13歳 θ月ρ日 『ニューサトシの演技』
何だかんだ忙しくてずっと先送りにしていたが、そろそろ俺も自分の演技を見つめ直す時だろう。
前にも書いたが、俺の演技の基本は力だ。ポケモンバトルで培った力を、コンテスト用に応用して演技を作っている。
だからこそ、二次審査のコンテストバトルでは半ば殴り合いになることが多い。勿論、演技らしい演技をしてポイントを取ることもあるが、基本は相手を倒してポイントを奪うが根本になっている。
だが、それは別に悪いことではない。
何故なら、バトルもまたポケモンの魅力の一つだからだ。勿論、力押しだけでは駄目だが、力を魅せるのは別に間違いではない。
今更初心者のように、バトルの動きをコンテストの動きに応用できていない訳でもなかった。これまでの勝利は、今までの全てが積み重なっているからだというのはオレも理解している。
では、何故、俺は勝ちきれないのか?
ちょっとしたミスや偶然も勿論ある。しかし、それ以上に何かが噛み合っていない感じがするのだ。
前に、メリッサがバトルとコンテストを合わせた自分だけのスタイルを作ると言った時にぼんやりと感じたもの――多分、俺はメリッサとは逆に、まだ自分のバトルスタイルを完全にコンテストにアジャスト出来ていなかった。
とはいえ、先程も書いたが、今までも俺なりにバトルの経験をコンテストにも応用している。言いたいのは、そんな簡単なことではない。
おそらく、ここから先のレベルに行くには、もう一段階上――バトルを単純に応用するではなく、それを俺だけの演技とも言えるものに昇華させないといけないのだ。
俺自身、かなり高いレベルの問題だと自覚はしている。ハルカやヒカリと違ってゼロから身に付けるのではなく、既に形のあるものを作り替える必要があるのだ。難易度も桁違いだろう。
だが、それが出来ない限り、ずっと俺の演技は根底がぐらついたままだ。そして、そのぐらつきが僅かなミスに繋がり、結果として敗北へと繋がっていく。
バトルと違って、コンテストはワンミスが負けに直結しかねない。
これまでの負けを振り返ってみてもそうだ。最初のコンテストバトルではノゾミに負けた。中盤まで押していたが、偶然に近い『まもる』でリズムを崩されたのが敗因だ。
次は、ズイ大会のファイナルでムサシに負けた。この時は互いに、押せ押せのバトルをしていたが僅差で勝ちきれなかった。向こうの毒でこちらの動きが鈍ったのが敗因だ。
そして、最後はミクリカップでハルカに敗北している。このバトルは、ハルカの成長を甘く見て、下手な探りを入れてポイントを稼がれ、ラティの流星ダイブを妨害されたことで点差がついてしまったのが敗因だ。
バトルなら力業や奇策で何とか出来る場面も、時間や戦い方に制限のあるコンテストではそうはいかない。
おそらく自分の演技が固まりきっていないが故に、いざとなると一か八かの根性で立て直そうとするバトルの癖が咄嗟に出てしまっているのだ。それが繊細な技術が要求されるコンテストバトルでは致命傷となっている。
改めて、全てを一から見直していこう。
きっと、俺は心のどこかで、自分はポケモントレーナーなんだって意識が抜け切れていなかった。
コンテストをしている時は、ポケモンコーディネーター。バトルをしている時は、ポケモントレーナー――この気持ちを忘れずに、まずは基礎から立ち直って、新たなニューサトシの演技を作り上げていく。
でも、それは俺だけで出来ることではなかった。
次のコンテストに出るぞとラティに声をかける。一瞬、キョトンとした表情を見せたラティだが、すぐに「でる!」と喜んでいた。
バトルもコンテストも、俺一人で出来ることではない。ポケモンと力を合わせて頑張る――当たり前のことだが、それが俺の根底にある形だった。
13歳 θ月σ日 『ホエルコパニック』
アケビタウン行きの船に乗ろうと思ったのだが、ホエルオーの群が沖に集まっているせいで欠航になってしまっている。残念だが、コンテストまでにはまだ時間があるので、とりあえず腹ごしらえをすることにした。
昼食の準備をしていると、野生と思われるルクシオがピカ様達のポケモンフーズを奪おうとしてきたので少しお仕置きをしてやる――と、思っていると、黒いキルリアが『サイコキネシス』で強引にお座りの体勢にして躾をしていた。
何とか逃げようとするが、キルリアも何だかんだレベルが上がってきているのでそう簡単には逃げられない。最終的には諦めたように伏せの体勢でこちらに頭を下げてきた。
謝れて偉い――と、いうことで、どうしてポケモンフーズを盗もうとしたのかを聞いていく。すると、どうもこのルクシオはこの辺りの小さなポケモン達の面倒を見るリーダーのようで、地下の運河に紛れ込んで弱っている野生のホエルコのために食料を探しに来たらしい。
つまり、沖にいるホエルオーは、そのホエルコを探して集まっているのだろう。ならば話は簡単だ。そのホエルコを沖まで連れて行ってやれば、ホエルコも助かってルクシオもラッキー。俺達も船が出てラッキーのwinwinな関係を築けるということだ。
そんなこんなで地下の運河でぐったりしているホエルコを海へつながる出口まで連れていく。
