13歳 θ月ψ日 『ポケモンコンテスト アケビ大会 後編』
ファイナルステージ――俺&ラティVSムサシ&メガヤンマの頂上決戦が始まった。
ミクリカップから性根を叩き直されたムサシの実力は、これまでのムラが嘘のようにない。俺も油断なしで戦ったとして勝てるかどうかはわからないレベルだろう。
とはいえ、負ける気は毛頭なかった。
普通のバトルもそうだが、俺は初めから負けるつもりで戦ったことなど一度もない。老若男女誰が相手だったとしても、相手が負けを認めるまで殴るのをやめないタイプだ。
そして、ムサシもまた、俺を長いことを追っているだけあって、そういう精神まで似てきてしまっている。戦い方一つとってもそうだが、こいつも相手が泣くまで殴るのを止めないタイプだろう。
つまり、先手必勝――相手を先に殴った方が主導権を得られる。と、いうことで、バトルが開始すると同時に、俺とムサシは同時に動き出した。
ヒカリ戦での攻防のバランスはどうしたと言わんばかりに、向こうも『むしのさざめき』で仕掛けてくる。対するこちらも、『ミストボール』で先手を取りに行った。
互いにタイプ一致の大技がぶつかり、空中で大爆発が起こる。技の威力ではこちらが勝っているはずだが、向こうの方が特攻の種族値が僅かに高い。その差で互角になったようだ。
後だしのメガヤンマの攻撃で、こちらの攻撃を相殺されたため、こちらのポイントが10削られる。同時に、『かそく』でメガヤンマの素早が一段階上がって、ラティとのスピード差を完全に埋めてきた。
ムサシは次に『エアスラッシュ』の連打で、こちらを怯ませに来た。対するこちらも、『ドラゴンクロー』を連打してエアスラを弾いていく。今度はこちらが後手で、メガヤンマの攻撃を受け流したことで、ムサシのポイントが10削られた。
審査員席のナナミさんが頭を抱えるのが目に入ってくる――こういう野性味を減らしてコーディネーターとしての技術を叩きこんだだろうに、どうやら俺との久しぶりのバトルで段取りは全部吹き飛んでしまったらしい。
しかし、時間をかければかけるほど、メガヤンマはスピードを上げていく。今はまだ追いつけるが、トップギアになれば追いつくのはまず不可能だろう。あまり悠長にしている時間はない。
再び、『ミストボール』を主体に攻めていく。
この技は五割で相手の特攻を一段階下げる効果を持っているので、特殊攻撃が強いメガヤンマ殺しの技でもあるのだ。ムサシも、それを理解しているのか、していないのか、スピードを生かして『ミストボール』は絶対回避してくる。
しかし、それだけでは終わらない。
一度避けたくらいで終わったと思うのは甘いぞ。ラティが『サイコキネシス』で『ミストボール』を遠隔操作し、再び攻撃がメガヤンマを襲っていく。
避けたと思った攻撃が何度も再操作されて襲い掛かるというラティの独創性で、ムサシのポイントが10削られ、メガヤンマのスピードによる連続回避で俺のポイントも10削られた。
避ければ避ける度に、『かそく』によってスピードが上がる。今回の連続『ミストボール』回避で、メガヤンマもトップギアまでスピードを上げてきた。
同時に、『かげぶんしん』で分身を増やしてこちらを攻撃してくる。迎撃しようにも、ラティもどれが本物のメガヤンマかわからないようで露骨に慌てていた。
「セット!」
しかし、いくら『かげぶんしん』でも、トップギアで動くメガヤンマの動きを完全にトレースは出来ない。ラティは惑わせられても、トレーナー側からは本体の特定は容易だ。
俺の声と指の向きに反応して、ラティがメガヤンマの方へ体を向ける。ムサシも、予想より早くこちらが本体を特定したことに気づいたが、止まらずに『むしのさざめき』を指示していた。
こちらも『ミストボール』で迎撃していく。
