ニューサトシのアニポケ冒険記   作:おこむね

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♯234 『武者震いが止まらないぜ』

 14歳 μ月β日 『シンオウ地方 グランドフェスティバル 一次審査』

 

 遂にグランドフェスティバルが始まった。ホウエンに続き、参加するのは二度目になるが、やはりこの規模の大会は武者震いが止まらないぜ。

 ヒカリも流石に緊張するのか、おニューのドレスを着ながらも表情が硬くなっていた。ちなみにニューサトシの衣装は、前にお世話をしたカタクリタウンの親善大使であるサルビア王女からそれっぽい衣装が送られてきたので、せっかくなので使わせて貰っている。

 

 審査員は相変わらず、コンテスタのおっさん、スキゾーのおっさん、そしてホウエンからミナモ・ノモセ・コトブキのジョーイさんが審査員としてきている。さらに、ヨスガジムジムリーダーのメリッサも今回の特別審査員として御呼ばれしていた。

 

 相変わらず、登場から派手に決めており、俺達の分まで観客のハートを鷲掴みする勢いだ。

 

 一次予選は、コンテスタ・ジョーイ、スキゾー・ジョーイ、メリッサ・ジョーイの三組に分かれてサクッと審査していくらしい。

 ホウエンのグランドフェスティバルでは、参加者を絞るための予備選が存在したが、シンオウのグランドフェスティバルでは一次予選を三か所で分割して時間を短縮しているようだ。

 

 とはいえ、やることはいつものパフォーマンスと変わらない。俺達の知り合いの中だと、ウララが一番手で、二体のイーブイという変わったパフォーマンスを見せている。

 同じポケモンを二体並べるというのは、思えばあまり見ない手法だ――と、思ってると、演技の途中でウララが進化の石を使い、イーブイをブースターとシャワーズへと進化させた。

 

 イーブイからブースター、シャワーズと、次々に姿が変わり、ウララは上手く審査員の心を掴んだようで高評価を得ている。これは俺がイーブイで『アドバンスシフト』の特性を使っても二番煎じになるな。まぁ、一次審査でイーブイを使う予定はなかったが――

 

 続けて、ナオシがチルタリスとコロボーシのコンビで、ムサシがドクケイルとメガヤンマのコンビで、ウララに負けないくらいの演技を見せていた。

 やはり、この一年鎬を削ってきただけあって、知り合いは他の参加者に比べてもレベルが一段高い。さらに、ノゾミがネオラントとトリトドンで、水を使った見事なパフォーマンスを見せる。観客席のカスミさんが悲鳴を上げて喜んでいるのが簡単に目に浮かんだ。

 

 そこから少し間が空き、コジロウがドサイドンとマスキッパという異色のコンビで一次審査を突破していった。つか、ドサイドン捕まえたのあいつかよ。あの巨体のドサイドンが楽しく踊っているのはなかなか笑えて草なんだが――と、思っていると、ニューサトシの番がやってきた。

 

 今回、トップを飾るのはバタフリーとユキカブリのコンビである。地味に捕まえてから、ユキカブリはコンテストにも興味を示しており、今日までずっと練習を重ねてきた。

 

 開幕は、特性の『ゆきふらし』で霰を降らせ、バタフリーが『ぎんいろのかぜ』で霰を巻き込んで美しく輝かせている。

 また、先制技の『こおりのつぶて』を『エアスラッシュ』で砕いて自分達の花火のように破裂させる――という、スズナ直伝の技の応用も披露し、無事に高得点を取らせて貰った。

 

 続けて、ケンゴがフローゼルとエンペルトの華麗な演技を見せつけていくが、欲張ってさらなる大技をしようとした所、エンペルトの『ラスターカノン』と、フローゼルの『うずしお』の合わせ技をミスしてしまっている。

 

 これは得点に響きそうだ――と、思っていると、ヒカリの番がやってきた。

 

 どうやらヒカリはミミロルとヒノアラシのコンビで挑戦するようで、演技も楽しさに重点を当てている。

 ミミロルの『れいとうビーム』でアトラクション顔負けの氷の道を作ると、ヒノアラシの『かえんぐるま』でその道を走らせ、ミミロルが後ろから滑り台を滑るかのように追走していた。

 

 まるで、遊園地のジェットコースターという感じで、二体の良さが伝わってくる。続けて、締めの大技として、『えんまく』の中にミミロルを隠し、その中で『れいとうビーム』を使って、氷のモンスターボールを作るという大技を見せた。