すると、縄張りに侵入されたかと思ったのか、野生のラグラージがこちらに襲い掛かってきた。勘違いだと伝えるも、ラグラージも興奮しているのか、話を聞こうとしない。
仕方ないので、ピカ様の『フラッシュ』で目を眩ませて、ついでに『くさむすび』で簀巻きにして先に進むことにした。悪いな、ラグラージ、お前に恨みはないが急いでいるんだ。
そんなこんなで、ようやく地下の運河を抜けたのだが、後は跳ね橋を超えれば海――と、いうタイミングで、何故かホエルコがホエルオーに進化してしまった。
これは困る。ホエルコくらいのサイズなら問題なく橋の下を潜り抜けられたが、ホエルオーレベルの大きさでは跳ね橋を上げないと海に出ることは出来ない。
なら、跳ね橋を上げればいいじゃないとヒカリが簡単に言うが、やろうと思えばできても、勝手に橋を上げれば他の人にも迷惑がかかってしまう。と、いう訳で、ここはうちの黒いキルリアにお願いしてホエルオーを跳ね橋の外まで『テレポート』して貰った。
ヒカリやタケシも、「その手があった!」と笑っており、ラティも「あった!」と喜んでいた。
橋という関門を超えて、ホエルオーが群に戻っていく。これで、今度こそ一件落着でいいだろう。と、隣に座るルクシオに目を向けると、こちらの肩を軽く電気タッチして帰っていった。
ぶっちゃけ、レントラーも好きなのでルクシオもゲットしたかったが、あいつを捕まえてしまうと、ここの小さなポケモン達が困ってしまうので我慢している。
13歳 θ月τ日 『もう会いたくないのですけれど?』
ようやく船が出せるようになったので、アケビタウンに向けて出発しようとすると、ポケモンセンターに俺宛ての電話がかかってきた。
かけてきたのは鋼鉄島にいる罰金野郎で、あいつのエンペルトや鋼鉄島のポケモン達の一部が突如としておかしくなってしまったのだという。罰金野郎はどうでもいいが、ポケモン達が可哀想なので仕方なく鋼鉄島へと向かっていく。
サクッと原因を突き止めようと動き出すと、噂のポケモン達がこちらに襲い掛かってきた。しかし、よく観察していると、法則性のようなものが見えてくる。
暴走しているのははがねタイプのポケモンだけだ。それこそ、罰金野郎のエンペルトもみず・はがねだし、今暴れているのもハガネールやメタング、ボスゴドラなど、共通してはがねタイプのポケモンが多い。
と、暴れるポケモン達をいなしながら、ヒカリやタケシ達にも気づいたことを話していると、「その通り」と聞いたことのない声の主が俺の推理を肯定してきた。
出てきたのは、前に映画の話を解決した時にアーロンが被っていた帽子に似たものを被っている男――っていうか、アーロンに少し似ている。もしかして血族か?
どうやら、こいつはゲンというらしい。ゲンといえば、ゲームだとリオルの卵をくれる奴だっけか。流石に顔は忘れていたが、ルカリオを連れているし間違いなさそうだ。
ゲンはどうやら波動が使える人間のようで、体全体に波動を纏っているのがわかる。ゲンもニューサトシが波動を使える人間だとわかったのか、「凄いね。その年で、そこまでの波動を身に纏っているなんて」と驚かれた。
ふむ、別に特段意識したことはないが、我ながら結構な量の波動を身に纏っていたらしい。
聞けば、ゲンはこの島の調査をしているようで、俺と同じくはがねポケモンがおかしくなっていることに気づいたのだという。また、調査の結果から、この島に発生した特殊な低周波がはがねポケモンだけに作用して、ああして暴走状態にさせているらしい。
とりあえず、その低周波をどうにかすれば問題は解決しそうだったので、ゲンの指示に従ってその低周波の発生場所と思われる遺跡に向かうことになった。
そのまま奥に進んでいると、突如として妙な光が地下から柱のように上ってくる。それを見た瞬間、波動で精神を防御していたはずのルカリオすら暴走状態に入り、こちらに襲い掛かってきた。
おまけに、アカギを始めとしたギンガ団の下っ端まで出て来てこの場は大混乱――しかし、途中でギンガ団が原因らしき、低周波発生装置を見つけてそれを破壊することに成功した。
どうも、あの光の柱で何かを調べていたようだが、何とか妨害に成功している。悪党のやることなんて妨害してなんぼだからな。
また、そのおかげで、ゲンのルカリオも正気に戻っている。アカギは舌打ちをすると、地下に爆弾を仕掛けてこの場を撤退――後を追おうにも、鋼鉄島の危機を放置することは出来ないので、今回も見逃すことになってしまった。
爆弾の解除は波動で爆発を抑え込み、上空へ放り投げるという力技で対処している。俺、ゲン、ルカリオの三人で爆発を抑え、ミュウツーに頼んでその爆発を上空に移動させた。
とりあえず、これで一件落着――と、冷や汗を拭っていると、後からシロナの婆さんであるカラシナ博士がやってきて、この遺跡は槍の柱と呼ばれる場所を示すためのものであると教えてくれた。
どうもギンガ団はディアルガとパルキアを目覚めさせて何かをしようとしているらしい。ぶっちゃけ、アラモスタウンで問題起こしてギラティナにも迷惑かけてるし、出来ればもう会いたくないのですけれど?