さざめき相殺で、ムサシのポイントをさらに10奪うが、向こうもトップギアを利用してエアスラをこちらに当ててすぐにポイントを15取り返してくる。とはいえ、怯ませられたら厳しいので、即座に『ドラゴンクロー』で迎撃してさらにポイントを10奪った。
だが、スピードで上をいかれているというのはかなりやりにくい。先手を取れない以上、どうしても動きは後手に回ってしまう。向こうはヒット&アウェイに切り替えてきたのか、ラティの動きの隙を縫って攻撃を命中させてくる。
すぐに技で相殺するが、また向こうに15ポイント奪われた。こちらも10取り返しているので五分ではあるが突き離せない。
お互いにまだ最後の技を残している。
狙うは必殺の一撃――小競り合いでポイントを互いに稼ぎながらとどめとなる一撃を狙っている。だが、バトルの時間は五分。残り時間はそこまで長くはない。
お互いのポイントが残り40を切り、残り時間も一分となると、ここでムサシが先に仕掛けてきた。
最後の技――『ぎんいろのかぜ』と、『むしのさざめき』を組み合わせた大技で、こちらをKOするつもりらしい。
対するこちらも動いた。『りゅうせいぐん』と『ミストボール』を組み合わせた新たな切り札で、一気に勝負を頂く。流石にムサシ相手に、技の基礎だけでは勝てない。ここが必殺の解禁時だろう。
自身の体で『りゅうせいぐん』を纏う流星ダイブとは違い――今度は『りゅうせいぐん』の爆発に、『ミストボール』を混ぜていく。
束ねるは星の息吹――空中で炸裂した流星の中に、『ミストボール』が混ざっているため、ぶつかれば五割で相手の特攻を下げる爆弾と化す。
対するムサシは、むし技同士の合わせ技ということで、『ぎんいろのかぜ』に『むしのさざめき』を合わせて、ストレートに技の威力を上げてきている。おまけに、『ぎんいろのかぜ』の効果で、一割の確率で全てのステータスが一段階上昇する可能性もあった。
お互いの切り札がぶつかっていく。
空中から降り注ぐ流星を薙ぎ払うように、合成技同士がぶつかって相殺される。お互いの技の魅力が伝わり、さらに互いに10ポイントが削られ、残り時間数秒――ここで、ムサシは動いた。今の今まで積み上げていったトップギアの最高速度で、ラティに詰め寄り『エアスラッシュ』でポイントを奪いに来たのだ。
だが、そうくるであろうことは折り込み済みである――だからこそ、『りゅせいぐん』の効果で特攻が二段階下がっても問題なく使える『ドラゴンクロー』を技にチョイスしたのだ。
ラティもカウンター気味に、『ドラゴンクロー』で反撃する。互いの一撃が同時にぶつかり合い――そこで、ファイナルステージはタイムアップとなった。
結果は、お互いに残ったポイントが15という完全なる引き分け――そういえば、グランドフェスティバルでは引き分けってなかったけど、この場合はどうなるんだ?
「引き分けの場合は同時優勝として、両者にリボンを渡します」
と、いうことで、俺とムサシの同時優勝でポケモンコンテストアケビ大会は幕を閉じた。これで、俺とムサシはリボンが5つになり、グランドフェスティバルへの挑戦権を手に入れている。
ヒカリは残り2つで、コジロウが残り1つ――だが、とりあえずムサシのリボンが5つになったことで、ナナミさんの支配からは解放されるらしく、コジロウやニャースが涙を流しながらムサシを褒めまくっていた。
13歳 θ月ω日 『ワイルドだぜぇ』
次のジムがあるキッサキシティに向かって歩いていると、カントー地方から転属してきたというサングラスを付けたワイルドなジュンサーに呼び止められた。
聞けば、ロケット団がシンオウ地方に進出してきたという情報を掴んだようで、ロケット団との遭遇率が高い俺に協力してほしいらしい。遭遇率というか、たまに会わない時があるけど、基本的には毎日会ってるからな。
しっかし、このジュンサーはカントーから来たと言っているが、相棒のペラップはカントーには生息していないはずのポケモンなんだが?