 楽しさは、ヒカリの得意技である『自分の気持ちを周りにも伝播させる演技』の本質だ。見る人を笑顔にする――そのコンテストの根本がヒカリの演技からは感じられる。

 

 そのまま全員の演技が終わると、集計が入り、上位32名の発表がされていく。

 

 各自、次々と一次審査を突破していく中――やはり、ケンゴだけが最後のミスが響いて一次審査を通過することが出来なかった。

 

 ケンゴも覚悟は決まっていたようで、ヒカリにエールを送ってこの場を去っていく。切り替えが早いようで、次のグランドフェスティバルを目指すと意気込んでいた。

 

 ヒカリもまた言葉をかけない。こいつも身に染みてわかっているのだ。勝者が敗者へ言葉をかけても、何を言っても意味がないことを。

 だからこそ、ヒカリは結果で示し続けなければいけない。ケンゴより上の結果を残せたのはまぐれや運ではなく実力だったのだと――全力で。

 

 

 

 14歳 μ月γ日 『シンオウ地方 グランドフェスティバル 二次審査 前編』

 

 朝からヒカリが練習に励んでいる。パッと見はいつもと変わらないように見えるが、昨日のケンゴの敗退を見て、奴の分まで頑張ろうという気持ちと、負けたら自分も終わりという気持ちが混在して落ち着かないようだ。

 今までは前だけしか見ていなかったから意識していなかったのだろうが、今回のグランドフェスティバルは今までのコンテストとは違って、次が一年後だ。負けたら終わりの一発勝負――それを認識して少し気負っているようにも見える。

 

 しかし、そんなヒカリを見て、ノゾミやナオシが声をかけてくれた。ヒカリもライバル達の落ち着いている様子を見て少し緊張がほぐれたのか、自分が優勝すると意気込んでいる。強がりでもそこまで言えれば上等だろう。

 

 二次審査は32人が4ブロックに分けられることになった。1ブロック8名で、3回勝てばセミファイナルに進出できる。このブロックの振り分けも、勝敗を大きく左右しそうだ。

 

 Aブロックはヒカリとウララが振り分けられ、一回戦からぶつかっていた。Bブロックはノゾミとナオシがおり、勝ち進めば三回戦でぶつかる。Cブロックはまさかのムサシとコジロウのロケット団コンビのぶつかり合いで、勝ち進めば二回戦で戦うことになりそうだった。

 そして、Dブロックはぱっと見俺以外に知っている奴が誰も居ない。これをラッキーと見るべきかどうか――勿論、欠片も油断をするつもりはないが。

 

 と、考えていると、早速二次審査の一回戦が始まった。Aブロックから順に行っていくということで、ヒカリとウララがバチバチに火花を散らしている。どうやらヒカリも、いざ本番となったら完全に吹っ切れたようだ。

 思えば、ウララとのコンテストバトルもこれで三度目――今までは全て勝利を収めてきているが、ウララも決して気が抜ける相手ではない。

 

 ヒカリもそれは重々承知しているようで、一回戦から隠し玉を出してきた。パチリスとユキメノコのコンビで挑戦してきたのである。

 

 どうやら俺達にも内緒でユキワラシを進化させていたらしい。後から聞いた話によると、ヒカリのママさんにお願いしてこっそりと、めざめいしを受け取っていたと言っていた。つまり、前にスクールの手伝いをした時には、既に進化の目途が立っていたということになる。

 

 いつも一緒に居る俺達にすら内緒で、ヒカリはユキメノコの存在を隠していた。おそらく、練習も俺達が寝静まった後や朝早くにやっていたのだろう。

 本来であれば、もっと後半に出したかった切り札のはずだが、ヒカリはウララを倒すためにその切り札を出してきた。その意味を理解したウララもまた、ヒカリが本気だとわかって嬉しそうにガバイトとブースターを出してくる。

 

 開幕からヒカリは大技を披露するつもりのようで、ユキメノコに『ゆきげしき』を指示してきた。

 これにより、フィールドが雪状態になる。続けて、『オーロラベール』で美しさを強調しつつ、5ターンの間、自分と相手が受ける物理・特殊攻撃のダメージが半分になった。

 

 ウララのポイントが10削られるが、これはあくまでも仕込み段階――ヒカリは即座にパチリスに『スパーク』を指示した。美しいオーロラと電撃の共演で、さらにウララのポイントが10削られていく。

 

 しかし、ウララもやられるだけではなかった。ヒカリが仕込みをしている間に、ガバイトが『あなをほる』で地中に姿を隠し、ブースターは力を貯めていたようで、ヒカリの演技と同時に動き出している。

