ぎて草。
と、思っていると、やけに胡散臭そうな笑みを浮かべたおっさんが、「カラシナ博士、若いスバメを囲おうにも流石に若すぎでは?」と、冗談交じりに話しかけてきた。
カラシナも、「おや、もう一人の若いスバメも来たね」と冗談に乗る。どうやら、こいつはアカギというらしく、シンオウ財界でも有名な人物で、シンオウ時空伝説に強い関心を持っているようで、今回もしらたまを心配して駆け付けてきたと話している。
まぁ、有名人なのは間違いないだろうな。流石のニューサトシも、こいつがギンガ団のボスであることくらいは覚えていた。
聞けば、アカギがここに来るのはそう珍しいことではないようで、ハクタイでこんごうだまが盗まれてからは、特に顕著にここに来るようになったという話だ。
「忙しい身だろうに、最近は三日に一回は様子を見に来る。まぁ、こっちとしても有難いけどね」
と、どうもカラシナもアカギを信じてしまっていた。これでは、仮にオレが証拠もなく、「こいつはギンガ団のボスだ!」と騒ぎ立てても、誰も信じはしないだろう。
仕方ない、ハクタイの時はオレのせいでこんごうだまが盗まれてしまったし、今回はオレがしらたまを守ってやる。
そんなこんなで、カラシナの話を聞きながら研究所の中に入っていく。
歴史研究所の名前の通り、シンオウの歴史を調べているこの研究所では、必然的にディアルガとパルキアについて調べているようで、少し前にディアルガVSパルキアVSミュウツーの別世界バトルをした身としてはあまり他人事には思えなかった。
とはいえ、馬鹿正直に話して関心を買うことでもない。事が伝説ポケモンの話でなければ、喜んで自慢していた所だが、ディアルガボコってパルキアに言うこと聞かせましたなんて話したら、何がどうなるかわからないしな。
沈黙――それが正しい答えなんだ。と、一人でクラピカごっこをしていると、いつの間にかカラシナの研究室に着いた。
中に入ると、カンナギ遺跡から発掘されたと思われる、アグノム、エムリット、ユクシーが太陽のようなものを囲っている壁画が飾ってあるのが目に入る。
ヒカリが壁画を見ていると、左下に描かれたエムリットの絵を見て、「私達、これ見たことあります!」と声を上げた。そういえば、ヒカリに初めて会った時に、シンジ湖でエムリットを見ちまったっけか。
同意を求めるように、「そうよね、サトシ!?」と、こちらにも声をかけてくるが、ここで同意すると面倒くさくなりそうだったので、「いやぁ、一瞬だったから覚えてないなぁ」と誤魔化しておく。
ちなみに、ミクリカップが行われたリッシ湖でアグノムらしき姿も目撃しているが、当然のように知らないフリをしておいた。
しかし、オレたちがエムリットと接触した可能性があるとわかると、アカギが俺達にしらたまを見せたらどうかと提案してくる。あからさまな罠だが、カラシナも乗り気になっている以上、拒絶しても押し切られそうだったので、仕方なく応じることにした。
そのまま、しらたまが保管されている部屋へと移動し、改めて実物を見せられることになったのだが、ディアルガとパルキアに直接会ったせいか、こんごうだまの時には感じなかった妙な波長を感じる。
ヒカリは何も感じなかったのか、「何も感じなーい」と、残念そうな顔を浮かべたので、ニューサトシも真似して、「何も感じなーい」と言っておいた。
アカギは「そんなはずはない!」と、表情を変えながら、「もっと集中して感じてみるんだ」と言ってくるが、これ以上集中して何かしたら本人が来そうで怖いんだよ。
困惑する俺達を見て、カラシナも「無理強いするもんじゃないよ」と言ってくれたが、その瞬間、タイミングを計ったようにどこかで大きな爆発が起きた。
同時に、この部屋の防衛システムにクラッキングが起きたようで、部屋の扉が閉まらなくなっている。
部屋の扉が閉められないというのは防衛という観点から見ても問題だ。カラシナとシロナの提案で、しらたまを別の場所に移動しようということになったのだが、移動を始めると同時に、ギンガ団の幹部を名乗るマーズが部下を引き連れて俺達を囲んできた。
悪いが、ここに来る時点で何かが起こるであろうことは予測済だ。先んじて、手持ちのポケモン達もガチ戦仕様に変更してきている。
毎度お馴染みピカ様を筆頭に、ヤドラン、プテラ、カビゴン、ニョロトノ、フライゴン先輩、おまけにラティのフルメンバーでギンガ団を蹂躙していく。さらにはチャンピオンのシロナが後詰としている今、負ける可能性はゼロに等しかった。
マーズが劣勢になると、ジュピターを名乗る別の幹部が援護として部下を引き連れてくる。流石にこの数を捌くのは厳しいが、このままいけば、しらたまは守り通せる――と、考えていたが、当然ながらこれで終わるはずがなかった。
本来であれば、このまま部下達がしらたまを奪っていくのを見送るはずだったであろうアカギが遂に動き出す。「こうなれば、仕方ない」と、ギンガ団ボスとしての本性を現してしらたまを奪取していった。