おまけに、こういう時に限ってロケット団が襲ってこない。もしかしたら、ナナミさんから解放された喜びで休みを満喫しているのかもしれないな。
追記。結局、散々間抜けな姿を披露してくれたワイルドなジュンサーは、ジョウトのうずまき列島に転属が決まったらしい。一日でコロコロ転属が変わるとか、この世界の警察もなかなかにワイルドだぜぇ。
13歳 ι月α日 『話しても無駄だ』
いつもの迷子で困っていると野生のユキメノコが近くに寄ってきた。どうも、道を案内してくれるようなのだが、どうも俺以外の連中の様子がおかしい。見えていないものが見えているというか、幻覚にかけられているような感じだ。
とりあえず、ピカ様を波動で正常に戻し、そのまま『10まんボルト』で全員の目を覚まさせる。悪いんだが、この手の幻覚には耐性があるから効かないんだわ。
しかし、ユキメノコも、何の用事もなく俺達を幻覚にかけようとはしないだろう。要件を聞いてみると、はぐれたユキワラシを探させるために俺達の誰かを人質に取るつもりだったらしい。
そんなことしなくても普通に助けるのだが――どうも、このユキメノコは、過去に人間に騙されたことがあるようで、こちらのことを何一つ信用しようとしなかった。
これは理で語っても無駄だろうということで、ピカ様にお願いしてユキメノコの人質になって貰う。ピカ様も俺を信じてくれているので、喜んで自分から人質になってくれた。
言葉で説明したって人間を疑うポケモンは信じない。なら、結果で示すしかないだろう。
そんなこんなでユキワラシを探しに行くと、密猟者らしき男とオニゴーリがユキワラシを連れて行くのを発見。ミュウツーを出していつものように、密猟者をボコボコにして警察まで『テレポート』してやった。
無事にユキワラシを救出して戻り、ピカ様とトレードする。結局、信用なんてものは小さく積み重ねていくしか得ようがないのだ。それでも、今回のことでユキメノコは少し人間への見方を変えてくれたと思いたい。
13歳 ι月β日 『ミカルゲの迷い』
ユキメノコとの一件を経て、またミカルゲがぼんやりと遠くを見るような視線を見せるようになった。
こいつも、今までに比べたら大分打ち解けてくれてきているが、それでもまだ完全に心開いた訳ではない。やはり、根底にある『ピカチュウを連れた波動の勇者』へのわだかまりをどうにかしてやらないと、心の闇は晴れないのかもしれないな。
13歳 ι月γ日 『ポケリンガ! この地方にもあるのか!』
キッサキシティを目指す途中、ウインドタウンでポケリンガが開催されるということで、ちょっと参加していくことにした。ぶっちゃけ、ホウエンだけのマイナー競技だと思っていたので、ここでポケリンガが出来るというのは地味に嬉しい。
ヒカリはポケリンガが何かわからずに首を傾げているが、ラティがジェスチャーを交えて、「こう! こう!」と説明している――すると、俺達の姿を見つけたシンジが、「相変わらず騒がしい奴らだな」と、嫌味を口にしながらこちらに歩いてきた。
聞けば、シンジもポケリンガに参加する予定らしい。これは強敵――と、思いながら、参加者を見ていると、ロケット団の変装と思わしき人間がいないことに気づいた。
大体、こういう催し物はあいつらもいるもんだが、どうもナナミさんから解放されてから、また俺を追跡するのを止めているらしい。地獄から解放されてのんびり休みを満喫しているのかは知らないが、いないといないで少し物足りない気もする。
ヒカリもガーメイルが手持ちにいるので、参加しようと思えばできないこともなかったが、ルールもまだ理解できていない上、勝手がわからないということで応援に回っている。
前回は黒いキルリア――否、当時はまだラルトスだったか。を、手に入れたばかりということで、ラティは前回のポケリンガにはあまり興味を示さなかったのだが、どうも今回は凄く出たがっている。「ラティも出る!」と鼻息を荒くしていた。
しかし、既にムクホークでエントリーを終えてしまったので、今更メンバーなど変えられない。ムクホークにはこの機に、乱打技である『インファイト』を完全にモノにして欲しいし、ラティには残念だが我慢して貰う。
出られないとわかると、さいしょはプクーっと頬を膨らませていたが、売店で飴を買ってやるとすぐに機嫌は元に戻った。