 地中からガバイトがパチリスを吹き飛ばしつつブースターへの電撃を防ぎ、ブースターは『にほんばれ』と『だいもんじ』で盛大に大きな花火を打ち上げていく。天候が晴れに変わり、『オーロラベール』は効果こそ失っていないものの、その美しさも半減させられていた。

 

 また、『だいもんじ』による花火でもウララはポイントを稼ぎ――合計30ポイントを奪っている。ヒカリも負けじと、『れいとうビーム』で反撃していくが、ガバイトが『かげぶんしん』で攻撃を回避してさらに10ポイントが削られてしまった。

 

 だが、ヒカリもすぐに対応してくる。パチリスに『スピードスター』を指示して、ガバイトの『かげぶんしん』を全て消した上で本体にもダメージを与えた。これでウララのポイントがさらに15削られる。が、ウララもブースターの『ふんえん』で反撃してきた。

 

 パチリスの『スピードスター』を打ち消しながら、二体にダメージを与えようとしてくる。しかし、ヒカリは咄嗟にパチリスに『ひかりのかべ』を指示し、さらにユキメノコの『れいとうビーム』で氷の盾を作るという機転で『ふんえん』を凌いだ。

 

 これで、さらにウララのポイントが10削られる。だが、ウララもここで切り札を切ってきた。

 

 ガバイトの『りゅうせいぐん』とブースターの『スピードスター』の合わせ技で、空中から星の雨が降り注ぐ。強力な『りゅうせいぐん』の特性に、『スピードスター』の全体攻撃必中性能が加わり、回避不能の強力攻撃と化していた。

 

 ヒカリのポイントが一気に20削られる。

 

 しかし、ヒカリも即座に反撃していった。ユキメノコの『れいとうビーム』でパチリスを氷の球体に包み込み、中で『ほうでん』を発動させながら突進していく。前にスクールで見せた氷のシャンデリアだ。

 

 だが、前に同じような技であるフレイムアイスを見たことがあるウララはしっかり対策してきていた。ガバイトの『あなをほる』で地面に潜り、ブースターもそれに続くことで攻撃を回避していく。

 技の美しさだけでウララのポイントは15削られたが、攻撃が外れたことでヒカリのポイントも10削られてしまった。

 

 ここでウララが追撃をかけてくる。地面から飛び出したガバイトとブースターが、『ドラゴンダイブ』と『フレアドライブ』の同時攻撃で、単独になっていたユキメノコに攻撃を仕掛けてきたのだ。

 

 これが決まればポイント的にも致命傷――だが、ヒカリは咄嗟に『まもる』で攻撃を凌いだ。二体の攻撃を受けきったことで、逆にウララのポイントが10削られていく。

 

 また、ユキメノコは攻撃を受けた反動を上手く使ってパチリスとも合流を果たしていた。

 

 時間的にも次が最後の技となる――ウララは再び『ドラゴンダイブ』と『フレアドライブ』の同時攻撃を仕掛けてきた。『りゅうせいぐん』の後遺症で、特攻が二段階下がっているが故に、物理技での豪快な演技の方が栄えると判断したのだろう。

 

 対するヒカリもまた、再び氷のシャンデリアで責めるつもりのようだった。ユキメノコの『れいとうビーム』でドームを作り、中に入ったパチリスが突撃していく。

 どうやらヒカリも最後の技として、事前に『じゅうでん』をパチリスに使わせていたようで、氷の中で発する『ほうでん』は先程の時よりも強く美しくなっていた。

 

 お互いのとっておきがぶつかり合っていく。

 

 しかし、勝敗を分けたのは観察力だった。パチリスは、先程ユキメノコが受けたガバイトとブースターの同時攻撃をしっかり見ていた――『まもる』で攻撃を全て弾けたということは、二体の攻撃は全く同時に行われており、その連携を崩せば勝機があると察していたのだ。

 

 故に、パチリスは氷を敢えてガバイトにぶつけることで二体の動きをバラバラにし、割れた氷の中から強化された電撃をブースターにぶつけることで同時攻撃を攻略した。

 

 ウララのポイントが一気に30削られ、0となる。同時に、タイムアップとなり、Aブロック一回戦第一試合はヒカリの勝利となった。

 

 無理に攻撃に出ず、『あなをほる』で逃げれば、ウララにも勝機はあったかもしれない。けど、ウララはヒカリから逃げる択を取りたくなかったのだろう。何だかんだ会えば嫌味ばかり言ってくるが、ウララにとってヒカリはライバルだ。

 

 仮にそれで負けるとしても、ライバルから逃げるなど出来ない。ウララの堂々とした姿はそう物語っていた。

 