追記。ギンガ団の企みを潰したことで、罰金野郎のエンペルトも無事に助かり、他のはがねポケモンたちも正気に戻ったようなので、今度こそアケビタウンに向けて出発することにした。
13歳 θ月υ日 『風を読む』
アケビタウンまでは優雅に船旅ということで、コンテストバトルの練習をしつつも、他のシンオウ組も自主訓練をしている。
特にグライオンは、前のジム戦で最後に見せたあのアクロバティックな動きを自分のモノにするためにも、風の流れを読んで上手く飛ぶ練習を重ねていた。
とはいえ、たまに風を読むのをミスって、船から大きく離れるのは心臓に悪いからやめて欲しい。そういう場合は黒いキルリアがため息をつきながら『テレポート』で回収してくれるのだが、あまりに回数が多いと見限られるのではないかと心配している。
13歳 θ月φ日 『お前、一応伝説だよな?』
アケビタウンに到着したのだが、どうもアケビタウンでは出会えれば幸運が訪れるというフィオネの潜水ツアーをやっているようだった。
フィオネもあれで伝説の仲間なので、伝説アレルギーであるニューサトシ的にはノーセンキューなのだが、行きたいオーラを出しているヒカリやラティに行かないと言えるほど俺は人間が出来て――いる。
いやだー! いきたくなーい!
と、恥も外聞も捨てて駄々をこねてみると、「あらあら、駄目よサトシ君。女の子を困らせちゃ」と、俺を窘める言葉がかけられる。
この俺のバブちゃんモードを見て、あらあらなんて余裕をかませるのはナナミさんくらいのもので、見るとこれまでずっと姿を見ていなかったロケット団を引き連れていた。
聞けば、ミクリカップでムサシが無様を晒したのを見てから、三人を見つけ出してその根性を叩き直していたらしい。
ムサシも顔を真っ青にして頷いており、何故かコジロウまで巻き込まれてコンテストのいろはを基礎から叩きこまれたという。二人とも、気が付けばリボンを四つまで揃えたようで、このアケビリボンを五つ目にすると言っている。
と、いうか、リボン五つ集まるまではナナミさんが開放する気ないようで、こいつらとしても心底リボンを求めているのが伝わってきた。
こりゃ、アケビコンテストは厳しくなりそうだな――と、思っていると、ヒカリが「なら、猶更フィオネを見に行かなきゃ!」と、訴えてくる。
ナナミさんも、「みんなで一緒に探しに行きましょう」と笑っており、急遽俺達とロケット団withナナミさんのフィオネを探すツアーが始まってしまった。
仕方なく参加すると、そんなに時間もかからない内に3体のフィオネがこちらにやってくる。お前ら、一応伝説だよな? そんな魚みたいに寄って来るなよ。
と、思っていると、ロケット団もナナミさんがいる手前、悪さが出来ないようで、「もっといいタイミングで来なさいよ」、「気が利かないよなぁ」と睨みを利かせている。
ロケット団にガンを付けられて逃げるように去っていくフィオネだが、その中の一匹だけがヒカリのミミロルを気に入ったようで後を追ってきた。
しかし、ミミロルにはピカ様という彼氏がいるとわかり(彼氏ではない)、フィオネがピカ様にバトルを挑んでいる。
いくらフィオネとはいえ、チャンピオンのルカリオと互角に渡り合える俺のピカ様に勝てる訳がない――と、蹴散らしてやろうとしたのだが、ミミロルが『私のことが好きなら、私に勝ってみなさい。勝ったらデートしてあげる(ニャース訳)』と、何故か代わりに挑戦を受けていた。
しかし、やはりボディランゲージがあるとはいえ、翻訳係(ニャース)がいると楽だな。
見た感じ、実力はどっこいに見えるが、何だかんだ好きな女に手を出せないということでフィオネが敗北した。
フィオネも素直に負けを認めて、潔く去っていこうとしたのだが、ミミロルが何やらアイコンタクトを送っている。フィオネはそれを見て、何やら元気を出しているが何をしたのだろうか?