そんなこんなでひと悶着はあったが、ようやくポケリンガがスタートとなる。ホウエンでは一回戦から四回戦までは四人一組だったが、この大会では人数の関係上、一回戦から一対一のようだ。
改めて、ポケリンガのルールを説明すると、上空の気球に付いているリングを先に奪って、下のゴールに引っ掛けるという単純なものである。
しかし、当然先にリングを取れば敵は総攻撃を仕掛けてくるし、余程足に自信がなければまず逃げ切れないだろう。ならば後にリングを取るのが有利――と、見えるかもしれないが、ミスれば先行逃げ切りという状況もあるので、どちらが有利とは一概には言いづらい。
ただ、どちらにしろ、前回同様に風が大きなファクターとなるのは間違いなかった。
一回戦、俺の相手はエアームドを出して先手を仕掛けてくる。俺もムクホークを出して、先手を仕掛けさせた。種族値的な差もあり、ムクホークがリングを先に奪取する――同時に、『スピードスター』を指示してきた。必中技で確実にリングを奪おうという考えだろう。
流石に食らう訳にはいかないので、こちらも『つばめがえし』で相殺していく。だが、その間に、エアームドはこちらとの距離を詰めていた。互いに羽根や嘴でけん制をしながら、動きを読み合う――瞬間、『ドリルくちばし』でリングが弾かれた。
エアームドの視線が上に向き、リングを奪おうと動き出す――だが、意識が反れた隙を逃さず、こちらは『インファイト』を指示して、エアームドを無理やり地面に叩き落としてやった。
そのまま、弾かれたリングを奪い返してゴールへ向かう。しかし、相手も諦めなかった。ゴール前に陣取ると、フィールドの砂を『ふきとばし』で巻き上げて、こちらの視界を塞いでくる。
だが、その瞬間――タイミングよく横殴りの風が巻き起こり、ムクホークの周りから砂煙が掻き消えた。一瞬のチャンスを逃さず『でんこうせっか』でゴールにリングを引っ掻ける。これで、俺の一回戦勝利が決まった。
ちなみに、風が来るのは何となくだがわかっていた――波動の扱いに慣れてきたおかげもあって、そういう自然現象の発生の余地も読みやすくなってきたのだ。
そのまま第二試合に目を通すと、シンジもドンカラスの重量級パワーを上手く使って相手を翻弄している。敵のカイリューのパワフルな攻撃を上手く凌いで試合を有利に運んでいた。
ドンカラスでカイリューに渡り合えるとは――流石にしっかり育てられているようで、今のムクホークよりもレベルが高そうだ。最終的にはシンジも風を上手く使って勝負を決めている。
聞けば、シンジの相手はこれまで四連覇中の優勝候補だったらしいが、前もそうだったけど、そういう奴に限って大したことないんだよな。
結局、最後は俺とシンジとなり、ポケリンガでも負けない――と、シンジが意気込んでいる。
しかし、こちらも負けるつもりはない。翼を上手く使うことを覚えつつある近距離最強ムクホークで、ドンカラスもKOしてやるぜ。
決勝戦が始まると、ムクホークが一目散にリングに向かって飛んでいく。対するシンジは、これまでの俺のムクホークの動きから、ドンカラスで先行を取るのは無理と判断したのか、ムクホークの一歩後ろを追従させている。
ムクホークがリングを奪った瞬間、必中技の『つばめがえし』で攻撃を仕掛けてきた。こちらも負けじと、『つばめがえし』で迎撃していく。しかし、レベルでも種族値でも負けているせいか、ムクホークが弾き飛ばされた。
ただし、上手く直撃は避けたようでリングは手放していない。同じ技では不利になるのであれば、逃げに徹しよう――『でんこうせっか』で勢いに乗りながら、ムクホークをゴールへ向かって一直線に逃がしていく。
しかし、シンジもされるがままではなかった。『おいかぜ』を使って自身の素早を二倍にすることで、無理やり速度差を埋めてくる。
駄目だ。ムクホークが逃げ切るよりも捕まる方が早い。それに、この風の感じからしてもこのまま逃げることは許してくれないだろう。
「ムクホーク! 上に旋回だ!」
「なにっ!?」
「急げ! 巻き込まれるぞ!!」
「っ! そういうことか、ドンカラス! ムクホークの後ろに着け!」
俺の指示でムクホークが上に急旋回し、それに続くようにドンカラスも旋回していく。
同時に、ゴール側からまるで壁のように思えるくらいの強烈な向かい風が吹き荒れた。あのまま突っ込んで直撃を受ければ、スピードを殺されて動きを止められていただろう。