 頑張ったガバイトとブースターを労い、ウララが去っていく。その表情は凛としたものではあったが、握られた拳からは溢れるくらいの悔しさが感じられた。

 

 ヒカリもまた強敵との戦いに勝利して一安心している。今回の勝負も、最後の最後までどちらに転ぶかはわからなかった。それでも紙一重で勝てたのは、ヒカリがこれまで積み重ねてきたことの成果が出たからだ。ウララも、それはわかっているだろう。

 

 そのまま各グループの試合は続き、ノゾミ、ナオシ、ムサシ、コジロウも無事に一回戦を突破した。

 

 俺も一回戦はゲンガーとムウマージのゴーストコンビで突破している。ホウエンの時はまだ探りながらだったが、シンオウの旅ではシンオウ組はバトルの外にしっかりコンテストの練習をしているので、古参組よりも上手かったりするのだ。

 

 故に一次審査でも、新参のユキカブリを採用している。今回の二次審査一回戦も、元気に動き回るゲンガーをムウマージがフォローするという先輩と後輩が逆のパターンで上手く相手を翻弄した。

 

 二次審査の一回戦は16試合もあるので、今日は一回戦が終了したら終わりとなる。ホウエンでは最後までぶっ通しだったが、シンオウでは各試合の振り返りなどがあったりして一日のスケジュールにかなりゆとりを取っているらしい。

 

 明日は二次審査の二回戦と三回戦。そして、明後日がセミファイナルとファイナルとなり、勝てば晴れて優勝となる。

 

 明日の目玉は、ノゾミVSナオシ、ムサシVSコジロウだろう。言っては悪いが、俺とヒカリはおそらく消化試合になる。勿論、俺もヒカリも手を抜く気はない――が、一回戦の試合を見たことで他に有力な選手もいないことがわかった。

 油断さえしなければ負けることはまずないので、今回のグランドフェスティバルは間違いなく俺達の中から優勝者が出ることになるだろう。

 

 

 




 原作との変化点。

・第174話『グランドフェスティバル開幕! 炎と氷のアート!!』より、ケンゴが原作通りに敗退した。
 原作のように別れることはなく、ヒカリは前だけを見ていた。。

・第175話『マンムー、パチリス! 決めろ氷のシャンデリア!!』より、マンムーの代わりにユキメノコをチョイスした。
 前にスクールで隠れてい受け取っていたもの、数日前に進化させて隠れて練習していた。



 現在ゲットしたポケモン

 ピカチュウ Lv.65

 ピジョット Lv.60

 バタフリー Lv.60

 ドサイドン Lv.63

 フシギバナ Lv.60

 リザードン Lv.65

 カメックス Lv.60

 キングラー Lv.60

 カモネギ  Lv.60

 エビワラー Lv.60

 ゲンガー  Lv.62

 コノヨザル Lv.60

 イーブイ  Lv.60

 ベトベトン Lv.60

 ジバコイル Lv.60

 ケンタロス Lv.60

 ヤドラン  Lv.60

 ハッサム  Lv.60

 トゲキッス Lv.60

 プテラ   Lv.60

 ラプラス  Lv.60

 ミュウツー Lv.76

 バリヤード Lv.60

 イワーク(オレンジ諸島の姿) Lv.58

 カビゴン  Lv.60

 ニョロトノ Lv.59

 ヘラクロス Lv.57

 メガニウム Lv.58

 バクフーン(ヒスイの姿) Lv.58

 ラティアス Lv.54

 ヘルガー  Lv.57

 ワニノコ  Lv.57

 ヨルノズク(色違い) Lv.56

 カイロス(部分色違い) Lv.56

 ウソッキー Lv.56

 バンギラス Lv.61

 ドンファン Lv.56

 ギャラドス(色違い) Lv.56

 ミロカロス Lv.51

 ラグラージ Lv.52

 オオスバメ Lv.51

 ジュカイン Lv.52

 ヘイガニ  Lv.51

 フライゴン Lv.57

 コータス  Lv.50

 キルリア(色違い) Lv.44

 オニゴーリ Lv.49

 ワカシャモ Lv.47

 メタグロス(色違い) Lv.45

 エテボース Lv.43

 ムクホーク Lv.42

 ナエトル  Lv.42

 ブイゼル  Lv.43

 ムウマージ Lv.46

 カバルドン LV.41

 ミカルゲ  Lv.56

 グライオン Lv.40

 ロトム   Lv.41

 ユキカブリ Lv.38

 フカマル  Lv.27


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