しかし、そうなることも予想済みだ。
このために、ミュウツーを敢えて残していた。うちの最強が、シロナと共にアカギの持つしらたまを奪い返そうとする。援護に行きたいが、マーズとジュピターがしつこくて手が回らない。タケシやヒカリも、ギンガ団の下っ端を相手にするのが精一杯のようで、後は任せる以外になかった。
そのまま、歴史博物館で世紀の大バトルが始まったが、終わりは唐突に訪れる。乱戦時の流れ弾がカラシナを襲い、それをシロナが守ろうとしたせいでアカギに逃げる隙を与えてしまったのだ。
ミュウツーがすぐに追おうとするが、マーズとジュピターも自分を犠牲にしてアカギを逃がそうと動いたせいもあって、ブニャットの『ちょうはつ』とスカタンクの『だいばくはつ』で完全に足止めを食らってしまった。
その隙にアカギが逃走。マーズとジュピターは捕らえたが、しらたまは奪われるという結果になっている。『テレポート』で追おうにも、ミュウツーの探知外に既に行ってしまったようで諦めるしかなかった。
追記。アカギのことは気がかりだが、シロナもポケモンリーグの事務局から四天王リーグの知らせが届いたということで、ここで手を引かざるを得なくなった。俺達も気にはなるが、当てもなくアカギを探すのは流石に無理だ。おまけに、メリッサからヨスガシティに戻るというメールが入っていたため、ガチ戦のためにも戻る以外になくなった。
13歳 θ月ε日 『それは仕方ない』
ヨスガを目指す途中、ズイタウンに立ち寄ることにした。ここには、サマースクールの時に仲良くなったアオイが住んでいるということで、ラティも再会を楽しみにしている。
しかし、アオイの家を目指している途中、突如として襟巻のようなものを撒いたベロベルトが歩いている姿が目に入った。タケシやヒカリは暗くて見えないようだが、マサラアイを持つニューサトシにはしっかりとその姿が目に入っている。
ベロベルトはノーマルタイプの中でも、そこそこ器用に立ち回れるのでゲットするのもありかもしれないと思って後を付けたのだが、どうやら見失ってしまったようでゲットには至らなかった――と、いう話を、再会したアオイにすると、何やら挙動不審になってどこかに走って行ってしまった。
事情を聴いてみると、トレーナーから預かっていたベロリンガを勝手に進化させてしまったようで、とりあえず洞窟の中に隠していたらしい。
まぁ、ベロリンガの進化条件は『ころがる』を覚えた状態でレベルアップなので仕方ない部分はある。『ころがる』はレベル技だし、それこそいつ進化してもおかしくない。
それに、この世界のポケモンは進化条件を満たしても確定で進化する訳ではないし、アオイに進化をどうにかしろというのは酷な話だ。これは、流石に責められないだろう。
と、いう訳で、素直にアオイの両親に真実を話して謝ることにした。アオイの両親も、最初は怒っていたが、ニューサトシの理論付けた説明を聞くと、仕方のないことだったと言うことを理解してくれている。
結局、ベロベルトのトレーナーには誠心誠意謝罪するしかないということになったが、実際にベロベルトを受け取りに来たトレーナーはベロリンガがベロベルトに進化していて喜んでいた。災い転じて福となすではないが、遺恨が残らなくてよかったよかった。
13歳 θ月ζ日 『長年の再会』
ヨスガの途中で、四天王リーグに向けてトレーニングに励むシンオウ四天王のリョウと再会した。
ヒカリやタケシは初対面だったが、ニューサトシとラティは前に四天王リーグを見に来た時に出会っているのでマブである。久しぶりの再会に喜んでいると、リョウからバトルの誘いを受けた。オレもヨスガのガチ戦に向けて調整をしたかったので有難い申し出だ。
と、いうことで、対メリッサ戦のガチポケとして選出した三体の調整に入る。今回選んだのはゲンガー、続いて相性有利のヘルガー、最後に色違いのヨルノズクの三体だ。
ゲンガーはオレのゴーストポケモンの古株として、未だに言うことを聞かないミカルゲに動きを見せようという狙いと、来るべきメリッサ戦でゴーストポケモン同士の対決で上を行くつもりでいるという二つの狙いがある。
ヘルガーについては、単純に相性有利。あくタイプのポケモンは一体欲しかったし、ヘルガーも最近調子を上げてきているということで選出した。
最後のヨルノズクは、対ゴースト――つまり、知恵比べならお前に勝てる奴はいないと信じてのことだ。それに、ノーマルタイプを持つヨルノズクはゴーストタイプの攻撃を透かせる。その点でも、上手くバトルを有利に運べると睨んだ。
と、いうことで、リョウとバトルしていく。
ほのおタイプやひこうタイプがいるうちのパーティの方が有利のはずだが、流石に四天王だけあって弱点タイプへの対策はしっかりしている。
しかし、それでも有利なのはこちら――と、ヘルガーの炎でビークインを押していくと、どこからともなく現れた野生のアゲハントがバトルに乱入してきた。