しかし、突風の勢いは想像以上に強く、未だに通過するのは難しそうだった。シンジはこの隙を逃さずに、再び必中技の『つばめがえし』で追撃してくる。こちらも『つばめがえし』で迎撃を指示した。
とはいえ、先程の結果から見ても、真正面からのぶつかり合いは勝ちの目がないので、こちらの体重を乗せつつも、相手の体重を逃がすように上手く立ち位置を調整する。結果、二度目は逆にドンカラスを弾き飛ばした。
「くっ、小細工を!」
「技術と呼べ、技術と! 真正面からぶつかるだけが戦いじゃねーんだよ!」
「なら――ドンカラス! 上を取れ! 半ば乗りかかる勢いで潰してやるんだ!」
「あの巨体が上から来たら逃げられない! 『でんこうせっか』で引きはがせ!」
向こうは全体重を預けるように上から突っ込んできたので、こちらも『でんこうせっか』で躱していく。しかし、ギリギリで避けきれず、バランスが崩れてムクホークの口からリングが零れた。
「キャッチしろ!」
「殴り落とせ!! 『インファイト』!!」
ドンカラスが咄嗟にリングを奪おうとしてきたので、こちらはリングガン無視で『インファイト』を指示した。一回戦同様、相手の視線が外れた隙に大技を叩きこむ。
「甘い、『くろいきり』!」
だが、こちらがドンカラスを捕まえようとした瞬間、ドンカラスの周りに霧が立ち込め姿を見失ってしまった。この隙にドンカラスはリングを奪ったようで、『ブレイブバード』で一気にゴールに向かって突っ込んでいく。
しかし、『くろいきり』の効果で、こちらも『インファイト』のデメリットが消えた。これでダメージを気にせず戦えるので、『ブレイブバード』を指示してドンカラスを追っていく。
まだ『おいかぜ』の効果が残っているせいもあって、ドンカラスに追いつけなかった。もし、突風が吹き荒れていなかったら、この時点でシンジの勝利は決まっていたかもしれない――だが、幸運の女神はまだこちらを見捨ててはいないようだった。
「もっと加速しろ、『でんこうせっか』!!」
ギリギリで『おいかぜ』の効果が切れる。同時に、突風も止んで動きを堰き止めていた風が完全に消えた。
ドンカラスは後ろと前の風の勢いが変わったことで、少しバランスを崩したが、ドンカラスの後ろで風を防いでいたムクホークに隙はない。すぐに指示に従って、『でんこうせっか』で後ろからドンカラスをぶっ飛ばしていった。
ドンカラスの口からリングが落ち、それをムクホークが拾っていく。シンジは『ブレイブバード』を指示した。ここで『おいかぜ』を使ってスピードを上げるより、真っ向勝負でリングを奪うべきと判断したのだろう。
だが、真っ直ぐ向かってくる敵程、カウンターを取りやすい相手はいない。ムクホークは冷静に突っ込んでくるドンカラスの顔面を狙って、『インファイト』を振り抜いた。
焦ったな。ここは『ブレイブバード』じゃなく、隙の少ない『つばめがえし』の連打でプレッシャーをかける場面だった。兄譲りの自慢のブレバだったんだろうが、俺のムクホークは近距離戦を鬼のように仕込んでいるのでこういう時は絶対に負けない。
カウンターで『インファイト』の一撃をテンプルに受けたドンカラスは、力を失ったように地面に落下していった。同時に、ムクホークもゴールにリングを引っかけ、これで今回のポケリンガも俺の優勝となる。
決勝戦後、シンジの所に向かうと、ドンカラスに「敗因は俺の指示ミスだ。しかし、お前にもまだ改善すべきポイントはあった。次までにそこを改善していけ」と、声をかけてボールに戻していた。言い方が前より少しマイルドになっている気がする。
「ドンカラス、大丈夫そうだな。思いっきり急所いったから少し心配してたけど」
「あの急所がなければまだ反撃が間に合ったんだが……こればかりは運だからな」
「俺のムクホークは強かっただろ?」
「強かったは強かったが……『インファイト』の使い方がおかしくないか? ひこうタイプのポケモンが、かくとうタイプのような動きをしていたぞ」
「ケケケ、だから刺さるんだよ」
まさか、ひこうタイプのムクホークから、かくとうタイプ並の『インファイト』が飛んでくるとは思うまい。苦手ないわ・でんき・こおりタイプの内、でんき以外の二タイプが迂闊に場に残れば、その時点でワンキルだって不可能じゃないぜ。
「相変わらず、ビックリ箱のようなバトルをする……」