『流石のニャーも、喋って貰わないと何を言っているかはわからないにゃー』
まぁ、ですよね――と、納得していると、ヒカリが「きっと、またバトルしましょうって言っているのよ」と言っていた。まさか、そんな訳ないやろーと、思ったが、男って生き物は割とちょろい生き物だからなぁ。
追記。ナナミさんのネタバレにより、ヒカリたちもキャンディ・ムサリーナがムサシであることにようやく気付いた。ぶっちゃけ、ずっとあいつらの手持ちと同じポケモンを使っていて疑問に感じなかったのか不思議である。
原作との変化点。
・ニューサトシが自分を振り返った。
結果、バトルとコンテストを合体させた新しい演技を作ることを決意した。とはいえ、基本は今までとそこまで変わらない。大切なのは心構え。
・第109話『迷子のホエルコ!』より、跳ね橋を上げずに問題を解決した。
流石に跳ね橋を勝手に弄るのは他人に迷惑をかけすぎるので、テレポートで対応した。仲良くなったルクシオをゲットしたかったが、他の小さいポケモン達が可哀想なので諦めている。
・第110話『ゲンとルカリオ!』より、地味に初めて波動を使える他人に会った。
ゲンの目から見ても、ニューサトシが纏っている波動の量は異常らしい。
・第111話『鋼鉄島の遺跡!』より、アカギがニューサトシとミュウツーを見て、早めに撤退を指示した。
まだ策はあるということで、捕まる前に撤退している。
・第112話『ピカチュウ・ポッチャマ漂流記!』より、ロケット団がいないので漂流することもなく、デオキシスにも会っていない。
なので、ひたすらグライオンが船の風で特訓していた。たまにミスると、仕方なく黒いキルリアがフォローしている。基本的に不愛想なのは変わらないので、いつグライオンが見捨てられるかハラハラしていた。
・第113話『いたずらフィオネ!』より、ロケット団と久しぶりに再会した。
ノモセでやなかんじーになった後、ロケット団を探していたナナミさんと再会→修行という感じで、コンテストバトルの基礎を鍛え直しながらリボンを集めていた。何故か、今回はコジロウまで巻き込まれている。二人とも、リボンを4つまで揃えていた。
・キャンディ・ムサリーナの正体がバレた。
むしろ、何で気づかなかったというレベル。ちなみにコジロウのコンテストネームは――次回のお楽しみ。
現在ゲットしたポケモン
ピカチュウ Lv.65
ピジョット Lv.60
バタフリー Lv.60
ドサイドン Lv.62
フシギバナ Lv.60
リザードン Lv.65
カメックス Lv.60
キングラー Lv.60
カモネギ Lv.60
エビワラー Lv.60
ゲンガー Lv.62
コノヨザル Lv.60
イーブイ Lv.60
ベトベトン Lv.60
ジバコイル Lv.60
ケンタロス Lv.60
ヤドラン Lv.60
ハッサム Lv.60
トゲキッス Lv.59
プテラ Lv.60
ラプラス Lv.60
ミュウツー Lv.75
バリヤード Lv.60
イワーク(オレンジ諸島の姿) Lv.58
カビゴン Lv.59
ニョロトノ Lv.59
ヘラクロス Lv.57
メガニウム Lv.57
マグマラシ Lv.57
ラティアス Lv.54
ヘルガー Lv.57
ワニノコ Lv.57
ヨルノズク(色違い) Lv.56
カイロス(部分色違い) Lv.56
ウソッキー Lv.56
バンギラス Lv.61
ドンファン Lv.56
ギャラドス(色違い) Lv.56
ミロカロス Lv.51
ラグラージ Lv.52
オオスバメ Lv.51
ジュカイン Lv.52
ヘイガニ Lv.51
フライゴン Lv.56
コータス Lv.50
キルリア(色違い) Lv.43
オニゴーリ Lv.49
ワカシャモ Lv.47
メタング(色違い) Lv.42
エテボース Lv.41
ムクホーク Lv.40
ナエトル Lv.40
ブイゼル Lv.41
ムウマージ Lv.46
カバルドン LV.40
ミカルゲ Lv.56
グライオン Lv.36
ロトム Lv.40