正確には、ビークインを守るようにアゲハントがこちらに矛を向けてくる。かなり強力な『むしのさざめき』で、ヘルガーが吹き飛ばされた。
あくタイプにむし技は効果抜群とはいえ、ヘルガーにはほのおタイプもある。等倍のむし技でまさかこれほどのダメージを受けるとは――と、感心していると、リョウが呆然としたように、「お前は、まさか……」と言いながら、フラフラとアゲハントの下へと近づいていく。
聞くと、リョウがまだ子供の頃、最初に捕まえてとても仲の良かったケムッソがいたらしいのだが、当時のリョウはバトルに勝てずにケムッソに八つ当たりをしてしまい、それ以来ケムッソはリョウの前から姿を消してしまったのだという。
以後、リョウは二度と同じ間違いを繰り返さないと決めて、今では四天王と言う立場まで上り詰めたのだ――と、話しながら、アゲハントとの再会を喜んでいた。
アゲハントも弱い自分を変えるために長い間修行を積んだようで、互いの成長を喜んでいる。また、リョウも改めてアゲハントに謝罪をして、次の四天王リーグに一緒に参加してほしいと頭を下げていた。
アゲハントもやる気のようで、自分に任せろとばかりに頷いている。思わぬ乱入もあったが、こちらもやる気はまだ残っていた。アゲハントをプラスした分、こちらも一体追加して四対四でバトルを続行していく。
最終的にはアゲハントの底力に敗北したニューサトシだが、四天王という高い壁を体験できたことは決してマイナスではないはずだ。それに、全く歯が立たない訳でもなかった。相性有利で責めたとはいえ、四天王のポケモンを戦闘不能に追い込んでいるのは成長だろう。
追記。リョウとアゲハントの仲直りを見て思う所があったのか、ここ最近は反抗すらせずにボールの中でずっと静かにしていたミカルゲが珍しく表に出てきた。たまには運動でもするか――と、誘ってみると、ニューサトシと軽い手合わせをしている。こいつもこいつでいろいろ悩んでいるのだろう。オレに出来ることは、相手になるくらいのことだった。
原作との変化点。
・第96話『ギンガ団襲撃!! 前編』より、ニューサトシがしらたまに反応した。
ちょっと頑張ればパルキアが呼べそうだった。勿論、呼ぶ気はさらさらないので、何もなかったふりをしている。
・第97話『ギンガ団襲撃!! 後編』より、アカギを逃がしてしまった。
綿密な作戦により、アカギまで引きずり出したが、部下を全て投げ捨てる形でしらたまを奪って逃げきった。
・第98話『浮かぶ未確認怪物!?』より、ニューサトシがアオイのフォローをしてあげた。
ベロリンガとか、ヤンヤンマとか、技を覚えてレベルアップ系は進化するタイミングが謎なので、不意に進化させてしまったのは仕方のないことだった。隠したことだけしっかり謝らせて後はフォローしてあげている。アオイがニューサトシを尊敬するような視線で見ていた。
・第99話『四天王リョウ! 出会いと別れの森!!』より、リョウとバトルをした。
結果的には負けたが、ほぼ互角の立ち合いを見せている。自分の実力が上がっているのを実感した。
・ミカルゲが歩み寄ってきた。
ニューサトシは何も言わずに受け入れる形を取っている。
現在ゲットしたポケモン
ピカチュウ Lv.65
ピジョット Lv.60
バタフリー Lv.60
ドサイドン Lv.62
フシギバナ Lv.60
リザードン Lv.65
カメックス Lv.60
キングラー Lv.60
カモネギ Lv.60
エビワラー Lv.60
ゲンガー Lv.61→62
コノヨザル Lv.60
イーブイ Lv.60
ベトベトン Lv.60
ジバコイル Lv.60
ケンタロス Lv.60
ヤドラン Lv.60
ハッサム Lv.60
トゲキッス Lv.59
プテラ Lv.60
ラプラス Lv.60
ミュウツー Lv.75
バリヤード Lv.60
イワーク(オレンジ諸島の姿) Lv.58
カビゴン Lv.58→59
ニョロトノ Lv.58→59
ヘラクロス Lv.57
メガニウム Lv.57
マグマラシ Lv.57
ラティアス Lv.54
ヘルガー Lv.56→57
ワニノコ Lv.57
ヨルノズク(色違い) Lv.55→56
カイロス(部分色違い) Lv.56
ウソッキー Lv.56
バンギラス Lv.61
ドンファン Lv.56
ギャラドス(色違い) Lv.56
ミロカロス Lv.51
ラグラージ Lv.52
オオスバメ Lv.51
ジュカイン Lv.52
ヘイガニ Lv.51
フライゴン Lv.55→56
コータス Lv.50
キルリア(色違い) Lv.43
オニゴーリ Lv.49
ワカシャモ Lv.47
メタング(色違い) Lv.42
エテボース Lv.41
ムクホーク Lv.40
ナエトル Lv.40
ブイゼル Lv.41
ムウマージ Lv.46
ヒポポタス LV.38
ミカルゲ Lv.56
グライオン Lv.33