前にノゾミにも似たようなこと言われたな。
「別に驚かせたいって訳じゃないけどな。ただ、ポケモンバトルは自由だ。ルールさえ守れば、何しようと問題ねぇ。やったもん勝ちなんだよ」
特性、『でんきエンジン』を『10まんボルト』の連打でオーバーフローさせたり、『シザークロス』で『トリックルーム』を破ったりだって出来る――かもしれない。
「やったもん勝ち……か」
シンジも少し考える所があったのか、そう呟くと何やら思考を纏めていた。こいつはもう基礎やある程度の応用は十分できている。後必要なのは、もう一歩先へ向かうためのほんの些細なきっかけだけだ。
追記。優勝の副賞として、スペシャルポケモンフーズを貰ったのだが、気が付いたらヒカリのマンムーが独占してしまっていた。地味にショックを受けていたミカルゲがマンムーと険悪な仲になっている。おいおい、タケシ先生がレシピ再現してくれる(信頼)からそう怒るなって。
原作との変化点。
・第114話『ポケモンコンテスト! アケビ大会!』より、ムサシと同時優勝を決めた。
コジロウとのバトルで、ナナミさんのアドバイスが無意味と察したのか、決勝戦ではムサシが全力でニューサトシとぶつかりあっている。ムサシの技術が上がっているため、ラティとのコンビでも苦戦を余儀なくされた。
・ナナミさんが去っていった。
悪夢のコンテスト地獄に終止符が打たれ、ロケット団が喜んでいる。
・第115話『ワイルドジュンサーと相棒ペラップ!』より、ロケット団が現れなかった。
タイミングよく、開放された瞬間にサカキからギンガ団についての調査を命じられたため、再び各地を回って調べている。そのため、ニューサトシの前に現れなかった。
・第116話『吹雪の中のユキメノコ!』より、ロケット団がいない。
ギンガ団調査のためにシンオウ中を駆け回っている。
・ミカルゲが過去に思いを馳せている。
最近は大分懐いてきたが、まだ完全に吹っ切れてはいない。
・第117話『ロケット団解散!?』より、解散所か出世しそうな勢い。
原作通りに、元ロケット団の後輩と再会したが、特段解散することはなく普通に仕事をしている。また、色違いのメタグロスの話を聞き、意地でゲットした。珍しい個体をボスに献上して、また評価を地味に上げている。
・色違いのメタグロス
計算能力がずば抜けており、未来予知に近い予測でロケット団を苦しめたが、ムサシとコジロウのコンビネーションの前に散っている。
・第118話『ポケリンガ! 天空大決戦!!』より、波動の応用で風が読めるようになった。
このポケリンガを通じて、シンジも何かを掴みかけている。
現在ゲットしたポケモン
ピカチュウ Lv.65
ピジョット Lv.60
バタフリー Lv.60
ドサイドン Lv.62
フシギバナ Lv.60
リザードン Lv.65
カメックス Lv.60
キングラー Lv.60
カモネギ Lv.60
エビワラー Lv.60
ゲンガー Lv.62
コノヨザル Lv.60
イーブイ Lv.60
ベトベトン Lv.60
ジバコイル Lv.60
ケンタロス Lv.60
ヤドラン Lv.60
ハッサム Lv.60
トゲキッス Lv.59
プテラ Lv.60
ラプラス Lv.60
ミュウツー Lv.75
バリヤード Lv.60
イワーク(オレンジ諸島の姿) Lv.58
カビゴン Lv.59
ニョロトノ Lv.59
ヘラクロス Lv.57
メガニウム Lv.57
マグマラシ Lv.57
ラティアス Lv.54
ヘルガー Lv.57
ワニノコ Lv.57
ヨルノズク(色違い) Lv.56
カイロス(部分色違い) Lv.56
ウソッキー Lv.56
バンギラス Lv.61
ドンファン Lv.56
ギャラドス(色違い) Lv.56
ミロカロス Lv.51
ラグラージ Lv.52
オオスバメ Lv.51
ジュカイン Lv.52
ヘイガニ Lv.51
フライゴン Lv.56
コータス Lv.50
キルリア(色違い) Lv.43
オニゴーリ Lv.49
ワカシャモ Lv.47
メタング(色違い) Lv.42
エテボース Lv.41
ムクホーク Lv.40→41
ナエトル Lv.40
ブイゼル Lv.41
ムウマージ Lv.46
カバルドン LV.40
ミカルゲ Lv.56
グライオン Lv.36
ロトム Lv.40